- 英
- chlordiazepoxide
- 化
- 塩酸クロルジアゼポキシド chlordiazepoxide hydrochloride
- 商
- Librium、コンスーン、コントール、バランス
- 関
- ベンゾジアゼピン系
薬効薬理
- バランス散10%
- 本剤は大脳辺縁系、特に海馬、扁桃核に作用することで、各種の実験動物(マウス、ラット、ネコ、イヌ、サル)において強力な鎮静・緊張除去作用を示す。特に攻撃的なサルや脳中隔部を損じて実験的にどう猛化したラットに対して、本剤は静穏化に要する量よりはるかに低い薬量で狂暴性を抑制する特異な馴化効果を示している。正常な意識・行動に影響をほとんど及ぼさずに不安・緊張等の情動異常を改善する4)~6)。
- 本剤は大脳辺縁系に作用して、視床下部の機能を調整し、自律神経安定化作用を示す6)7)。
- 本剤の経口投与によりマウスでの抗痙攣作用並びにマウス、ネコでの筋弛緩作用が認められている6)。
- 本剤はネコの餌への接近-回避型の葛藤行動に陥らせた実験的神経症に対して、著明に餌とり行動の回復を示した8)。また、ラットを拘束して惹起されるストレス胃潰瘍に対しても、本剤は潰瘍の発生を著しく減少させた9)。
参考
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1124028B2050_1_08/1124028B2050_1_08?view=body
WordNet
- a tranquilizer (trade names Librium and Libritabs) used in the treatment of alcoholism (同)Librium, Libritabs
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/31 15:15:51」(JST)
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クロルジアゼポキシド
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
7-クロロ-2-メチルアミノ-5-フェニル-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-4-オキシド
|
識別 |
ATCコード |
N05BA02 |
KEGG |
D00267 |
化学的データ |
化学式 |
C16H14ClN3O |
分子量 |
299.76 g·mol−1 |
クロルジアゼポキシド (Chlordiazepoxide) 、化学名7-クロロ-2-メチルアミノ-5-フェニル-3H-1,4-ベンゾジアゼピン-4-オキシド(7-Chloro-2-methylamino-5-phenyl-3H-1,4-benzodiazepin-4-oxide)、はベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、1950年代半ばにポーランド系ユダヤ人化学者のレオ・スターンバックによって見出され、1957年にはスイスのロシュ社より発売された。日本では1961年3月に武田薬品工業からはコントール[1]、山之内製薬(現:アステラス製薬)からはバランスが販売[2]されており、これらは全て先発医薬品扱いである。
概要
適応は次の通りである。
- 神経症における不安・緊張・抑うつ[3]
- うつ病における不安・緊張[3]
- 心身症(胃・十二指腸潰瘍、高血圧症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ[3]
通常成人には20~60mg、小児には10~20mgを分割経口投与する[3]。用法用量は年齢、症状により適宜増減する。
クロルジアゼポキシドは一般的なベンゾジアゼピン系薬剤と同様に、鎮静、抗不安、抗痙攣および筋弛緩作用を有する。また、自律神経安定化作用、抗ストレス作用がある。健常成人100mg経口投与時では、凡そ4時間後に血中濃度が最高に達した後、徐々に下降する。ベンゾジアゼピン系抗不安薬の中では長時間作用型に分類される。作用機序は、他の多くのベンゾジアゼピン系薬剤と同様、GABAA受容体に作用することによる。
ベンゾジアゼピン系の薬剤に過敏症の既往歴のある患者、急性狭隅角緑内障、重症筋無力症の患者には禁忌である。
アルコール、中枢神経抑制剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、塩酸マプロチリン、ダントロレンナトリウムとは併用に注意が必要である。
副作用
よく見られる副作用は眠気、ふらつき、眩暈、頭痛、倦怠感等である。まれに黄疸が出たり、血液、循環器、消化器(吐き気)、皮膚等の異常が見られる。重大な副作用は、依存性、刺激興奮、錯乱、呼吸抑制等がある。アルコールとの併用(飲酒)は中枢神経抑制作用が増強される、副作用が増幅される等の悪影響があるため、併用は避けるべきである。
脚注
- ^ http://www.qlife.jp/meds/rx9663.html より
- ^ http://www.qlife.jp/meds/rx7903.html より
- ^ a b c d “クロルジアゼポキシド錠”. 2015年8月30日閲覧。
抗不安薬 (N05B) |
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GABAA PAMs |
ベンゾジアゼピン
|
アジナゾラム アルプラゾラム Bretazenil ブロマゼパム Camazepam クロルジアゼポキシド クロバザム クロナゼパム クロラゼプ酸 クロチアゼパム クロキサゾラム ジアゼパム ロフラゼプ酸エチル エチゾラム フルジアゼパム Halazepam Imidazenil Ketazolam ロラゼパム メダゼパム Nordazepam Oxazepam ピナゼパム プラゼパム トフィソパム
|
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カルバミン
|
エミルカメート メブタメート メプロバメート (Carisoprodol, Tybamate) フェンプロバメート エキパックス
|
|
非ベンゾジアゼピン
|
アベカルニル アジピプロン アルピデム CGS-9896 CGS-20625 ジバプロン ELB-139 Etifoxine ファシプロン GBLD-345 Gedocarnil ICI-190,622 L-838,417 NS-2664 NS-2710 オシナプロン パゴクロン Panadiplon Pipequaline RWJ-51204 SB-205,384 SL-651,498 TP-003 TP-13 TPA-023 Tracazolate Y-23684 ZK-93423
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その他
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クロルメザノン エタゾレート エタノール (アルコール) Kavalactone (カヴァカヴァ) タツナミソウ属 吉草酸 (セイヨウカノコソウ)
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α2δ VDCC Blockers |
ガバペンチン プレガバリン
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5-HT1A作動薬 |
アザピロン系: ブスピロン ゲピロン タンドスピロン; Others: Flesinoxan Oxaflozane
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H1 拮抗薬 |
Diphenylmethanes: Captodiame ヒドロキシジン; Others: Brompheniramine クロルフェニラミン Pheniramine
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CRF1 拮抗薬 |
Antalarmin CP-154,526 Pexacerfont Pivagabine
|
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NK2 拮抗薬 |
GR-159,897 Saredutant
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MCH1 拮抗薬 |
ATC-0175 SNAP-94847
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mGluR2/3 作動薬 |
エグルメガド
|
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mGluR5 NAMs |
フェノバム
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|
TSPO 作動薬 |
DAA-1097 DAA-1106 Emapunil FGIN-127 FGIN-143
|
|
σ1 作動薬 |
Afobazole Opipramol
|
|
Others |
Benzoctamine Carbetocin Demoxytocin メフェノキサロン オキシトシン Promoxolane トリメトジン WAY-267,464
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 簡単な液体クロマトグラフィーを用いた水溶液からの微量疎水性化合物の抽出 : I.尿試料中の精神安定剤の抽出の自動化
- 中原 雄二,秋山 稔,矢野 耕也
- 分析化学 30(7), 428-432, 1981-07-05
- … ックC_<18>を用いて,簡便迅速な抽出法を検討した.抽出の条件(至適pH,濃度,尿量,溶出液,水洗)が整えば,尿中の精神安定剤(クロルプロマジン,プロマジン,レボメプロマジン,プロメタジン,ジアゼパム,クロルジアゼポキシド)のセップパックC_<18>による抽出は,エーテル抽出に比べて抽出効率は(6?20)%良く,1回の抽出操作で90%以上抽出できることが分かった.本法を用いて,精神安定剤を服用している精神病患者の尿を抽出 …
- NAID 110002908321
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
5mgコントール錠
組成
1錠中の有効成分
添加物
- 乳糖水和物、ゼラチン、アラビアゴム末、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、カルナウバロウ、サラシミツロウ、精製白糖
禁忌
- 急性狭隅角緑内障のある患者
[本剤の弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
- 重症筋無力症のある患者
[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
- 神経症における不安・緊張・抑うつ
- うつ病における不安・緊張
- 心身症(胃・十二指腸潰瘍、高血圧症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ
- 用量は患者の年齢・症状により適宜増減するが、通常下記のとおり経口投与する。
成人
- 1日クロルジアゼポキシドとして20?60mg(5mg錠:4?12錠、10mg錠:2?6錠)を2?3回に分割経口投与する。
小児
- 1日クロルジアゼポキシドとして10?20mg(5mg錠:2?4錠、10mg錠:1?2錠)を2?4回に分割経口投与する。
慎重投与
- 心障害、肝障害、腎障害のある患者
[心障害では症状が悪化、肝・腎障害では排泄が遅延するおそれがある。]
- 脳に器質的障害のある患者
[作用が強くあらわれる。]
- 乳児、幼児
[作用が強くあらわれる。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 衰弱患者
[作用が強くあらわれる。]
- 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
[症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
- (いずれも頻度不明)
- 大量連用により、薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量を超えないよう慎重に投与すること。また、大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- 統合失調症等の精神障害者に投与すると逆に刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤は大脳辺縁系、とくに扁桃核、海馬に抑制作用を示し、不安・緊張等の情動異常を改善する。
一方、脳幹網様体?新皮質系に対する直接作用が少なく、意識水準には直接影響を与えないことが認められている。1?4)
馴化静穏作用
- 本剤は鎮静作用を示す量以下で動物の攻撃性・狂暴性を抑制して馴化静穏作用を示す(マウス5)、ラット6)、サル7))。
緊張除去作用
- 本剤はラットの回避反応試験8)、サルのdelayed matching行動試験3)等において、不安・緊張の除去作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クロルジアゼポキシド(Chlordiazepoxide)〔JAN〕
化学名
- 7-Chloro-2-methylamino-5-phenyl-3H-1,4-benzodiazepin-4-oxide
分子式
分子量
融点
性状
- クロルジアゼポキシドは、白色?淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。光によって徐々に変化する。
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