出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/11 13:15:02」(JST)
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化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律 | |
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日本の法令 |
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通称・略称 | 化審法、化学物質審査規制法 |
法令番号 | 昭和48年法律第117号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 環境法 |
主な内容 | 化学物質による環境汚染防止のため、化学物質の製造・輸入に際して性状を審査し、製造・輸入・使用の規制を行う。 |
関連法令 | 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、ダイオキシン類対策特別措置法、毒物及び劇物取締法 |
条文リンク | 総務省・法令データ提供システム |
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化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(かがくぶっしつのしんさおよびせいぞうとうのきせいにかんするほうりつ、昭和48年法律第117号)は、日本の法律。略称は化審法(かしんほう)または化学物質審査規制法。
難分解性の性状を有し、かつ、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質が難分解性等の性状を有するかどうかを審査する制度を設けるとともに、その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とする。(法第1条)
昭和43年(1968年)に起こったカネミ油症事件のポリ塩化ビフェニル(PCB)による健康被害を契機に、昭和48年(1973年)に制定された。カネミ油症事件が起こるまで、人への健康被害の防止は、直接、化学物質と接触して被害を及ぼすような毒劇物の製造・使用等の規制や排出ガス・排出水等の規制によっておこなわれてきた。 ところが、この事件は、従来規制対象になっていなかった安定で分解しにくい物質が、長期間にわたって人体に残留してじわじわと健康に被害を及ぼしたことで、これまでの化学物質の安全性に関する考え方を根本的に覆すものだった。
このため、化学工業の発展に伴って新しい化学物質が次々に製造されるにあたり、PCBのような難分解性・高濃縮性の化学物質に対して、その安全性を確認し、人の健康を損なうおそれのある化学物質の製造・輸入の規制が求められるようになった。そこで、厚生省(現:厚生労働省)・通商産業省(現:経済産業省)によって、昭和48年に化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律が策定された。化審法の特徴は新規化学物質の事前審査制度を世界に先駆けて導入したことであり、届出された新規化学物質のうち、難分解性、高濃縮性、長期毒性のあるものを特定化学物質(現:第一種特定化学物質)に指定し、製造・輸入の規制(事実上の製造・輸入禁止)を行った。化審法はPCBを規制するための法律として産声を上げたのである。
その後、昭和61年(1986年)に従来の特定化学物質を第一種特定化学物質に改編するとともに、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンによる地下水汚染問題を契機に、高濃縮性ではないが難分解性、長期毒性のある化学物質を第二種特定化学物質に新たに指定し、規制をおこなうことになった。また、高濃縮性ではないが難分解性、長期毒性のおそれの疑いのある化学物質も指定化学物質(現:第二種監視化学物質)に指定し、必要な措置が講じられることになった。
平成11年(1999年)には、中央省庁再編がおこなわれ、厚生省が厚生労働省へ、通産省が経済産業省へ再編されるとともに、業務の見直しがおこなわれ、環境省も共同で業務をおこなうこととなった。
しかし、ここまでの化審法は、環境を経由した人の健康被害の防止のみを目的としており、一般環境中の動植物への影響を考えていなかった。また、OECDからも、日本の化学物質管理政策に対して「生態系保全」の考え方を導入するように勧告がなされた。そこで、平成15年(2003年)に法律を改正し、動植物への影響に着目した制度の導入(第三種監視化学物質の指定・措置)や環境中の放出可能性に着目した制度(中間物等の申出・確認)の見直しなどが行われ、現在に至っている。
国際的な規制強化の潮流にあわせ、2010年には企業に対して、すべての化学物質の製造・輸入量、用途を年1回報告するよう義務づけする方向で見直しが進められている。EUのREACH制度の日本版といえる規制になる見通しである。
化審法で対象となる化学物質は、放射性物質、毒物及び劇物取締法、覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法に規定の物質を除くもので、元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化合物であり、以下のように分類され、厚生労働大臣・経済産業大臣・環境大臣により指定される。(2015年4月1日現在[1])
以上につき必要に応じて有害性調査を行い、有害性が明らかな場合には以下に指定する。
各国・地域において、それぞれの法令により、化学物質の審査や化学物質のリスト(インベントリ)が整備されている[2]。
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リンク元 | 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」 |
関連記事 | 「規制」「物質」「化学」「審査」「製造」 |
テンプレート:日本の法令
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(とくていかがくぶっしつのかんきょうへのはいしゅつりょうのはあくとうおよびかんりのかいぜんのそくしんにかんするほうりつ;平成11年法律第86号)は、日本の法律。略称は、化学物質排出把握管理促進法、化管法、PRTR法。1999年7月13日公布、一部の規定を除き2000年3月30日施行。
環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調の動向に配慮しつつ、化学物質に関する科学的知見及び化学物質の製造、使用その他の取扱いに関する状況を踏まえ、事業者及び国民の理解の下に、特定の化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする(第1条)。
この法律は、政令で指定された化学物質を取り扱う事業者が、指定化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、国に届け出ることにより、環境あるいは人体に有害な化学物質がどのような発生源からどのくらい環境へ排出・移動されたか、というデータを集計し、公表する仕組みである。PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register 制度)、PRTR法、化管法などとも呼称される制度である。
指定化学物質を製造、移動あるいは使用する事業者は毎年一回、都道府県を窓口にして国へ報告する義務を負っている。この届出の対象になるのは政令で定められた、「第一種指定化学物質」と「第二種指定化学物質」のうち、「第一種指定化学物質」の354物質である(2004年11月現在)。
また、当該製品を販売する場合には販売先にMSDS (Material Safety Data Sheet) を添付することも義務付けられている。この対象となるのは、政令で定められた、「第一種指定化学物質」と「第二種指定化学物質」の合わせて435物質である。
対称物質は特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律における特定化学物質の一覧を参照。
1974年にオランダで開始されたIEI制度がその原型であり、1986年にはアメリカ合衆国でTRI制度として、整備が進められた。
1992年の環境と開発に関する国際連合会議において採択された、アジェンダ21には、各国政府が化学物質の管理において果たすべき役割が述べられている。この中の一つが、PRTR制度である。
1996年に経済協力開発機構(OECD)は、アジェンダ21をうけて、加盟各国政府にPRTR制度の導入についての勧告を行った。
日本においては、OECD勧告を受け、環境庁(現:環境省)及び通商産業省(現:経済産業省)が共同して法制化し、1999年(平成11年)に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)を成立させた。
経済産業省 環境省
内閣府 財務省 (日本) 文部科学省 厚生労働省 農林水産省 国土交通省
主な業務は、経済産業省及び環境省でおこなっているが、化学物質を取扱う事業者の行う事業を所管する官庁も所轄している。
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