会社名
第一三共
成分
薬効分類
他に分類されない代謝性医薬品(骨粗鬆症用薬)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/22 08:29:14」(JST)
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デノスマブ ?
モノクローナル抗体 |
種類 |
全長抗体 |
原料 |
ヒト |
抗原 |
RANK ligand |
臨床データ |
商品名 |
プラリア、ランマーク |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a610023 |
ライセンス |
US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
6ヶ月おきに皮下注 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
N/A |
識別 |
CAS番号 |
615258-40-7 |
ATCコード |
M05BX04 |
UNII |
4EQZ6YO2HI |
KEGG |
D03684 |
ChEMBL |
CHEMBL1237023 |
別名 |
AMG 162 |
化学的データ |
化学式 |
C6404H9912N1724O2004S50 |
分子量 |
144.7 kDa |
デノスマブ(denosumab)は、RANKLを標的としたヒト型モノクローナル抗体製剤、分子標的治療薬。雪印およびAmgenが創製し、日本では第一三共から販売されている。
目次
- 1 薬理
- 2 適応
- 3 効果
- 4 副作用
- 5 脚注
薬理
receptor activator of nuclear factor κB ligand(RANKL)は破骨細胞の分化・成熟・機能及び生存を制御している[1]。RANKLとデノスマブが結合することにより、破骨細胞へのシグナル伝達を抑制し、骨溶解を防ぐ。
適応
- 骨粗鬆症(製品名: プラリア®)
- 多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変(製品名: ランマーク®皮下注120mg)
[2]
- 骨巨細胞腫(2014年5月23日ランマークに対して承認)
- 乳癌術後補助療法、関節リウマチ[3]については臨床試験中。
効果
- デノスマブとビスフォスフォネート注射剤であるゾレドロン酸を比較したところ、投与開始後1年における脊椎骨密度と大腿骨骨密度の平均変化量は、両剤間で有意差はみられなかった[4]。
副作用
- 低カルシウム血症 ... 低カルシウム血症予防のためカルシウム,ビタミンD,マグネシウムの合剤である「デノタス®」を併用する。
脚注
- ^ http://www.eisai.jp/medical/region/bone-joint/osteoporosis-gazou/0210v1n1/01.html
- ^ https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201203/523951.html
- ^ Choen SB, et al: Denosumab treatment effects on structural damage, bone mineral density, and bone turnover in rheumatoid arthritis; a tweleve-month, multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, phase II clinical trial. Arthritis Rheum 58(5):1299-1309, 2008
- ^ Sheedy KC, et al. Comparison of the Efficacy, Adverse Effects and Cost of Zoledronic Acid and Denosumab In the Treatment of Osteoporosis. Endocr Pract. 2014 Nov 4: 1-11.
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Japanese Journal
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- 井上 如
- 学術情報センター紀要 4, 177-259, 1991-12-25
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プラリア皮下注60mgシリンジ
組成
有効成分
- デノスマブ(遺伝子組換え)注)60mg/1mL
注)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いて製造される。
添加物
- D-ソルビトール 47mg、ポリソルベート20 0.1mg、氷酢酸、pH調節剤
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 低カルシウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 骨粗鬆症
- 通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与する。
- 本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
- 男性患者での安全性及び有効性は確立していない(使用経験が少ない。「臨床成績」の項参照)。
慎重投与
- 低カルシウム血症を起こすおそれのある患者[低カルシウム血症が発現するおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 重度の腎機能障害のある患者[使用経験が少ない。低カルシウム血症を起こすおそれがある。]
重大な副作用
低カルシウム血症
(0.8%)
- 痙攣、しびれ、失見当識等の臨床症状を伴う低カルシウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウム及びビタミンDの補充に加えて、緊急時には、カルシウムの点滴投与を併用するなど、適切な処置を速やかに行うこと。
顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(0.1%)
- 顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー
(頻度不明注))
- アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折
(頻度不明注))
- 大腿骨転子下及び近位大腿骨骨幹部の非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
重篤な皮膚感染症
(頻度不明注))
- 重篤な蜂巣炎等の皮膚感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発赤、腫脹、疼痛、発熱等の症状が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- デノスマブは特異的かつ高い親和性でヒトRANKLに結合するヒト型IgG2モノクローナル抗体である。
骨吸収抑制8)
- カニクイザルにデノスマブを単回皮下投与すると、骨吸収マーカーである尿中I型コラーゲン架橋N−テロペプチドが低下した。また、月1回の反復皮下投与により、投与期間中、尿中I型コラーゲン架橋N−テロペプチドの低下が持続した。
骨密度に対する影響
- デノスマブが結合するキメラ型RANKLを発現させた遺伝子組換えマウス(ヒトRANKLノックインマウス)にデノスマブを10mg/kgの用量で週1回、3週間反復皮下投与すると、骨吸収マーカーである血清中TRAP5b濃度が有意に低下し、骨密度が増加した9)。また、卵巣摘出カニクイザルにデノスマブを25又は50mg/kgの用量で月1回、16ヵ月間反復皮下投与すると、海綿骨及び皮質骨の骨密度及び骨強度が増加し、骨量と骨強度には正の相関関係が認められた10)。
骨折治癒に及ぼす影響11)
- ヒトRANKLノックインマウスに大腿骨閉鎖性骨折を施しデノスマブを10mg/kgの用量で週2回、21日又は42日間反復皮下投与すると、仮骨のリモデリングは遅延したが骨折部位の骨強度は低下しなかった。
作用機序
- RANKLは膜結合型あるいは可溶型として存在し、骨吸収を司る破骨細胞及びその前駆細胞の表面に発現する受容体であるRANK注)を介して破骨細胞の形成、機能及び生存を調節する必須の蛋白質である12)。デノスマブはRANK/RANKL経路を阻害し、破骨細胞の形成を抑制することにより骨吸収を抑制する13)。その結果、皮質骨及び海綿骨の骨量を増加させ、骨強度を増強させると考えられる9,10,14)。
注)RANK:receptor activator for nuclear factor-κB
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- デノスマブ(遺伝子組換え)
Denosumab(Genetical Recombination)
本質
- 遺伝子組換え抗NF-κB活性化受容体リガンド(抗RANKL)ヒトIgG2モノクローナル抗体であり、その軽鎖及び重鎖をコードするcDNAを導入したCHO細胞により産生される。448個のアミノ酸残基からなる重鎖(γ2鎖)2分子及び215個のアミノ酸残基からなる軽鎖(κ鎖)2分子で構成される糖蛋白質である。
分子量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- osteoporosis
- 同
- 骨多孔症、オステオポローシス
- 関
- 骨軟化症、くる病、老人性骨粗鬆症、若年性特発性骨粗鬆症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症。骨粗鬆症治療薬
- 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう。
- 骨はたえず吸収、形成されているものであり、したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる。
概念
- 骨量の減少(≒骨密度の減少)と骨組織の微細構造の破錠(骨質の劣化)により骨強度が低下して、骨折をきたしやすくなった疾患
定義
- WHO(1994)、骨量測定法,女性の骨粗鬆症:若年健常女性の平均骨量値から2.5SD以上減少したもの ⇔ 骨量減少:2.5<T-score<-1
- 日本:骨量が30%以上減少したもの
リスクファクター
- YN.D-156
- ガイドライン2
- 高齢、既存骨折(リスク1.9-4倍)、喫煙(リスク1.3-1.8倍)、飲酒(1日2単位以上でリスク1.2-1.7倍)、ステロイド使用(1日5mg以上の経口摂取でリスク2-4倍)、骨折家族歴(親の骨折でリスク1.2-2.3倍)、運動不足(大腿頚部骨折リスク1.3-1.7倍)、易転倒性
- 以下のリスクファクターを有する65歳未満か、65歳以上の女性は骨量測定によるスクリーニングの対象となる。
- 高齢、低体重、骨折既往、骨粗鬆症による骨折の家族歴、白人・アジア人、アルコール(1日2杯以上)、カフェイン、喫煙、運動不足、カルシウム不足、ビタミンD不足、骨粗鬆症を起こす薬剤
原因による分類
内分泌性
栄養性
- 壊血病
- その他(蛋白質欠乏、ビタミンA過剰、ビタミンD過剰)
- 別ソース
遺伝性
薬物性
- 別ソース
不動性
- 全身性:長期臥床、宇宙飛行、対麻痺
- 局所性:骨折後
先天性
その他
- 別ソース
小児の骨粗鬆症
- Dent CE:Osteoporosis in childhood.Postgrad Med J 53:450-456,1977
男性の骨粗鬆症
原因
- 多:クッシング症候群、アルコール多飲、ステロイド使用(5mg, 3ヶ月以上)、性腺機能低下、カルシウム摂取量減少、ビタミンD欠乏、喫煙、家族の中で骨折しやすい人がいる、男性ホルモン異常
- 希:BMI<20, 運動不足、抗てんかん薬、甲状腺中毒症、副甲状腺機能亢進、慢性肝障害、慢性腎障害、吸収不良症候群、高カルシウム血症、リウマチ、脊椎関節炎、糖尿病、多発性骨髄腫、HIV、臓器移植、免疫抑制剤
病理
検査
-
- 躯幹骨DXA、末梢骨DXA、RA/MD、QUSなどで測定可能
- 椎体DXAと大腿近位部DXAの両方を評価することが望ましい。できなければ橈骨DXAで代替する。
- 椎体の骨折/変形、退行性変化、骨粗鬆症に類維持した疾患(腰背部痛、円背や低骨量を呈する疾患)の鑑別に必要
治療
薬物治療
薬物治療開始基準
- ガイドライン2
- 1. 脆弱性既存骨折有り
- 2. 脆弱性既存骨折無し
- 1) 骨密度が若年成人平均値の70%未満
- 2) 骨密度が若年成人平均値の70-80%で、かつ閉経後女性/50歳以上男性であって、次のいずれかを有する。
- a) 過度のアルコール摂取:1日2単位以上
- b) 現在の喫煙
- c) 大腿骨頚部骨折の家族歴
治療開始のトリガー
- 別ソース
- 骨粗鬆症による大腿骨骨折、椎骨骨折の既往
- Tスコアが-2.5以下
- Tスコアが-1~-2.5 FRAX
- FRAXにて10年後の大腿骨折リスクが3%、主要な骨粗鬆症性骨折リスクが15-20%を超えるなら治療。
腎機能障害がある場合の治療の選択肢
- https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/150359-1-15.pdf
慎重投与となっており、禁忌ではないから
肝臓や腎臓で代謝されないから
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 65歳以上の女性、64歳以下で骨折リスクが高い女性(脆弱骨折の既往、ステロイド内服など)
- 男性ではエビデンスがない
スクリーニング間隔
- DEXA:1.0~-1.5→15年
- DEXA:-1.5~-2.0→5年
- DEXA:-2.0~-2.5→1年
ガイドライン
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0046/1/0046_G0000129_GL.html
- 2. <amazon mode="text" text="骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版) ダイジェスト版">4897752329</amazon>
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参考
- http://www.richbone.com/kotsusoshosho/basic_shindan/tonyo.htm
[★]
- 英
- denosumab
- 商
- ランマーク、プラリア
- 関
- mab
- 他に分類されない代謝性医薬品
- 抗RANKL抗体
- 抗悪性腫瘍薬;抗RANKL単クローン抗体