イソコナゾール
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アデスタンは、イミダゾール誘導体である「イソコナゾール硝酸塩」を含有する抗真菌薬で、クリームと腟錠が使用されている。
目次
- 1 開発の経緯
- 2 臨床効果
- 3 副作用
- 4 脚注
- 5 参考文献
開発の経緯
- 1969年 Godefroiらがイソコナゾール硝酸塩を開発。
- 1977年 日本で日本シエーリング(現バイエル薬品)が「白癬、カンジダ症および癜風」を適応としたクリーム剤の臨床試験開始。
- 1979年 「カンジダに起因する腟炎及び外陰腟炎」を適応とした腟錠の開発開始。
- 1982年 「アデスタンクリーム」承認、発売。
- 1985年 「アデスタン腟錠」承認、発売[1]。(速効性と持続効果により、1日療法(1週1回600mgを腟深部に挿入する)を可能にした国内初の製剤)
- 2005年 インテンディスが「アデスタンクリーム」の輸入製造販売を承継。
- 2010年 インテンディスとの統合により、「アデスタンクリーム」をバイエル薬品が販売[2]。
臨床効果
アデスタンクリーム(市販後の使用成績調査)
- 白癬(2,917例):著明改善48%、改善以上77%、やや改善以上94%
- カンジダ症(401例):著明改善67%、改善以上89%、やや改善以上98%
- 癜風(172例):著明改善56%、改善以上78%、やや改善以上95%
アデスタン腟錠(承認時までの臨床試験)
- 臨床症状改善率96%(338/354)、菌陰転率84%(280/333)、有効率83%(277/333)
副作用
アデスタンクリーム
- 総症例4,121例中56例(1.4%)。主な副作用は発赤、瘙痒、刺激感、接触皮膚炎、疼痛等。(再審査終了時)
アデスタン腟錠
- 総症例3,849例中23例(0.6%)。主な副作用は疼痛、腫脹感、発赤、刺激感、瘙痒感等。(再審査終了時)
脚注
- ^ “「アデスタン腟錠300mg」添付文書 (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2009年9月). 2010年1月27日閲覧。
- ^ “「アデスタンクリーム1%」添付文書 (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2010年4月). 2010年4月3日閲覧。
参考文献
アデスタンクリーム
- Isoconazole研究班:西日本皮膚科 43:103(1981)
- 須貝哲郎:皮膚 23:147(1981)
- 白取昭ほか:基礎と臨床 15:659(1981)
- 児島孝行:新薬と臨床 29:705(1980)
アデスタン腟錠
- 水野重光ほか:産婦人科の世界 34:201(1982)
- 水野重光ほか:産婦人科の世界 34:541(1982)
- Kessler,H.J.:Arzneim.-Forsch. Drug Res. 29/Ⅱ(9):1344(1979)
Japanese Journal
- 女性性器トルロプシス症に対するIsoconazole nitrate(アデスタン)腟錠の臨床効果
- 外陰腟真菌症に対するIsoconazole nitrate(アデスタン腟錠)の臨床効果
- Isoconazole Nitrate(アデスタン)腟錠の臨床使用経験
Related Links
- アデスタンクリーム(一般名:イソコナゾール硝酸塩)は1982年から発売されている塗り薬で、抗真菌薬に属します。抗真菌薬とは、真菌(カビ)をやっつけるお薬のことです。アデスタンクリームは塗り薬ですので、主に皮膚に感染し ...
- バイエル薬品株式会社のウィメンズヘルスケアに関する製品(アデスタン膣錠)の製品基本情報を提供しています。 ... このサイトは、医療関係者の方を対象に、医療用医薬品に関する情報を掲載しております。 ご利用の際は、必ず ...
- ※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。 アデスタンクリーム1%の使用上の注意 病気や症状に応じた注意喚起 以下の病気・症状がみられる方は、添付文書の「使用上の注意 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
*アデスタンクリーム1%
組成
成分・含量
添加物
- ポリソルベート60,モノステアリン酸ソルビタン,セトステアリルアルコール,流動パラフィン,白色ワセリン
禁忌
効能または効果
白癬
- 体部白癬(斑状小水疱性白癬,頑癬),股部白癬(頑癬),足部白癬(汗疱状白癬)
カンジダ症
- 指間びらん症,間擦疹,乳児寄生菌性紅斑,爪囲炎,外陰部カンジダ症,皮膚カンジダ症
癜風
薬効薬理
抗菌作用
- イソコナゾール硝酸塩はin vitroの試験の結果,皮膚糸状菌,酵母及び酵母様真菌,カビ類,グラム陽性細菌,腟のトリコモナスに対して広範な抗菌活性スペクトルを示した4〜6).
抗真菌作用機序
- イソコナゾール硝酸塩は真菌類の細胞膜の透過性を迅速かつ強力に変化させることによって抗真菌作用を発揮する.この結果,細胞呼吸が抑制され,細胞膜構造が破壊される7).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- イソコナゾール硝酸塩(Isoconazole Nitrate)(JAN)
化学名
- 1-{2-[(2,6-Dichlorobenzyl)oxy]-2-(2,4-dichlorophenyl)ethyl}imidazole nitrate
分子式
分子量
融 点
性 状
溶解性
- 本品はメタノールにやや溶けやすく,酢酸(100)にやや溶けにくく,エタノール(95)に溶けにくく,水に極めて溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
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商品
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- 英
- isoconazole
- 化
- 硝酸イソコナゾール isoconazole nitrate
- 商
- アデスタン、バリナスチン