- 日
- さいこかりゅうこつぼれいとう
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柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、漢方薬方剤の一つ。
概要
鎮静安定作用を持つ和解剤の一つ[1][2]。
類似に桂枝加竜骨牡蛎湯(虚証で用いる)がある。
適応
実証~中間証(体力が中程度以上)の者の高血圧、小児夜啼症、不眠、ヒステリー、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、陰萎、動脈硬化症、慢性腎臓病などに用いられる[3]。
組成
柴胡(さいこ)、半夏(はんげ)、桂皮(けいひ)、茯苓(ぶくりょう)、黄岑(おうごん)、大棗(たいそう)、人蔘(にんじん)、牡蛎(ぼれい)、竜骨(りゅうこつ)、生姜(しょうきょう)、大黄(だいおう)[4]
原典である傷寒論には鉛丹も加味されているが、鉛丹(Pb3O4)は毒性があるために現在は除かれている。
脚注
- ^ 高山貞夫 (2014年7月12日). “和解剤 (PDF)”. 中医方剤薬効分類 03. たかやま健生堂薬局. 2014年9月5日閲覧。
- ^ 高山貞夫 (2014年7月12日). “中医方剤解説 64 (PDF)”. 中医方剤解説. たかやま健生堂薬局. 2014年9月21日閲覧。
- ^ ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯(医療用)
- ^ 大黄は下痢作用があるため、これを考慮して加えない漢方製剤もある。
参考文献
関連項目
- 舌痛症
- ツムラ - 12番が柴胡加竜骨牡蛎湯エキス
- クラシエ - EK-12が柴胡加竜骨牡蛎湯エキス
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Japanese Journal
- 梶本 めぐみ,生田 明子,三谷 和男,安田 勝彦
- 日本東洋医学雑誌 70(4), 392-398, 2019
- … 柴胡加竜骨牡蛎湯と抗うつ薬と,睡眠導入薬にて,不眠の軽快を認めてから約2週間後に外陰部痛が軽快した。 …
- NAID 130007806278
- 偶然の再投与により確定診断した柴胡加竜骨牡蛎湯による薬剤性肺障害の1例
- 坂上 共樹,新谷 泰久,福西 惠一,新林 成介
- 呼吸器内科 = Respiratory medicine 34(2), 205-210, 2018-08
- NAID 40021662709
- 乳がん内分泌療法による更年期症状 (特集 女性疾患を支える漢方薬)
Related Links
- 「柴胡加竜骨牡蛎湯」は、「気」をめぐらせ、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせるのがポイントの処方で、脳の興奮からくる不眠を改善する漢方製剤です。 効能・効果
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ) 神経質で精神的に不安定な人に 比較的体力はあるが、神経質で、ささいなことが気になって、抑うつ、不安、イライラ、不眠などがあるような、精神的に不安定な人に用いられる薬です。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、精神安定によく用いられる処方で、動悸、不眠、めまい、のぼせ、ヒステリー、ノイローゼ、更年期障害、てんかん、小児の夜泣きなどの改善に役立ちます。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局サイコ 5.0g
日局ハンゲ 4.0g
日局ケイヒ 3.0g
日局ブクリョウ 3.0g
日局オウゴン 2.5g
日局タイソウ 2.5g
日局ニンジン 2.5g
日局ボレイ 2.5g
日局リュウコツ 2.5g
日局ショウキョウ 1.0g
添加物
- 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル
効能または効果
- 比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症
- 高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
重大な副作用
間質性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
血圧降下作用
- ウサギに混餌にて前投与したところ、ノルアドレナリンによる血管収縮及び血圧上昇を抑制した1)。
抗動脈硬化作用
- 高血圧自然発症ラットに経口投与したところ、大動脈内膜肥厚度が低下し、病変部の内膜肥厚の進行が抑制された2)。
- 頚動脈を擦過したラットに高コレステロール食とともに混餌前投与したところ、血管内皮肥厚が抑制され、血管平滑筋細胞の増殖が抑制された3)。
向精神作用
- EIマウスに混餌にて前投与したところ、明期の運動量が減少し、明期のペントバルビタール誘発睡眠が延長した4)。
- 慢性的に水浸拘束を負荷したラットに経口投与したところ、回転棒における運動量の減少が改善された5)。
抗痙攣作用
- マウスに経口投与したところ、電気刺激による間代性痙攣の持続時間が短縮し、ペンテトラゾール、ピクロトキシンによる死亡までの時間が延長した6)。
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
抗動脈硬化作用
- ・遺伝性高コレステロール血症(KHC)ウサギに高コレステロール食とともに混餌投与したところ、総コレステロール及びLDLが減少し、肝臓組織におけるapoE及びLDL受容体mRNA量が増加した7)。
- ・ヒト肝細胞モデルHepG2細胞において、細胞内コレステロールエステル及びトリグリセリドの合成を抑制し、apoBの分泌を低下させた(in vitro )8)。
向精神作用
- ・慢性的に水浸拘束を負荷したラットに経口投与したところ、副腎重量の増加が抑制され、グルココルチコイドによるネガティブフィードバック反応の減弱が改善された9)。
- ・慢性的に水浸拘束を負荷したラットに経口投与したところ、前頭前野におけるセロトニン及びドパミンの放出量減少が改善された5)。
★リンクテーブル★
[★]
- 日
- しょうさいことう
- 関
- 柴胡剤
鑑別
- 1)大柴胡湯:体力充実し、胸脇苦満、腹壁の緊張が著明、便秘傾向
- 2)柴胡桂枝湯:体力中等度以下、自然発汗傾向、頭痛、顔面紅潮、腹直筋緊張
- 3)補中益気湯:体力中等度以下、全身倦怠、易疲労、軽度の胸脇苦満
- 4)柴胡加竜骨牡蛎湯:大柴胡湯に似るが、抑うつ傾向、不安、不眠、易怒などの精神症状が著しい。
- 腹大動脈の拍動亢進
[★]
- 日
- さいじょうき
- 関
- 気逆、水滞
- (和漢診療学 第2版)
[★]
- 同
- 柴胡加龍骨牡蠣湯エキス
- 関
- 漢方製剤、柴胡加竜骨牡蛎湯
[★]
- 日
- さいこ、サイコ
- 英
- chai hu, Bupleurum root, chinese thorowax root
- ラ
- Bupleuri Radix
- 関
- ミシマサイコ、柴胡剤
- 生薬
- 成分:サポニン類(サイコサポニン)
- 薬理作用:解熱作用、消炎作用、鎮痛作用、鎮静作用、抗菌作用、抗ウイルス作用
- 方剤:柴胡剤(少陽病・胸脇苦満型)のベースとして用いられており、黄芩と共に使われることが多い。
[★]
気管
- 英
- carina
- 関
- 気管竜骨、気管分岐部
漢方
- 日
- りゅうこつ、リュウコツ
- 英
- longgu
- 同
- 龍骨、白竜骨 はくりゅうこつ、花竜骨 かりゅうこつ、五花竜骨 ごかりゅうこつ、土竜骨 どりゅうこつ
[★]
- 日
- ぼれい、ボレイ
- 英
- oyster shell
- 同
- 牡蛎殻 ぼれいかく