出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/08/12 19:24:30」(JST)
脳溝(のうこう、英: Sulcus、ラテン語で"溝"の意味、複数形はsulci、単に溝とも)は、神経解剖学用語で、脳の表面にあるミゾ、いわゆる『脳のしわ』にあたる部分である。脳溝は脳回を取り囲むように存在し、ヒトや他の哺乳類の脳の特徴的な外見を形作っている。
脳溝のうち、特に深いものは脳裂(のうれつ、英: Fissure)と呼ばれる。2つの大脳半球を分ける巨大な溝は大脳縦裂と呼ばれるが、通常、大脳縦裂は脳溝とは呼ばれない。
脳溝のパターンは人によって異なる。この個人差を最も詳細に概観したのは、おそらくオノ (Ono) らによる『Atlas of the Cerebral Sulci』であろう [1]。 しかし、大きな脳溝の一部はほとんどの個人間 (さらには動物間でも) で共通して見られる。したがって、脳溝の命名が可能となる。
様々な動物種での脳溝の違いは、動物の大脳の大きさよりも、その身体の大きさに関係している。つまり、より大きい動物ほど脳溝が多い。:
図 (外側面) | 図 (内側面) | 図 (上から) | 図 (下から) | 名称 |
上前頭溝(じょうぜんとうこう) 英語 : Superior frontal sulcus |
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下前頭溝(かぜんとうこう) 英語 : Inferior frontal sulcus |
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外側溝(がいそくこう) 英語 : Lateral sulcus |
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上側頭溝(じょうそくとうこう) 英語 : Superior temporal sulcus |
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中側頭溝(ちゅうそくとうこう) 英語 : Middle temporal sulcus |
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中心前溝(ちゅうしんぜんこう) 英語 : Precentral sulcus |
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中心溝(ちゅうしんこう) 英語 : Central sulcus |
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中心後溝(ちゅうしんこうこう) 英語 : Postcentral sulcus |
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頭頂間溝(とうちょうかんこう) 英語 : Intraparietal sulcus |
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横後頭溝(おうこうとうこう) 英語 : Transverse occipital sulcus |
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外側後頭溝(がいそくこうとうこう) 英語 : Lateral occipital sulcus |
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縁溝(えんこう) 英語 : Marginal sulcus |
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帯状溝(たいじょうこう) 英語 : Cingulate sulcus |
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脳梁溝(のうりょうこう) 英語 : Callosal sulcus |
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頭頂下溝(とうちょうかこう) 英語 : Subparietal sulcus |
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頭頂後頭溝(とうちょうこうとうこう) 英語 : Parieto-occipital sulcus |
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鳥距溝(ちょうきょこう) 英語 : Calcarine sulcus |
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側副溝(そくふくこう) 英語 : Collateral sulcus |
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下側頭溝(かそくとうこう) 英語 : Inferior temporal sulcus |
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嗅溝(きゅうこう) 英語 : Olfactory sulcus |
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眼窩溝(がんかこう) 英語 : Orbital sulcus |
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大脳縦裂(だいのうじゅうれつ) 英語 : longitudinal fissure of cerebrum |
マカクザルの脳溝のパターンはよりシンプルである。ボーニン (Bonin)と(Bailey) の論文では以下の主要な脳溝が列挙されている[3]。:
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リンク元 | 「シルビウス裂」「鳥距溝」「海馬傍回」「中心溝」「帯状回」 |
関連記事 | 「大脳」「溝」「脳溝」 |
-Sylvian fissure
優位半球 | 劣位半球 | |
左 | 右 | |
側頭葉 | 感覚性失語、Wernicke失語、同名性上1/4半盲 | |
頭頂葉 | 対側の感覚 | |
ゲルストマン症候群(手指失認、左右識別障害、失算、失書) | 半側空間無視、病態失認、自己身体失認など | |
前頭葉 | 対側の運動麻痺、眼球運動(対側への追視)障害、運動性失語、知的及び精神的高次機能障害など | |
後頭葉 | 対側の同名半盲、両側後頭葉の障害ではアントン症候群 | |
小脳 | 筋共同運動障害、運動・平衡障害に関係し、運動失調を呈する。測定異常、反復拮抗運動障害、筋緊張低下、運動過多、歩行異常、異常姿勢、発語障害、眼振など |
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