- 英
- missed abortion
- ラ
- abortus internus
- 関
- 死胎児症候群、胎児死亡
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国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/07 17:09:04」(JST)
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流産(りゅうざん、英: spontaneous abortion, Miscarriage)は、妊娠の継続が停止することを指す。
ここでは自然妊娠中絶という意味の流産について記述する[1]。
目次
- 1 疫学
- 2 原因
- 3 種類
- 3.1 切迫流産(Threatened abortion)
- 3.2 進行流産(Inevitable abortion)
- 3.3 完全流産(Complete abortion)
- 3.4 不全流産(Incomplete abortion)
- 3.5 稽留流産(Missed abortion)
- 3.6 化学的流産(Chemical abortion)
- 4 臨床像
- 5 転用
- 6 関連項目
- 7 注
疫学
全妊娠の8 - 15%に生じる[要出典]。
周産期医療の発達した2009年現在も24週未満の早産は予後不良な場合が多い。流産では12週未満に起こった場合は染色体異常が原因のことが多く早期流産という。また12週以降では羊膜絨毛膜炎が原因であることが多い。自然流産の発生頻度は15%程度である。そのため3回以上流産をする確率は0.5%未満であると考えられ、3回以上の流産が連続する習慣流産では何らかの異常が疑われ精査が必要となる。40歳以上では自然流産の確率は25%と高くなる。これは染色体異常の頻度が高くなるためであり、羊水の性状とは関係はないと考えられている。少量の性器出血、軽度の下腹部痛を呈し、内子宮口が未開大である場合は切迫流産の可能性が高い。性器出血に加え、陣痛様の下腹部痛を呈し、内診にて子宮口の開大が認められる場合は進行流産を疑う。切迫流産の場合は妊娠の継続が可能な場合もあるので安静、臥床とし16週以降で子宮の収縮が認められる場合は子宮収縮抑制薬を使用する。これらの治療は医療機関で行われるのが通常である。進行流産の場合は妊娠の継続は不可能と考えられており、子宮内容除去の適応となる。それ以外に無症状だが経腟超音波検査にて枯死卵を認める場合を稽留流産といい、これも子宮内容除去の適応となる。
40歳以上で染色体異常が起こりやすい理由は発生学によって解明されている。女性の生殖細胞は、胎生期の原始生殖細胞が卵祖細胞そして卵母細胞に分化することで生じる。胎生期に卵母細胞は有糸分裂を繰り返し、最大で700万個まで増殖する。全ての卵母細胞は第一次減数分裂の前期である複糸期に細胞周期を固定される。このメカニズムは卵巣上皮より分化した卵胞細胞によって説明されている。卵胞細胞は卵子成熟抑制物質を分泌し、思春期即ちGnRHの周期的な分泌が開始されるまで卵母細胞が第一次減数分裂を終了しないようにしている。排卵される卵母細胞は、排卵前に第一次減数分裂を終了し、すぐに第二次減数分裂を開始する。しかし紡錘体形成以後は受精しない限り進行しないとされている。加齢を重ねると、それだけ卵母細胞が減数分裂の途中である複糸期で固定されている時間が長くなる。この間に物理的、化学的刺激によって染色体、遺伝子に異常が生じるため流産が起こりやすくなると考えられている。また、近年では加齢による遺伝子異常率の上昇にはレントゲンによる累積被爆が作用しているとの指摘もされている。なお、流産をするということは、最低限、卵細胞が精子と受精し着床できていることを示している。実際には加齢によって卵母細胞に異常が生じていると、受精、着床が不可能な場合も出てくる。この場合、流産とカウントされない(妊娠をしないから)。よって一般に加齢を重ねると妊娠もしにくく、流産もしやすく、胎児に影響も出やすいといえる。
原因
母体
- 感染症
- 子宮の異常(子宮頸管無力症、子宮奇形、子宮筋腫など)
- 黄体機能不全、高プロラクチン血症
- 内分泌疾患
胎児
夫婦間因子
種類
切迫流産(Threatened abortion)
- 概念:流産が生じようとしている状態。流産になる場合と持ちこたえる場合とがある。子宮出血はあるが頸管は開大していない。
- 症状:軽度の下腹部の痛みと少量の性器出血
- 治療:安静を第一とし、塩酸リトドリン(子宮収縮抑制剤)、hCGの投与。目安として妊娠16週以降なら塩酸リドトリンを用い、それ以前なら安静臥床が第一である。
- 原因:絨毛膜下血腫、絨毛羊膜炎など
進行流産(Inevitable abortion)
- 概念:流産が生じ進行している状態。下腹部痛や出血が強く、頸管は開大しており保存的な治療は不可能なものである。
- 症状:下腹部の痛み、性器出血、子宮頚部の開大
- 治療:完全流産か不全流産かで異なる。
完全流産(Complete abortion)
- 概念:流産が生じ、子宮内容物が完全に娩出された状態。
- 症状:下腹部痛と性器出血の消失
- 治療:経過観察のみで済む場合が多い。
不全流産(Incomplete abortion)
- 概念:流産が生じたが、子宮内に残存物が残っている状態。
- 症状:下腹部の痛み、性器出血の持続
- 治療:子宮内容除去術、残存物が少ない場合は子宮収縮剤および抗生物質の投与
稽留流産(Missed abortion)
- 概念:子宮内で胎児が死亡している状態であるが、妊婦に症状が無いもの。
- 症状:自覚症状は無い。妊婦検診等で超音波検査によって発見される
- 治療:確定診断がついた段階で、子宮内容除去術を行うことが多い。
化学的流産(Chemical abortion)
- 概念:生化学的に妊娠の成立をみた(hCGが検出された。たとえば尿中hCG測定で50IU/l反応陽性)と診断されるが、超音波断層法により胎嚢などの妊娠に特有な所見が確認されず、しかも腹痛や子宮口開大などの流産兆候を伴うことなく月経様の出血をみた場合を呼ぶ。
- 症状:月経様の出血(人によっては激痛と血の塊が出てくることがある)
- 治療:経過観察
臨床像
- 習慣流産(反復流産):連続3回以上流産を経験した場合。偶発的でない場合は不育症といい何らかの原因があると考えられる。特に絨毛膜下血腫が原因である場合は全身性エリテマトーデス (SLE) や抗リン脂質抗体症候群を疑うべきである。
- 化学的流産は、妊娠を意識して早い時期に尿検査などを試していなければ、同様の状態が本人も普通の月経としか認識していないうちに日常で起こっている場合もしばしばあり、通常は流産の回数に含めない。
転用
一度妊娠したものが出産に至らずに終わる、ということから転じて、物事や企画が中止になることを流産と呼ぶ用法が生まれたが、近年では余り用いられない。戦前の日本では、一度大命降下しながら諸般の事情で組閣できなかった場合に流産内閣と呼ぶ用法があった(清浦奎吾の「鰻香内閣」など)。
関連項目
注
- ^ 一般的に流産というと自然妊娠中絶のことを指す場合が多いが、日本産科婦人科学会では「妊娠22週未満の妊娠中絶」を「流産」と定義している(妊娠22週以降の場合の妊娠中絶は「死産」と定義)。日本産科婦人科学会の定義ではさらに、妊娠12週未満の「流産」を「早期流産」、妊娠12週以降22週未満の「流産」を「後期流産」という。「後期流産」については法令上、死産の場合と同様の死産届が必要となる。
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- 1. 妊娠中絶の概要 overview of pregnancy termination
- 2. 妊娠中期の中絶:概要および外科的中絶 second trimester pregnancy termination overview and surgical termination
- 3. 妊娠初期における薬物による中絶 first trimester medication abortion termination of pregnancy
- 4. 妊娠中絶の精神医学的側面 psychiatric aspects of pregnancy termination
- 5. 妊娠中絶手術:妊娠第一期 surgical termination of pregnancy first trimester
Japanese Journal
- 稽留流産の診断 (これを読めばすべてわかる 最新の産婦人科超音波診断) -- (産科における超音波診断--妊娠初期)
- 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール(45)帝王切開瘢痕部妊娠の診断が困難であった稽留流産の1症例
- K3-33 稽留流産の保存的治療法(高得点周産期学5,高得点演題プログラム,第60回日本産科婦人科学会学術講演会)
Related Links
- 胎児の発育が停止したものの、腹痛や出血などのいわゆる流産徴候が全くないままに2 週間以上経過してしまう場合を稽留流産といいます。切迫流産とは違い、治療しても 妊娠を継続することは不可能な状態ですから、人工的に掻爬を行わなければなりません 。 ...
- 稽留流産(繋留流産)の原因と予防。近ごろ稽留流産が増えていますが、日ごろの 心がけで予防しましょう。
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★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 28歳の初妊婦。下腹部痛と性器出血とを主訴に来院した。最終月経開始日から起算して妊娠7週3日。
- 現病歴 : 21日前、市販のキットで妊娠検査を行ったところ、陽性だった。3日前から左下腹部の重苦しい痛みを感じていた。来院当日朝、少量の性器出血を認めた。下腹部痛の増強は認めない。妊娠悪阻症状はない。
- 既往歴・生活歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 月経歴 : 周期28日型、持続5日間、中等量、月経痛は認めない。
- 現 症 : 意識は清明。身長158cm、体重45kg。体温37.3℃。脈拍76/分、整。血圧 98/72mmHg。腟鏡診で外子宮口から中等量の出血の持続を認める。内診で子宮は前傾前屈、やや腫大し、やや軟、軽度の圧痛を認める。左付属器領域に軽度の圧痛を認めるが、腫瘤は触知しない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿hCG検査:陽性。経腟超音波検査で子宮腔内に内膜の肥厚を認める。胎嚢は認めない。腹水や腹腔内出血は認めない。両側付属器に明らかな腫瘤を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [103F025]←[国試_103]→[103F027]
[★]
- 21歳の女性。少量の性器出血を主訴に来院した。元来月経周期は不順で、最終月経は約半年前であった。3週前にも軽い性器出血があり、診察を受けた。その時は、尿による妊娠反応は陽性で、経膣超音波検査では子宮内に約1cmの胎嚢を認めたが、胎芽は確認できず、1か月後の再診を指示された。その後自然に性器出血は消失したが、3週目の本日出血を見た。腹痛や帯下の増加はない。今回来院時の経膣超音波像を以下に示す。正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096I032]←[国試_096]→[096I034]
[★]
- 19歳の女性。妊娠の確認のため来院した。月経周期は28日型、整であり、最終月経は平成15年1月18日から5日間であった。2月の月経発来が遅れていたので、2月25日に市販の妊娠診断補助試薬で検査したところ陽性であった。そのころから悪心が次第に強くなってきた。受診時の内診所見で子宮は超鶏卵大、軟で、子宮付属器は触知しない。カレンダーを以下に示す。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097I032]←[国試_097]→[097I034]
[★]
- 24歳の女性。下腹部痛と性器出血とを主訴に来院した。2週前に妊娠6週0日と診断された。その後、軽度の下腹部痛が続き、昨日初めて性器出血を認めたため受診した。腟鏡診で暗赤色の血液を少量認めるが、子宮口からの血液流出はない。内診で子宮は鵞卵大で軟、子宮口は閉鎖している。経腟超音波検査で子宮内に胎嚢が認められ、その中の胎児は頭殿長(CRL)1.5cmで心拍動が同定され、胎嚢の外側に3×3×2cmの低エコー領域を認めた。
- 診断として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109C020]←[国試_109]→[109C022]
[★]
- 37歳の女性。挙児希望を主訴に来院した。最近の1年間で2回妊娠し、いずれも稽留流産と診断され、子宮内容除去術を受けた。現在は、流産や手術が怖いため避妊しているという。月経周期は28日型、整。
- 対応として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I046]←[国試_106]→[106I048]
[★]
- 妊娠初期の超音波検査で診断できるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A014]←[国試_112]→[112A016]
[★]
- 英
- intrauterine fetal death IUFD, fetal death in utero
- 同
- 胎児死亡 fetal death
- 関
- 胎児死亡、稽留流産
[★]
- 英
- blighted ovum
- 関
- 稽留流産
- 超音波検査で胎囊を認めるが胚芽を認めない所見。稽留流産が疑われる。
[★]
intrauterine fetal death
- 関
- 稽留流産、胎児死亡
[★]
- 英
- abortion, miscarriage
- 関
- 妊娠中絶、中絶
定義
- 妊娠22週未満の妊娠中絶(1993年、ICD-10修正)
- 体外で生存できない時期に起こる妊娠の中絶
分類
時期
- 早期流産 early abortion 妊娠12週未満の流産
- 後期流産 late abortion 妊娠12週以降22週未満の流産
原因
- 習慣流産:連続して3回以上自然流産を繰り返した既往のあるもの
妊卵の排出の様式
[★]
- 英
- continuous、continued、plateau
- 関
- 継続、継続的、持続性、持続的、プラトー、連続、連続性、連続的、台地、持続型