- 英
- influenza B virus
- 関
- インフルエンザBウイルス
WordNet
- the 2nd letter of the Roman alphabet (同)b
- the blood group whose red cells carry the B antigen (同)type_B, group B
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/06 18:47:04」(JST)
[Wiki ja表示]
B型インフルエンザウイルス |
分類(ウイルス) |
群 |
: |
第V群(ss-RNA) |
科 |
: |
オルソミクソウイルス科 |
属 |
: |
B型インフルエンザウイルス属 |
|
B型インフルエンザウイルス(ビーがたインフルエンザウイルス、Influenzavirus B)とはオルソミクソウイルス科のB型インフルエンザウイルス属に属する唯一の種である。
B型インフルエンザはヒトとアシカ亜目のみに感染して[1]、インフルエンザを引き起こす。構造的に類似して共に抗原連続変異と遺伝子再集合が認められるA型インフルエンザウイルスと比較してB型インフルエンザのパンデミックが発生しないのは宿主域が狭いためであると考えられている[2][3][4]。
脚注
- ^ Osterhaus AD, Rimmelzwaan GF, Martina BE, Bestebroer TM, Fouchier RA (2000). “Influenza B virus in seals”. Science 288 (5468): 1051–3. PMID 10807575.
- ^ Hay AJ, Gregory V, Douglas AR, Lin YP (2001). “The evolution of human influenza viruses”. Philos. Trans. R. Soc. Lond., B, Biol. Sci. 356 (1416): 1861–70. doi:10.1098/rstb.2001.0999. PMID 11779385.
- ^ Matsuzaki Y, Sugawara K, Takashita E, Muraki Y, Hongo S, Katsushima N, Mizuta K, Nishimura H (2004). “Genetic diversity of influenza B virus: the frequent reassortment and cocirculation of the genetically distinct reassortant viruses in a community”. J. Med. Virol. 74 (1): 132–40. doi:10.1002/jmv.20156. PMID 15258979.
- ^ Lindstrom SE, Hiromoto Y, Nishimura H, Saito T, Nerome R, Nerome K (1999). “Comparative analysis of evolutionary mechanisms of the hemagglutinin and three internal protein genes of influenza B virus: multiple cocirculating lineages and frequent reassortment of the NP, M, and NS genes”. J. Virol. 73 (5): 4413–26. PMID 10196339.
インフルエンザ |
|
主要項目 |
研究 - ワクチン - 治療 - ゲノム解読 - 遺伝子再集合 - 重複感染 - シーズン
|
|
ウイルス |
オルトミクソウイルス科 - A型 - B型 - C型
|
|
A型の亜型 |
H1N1(ソ連型) - H1N2 - H2N2 - H2N3 - H3N1 - H3N2(香港型) - H3N8 - H5N1 - H5N2 - H5N3 - H5N8 - H5N9 - H7N1 - H7N2 - H7N3 - H7N4 - H7N7 - H9N2 - H10N7
|
|
H1N1 |
パンデミック |
1918年のインフルエンザ流行 - 2009年のインフルエンザ流行
|
|
科学 |
2009 H1N1
|
|
|
H5N1 |
流行 |
クロアチア (2005年) - インド (2006年) - イギリス (2007年) - 西ベンガル州 (2008年)
|
|
科学 |
構造 - 感染経路 - 世界的感染 - 治験 - ヒトの致死率 - 社会的影響
|
|
|
治療 |
抗ウイルス薬 |
塩酸アルビドール - アダマンタン化合物 (アマンタジン、リマンタジン) - ノイラミニダーゼ阻害薬 (オセルタミビル、ラニナミビル、ペラミビル、ザナミビル)
実験 (ペラミビル)
|
|
ワクチン |
フルミスト - フルゾーン
|
|
|
流行・
パンデミック |
流行 |
ソ連かぜ (1977–1978年) - 福建かぜ (H3N2)
|
|
パンデミック |
ロシアかぜ (1889–1890年) - スペインかぜ - アジアかぜ - 香港かぜ - 2009年新型インフルエンザの世界的流行
|
|
|
ヒト以外 |
哺乳類 |
イヌ - ネコ - ウマ (2007年オーストラリアでの流行) - ブタ
|
|
哺乳類以外 |
トリ - 福建かぜ (H5N1)
|
|
|
関連項目 |
インフルエンザ様疾患
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- Reverse Transcription Loop-mediated Isothermal Amplification法による新型インフルエンザウイルス(A/H1N1pdm)迅速検出法の有用性
- 矢野 拓弥,大熊 和行
- 日本環境感染学会誌 26(5), 305-310, 2011
- 豚が起源の新型インフルエンザウイルス(A/H1N1pdm)は2009年4月前半にメキシコで発生した.その後,A/H1N1pdmは世界中で急速に広まった.本研究では,Reverse Transcription(RT)-LAMP法による豚由来のA/H1N1pdmの検出法を検討した.基礎検討において,A/H1N1pdm RNA陽性コントロールを用いてRT-LAMP法を実施し検出を …
- NAID 130001395518
- 基礎 B型インフルエンザウイルスと抗インフルエンザ薬
Related Links
- B型インフルエンザウイルスは、その特徴や臨床症状の点でA型とよく似ている。特に 臨床症状からはA型とB型の区別はできず、A型と同様、ヒトインフルエンザの病原体 として重要である。 ウイルスの構造や増殖 ...
- B型インフルエンザウイルス(ビーがたインフルエンザウイルス、Influenzavirus B)とは オルソミクソウイルス科のB型インフルエンザウイルス属に属する唯一の種である。 B型 インフルエンザはヒトとアシカ亜目のみに感染して、インフルエンザを引き起こす。構造的 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- influenza B virus
- 関
- B型インフルエンザウイルス
[★]
- 英
- influenza B virus infection
- 関
- B型インフルエンザウイルス感染症
[★]
- 英
- influenza B virus infection
- 関
- B型インフルエンザウイルス感染
[★]
- 英
- influenza virus Flu
- 関
- インフルエンザ、急性呼吸器感染症、感染症法
ウイルス学
-
A型とB型の比較
|
A型インフルエンザ
|
B型インフルエンザ
|
自然宿主
|
水鳥(カモなど)
|
ヒト
|
感染
|
トリ、ブタとの人獣共通感染
|
ヒト
|
変異
|
変異しやすい
|
変異しにくい 自然宿主がヒトだけなので 不連続変異がない
|
流行
|
世界的大流行を起こす
|
地域的な流行が多い
|
ゲノム
- 分節構造を有する。A,B型は8分節。C型は7分節。
- 遺伝子再集合を起こす
亜型
- A型とB型はウイルス表面に赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)を有している。
- HAは16亜型。NAは9亜型。
- A型インフルエンザウイルスでは、HAは16種類、NAは9種類知られており、この組み合わせで亜型が決定される。
- 同一のHAであっても抗原決定基が5箇所存在するために、変異により獲得抗体の中和を逃れる。
- H1N1(ソ連A型)、H3N2(香港A型)がヒトに感染する。H2N2(アジアA型)もヒトに感染するが、流行が見られていない。
- B型インフルエンザウイルスはHAは1種類のみしか存在しない。
感染症
まとめ
インフルエンザの特徴について
- インフルエンザはオルソミクソウイルス科に分類され、エンベロープを有し、一本鎖かつマイナス鎖のRNAをゲノムにもつ。インフルエンザはA型インフルエンザウイルス属、B型インフルエンザウイルス属、C型インフルエンザウイルス属の三つに分類されている。A型及びB型インフルエンザウイルス属に属するウイルスはインフルエンザ粒子の外面にヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)を有しており、これらはそれぞれ16種類、9種類あり、これらの組み合わせで一つのウイルスの亜型をなす。ヘマグルチニンは宿主細胞のシアル酸をレセプターとして結合し、またエンドソーム内でエンベロープとエンドソームの脂質二重膜を融合して宿主内への侵入に関わっている。ノイラミニダーゼはシアル酸を切断する酵素であり、この酵素がヘマグルチニンに結合したシアル酸を分解することで宿主細胞から出芽できる。なお、C型インフルエンザウイルス属はHAとNAの代わりにhemaglutinin-esterase(HE)タンパク質がこの機能を担っており亜系はない。
抗原変異:shift(抗原不連続変異)とdrift(抗原連続変異)
- shiftは遺伝子再集合により亜型が変化する変異であり、16種類あるHAと9種類あるNAの組み合わせが異なった新な亜型のウイルスが生まれることである。この変異により生じたインフルエンザウイルスに対する抗体は誰も有していないことが考えられ、世界的な流行が起こりうる。driftは同一亜型内の変異であって、HAあるいはNAにアミノ酸置換変異が生じるなどにより起こる。この変化により抗原性が変化するため、ワクチンが効かなかったりあるいは抗体抗原反応が生じなかったりして流行が起こりうる。しかしながら抗原性が全く変わるわけではないためワクチンや抗インフルエンザウイルス抗体が無効になるわけではない。
高病原性鳥インフルエンザ
- カモは16種類あるHAのどの亜型のインフルエンザウイルスに感染しても不顕性であるのに対し、ニワトリに感染しうるH5とH7は高病原性であり致死率は100%である。この型のインフルエンザウイルスのHAはニワトリで全身に感染しうる。H5のHAは全ての細胞のゴルジ装置中に存在するFurinというプロテアーゼでHA1とHA2に切断される。つまり、全身の細胞で増殖しうるウイルスである。これゆえにH5あるいはH7を持つ鳥インフルエンザウイルスは高病原性鳥インフルエンザと呼ばれている。
高病原性鳥インフルエンザの流行の可能性
- カモは16種類あるHAのどの亜型のインフルエンザウイルスにも不顕性感染する。また、カモは渡り鳥であり、季節性に地球の半球の南北を往来する。このため、カモが停留する池の周辺からニワトリなどの家禽に高病原性鳥インフルエンザがもたらされ家禽類の間で流行しうる。さらに家禽類の飼育者も高病原性鳥インフルエンザに感染しうる。この時点ではH5N1はヒトに対する効率よく感染できないが、2つの変化によって感染の効率が上昇しうる。一つはHAがトリ型レセプターからヒト型レセプターを認識するように変異することであり、もう一つはRNA依存性RNAポリメラーゼの至適温度が42℃から36℃に変わるよう変異することである。これらの変化が起こればトリ型のH5N1はヒト型に変化し、ヒトに対して全身性そしてより高い感染伝播性を獲得しヒトで大流行を起こしうる。
インフルエンザの予防と治療
- インフルエンザの予防はうがいと手洗いである。そして、人混みを避け人混みに出る必要に迫られれば、花粉症用のマスクを着用する。また、毎年年末から流行し、免疫系が立ち上がるのに数週間はかかることを考え、11月上旬に1回目、11月下旬に2回目を接種してもらうのがよい。治療には日本ではアマンタジン、ザナミビル、オセルタミビルが使われてる。アマンタジンはA型ウイルスのみの適用であることに注意すべきである。ザナミビルは12歳以上が適用であり、吸入で用いる。A,B型の両方に適用できる。オセルタミビルは服用剤であり、A,B型の両方に適用できる。
参考
- http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/index.html
- http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/index-j.html
- 東京都 - 感染症情報センター 季節性インフルエンザ
- 図あり
- http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/index.html
- 鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染に重要なアミノ酸変異を発見
- 図あり
- http://www.jst.go.jp/pr/announce/20061116/index.html
- 新型インフルエンザに対応するためのタンパク質立体構造データベースを全世界に公開- 抗インフルエンザウイルス薬剤開発促進へ -
- http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2006/060120/detail.html
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
-
- 関
- 形、機序、形式、形成、形態、種類、パターン、パターン形成、品種、編成、方法、モード、様式、タイプ標本、タイプ、フォーム、成立、形づくる
- 原型
[★]
- Mg2+存在下でC3, B, Dが反応してC3bBbとなり、これがC3転換酵素(C3bBb)あるいはC5転換酵素(C3bBb3b)を形成する。これらはP(properdin)と結合して活性化し、それぞれC3、C5を活性化する