- 英
- visual evoked potential, VEP, visual-evoked potentials
- 同
- 視覚誘発反応 visual evoked response, VER
- VECP visually evoked cortical potentials
- 関
- SOP.249
- 光または格子縞の視覚刺激で網膜を刺激し、誘発された脳波の変化を後頭部で記録する方法。
- 視神経や視覚路の障害により振幅の低下、頂点潜時の延長
- 脱髄性視神経炎(多発性硬化症など)では潜時の延長 ← 軸索の伝導速度の低下による。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/03 21:20:29」(JST)
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視覚誘発電位(しかくゆうはつでんい、英:Visual evoked potentials, VEP)とは、視覚刺激を与えることで大脳皮質視覚野に生じる電位である。歴史的にはフラッシュVEPとパターンVEPの2種類があるが、フラッシュVEPは波形の再現性が同一個人間でも難があり、2010年現在はパターンVEPが用いられることが多い。
原理[編集]
全視野刺激を行うと後頭部正中線を中心に陰性-陽性―陰性の三相波が出現する。極性と潜時からそれぞれN75、P100、N145と呼ばれている。まれにM75のまえにM60が記録されることもある。ヒトの場合はN75とP100は1次視覚野由来であることが確認されている。サルを用いた研究ではN75が外側膝状体から入力を受ける1次視覚野の4C層、P100は1次視覚野の2、3層、N145は1~3視覚野の広い領域に関連する反応と考えられている。半盲の検査のため半側視野刺激を行うこともあり奇異性頭皮上分布を認めることがある。
結果[編集]
波形 |
由来 |
正常値(平均±SD) |
正常上限(平均+3SD) |
P100 |
1次視覚野 |
105.5±6.1 |
123.8 |
P100の振幅は大体5~10μVであるが個体差が大きいため異常の判定には用いない。左右の振幅が50%以上の差があれば異常の可能性がある。P100が明らかではなく二峰性の陽性頂点が認められる場合があり、この場合をW波形反応という。これは視神経炎で中心暗点が認められる場合に生じる。
参考文献[編集]
- 神経筋電気診断の実際 ISBN 4791105486
- 臨床神経生理学 ISBN 9784260007092
外部リンク[編集]
- 日本臨床神経生理学会
- 誘発電位マニュアル
- 誘発電位アトラス
- 誘発電位解釈のポイント
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 Pattern reversal VEPにて視神経炎が示唆されたリンパ球性下垂体炎の1例
- 脳動脈瘤 clipping 術における術中視覚誘発電位モニタリング
- 佐々木 達也,西嶌 美知春,金森 政之,川口 奉洋,高沢 弘樹,米澤 慎悟,面高 俊介,板倉 毅,佐藤 拓,佐久間 潤,齋藤 清
- 脳卒中の外科 = Surgery for cerebral stroke 38(6), 403-408, 2010-11-30
- NAID 10026963430
Related Links
- 視覚誘発電位 (VEP), パターンリバーサル 全視野刺激, 視神経の機能検査, 視神経 病変(脱髄、中毒、圧迫、虚血など)、視交叉部病変(下垂体腫瘍など)、視交叉後病変( 脳梗塞など)、パーキンソン病、ヒステリーの鑑別など. パターンリバーサル 半視野刺激 ...
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★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、63~65の問いに答えよ。
- 35歳の女性。左上下肢の脱力のため夫に連れられて来院した。
- 現病歴:3年前に複視を自覚したが、疲れ目と考え様子をみたところ、数日で自然軽快した。1年前に右眼のかすみを自覚して自宅近くの眼科診療所を受診したが、眼底検査に異常なく約2週間で軽快した。2日前に左下肢、引き続いて左上肢の脱力を自覚した。本日、歩行も困難になったため受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:事務職。会社員の夫と2人暮らしで子どもはいない。喫煙歴と飲酒歴はない。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 156cm、体重 50kg。体温 36.5℃。脈拍 64/分、整。血圧 126/68mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。視力は右0.4(0.8×-1.5 D)、左0.6(1.2×-1.0 D)。他の脳神経に異常を認めない。四肢筋力は、右側は正常、左側は徒手筋力テストで3~4の筋力低下を認める。腱反射は左上下肢で亢進し、左Babinski徴候が陽性である。自覚的に左半身のしびれ感を訴えるが、温痛覚、振動覚および関節位置覚は左右差を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球 5,300、血小板 21万、PT-INR 1.0(基準 0.9~1.1)、APTT 31.4秒(基準対照 32.2)。血液生化学所見:総蛋白 7.5g/dL、アルブミン 3.9g/dL、IgG 1,424mg/dL(基準 960~1,960)、総ビリルビン 0.9mg/dL、直接ビリルビン 0.2mg/dL、AST 28U/L、ALT 16U/L、LD 177U/L(基準 176~353)、ALP 233U/L(基準 115~359)、γ-GTP 32U/L(基準 8~50)、CK 72U/L(基準 30~140)、尿素窒素 12mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、血糖 98mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 97mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.3mg/dL。抗核抗体、抗DNA抗体、抗カルジオリピン抗体、抗アクアポリン4抗体およびMPO-ANCAは陰性。脳脊髄液所見:初圧 80mmH2O(基準 70~170)、細胞数 1/mm3(基準 O~2)、蛋白 60mg/dL(基準 15~45)、糖 60mg/dL(基準 50~75)。頭部MRIのFLAIR像(別冊No. 13)を別に示す。
- a 脳波
- b 視覚誘発電位
- c 脳血流SPECT
- d 頸動脈超音波検査
- e 反復誘発筋電図検査
[正答]
※国試ナビ4※ [112C062]←[国試_112]→[112C064]
[★]
- 67歳の男性。突然の嚥下困難のため救急車で搬入された。
- 現病歴:本日、昼食中に突然、後頭部痛、めまい及び悪心を感じて嘔吐した。しばらく横になり様子をみていたが、帰宅した妻から声を掛けられ返答したところ、声がかすれて話しにくいことに気が付いた。水を飲もうとしたがむせて飲めなかった。心配した妻が救急車を要請した。
- 既往歴:40歳から高血圧症。生活歴:妻と人暮らし。喫煙は10本/日を45年間。飲酒は機会飲酒。現症:意識は清明。身長 165cm、体重 60kg。体温 36.6℃。心拍数 72/分整。血圧 160/90mmHg。呼吸数 12/分。SpO2 97%(マスク 4L/分酸素投与下)。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。神経診察では、眼球運動に制限はなく複視はないが、構音障害と嚥下障害を認める。左上下肢の温痛覚が低下している。腱反射に異常を認めず、Babinski徴候は陰性である。
- 検査所見:血液所見:赤血球 452万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球 5,300、血小板 32万。血液生化学所見:総蛋白 8.1g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、AST 15U/L、ALT 18U/L、LD 280U/L(基準 176~353)、ALP 213U/L(基準 115~359)、γ-GTP 18U/L(基準 8~50)、CK 50U/L(基準 30~140)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、尿酸 4.2mg/dL、血糖 82mg/dL、トリグリセリド 185mg/dL、HDLコレステロール 40mg/dL、LDLコレステロール 200mg/dL、Na 145mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 104mEq/L。CRP 0.2mg/dL。頭部MRI拡散強調像(別冊No. 14)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F080]←[国試_113]→[113F082]
[★]
- 次の文を読み、19~21の問いに答えよ。
- 7歳の女児。学校の教師に授業中時々目がうつろになることを指摘され、母親に伴われて来院した。出生歴:在胎39週3日、自然分娩で出生した。出生時の身長50cm、体重2,930g。Apgarスコア10点(1分)。
- 発育歴・既往歴 : 精神運動発達は正常である。学校の成績は中等度である。
- 現病歴 : 2週前から瞬間的にぼんやりすることに家族が気付いたが、あまり気にしていなかった。数秒間目がうつろになり、時にはフラッと倒れそうになることがあった。ぼんやりしている時は呼名に反応せず、周囲の人と目を合わせなかった。しかし、数秒後には元の状態に戻り、直前の動作を続けようとした。このようなことが1日に10~15回あった。
- 現症 : 意識は清明。身長120cm、体重27kg。体温36.3℃。脈拍82/分、整。胸腹部に異常を認めない。神経学的所見には異常を認めない。深呼吸をさせると、瞬間的に目がうつろになり、呼びかけに答えないが、数秒で応答できるようになる。本人はこのような事象の詳細を記憶していない。
[正答]
※国試ナビ4※ [096C020]←[国試_096]→[096C022]
[★]
- 7か月の男児。笑わなくなったことに気付かれ来院した。20日前から親の顔を追視せず、声をかけても笑わなくなった。このころから、物音にびっくりしたように、瞬間的に両上肢を振り上げる動作があるという。これを数回反復する。診察所見は追視がなく、お座りができない。昨日近医で記録した覚醒時脳波を以下に示す。
- 最も適切な対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D045]←[国試_095]→[095D047]
[★]
- 48歳の男性。事務職。細かい文字が見えにくくなったことを主訴に来院した。1年前から書類の文字や数字が読みづらくなり、 3か月前からパソコン画面の字も見えにくくなったという。視力は右1.0(1.0× +1.50D)、左1.0(1.0× +1.50D)。眼圧は右18mmHg、左18mmHg。眼位は正位で、眼球運動に異常を認めない。細隙灯顕微鏡検査と眼底検査とで明らかな異常を認めない。
- 次に行う検査として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D049]←[国試_106]→[106D051]
[★]
- 75歳の女性。視力低下を主訴に来院した。数年前から両眼の視力低下を自覚していたが、数日前から右眼がほとんど見えなくなった。視力は、右手動弁(矯正不能)、左O.1(矯正不能)。眼圧は、右8mmHg、左12mmHg。細隙灯顕微鏡検査で両眼水晶体の混濁を認める。散瞳下で眼底検査を行ったが両眼とも詳細な観察が困難である。
- まず行う検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E059]←[国試_104]→[104E061]
[★]
- 夜になると物が見えにくいと訴える患者の両眼の眼底写真 (別冊 No.5A、B)を別に示す。
- 必要な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108E028]←[国試_108]→[108E030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B013]←[国試_095]→[095B015]
[★]
- 暗室で行う眼科検査の写真を以下に示す。この検査で得られる情報はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E005]←[国試_103]→[103E007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105B023]←[国試_105]→[105B025]
[★]
- 英
- cerebral evoked potential CEP
- 同
- 大脳誘発反応 cerebral evoked response
- 関
- 誘発電位
概念
- 末梢の感覚受容器を刺激し、中枢で測定される興奮インパルスによる電位。測定により中枢までの障害を評価できる。
種類
[★]
視覚誘発反応 VER = 視覚誘発電位, visual evoked potential, VEP
[★]
視覚誘発電位 visual-evoked potentials
[★]
視覚誘発電位 visual evoked response
[★]
視覚誘発電位 VEPs
[★]
- 英
- pattern reversal visual evoked potential, pattern-shift visual evoked potential
[★]
- 英
- voltage、potential、electrical potential、electric potential
- 関
- 可能、可能性、潜在的、ボルテージ、ポテンシャル、有望、電圧
[★]
- 英
- evoked potential, evoked potentials, EPs
- 関
- 大脳誘発電位
[★]
- 英
- visual sensation, vision
- ラ
- risus
- 関
- 視神経
[★]
- 英
- induction
- 関
- 誘導