- 英
- tetracaine
- 化
- 塩酸テトラカイン tetracaine hydrochloride
- 商
- テトカイン、(歯科)プロネスパスタアロマ・コーパロン
- 関
- 局所麻酔薬、麻酔薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/03 22:38:16」(JST)
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テトラカイン
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
4-(ブチルアミノ)安息香酸 2-(ジメチルアミノ)エチル |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
投与方法 |
局部, 硬膜外, 脊髄 |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
75.6 |
識別 |
CAS登録番号 |
94-24-6 136-47-0 (塩酸塩) |
ATCコード |
C05AD02 D04AB06
N01BA03 S01HA03
|
PubChem |
CID 5411 |
KEGG |
D00551 |
化学的データ |
化学式 |
C15H24N2O2 |
分子量 |
264.363 g/mol |
テトラカイン (tetracaine) とは局所麻酔剤の1つである。作用の強い麻酔薬であり、副作用も強いため用途は限られており、主に脊椎麻酔に使用されている。またリドカインと混合して局所麻酔として使用される場合もある。
薬理作用
Na+チャネルの開口部に内側から入り込みチャネルに結合し、Naの透過を阻害して活動電位の振幅と伝導速度の低下させる。
注意点
- プロカイン、リドカインより作用が長く毒性も強いため通常の局所麻酔であればリドカインを使用する。
- 脂質に溶解し易く作用時間が長いため大量に使用してはならない。
- アナフィラキシーを起す場合がある。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ブドウ糖は蒸留水よりテトラカインの神経毒性を軽減する
- 福島 沙夜乃,竹浪 民江,柳下 三郎,奈良 佳洋,岡本 浩嗣
- 日本ペインクリニック学会誌 advpub(0), 1104120020, 2011
- … 0.5%, 1%, 2.5%, 5%のテトラカイン溶液をラットのくも膜下腔に投与し,下肢の機能を観察した後,脊髄組織を光顕と電顕で評価した.下肢の運動機能はテトラカインの濃度が0.5%以上ではブドウ糖群が蒸留水群よりも早く回復し,不可逆性の運動麻痺は蒸留水群の5%テトラカインのみで起こった.組織学的な病変の出現頻度は,5%テトラカインで蒸留水群(100%) …
- NAID 130000659003
- 麻酔薬と生体膜の相互作用に関する研究 : 新たな相互作用測定手法の確立とその応用(日本高専学会 論文奨励賞受賞論文,第1回論文特集号)
- 山崎 奈穂,松岡 和彦,西本 真琴,秦 隆志,長山 和史,戸部 廣康,岡林 南洋
- 高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 12(2), 5-10, 2007-05-14
- … 調査は重要である.本研究では麻酔薬に選択的に応答する電極により,脂質膜への麻酔薬の分配を調査した.脂質膜には代表的な脂質ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)を,局所麻酔薬にはジブカイン,テトラカイン,ブピバカイン,リドカインおよびプロカインを用いた.DPPC二分子膜の各相状態はそれぞれに異なった麻酔薬感受性を示し,麻酔薬による分配係数の差はそれぞれの麻酔薬の疎水性作用力に依存した.さらに,DP …
- NAID 110006273140
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- テトラカイン (tetracaine) とは局所麻酔剤の1つである。作用の強い麻酔薬であり、 副作用も強いため用途は限られており、主に脊椎麻酔に使用されている。またリドカイン と混合して局所麻酔として使用される場合もある。
- テトラカイン (tetracaine) とは局所麻酔剤の1つである。作用の強い麻酔薬であり、 副作用も強いため用途は限られており、主に脊椎麻酔に使用されている。またリドカイン と混合して局所麻酔として使用される場合もある。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
テトカイン注用20mg「杏林」
組成
成分・含量(1バイアル)
禁忌
- ○印は各麻酔方法での該当する項目
- <low1subitem color = "red">
次の患者又は部位には投与しないこと
重篤な出血やショック状態
- [重篤な低血圧が起こることがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
注射部位又はその周辺の炎症
- [化膿性髄膜炎症状を起こすおそれがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
敗血症
- [敗血症性の髄膜炎を生ずるおそれがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
本剤の成分又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
中枢神経系疾患
髄膜炎、脊髄癆、灰白脊髄炎等の患者
- [脊椎麻酔により症状が悪化するおそれがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
次の患者には血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しないこと
血管収縮剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
麻酔方法 : ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
高血圧,動脈硬化,心不全,甲状腺機能亢進,糖尿病,血管痙攣等のある患者
- [これらの症状が悪化するおそれがある。]
麻酔方法 : ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
耳、指趾又は陰茎の麻酔
- [壊死状態になるおそれがある。]
麻酔方法 : ○浸潤、伝達麻酔
効能または効果
- 脊椎麻酔(腰椎麻酔)、硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔
- 使用に際し、目的濃度の水性注射液又は水性液として、使用する。
脊椎麻酔(腰椎麻酔)
- テトラカイン塩酸塩として、通常成人下記量を使用する。
高比重溶液
低比重溶液
硬膜外麻酔
- 0.15〜0.2%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人30〜60mgを使用する。
伝達麻酔
- (基準最高用量:1回100mg)0.2%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人10〜75mgを使用する。
浸潤麻酔
- (基準最高用量:1回100mg)0.1%注射液とし、テトラカイン塩酸塩として、通常成人20〜30mgを使用する。
表面麻酔
- 0.25〜2%液とし、テトラカイン塩酸塩として通常成人5〜80mgを使用する。
- ただし、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。必要に応じアドレナリン(通常濃度1:1万〜2万)を添加して使用する。
慎重投与
次の患者には慎重に投与すること
妊産婦
- [妊娠末期は、麻酔範囲が拡がり、仰臥性低血圧を起こすことがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
若年者
- [一般に麻酔範囲が拡がりやすい。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔
血液疾患や抗凝血剤治療中の患者
- [出血しやすいので、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
重篤な高血圧症の患者
- [低血圧が起こりやすい。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
脊柱の著明な変形のある患者
- [脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔の高さの予測も困難である。]
麻酔方法 : ○脊椎麻酔, ○硬膜外麻酔
次の患者には血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)との併用を慎重にすること
ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤使用中の患者
- [心筋の被刺激性が高まって不整脈が発現しやすい。]
麻酔方法 : ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
三環系抗うつ剤服用中の患者
- [心血管作用の増強がみられることがある。]
麻酔方法 : ○硬膜外麻酔, ○浸潤、伝達麻酔, ○表面麻酔
重大な副作用
ショック
- ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、顔面蒼白、脈拍の異常、呼吸抑制等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中枢神経障害
- 振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 神経細胞の細胞壁の興奮時及び静止時のイオン透過性をいずれも抑制して、神経興奮に必要な脱分極を阻止することにより、神経遮断作用を示す2)。
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- local anesthesia, regional anesthesia
- 関
- 全身麻酔、浸潤麻酔、局所麻酔薬、局所麻酔薬中毒
局所麻酔の様式
- SPC.171
[★]
- 英
- local anesthetic, local anesthetics
- 同
- 局麻薬、局所麻酔剤
- 関
- 局所麻酔、局所麻酔薬一覧
構造
作用機序
- 電位依存性Naチャネルに結合して膜の脱分極を抑制、神経伝達を遮断。
商品
[★]
- 英
- spinal subarachnoid anesthesia
- 同
- 脊椎麻酔 spinal anesthesia、脊麻、腰椎麻酔 lumbar anesthesia lumbar spinal anesthesia、くも膜下麻酔 subarachnoid anesthesia
- 関
- クモ膜下ブロック くも膜下ブロック。硬膜外麻酔
- 誤用
- 脊椎クモ膜下麻酔 ← 脊椎にくも膜下はない
[show details]
薬剤
合併症
- 血圧低下、呼吸抑制、頭痛
- 穿刺部位によって、CN III/IV/VI麻痺、馬尾症候群を呈しうる。
禁忌
- ショック時、脱水、心筋梗塞、穿刺部位の炎症、脳脊髄疾患、出血性素因
国試
[★]
アミノ安息香酸エチル、テトラカイン塩酸塩(テトラカイン)、ジブカイン塩酸塩(ジブカイン)、ホモスルファミン
[★]
アミノ安息香酸エチル、テトラカイン塩酸塩(テトラカイン)、ジブカイン塩酸塩(ジブカイン)、ホモスルファミン