テルビナフィン
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/28 19:25:50」(JST)
[Wiki ja表示]
塩酸テルビナフィン |
テルビナフィン |
IUPAC名 |
(E)-N-(6,6-Dimethyl-2-hepten-4-ynyl)-N-methyl-1-naphthalenemethylamine hydrochloride |
分子式 |
C21H25N•HCl |
分子量 |
327.89 |
CAS登録番号 |
[CAS-91161-71-6] |
形状 |
白色または微黄色結晶 |
融点 |
203–208 °C |
テルビナフィン塩酸塩(terbinafine hydrochloride)は、抗真菌薬として用いられる有機化合物の一種。分子式は C21H25N•HCl 。においは無い。酢酸、メタノールに溶けやすくジエチルエーテルに溶けにくい。
歴史
スイスのサンド(現ノバルティス)によって開発された。
日本国内では1993年7月にアリルアミン系抗真菌薬としてはじめてラミシールという商品名でクリーム剤が承認され、1997年7月には錠剤が承認された。さらに2004年には一般用医薬品として第一三共ヘルスケア(当時の三共)から「ラミシールAT」として発売され、大ヒットした。しかし、2007年1月からは製造元のノバルティスファーマに商標を返還、ノバルティスのOTC部門日本進出における旗頭となった。また、同年には小林製薬が「タムシール」(販売終了済)、ロート製薬の「メンソレータムエクシブ」などに同成分を配合、2008年からは大正製薬が「ダマリングランデ」を発売している。
適応
皮膚糸状菌、カンジダ属、スポロトリックス属、ホンセカエア属による皮膚真菌症(スポロトリコーシスや爪白癬など)に用いられる。
但し錠剤は、外用抗真菌剤で治療が困難な場合にのみ経口投与する。投与中に肝障害(肝不全・肝炎・黄疸など)や血液障害(汎血球減少・無顆粒球症など)が現れ死亡に至った例もあることから、投与前と投与中には肝機能検査や血液検査が必要とされる。
用量・用法
外用薬は、1日1回患部に塗布する。
錠剤は、通常1日 125mg を初期用量として、1日1回 食後に経口投与する。年齢や症状に応じて適宜減量する。
種類
- 錠剤:125mg
- クリーム:1%
- スプレー:1%
- 外用液:1%
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 頭部白癬 tinea capitis
- 2. 爪真菌症 onychomycosis
- 3. 皮膚糸状菌(白癬)感染症 dermatophyte tinea infections
- 4. 癜風 tinea versicolor pityriasis versicolor
- 5. スポロトリコーシスの治療 treatment of sporotrichosis
Japanese Journal
- 最近3年間に熊本の一診療所で経験された Microsporum canis 感染症25例の集計
- 榮 仁子,野口 博光,市之川 悠子 [他],比留間 政太郎
- Medical mycology journal = / 日本医真菌学会 [編] 52(2), 139-144, 2011-04-30
- … 21例,頭部白癬5例,両者の合併が1例あった.家族内発症を5組10例に認め,同胞2組,母子2組,祖母孫1組であった.動物との接触歴があり,飼育動物が感染源と考えられた症例は24例 (ネコ23例,イヌ1例) で,9例は動物のヘアブラシ培養検査も陽性であった.治療は,単発例には抗真菌剤外用を,頭部白癬と体部白癬の多発例にはイトラコナゾールないし塩酸テルビナフィン2 ~ 14週内服と抗真菌剤外用を行った.<I>M. …
- NAID 10029354584
- 高齢者の爪白癬 (治療にてこずる皮膚疾患) -- (難治な爪白癬)
- Acremonium sp. に対する各種抗真菌剤の in vitro および in vivo での効果
- Duc Pham Minh,和田 新平,倉田 修 [他],畑井 喜司雄
- 魚病研究 45(3), 109-114, 2010-09-15
- … 罹病シャコより分離されたAcremonium sp.は、in vitroで抗真菌剤、ボリコナゾール、アンホテリシンBおよび塩酸テルビナフィンに感受性を示した。 …
- NAID 10026600639
Related Links
- 塩酸テルビナフィンとは。効果、副作用、使用上の注意。 真菌の増殖を抑える薬で、白癬菌(はくせんきん)の感染でおこる みずむし (汗疱状白癬(かんぽうじょうはくせん)、趾間白癬(しかんはくせん)など)、 いんきんたむし (頑癬(がん ...
- 塩酸テルビナフィン(ダイエット・健康)の検索結果。全国の通販ショップから、≪人気≫塩酸テルビナフィンを比較できます。価格比較サイトのビカムで、ダイエット・健康カテゴリ内から、ダマリングランデ クリーム 15g【第2類医薬品】など ...
- テルビナフィン塩酸塩 製品例 : ラミシールクリーム1%、ラミシール外用液1%、ラミシール外用スプレー1% ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分 : 寄生性皮膚疾患用剤/その他/アリルアミン系抗真菌剤 PR 概説 作用 特徴 注意 効能 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テルミシールクリーム1%
組成
成分
含量
添加物
- ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、パルミチン酸セチル、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ミリスチン酸イソプロピル、pH調整剤
禁忌
効能または効果
- 下記の皮膚真菌症の治療
- 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
- 皮膚カンジダ症:指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)
- 癜風
薬効薬理
作用機序
- テルビナフィン塩酸塩は、真菌細胞膜のスクアレンエポキシダーゼを阻害することにより真菌細胞膜を構成するエルゴステロール生合成を妨げる。この結果、細胞内でのスクアレンの蓄積とエルゴステロールの低下を来し、真菌の細胞壁合成及び細胞膜機能を崩壊させ、真菌細胞の発育を抑制する1)。
実験的感染モデルにおける治癒効果
- 白癬菌感染モデル(モルモット)において、テルミシールクリーム1%は病変の進行抑制、皮膚状態の改善及び治癒日数について標準製剤と同等の治癒効果を示した2)。
テルビナフィンの最小発育阻止濃度(MIC)3)
- 菌種:T.mentagrophytes
MIC(μg/mL):0.0045
- 菌種:Malassezia furfur
MIC(μg/mL):1.25
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(99.5)又は酢酸(100)に溶けやすく、水に溶けにくい。
本品1.0gを水1000mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。
融点
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 関
- terbinafine
[★]
- 英
- terbinafine
- 化
- テルビナフィン塩酸塩 塩酸テルビナフィン terbinafine hydrochloride
- 商
- ケルガー、テビーナ、テビナシール、テルビー、テルビナール、テルフィナビン、テルミシール、ネドリール、ビラス、ラミシール、ラミテクト、リプノール
- 関
- 寄生性皮ふ疾患用剤
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- hydrogen chloride
- 同
- 塩化水素
- 関