乳糜胸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/29 17:31:03」(JST)
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乳び胸(乳糜胸-にゅうびきょう、英: chylothorax)は、胸管から漏出した乳び(乳糜:腸管からの脂肪球を含むリンパ球)が胸腔内に貯留した状態。原因は先天性、外傷性、非外傷性に分類されるが、通常は原因の特定は困難。呼吸困難を示す。確定診断は滲出液の検査により行われ、中性脂肪値、コレステロール値は血清よりも高い値を示す。中性脂肪値が血清と同等あるいはそれ以下の場合は偽乳び胸(pseudchylothorax)と呼ばれる。
目次
- 1 ヒトでの乳糜胸
- 2 脚注
- 3 関連項目
- 4 参考文献
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ヒトでの乳糜胸
胸腔穿刺により、著しく白濁した乳糜様胸水を採取し診断される。胸水中の中性脂肪は高値である。[1][2] 機序としては
- 1 胸管の破綻
- 悪性腫瘍、外傷・手術による胸管損傷、リンパ増殖性疾患によるリンパ管閉塞など。
- 2 長期にわたる胸水貯留による胸膜変化の結果
- 肺結核・関節リウマチ、原発性マクログロブリン血症など。
と言われている。[3]
脚注
- ^ Light RW: PLEURAL DISEASES. Fourth Edition. 2007, 346-361.
- ^ Hillerdal G: chylothorax and pseudochylothorax. Eur Respir J 10: 1157-1162, 1997.
- ^ 日内会誌 99: 2607-2609, 2010
関連項目
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 手術症例報告 特発性乳び胸に対して左開胸下胸管結紮術を施行した1例
- 陳旧化した結核性胸膜炎が原因と考えられる乳び状胸水(chyliform pleural effusion)を認めた1例
Related Links
- にゅうびきょう。 胸腔に存在するリンパ管(胸管)から乳びが漏れ、胸腔内に溜まった状態のこと。乳びとは、脂肪や脂肪酸が乳化し、リンパに混ざった乳白色の体液のこと。乳び胸の症状として、食欲がなくなる・息切
- 医学生時代に知識の整理のために書き留めておいたメモの集積です。 ... chylothrax 概念 胸管のリンパ液が胸腔内に貯留した状態 胸膜外に溜まったリンパ液が胸膜を破って胸腔内に流入してくる
- ,浜松市中区佐藤にあるルナ動物病院 院長のブログです。 動物病院の先生は日頃こんなこと・あんなことを感じています。おたのしみください。 ... 『乳ビ胸』 という病気はご存知でしょうか? 胸腔内のリンパ管(胸管)から、 リンパ液が ...
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★リンクテーブル★
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- 65歳の男性。右前胸部の疼痛を主訴に来院した。2か目前から乾性咳嗽と労作時の呼吸困難とが出現し、徐々に増悪した。16歳から60歳まで自動車整備工をしていた。喫煙は20本/日を45年間、意識は清明.身長168cm、体重54kg、体温37.0℃。脈拍76/分、整。血圧130/90mmHg、胸部右側の呼吸音の滅弱を認める。血液所見:赤血球429万、Hb14.6g/dl、Ht45%、白血球4,100、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン3.5g/dl.AST 22IU/l、ALT 9IU/l、LDH 128IU/l(基準176~353)。CRP O.2mg/dl。穿刺排液した胸水は黄色混濁で、比重1.019。蛋白5.2g/dl、LDH 151IU/l、アデノシンデアミナーゼ 45.OIU/l(基準50以下)、ヒアルロン酸高値。一般細菌および抗酸菌培養は陰性で、結核菌のPCR検査も陰性であった。胸部単純CTを以下に示す。確定診断のため、胸腔鏡下で壁側胸膜上の結節を生検した。生検組織のH-E染色標本とカルレチニン免疫組織染色標本とを以下に示す。CEAによる免疫組織染色は陰性であった。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A053]←[国試_102]→[102A055]
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- 71歳の男性。肺癌術後 2日で入院中である。 2日前、右上葉肺癌のため右上葉切除とリンパ節郭清術を行った。術中出血量は 65 ml、手術時間は 3時間 10分だった。手術後の経過は順調で手術翌日から食事を開始した。しかし術後 2日から胸腔ドレナージの排液量は 500 mlに増加し、排液の性状は淡血性から黄白色混濁となった。喫煙は 20本/日を 50年間。意識は清明。身長 160 cm、体重 65 kg。体温 37.0℃。脈拍 84/分、整。血圧 120/74 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 98% (鼻カニューラ 1 l/分酸素投与下 )。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めないが、呼吸音は右側で軽度減弱している。血液所見:赤血球 362万、Hb 12.4 g/dl、Ht 36%、白血球 7,700、血小板 25万。 CRP 2.4 mg/dl。心電図に異常を認めない。術後 2日のポータブル胸部エックス線写真 (別冊 No.7A)と胸腔ドレナージ排液 (別冊 No.7B)とを別に示す。
- この患者の術後合併症として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A025]←[国試_108]→[108A027]
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- 30歳の初妊婦。妊娠34週3日。自宅近くの産科診療所の腹部超音波検査で、羊水過多と胎児胸部腫瘤とを指摘されたため、紹介されて受診した。胎児心拍数陣痛図に異常を認めない。内診で子宮口は閉鎖している。腹部単純MRIのT2強調像(別冊No.3)を別に示す。
- 胎児の診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107A020]←[国試_107]→[107A022]
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- 80歳の男性。3か月前から微熱が続き、時々膿性痰を喀出していた。
- 25歳時に肺結核症のため左胸郭形成術を受けた。呼吸数24/分。脈拍96/分、整。血圧146/90mmHg。胸部の打診で左背部に濁音を認める。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A011]←[国試_098]→[098A013]
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- 60歳の男性。咳嗽と労作時の呼吸困難とを訴えて来院した。20年間自動車部品製造業に従事した職歴がある。来院時の胸部エックス線写真と造影CTとを以下に示す。入院後に胸腔穿刺により採取した胸水の細胞診は陰性で、ヒアルロン酸値が増加していた。診断はどれか。
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※国試ナビ4※ [095D015]←[国試_095]→[095D017]
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※国試ナビ4※ [111G038]←[国試_111]→[111G040]
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※国試ナビ4※ [099B041]←[国試_099]→[099B043]
[★]
- 英
- chylothorax
- 同
- (国試)乳び胸
- 関
- 偽乳糜胸、乳び胸症、乳び胸水
[★]
- 英
- chylothorax
- 関
- 乳糜胸、乳び胸症、乳び胸
[★]
- 英
- chylothorax
- 関
- 乳糜胸、乳び胸、乳び胸水
[★]
- 英
- chest、breast、thoracic、pectoral
- 関
- 胸郭、胸筋、胸腔、胸髄、胸椎、胸部、乳房
[★]
- 英
- milk, (pref)lacto
- 関
- ラクト、乳汁、ミルク