- 英
- embolism
- ラ
- embolia
- 同
- 塞栓形成 thrombus formation
- 関
- 塞栓、塞栓形成、塞栓術、塞栓療法、塞栓化
WordNet
- an insertion into a calendar (同)intercalation
- occlusion of a blood vessel by an embolus (a loose clot or air bubble or other particle)
PrepTutorEJDIC
- 塞栓(そくせん)症(血管に塞栓が詰まること)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/24 10:32:52」(JST)
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塞栓(そくせん、英: embolism、羅: embolus)は、栓子(血塊などの塊,単数形 embolus 複数形 emboli)が血液中に遊離し、塊によって血管が塞がれ、血流が遮断されてしまうこと。塞栓症ともいう。
目次
- 1 塞栓の種類
- 2 原因
- 3 基礎疾患
- 4 臨床像
- 5 関連項目
- 6 脚注
- 7 外部リンク
塞栓の種類[編集]
- 血栓性塞栓症
- 血栓の一部もしくは全部が剥離して遠隔部に運ばれ、その部位に塞栓を起こす。塞栓症の中で最も多い。一般には塞栓症と呼ばれる。静脈血栓が多い。心房細動によるもの、下肢のエコノミークラス症候群、ループスエリテマトーデスや抗リン脂質抗体症候群などがよく知られている。
- アテローマ塞栓症
- 動脈硬化病巣の破片(アテローマなど)が原因となる。頸動脈や脳動脈でしばしばみられる。
- 腫瘍塞栓症
- がん細胞が血管内へ侵入し、血管破壊をして、多くは静脈系で塞栓を形成する。
- 脂肪塞栓症
- 多くは骨折により起こる。骨髄の脂肪組織が血管内に流入して起こる。大腿骨や脛骨などの長管骨骨折の90%で起こる。
- 気体塞栓症、空気塞栓症、ガス塞栓症
- 空気の血管内圧入もしくは血中窒素ガスの血管内分離によって起こる。潜水病が代表。静脈性は輸血中の空気誤入や人工透析、血管造影などで起こる。動脈性は胸部手術、気胸、肺の刺創で肺静脈枝から空気が入る場合に起こる。
- 骨髄塞栓症
- 骨折や閉鎖性心マッサージ時の肋骨骨折や胸部穿刺などでは肺動脈塞栓が見られる。
- 羊水塞栓症
- 子宮内胎児死亡、稽留流産、常位胎盤早期剥離、前期破水などが基礎疾患となり、胎児の皮脂等の胎児成分が母体内血中に流入し、肺の微小血管に詰まることにより発症する説と、羊水中の化学活性物質を原因とする説がある。また、帝王切開におけるリスク増大の調査結果も報告されている[1]。
- 細菌・真菌塞栓症
- 病巣から細菌塊・真菌塊が流入して塞栓症を起こす。
- 寄生虫(卵)塞栓症
- 寄生虫や寄生虫が宿主体内で産出した卵より血管に塞栓が起こる。寄生虫卵による塞栓においては、住血吸虫は静脈に住み、腸或いは膀胱で産卵、卵は小血管中粘膜に定着し栓塞の状態となる。さらに静脈に流され肝内に栓塞を生じる。マンソン住血吸虫の卵は肺に、日本住血吸虫の卵は脳に塞栓症を起こす。異形吸虫の卵は腸粘膜から静脈に流れ、心臓、脳、脊髄に重篤な塞栓症を起こす。
原因[編集]
- 生体内:血栓物質、脂肪、腫瘍、羊水、菌塊など
- 生体外:空気、窒素など
基礎疾患[編集]
臨床像[編集]
一般には血流が遮断されることで、虚血性の病態を生じ、最悪には壊死に至る。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 日本産婦人科・新生児血液学会 (2013年8月12日). “羊水塞栓症”. 2013年8月12日閲覧。
外部リンク[編集]
UpToDate Contents
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- 1. 急性肺塞栓症の診断 diagnosis of acute pulmonary embolism
- 2. 急性肺塞栓症の治療 treatment of acute pulmonary embolism
- 3. 脂肪塞栓症症候群 fat embolism syndrome
- 4. 急性肺塞栓症の概要 overview of acute pulmonary embolism
- 5. 空気塞栓症 air embolism
Japanese Journal
- 下肢外傷に伴い肺血栓塞栓症にて死亡した2症例の検討
- 石綿 翔,荒 毅,柳澤 信明,大澤 敏久,新井 厚
- The Kitakanto medical journal 62(1), 76-77, 2012-02-01
- NAID 120003874214
- 〈モーニングセミナーから〉抗血栓薬服用患者および出血性素因を有する患者の歯科観血的処置について--医科と歯科との連携で安全に処置を行うために
- 栗本 聖之,中原 寛和,榎本 明史,内橋 隆行,内橋 俊大,濱田 傑
- 近畿大学医学雑誌 36(3-4), 167-171, 2011-12
- … 高齢化社会を迎えた我が国において,動脈硬化や心房細動に由来する血栓症や塞栓症の予防目的に抗血栓薬の服用をしている高齢者が増加している.特にそのような患者には,抜歯を含めた観血的歯科治療を行う機会が多く,安全な歯科治療を行うためには,医科と歯科の連携を緊密にする必要性が高まっている.今回われわれは,抗血栓薬服用患者に処方医と連携のもと薬の服用を継続し抜歯を行った症例,出 …
- NAID 120003779923
Related Links
- もくじ はじめに 「肺塞栓症」ってどんな病気? どんな症状が? 息苦しさ 息を吸うときの胸痛 失神やショック 心筋梗塞や脳梗塞との違い 脚のはれや痛み、皮膚の色の変化 どんな状態で起こりやすいのか? エコノミークラス症候群
- ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 - 塞栓症の用語解説 - 血管やリンパ管内で生じた栓子や,血管外から侵入した異物によって小血管の内腔がふさがれて起る病気。心臓内に生じた血栓によることが多く,骨折や外傷の際,破壊 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- splenomegaly
- 関
- 脾臓
定義
- 脾臓が腫大した状態(250以上(正常は90-120g))
- 脾の大きさは長径と重量がよく相関し、超音波診断では長径×短径(SI スプリーンインデックス)が脾腫の指標となる。
- 正常の2倍程度となると脾腫として左季肋部で診察可能となる
- 慢性骨髄増殖症候群、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、遺伝性溶血性貧血、フェルティ症候群、マラリアでは巨大脾腫を認める。
頻度
- 急性ウイルス感染の約50%、銃声細菌感染症の約20%、慢性肝疾患の50-70%、溶血性貧血で約70%、血液造血器疾患で約40%に出現する。(IMD.544)
症状
- ほぼない。
- 胃か圧排するほど大きくなれば、胃の膨満感が出現しうる。
診察
- 仰臥位で右季肋部を触診
- 小児では触れても良いが、健常成人では触れない。触れたら異常である。
- 臍まで脾臓を脾臓を触知できる場合を特に巨脾という。
- 打診または触診で診察する
打診
- IMD 544
Nixon法
- 右側臥位とする
- 後腋窩線上を胸部から腹部に向かい打診する。
- 肺鼓音から濁音に変わった部位から左肋骨弓に直角に向かい打診をする。
- 正常では濁音界が6-8cmであるが、8cmを超えた場合異常と判断する。
Castell法
- 仰臥位とする
- 第8または第9肋間は正常では鼓音であるが、濁音であれば異常と判断する。
Traube法
- 左第6肋骨上縁と左中腋窩線および左肋骨弓に囲まれた部位を(トラウベ半月腔)という。
- 空腹時、通常の呼吸ではこの領域は鼓音であるが、濁音であれば異常と判断する。
検査
- 腹部エコー、腹部CT
- 腹部エコーで長径が10cmを超えると脾腫と判断しうる
鑑別疾患
病因による鑑別
- V 血管:全身性うっ血(心不全)、門脈系うっ血(肝硬変、門脈血栓症)
- I 感染症:細菌性心内膜炎、伝染性単核球症、結核、梅毒、エキノコックス、日本住血吸収症、マラリア
- N 血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、骨髄線維症、慢性骨髄増殖症候群)
- D
- I
- C 血液系疾患(溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症、サラセミア)、悪性貧血、特発性血小板減少性紫斑病)、免疫異常(関節リウマチ、フェルティ症候群、全身性エリテマトーデス)、蓄積病(ムコ糖質蓄積など)、嚢胞性疾患
- A
- T
- E
病態による鑑別疾患
- 脾臓は巨大なリンパ器官と考えられるために、原因は組織を考えれば鑑別を挙げることが容易となる。
治療
[★]
- 英
- pathology
- 関
細胞障害
炎症
創傷治癒
循環障害
免疫異常
遺伝性疾患
腫瘍
代謝障害
-
-
環境と疾患
参考
[★]
- 英
- septic emboli
- 関
- 敗血症、心内膜炎、塞栓症
- 直径0.5-3cmの円形もしくはくさび形の結節を形成し、下葉の末梢に好発する。空洞形成が見られるのが一般的で、空洞の壁は薄い。CTで胸膜下の病変に対して、(病変に進入していくものと言うよりむしろ)その病変の周辺もしくは肺静脈を通る栄養血管を認めることがある。(参考1)
参考
- http://www.uptodate.com/contents/differential-diagnosis-and-evaluation-of-multiple-pulmonary-nodules
[★]
- 英
- embolization
- 関
- 塞栓、塞栓形成、塞栓症、塞栓療法、塞栓化
- 脳神経外科:脳大動脈瘤、脳動静脈奇形
- 上部消化管:気道出血
- 下部消化管:腸管出血
[★]
- 関
- chemoembolization、emboli、embolic、embolism、embolize、embolus
[★]
- 英
- amniotic embolism, amniotic fluid embolism
- ラ
- embolia liquolis amnii
- 関
- 産科ショック。肺塞栓症
概念
- 妊婦の破水後、特に分娩開始後に、羊水成分が母体内に流入して引きおこされる急性呼吸循環不全および播種性血管内凝固症候群(DIC)を呈する重篤な病態である。
- 発症頻度は6-8万分娩に1例であるが、母体の死亡率は60-80%と著しく高い。
- 歴史的には1941年SteinerとLushbauchの報告が最初とされている(PMID 3514978 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3514978/)。
- 病態生理は明らかではないころが多い。
- 診断が難しく、死亡率が高いために医療過誤を疑われることが多い。
病態生理
- 羊水成分・胎児成分(胎児扁平上皮、ムチン、胎便など)が母体の静脈に入り、肺血管に塞栓を生じる。急性肺循環不全や急性右心不全、また羊水成分によりDICを起こし、性器出血にて死亡に至る。
- 病態としては肺血管閉塞→肺高血圧→呼吸循環不全、播種性血管内凝固、SIRSの流れで起こる。
- 羊水成分の血液内の流入は、卵膜破綻した後に、子宮筋層断裂部や子宮内腔に露出する欠陥破綻部から起こるとされている
- 胎児成分による物理的な閉塞、ないし血管攣縮性物質による肺血管攣縮により肺血管抵抗が上昇して肺高血圧を来たし、左室の機能低下、低酸素血症を来す
- 羊水中の組織因子やプロテアーゼなどの血管内への流入により血管内血液凝固が引きおこされ、血管内皮障害を来すとされる。
リスク因子
- 経産婦
- 高齢妊娠
- 過強陣痛
- 陣痛促進剤
- 潜在性子宮破裂
- 羊水混濁
症状
- 分娩中ないし分娩直後に多く、経腟分娩が殆どである。
- 初発症状は胸部苦満、呼吸困難(呼吸促進、気管支収縮)、不穏状態、血圧低下がありうる。産道出血や痙攣発作が初発症状となる場合もある。
- 発症後は急激に呼吸・循環不全、DICによる出血症状、ショックが出現するが、次第にARDSを呈し予後不良の経過を辿ることが多い。
診断
- 緊急で施行できる確定診断法は乏しい。
- 中心静脈圧測定用のカテーテルから右心血を採取し、遠心した沈渣の塗沫標本により胎児性分を証明することである。酸性粘液多糖類染色法(コロイド鉄、トルイジンブルー、アルシアンブルーなど)で胎便成分のムチンを染色する。
治療
- 確立した予防方法も治療方法もない。
- 呼吸循環管理
- DICに対する支持的治療
国試
[★]
- 英
- cerebral air embolism
- 関
- 空気塞栓症、肺空気塞栓症
- 脈管系に流入・発生した大量のガスの泡が、血流を障害・閉鎖するために起こる。
- 脳血管に流入すると脳梗塞を起こすことがある。
- 外傷または手術の際、静脈洞や太い静脈に損傷が起き、その部が陰圧の場合には大量の空気が流入し、心臓に近い静脈、右心房、右心室に空気塞栓を来し突然の心不全を引き起こす。
[★]
- 英
- pulmonary thromboembolism
- 関
- 肺梗塞、肺塞栓症
[★]
- 英
- paradoxical embolism
- 同
- 交叉性塞栓症 crossed embolism
[★]
- 英
- arterial embolism
- 関
- 動脈塞栓
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- embolus, (pl.)emboli
- 関
- 塞栓症