- 英
- Usher syndrome、Usher's syndrome
- 関
- Usher症候群
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/08 21:25:19」(JST)
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アッシャー症候群(―しょうこうぐん、英:Usher syndrome)は、比較的希な常染色体劣性の遺伝子疾患で、難聴と網膜色素変性を併発する。現在、10の遺伝子の変異が原因であることが分かっている。現在治療法は確立されていないが、将来遺伝子治療によって直すことが出来るようマウスを使った実験が進められている。
目次
- 1 症状
- 1.1 Type I
- 1.2 Type II
- 1.3 Type III
- 2 原因遺伝子
- 2.1 Type Iの原因遺伝子
- 2.2 Type II の原因遺伝子
- 2.3 Type III の原因遺伝子
- 3 歴史
- 4 外部リンク
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症状
アッシャー症候群は、難聴と、徐々に失われていく視力で特徴付けられる。難聴の原因は内耳の障害に因り、視力の障害は網膜の細胞が変性することによって起こる網膜色素変性が原因である。通常は網膜の桿状体細胞が先に障害され、この為夜盲症が起こり、徐々に周辺視力が失われていく。一方、黄斑にある錐体細胞が先に失われるために、中心視力が失われる場合もある。
臨床的には、三種類のタイプに分類され、Type I, II, IIIと呼ばれる。
Type I
Type Iのアッシャー症候群は、生まれつき殆ど音が聞こえず、早い時期に網膜色素変性が始まる。このタイプの疾患を持つ患者は、平衡感覚障害(前庭の異常による))も持っているために歩き始めるのが遅い。
Type II
Type IIのアッシャー症候群の場合は、生まれつき音が全く聞こえないわけではないが、やはり難聴がある。平衡感覚には明かな障害はない。10歳台までには視力も失われ始めるが、中年になるまである程度の視力を保つこともある。
Type III
Type IIIのアッシャー症候群の場合には、生まれつきの難聴は無いが、次第に聴覚と視力が失われる。平衡感覚は障害される場合とされない場合の両方がある。
原因遺伝子
Type Iの原因遺伝子
- CDH23
- MYO7A
- PCDH15
- USH1C
- USH1G
これらの遺伝子は、どれも内耳構造の発生と維持に関係しており、特に音や動きによる信号を脳に伝える有毛細胞の働きに重要な役割を果たしている。これらの遺伝子は、網膜の発生と維持にも重要な働きをしている。
Type II の原因遺伝子
Type III の原因遺伝子
歴史
アッシャー症候群は、イギリスの眼科医 Charles Usherによって名付けられた。Usherは1914年に69人の患者について病理学的、および遺伝学的な報告をしている。しかし、実際には同じ症状が1858年に眼科医 Albrecht von Gräfeによって既に報告されていた。
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 中西 啓,岩崎 聡,姜 洪仁,橋本 泰幸,水田 邦博,峯田 周幸
- Otology Japan 18(4), 265, 2008-09-16
- NAID 10025821683
- 盲ろう(視覚・聴覚重複障害)学生の教育、日常生活支援方法に関する研究
- 佐藤 正幸,岡本 明,渡部 安雄 [他]
- 筑波技術大学テクノレポート 13, 57-61, 2006
- 本研究は、本学に在籍する盲ろう(視覚・聴覚重複障害)学生の教育、日常生活支援方法について検討したものである。実際の支援活動を通じて、夜間時における歩行訓練、歩行にあたっての設備面での配慮、コミュニケーションにおける支援が課題として出された。これらの支援活動を基に、本学で盲ろう学生を受け入れるための提言を行った。
- NAID 120003042412
Related Links
- アッシャー症候群 サンドラ・L.H.デイヴンポート、医学博士 感覚系遺伝学/神経発達 (The Hereditary Hearing Impairment Resource Registry http://www.boystown.org/hhirr/index.htm 掲載記事) <仮訳と訳注、中澤惠江> 全ての聾 ...
- 難聴の程度、視覚障害の程度ともばらつきが大きいが、難聴・視覚障害とも進行性の経過をたどるケースが多くい。視覚障害に関しては効果的な治療法は開発さ れていいない。聴覚障害に関しては、補聴器・人工内耳の早期からの装用 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pigmentary degeneration of the retina
- ラ
- degeneratio pigmentosa retinae, retinitis pigmentosa
- 関
- 網膜色素変性、色素性網膜症、色素性網膜炎、桿体錐体ジストロフィー、色素上皮網膜変性、夜盲症、難病
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概念
遺伝形式
症状
- 症状は通常両眼性である。進行は緩徐に進行する。
- 夜盲
- 視野狭窄:輪状暗点(初期)、求心性視野狭窄(末期)
- 視力低下:周辺視力低下、最終的には失明、。
検査
- 眼底検査:網膜動脈狭細化、蝋状の視神経乳頭萎縮、骨小体様色素沈着(必ずしも見られない)
- 傾向眼底検査
- 暗順応検査
- 網膜電図:(初期から見られる)振幅低下・消失
- 視野検査:(初期)輪状暗点、求心性視野狭窄
認定基準
- 参考1
-
- 網膜血管狭小
- 粗糙胡麻塩状網膜(ごま塩眼底??)
- 骨小体様色素沈着
- 白点状
- 2) 網膜電図の振幅低下又は消失
- 3) 蛍光眼底造影所見で網膜色素上皮萎縮による過蛍光
合併症
網膜色素変性を伴う疾患
網膜色素変性の類変疾患(網脈絡膜変性疾患)
- →網脈絡膜ジストロフィー
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/337
- http://homepage1.nifty.com/jibiaka50/nantyoumoumaku.htm
- 3. [charged] Retinitis pigmentosa: Clinical presentation and diagnosis - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- Senear-Usher syndrome
- 関
- Senear-Usher症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候