- 英
- nucleotide
- 関
- ヌクレオチド
- 核酸塩基+糖+リン酸
- ヌクレオシドの糖の部分に1個以上のリン酸基がエステル結合した物質
生合成
-
- アミノプテリンが途中の合成系路を阻害する ← モノクローナル抗体の作成における選抜に利用される (関:HAT培地)
-
- thymidine kinase(TK)が触媒
- hupoxanthine guanine phosphoribosyl transferase(HGPRT)が関与
WordNet
- a phosphoric ester of a nucleoside; the basic structural unit of nucleic acids (DNA or RNA) (同)base
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/21 21:38:03」(JST)
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ヌクレオチド (nucleotide) とは、ヌクレオシドにリン酸基が結合した物質である。語源は“nucleo(核の)tide(結ばれた)”と言う意味であり、これをローマ字読みしたものである。英語では「ニュークリオタイド」と発音する。ヌクレオシドは五単糖の1位にプリン塩基またはピリミジン塩基がグリコシド結合したもの。DNAやRNAを構成する単位でもある。
ヌクレオチドが鎖のように連なりポリヌクレオチドになる。またアデノシン三リン酸はリン酸供与体としても機能し、加えてセカンドメッセンジャーの機能を持つcAMPなども知られる。遺伝暗号のコドンでは、ヌクレオチド3個でアミノ酸一つをコードしている。
目次
- 1 命名法
- 2 化学構造
- 2.1 各種リボヌクレオチド
- 2.2 各種デオキシヌクレオチド
- 3 ヌクレオチドの利用
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
命名法
ヌクレオチドの略号
略号 |
相当する略号 |
対する塩基 |
A |
A |
T または U |
C |
C |
G |
G |
G |
C |
T または U |
T |
A |
M |
AまたはC |
K |
R |
AまたはG |
Y |
W |
AまたはT |
W |
S |
CまたはG |
S |
Y |
CまたはT |
R |
K |
GまたはT |
M |
V |
AまたはCまたはG |
B |
H |
AまたはCまたはT |
D |
D |
AまたはGまたはT |
H |
B |
CまたはGまたはT |
V |
XまたはN |
AまたはCまたはGまたはT |
X |
ヌクレオチドの名称は4文字の略号で表される。1文字目は糖の種類がリボヌクレオチド(r。省略する場合もある)かデオキシリボヌクレオチド (d) かを示す。2文字目は次の塩基の種類を示す。
- A: アデニン
- C: シトシン
- G: グアニン
- T: チミン(通常RNAには現れない)
- U: ウラシル(通常DNAには現れない)
すなわち、最初の2文字でヌクレオシドの種類が決まる。
3文字目は結合するリン酸基の数 (mono 1、di 2、tri 3) を、4文字目はリン酸塩 (P) であることを示す。
例えば、デオキシシチジン三リン酸 (deoxycytidine triphosphate) はdCTPと略される。また、4種類のデオキシリボヌクレオチド三リン酸 (dATP, dCTP, dGTP, dTTP) を混合したものはdNTPと表記する。
化学構造
各種リボヌクレオチド
Adenosine monophosphate
AMP |
Adenosine diphosphate
ADP |
Adenosine triphosphate
ATP |
Guanosine monophosphate
GMP |
Guanosine diphosphate
GDP |
Guanosine triphosphate
GTP |
Uridine monophosphate
UMP |
Uridine diphosphate
UDP |
Uridine triphosphate
UTP |
Cytidine monophosphate
CMP |
Cytidine diphosphate
CDP |
Cytidine triphosphate
CTP |
各種デオキシヌクレオチド
Deoxyadenosine monophosphate
dAMP |
Deoxyadenosine diphosphate
dADP |
Deoxyadenosine triphosphate
dATP |
Deoxyguanosine monophosphate
dGMP |
Deoxyguanosine diphosphate
dGDP |
Deoxyguanosine triphosphate
dGTP |
Thymidine monophosphate
dTMP |
Thymidine diphosphate
dTDP |
Thymidine triphosphate
dTTP |
Deoxyuridine monophosphate
dUMP |
Deoxyuridine diphosphate
dUDP |
Deoxyuridine triphosphate
dUTP |
Deoxycytidine monophosphate
dCMP |
Deoxycytidine diphosphate
dCDP |
Deoxycytidine triphosphate
dCTP |
ヌクレオチドの利用
ヌクレオチド及びその結合体であるポリヌクレオチド、DNA、RNAは生物を原料とするほとんどの食品に微量含まれている。これを摂取すると、体内でRNA、DNAを効率的に合成する材料となる。
グアニル酸 (GMP) やイノシン酸 (IMP) は呈味性ヌクレオチドと呼ばれ、自身がうま味をもつほか、L-グルタミン酸ナトリウムと組み合わせることで、うま味が強まる効果があり、うま味調味料や、スープ原料などとして使用されている。
また、岡山大学の研究チームが、神経伝達物質として働くヌクレオチドを取り込むタンパク質を見つけ、これと強い痛みを伝える働きとの関与を研究しており、この研究が抗てんかん剤の効きにくい人の発作を抑えたり、激しい痛みを和らげる新薬の開発につながるのではないかと期待されている(詳細はアデノシン三リン酸を参照)。
参考文献
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、ヌクレオチドに関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク
核酸の構成要素 |
|
核酸塩基 |
プリン (アデニン、グアニン、プリン類縁体) · ピリミジン (ウラシル、チミン、シトシン、ピリミジン類縁体)
|
|
ヌクレオシド |
リボヌクレオシド
|
アデノシン · グアノシン · 5-メチルウリジン · ウリジン · シチジン
|
|
デオキシリボヌクレオシド
|
デオキシアデノシン · デオキシグアノシン · チミジン · デオキシウリジン · デオキシシチジン
|
|
|
ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸) |
リボヌクレオチド
|
AMP、GMP、m5UMP、UMP、CMP
|
|
デオキシリボヌクレオチド
|
dAMP、dGMP、dTMP、dUMP、dCMP
|
|
環状ヌクレオチド
|
cAMP、cGMP、c-di-GMP、cADPR
|
|
|
ヌクレオシド二リン酸 |
ADP、GDP、m5UDP、UDP、CDP · dADP、dGDP、dTDP、dUDP、dCDP
|
|
ヌクレオシド三リン酸 |
ATP、GTP、m5UTP、UTP、CTP · dATP、dGTP、dTTP、dUTP、dCTP
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
核酸 |
|
構成要素 |
核酸塩基 · ヌクレオシド · ヌクレオチド
|
|
リボ核酸 |
mRNA (pre-mRNA/hnRNA) · tRNA · rRNA · aRNA · gRNA · miRNA · ncRNA · piRNA · shRNA · siRNA · snRNA · snoRNA · stRNA · ta-siRNA · tmRNA
|
|
デオキシリボ核酸 |
cDNA · cpDNA · gDNA · msDNA · mtDNA
|
|
核酸アナログ |
GNA · LNA/BNA · PNA · TNA · モルホリノ
|
|
クローニングベクター |
ファージミド · プラスミド · ラムダファージ · コスミド · P1ファージ · フォスミド · BAC · YAC · HAC
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
ヌクレオチドの代謝中間体 |
|
プリン代謝 |
同化
|
R5P→IMP: R5P · PRPP · PRA · GAR · FGAR · FGAM · AIR · CAIR · SAICAR · AICAR · FAICAR
IMP→AMP: アデニロコハク酸
IMP→GMP: キサンチル酸
|
|
異化
|
ヒポキサンチン · キサンチン · 尿酸 · 5-ヒドロキシイソ尿酸
|
|
|
ピリミジン代謝 |
同化
|
カルバモイルリン酸 · カルバモイルアスパラギン酸 · 4,5-ジヒドロオロト酸 · オロト酸 · オロチジン-5'-一リン酸 · ウリジル酸
|
|
異化
|
ウラシル: ジヒドロウラシル · 3-ウレイドプロピオン酸 · β-アラニン
チミン: ジヒドロチミン · β-ウレイドイソ酪酸 · 3-アミノイソ酪酸
|
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- 三量体Gタンパク質Gβγサブユニットにより制御されるRho特異的グアニンヌクレオチド交換因子
- 22aCD-10 水溶液中ヌクレオチドのオージェ崩壊のpH依存性
- RhoGDIβを分子標的とした応用生命科学の可能性
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
アデラビン9号注1mL
組成
有効成分
- アデラビン9号注1mLは、1管1mL中に下記の成分・分量を含有する製剤である。
日局 フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム 10.56mg
(フラビンアデニンジヌクレオチドとして 10mg)
肝臓エキス 15μL
添加物
- 塩化ナトリウム 4.4mg
ベンジルアルコール 10μL
禁忌
効能または効果
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- 下記疾患のうちビタミンB2の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
- 湿疹・皮膚炎群、口唇炎・口角炎・口内炎、びまん性表層角膜炎
- ビタミンB2の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など)
- 通常成人1日1〜2mLを1〜2回に分けて皮下、筋肉内又は静脈内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
重大な副作用
ショック
- ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、急激な血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
肝機能障害改善作用
- CCl4肝障害ラットにおいて肝機能検査値の改善が認められた。
- ラット分離肝細胞でガラクトサミン誘発によるALT(GPT)の肝細胞からの逸脱に対し抑制した。5)
- ラット分離肝細胞で蛋白合成促進作用が認められた。6)
- ラット肝の組織血流量及び組織酸素分圧が増加した。
- 阻血肝の切除肝においてDNA合成能を高め、肝再生の促進が認められた。
ビタミンB2作用
- ビタミンB2欠乏食飼育ラットを用いて肝内総B2量、TBA値への影響を検討した結果、FADと同等ないしはそれを上回る作用が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム
一般名
- 〔日局〕 フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(Flavin Adenine Dinucleotide Sodium)
化学名
- Disodium adenosine 5'-[(2R,3S,4S-5-(7,8-dimethyl-2,4-dioxo-3,4-dihydrobenzo[g]pteridin-10(2H)-yl)-2,3,4-trihydroxypentyl diphosphate]
分子式
分子量
性状
- 本品はだいだい黄色〜淡黄褐色の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。
本品は水に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、エチレングリコール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
本品は光によって分解する。
肝臓エキス
一般名
性状
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- thymine Thy
- 同
- 5-メチルウラシル 5-methyluracil
- 関
- ピリミジン、塩基、核酸
派生化合物 FB.29
[★]
- 英
- inositol monophosphate, IMP
- 同
- イノシトールリン酸, イノシトール1リン酸
IMPの生合成
[★]
- 英
- 5'-nucleotidase
-5'-nucleotidase
[★]
- 英
- nucleic acid
- 関
- ヌクレオチド
[★]
- 同
- nucleotide ヌクレオチド
[★]
- 英
- type 6 cyclic nucleotide phosphodiesterase
- 関
- ホスホジエステラーゼ6
[★]
- 英
- [[]]
- 同
- deoxyribonucleotide
- 関
- [[]]
- 同
- deoxyribonucleotide
[★]
- 英
- nucleotide phosphohydrolase
- 関
- ヌクレオチダーゼ
[★]
- 英
- 5'-nucleotide phosphodiesterase isozyme-V, 5'-NPD-V
[★]
- 英
- guanine nucleotide dissociation inhibitor