- 英
- urge incontinence, urgency incontinence, urge urinary incontinence
- 同
- 切迫失禁、逼迫性尿失禁、急迫性尿失禁、
- 関
- 尿失禁、急迫性尿失禁
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/20 11:31:56」(JST)
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尿失禁 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
R32 |
ICD-9 |
788.3 |
DiseasesDB |
6764 |
MedlinePlus |
003142 |
eMedicine |
med/2781 |
MeSH |
D014549 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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尿失禁(にょうしっきん)とは、尿を失禁する事である。
分類
真性尿失禁
真性尿失禁(しんせいにょうしっきん)は尿路異状による尿失禁。尿道外尿失禁とも言う。
原因は、尿管異所開口、膀胱腟瘻等による。
根治療法として手術療法を行う。手術は尿路再建術を行う。また、人工尿道括約筋を埋め込む手術療法もある。
仮性尿失禁
仮性尿失禁(かせいにょうしっきん)は尿路自体には異状は無いが、尿路の周辺臓器の異状による尿失禁。
- 切迫性尿失禁
- 切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)は、尿意が切迫してから起こる尿失禁。
- 概念
- 上位運動神経障害の一つ。大脳(下行路)の障害によっておこる。無抑制性神経因性膀胱。
過活動膀胱の一症状。
-
- 病態
- 尿道括約筋などを動かす中枢神経が障害された物。感覚神経は健在なので尿意は感じるが、運動神経が障害されていて骨盤底筋群を意図的に動かせない。
- 原因
- 大脳の障害による。脳血管障害、パーキンソン病などの発病後の排泄中枢の障害など。
- 統計
- 70歳以上に多い。脳血管障害が高齢者に多いため。
- 症状
- 尿意を感じるにも関わらず意図的に制止出来ずに失禁を起こす。
- 治療
- 薬物療法として抗コリン薬を用いる。抗コリン薬は神経から筋肉への指令を抑えて不随意な収縮を抑える。
- 反射性尿失禁
- 反射性尿失禁(はんしゃせいにょうしっきん)は、反射的に起こる尿失禁。
- 概念
- 上位神経障害の一つ。脊髄(下行路、上行路)の障害によっておこる。自動性(反射性)神経因性膀胱。
- 病態
- 上位神経が障害されている。上位感覚神経障害により尿意が大脳まで伝わらず、上位運動神経障害により尿道括約筋などを動かすことが出来ない。下位運動神経の脱抑制の為に反射亢進となる。
- 症状
- 尿意が大脳まで伝わらないので尿意は切迫しない。膀胱からの感覚は脊髄反射を介して膀胱括約筋などを刺激して反射的に尿を失禁する。
- 治療
- 薬物療法として抗コリン薬を用いる。抗コリン薬は神経から筋肉への指令を抑えて反射を抑える。
- 溢流性尿失禁(奇異性尿失禁)
- 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)は、尿が膀胱に入りきらずに溢れ出てくる尿失禁。奇異性尿失禁(きいせいにょうしっきん)とも言う。神経因性膀胱や前立腺肥大等が原因となる。
- 病態
- 神経因性膀胱の場合
- 自律性神経因性膀胱。 下位神経障害。脊髄(遠心路、求心路)の障害によって起こる。
- 知覚麻痺性神経因性膀胱。 下位神経障害。脊髄(求心路)の障害によって起こる
-
- 下位感覚神経障害によって膀胱から脊髄まで情報が伝わらず、下位運動神経障害によって脊髄からの運動指令が膀胱まで伝わらない。
- 前立腺肥大等の場合
-
- 前立腺肥大によって尿道が物理的に圧迫されると起こる。神経系が正常であって腹圧をかけても排尿できない。排尿できずに尿が膀胱に溜まり、入りきらなくなって少しずつ漏れ出てくる。
- 統計
- 50歳以上の男性に多くみられる。
- 原因
- 神経因性膀胱や前立腺肥大等。
- 症状
- 神経因性膀胱の場合
- 膀胱から脊髄まで情報が伝わないので残尿感が無く尿意も感じないが膀胱は常に一杯で少量の持続的な失禁がある。
- 前立腺肥大等の場合
- 少量の持続的な失禁がある。神経系が正常なので常に残尿感がある。
- 治療
- 用手排尿やカテーテルによる自己導尿を覚える。前立腺肥大の場合は根治療法として手術療法を行う。
- 腹圧性尿失禁
- 腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)は、腹圧をかけると起こる尿失禁。
- 統計
- 35歳以上の女性に多くみられるが、10代や20代の若い女性でも珍しくない。
- 原因:出産や肥満による骨盤底筋群のゆるみで発生する。
- 症状:くしゃみ、大笑い、重いものを持ち上げるとき等通常より力がかかったときに尿が漏れる。日常の排尿は自分の意志で出来る。
- 治療
- 骨盤底筋群を鍛える事。
- 機能性尿失禁
- 機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)は尿路系以外の身体精神障害により起こる尿失禁。
- 概念
- 左片麻痺などで体の自由が利かず尿意を感じてからトイレに行くまでに時間がかかり間に合わない等の身体障害等で起こる。
関連項目
参考文献
- 『EBMに基づく尿失禁ガイドライン2004年版』 厚生科学研究班編 (Minds医療情報サービス)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- TVT術後に発生または残存する切迫性尿失禁の予測因子 : 女性腹圧性および混合性尿失禁における検討
Related Links
- 急におしっこがしたくなり、トイレに駆け込もうとしても我慢しきれずにもらしてしまう切迫 性尿失禁。尿の量が多いのが特徴で、一度に大量の尿をもらしてしまう。少しでも膀胱 に尿がたまるとおしっこをしたくなるため頻尿になり、夜も何度もトイレに起きてしまう。
- Q3:切迫性尿失禁の診断はどのようにしますか? Q4:切迫性尿失禁の治療法はどう なっていますか? Q5:切迫性尿失禁を予防するための注意事項は何でしょうか? Q1: 切迫性尿失禁はどのような特徴をもっていますか? A1:トイレに早めに行く習慣を続け ...
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★リンクテーブル★
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- 65歳の女性。尿意切迫感、切迫性尿失禁および夜間頻尿を主訴に来院した。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈査に赤血球 0~2/1視野、白血球 1~3/1視野。尿量1,000~1,300ml/日、排尿量80~200ml、残尿量10~20ml。昼間排尿回数 8~10回、夜間排尿回数 2、3回。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I057]←[国試_103]→[103I059]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105I033]←[国試_105]→[105I035]
[★]
- 英
- overactive bladder, OAB
- 同
- 過活動膀胱
- 関
- 神経因性膀胱、尿失禁、蓄尿症状
概念
- 蓄尿障害の一種。蓄尿期における排尿筋の過活動により生じる諸症状を呈する病態を表現したもの。
- 症状としては尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁がある。
- 病因としては神経因性膀胱、非神経因性膀胱に大別される。
定義
- ただし、上記症状を示す明らかな疾患は除外する
- 下部尿路の炎症・感染(例えば、細菌性膀胱炎、間質性膀胱炎、尿道炎、前立腺炎)、下部尿路の新生物(例えば、膀胱癌、前立腺癌)、尿路結石(例えば、膀胱結石、尿道結石)、腹圧性尿失禁、多尿など
病因
- 参考1
- 過活動膀胱の病態は排尿筋の不随意な収縮、すなわち排尿筋過活動
- 神経因性過活動膀胱:下部尿路の支配神経の障害による
- 1. 脳幹部橋排尿中枢より上位の脳障害(脳血管障害、パーキンソン病など)
- 2. 仙髄より上位の核上型脊髄障害(脊髄損傷、多発性硬化症など)、
- 非神経因性過活動膀胱:臨床的に明らかな神経障害がないもの
- 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症)、加齢、骨盤底筋障害など。
- 大部分は病因が特定できない(特発性過活動膀胱)
治療
- SURO.168
- 1. 脳幹部橋排尿中枢より上位の脳障害:抗コリン薬
- 2. 仙髄より上位の核上型脊髄障害:抗コリン薬服用/カプサイシンの膀注+間欠導尿
- 前立腺肥大症:α1受容体遮断薬 ×抗コリン薬(尿閉)
- 混合性尿失禁を伴うOAB:抗コリン薬
- 特発性:抗コリン薬
ガイドライン?
- http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000005859
国試
[★]
- 英
- tolterodine
- 化
- 酒石酸トルテロジン, tolterodine tartrate
- 商
- デトルシトール
概念
- 抗コリン薬の一種で、膀胱に選択性の高いムスカリン受容体拮抗薬。
適応
禁忌
- デトルシトールカプセル
用法用量
- デトルシトールカプセル
- 健常成人には酒石酸トルテロジン4mg 1T
- 腎障害、肝障害、CYP3A4阻害のマクロライド系抗生物質・アゾール系抗真菌薬の服用の場合には、酒石酸トルテロジン2mg 1T
[★]
- 英
- mirabegron
- 商
- ベタニス
- 関
- その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬。β3アドレナリン受容体、アドレナリン受容体
- 選択的β3アドレナリン受容体作動薬。膀胱平滑筋に新剤するβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激することで、膀胱を弛緩させる。これにより過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。
- 50mgを1日1回食後に内服する。中等度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア7~9)への投与は1日1回25mgから開始。重度の腎機能障害患者(eGFR15~29mL/min/1.73m2)への投与は1日1回25mgから開始
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
- 選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤
薬効
[★]
- 関
- urge incontinence
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- incontinence
- 英
- urinary incontinence
- ラ
- incontinentia urinae
- 関
- 神経因性膀胱
定義
分類
- 真性尿失禁 true incontinence:尿道から漏出
- 仮性尿失禁 false incontinence:尿道以外から漏出
参考
- http://www.ncgg.go.jp/hospital/pdf/sec16/guidelines.pdf
- http://www.pref.aichi.jp/korei/Zaitaku/hainyo/hainyomanual.pdf
[★]
- 英
- threaten、imminent
- 関
- 脅迫、脅かす