フェンタニル
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Japanese Journal
- フェンタニルパッチ1日製剤の癌性疼痛に対する二重盲検並行群間比較試験--オピオイド鎮痛薬未使用症例における用量調節試験およびデュロテップMTパッチを対照とした二重盲検比較試験
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
デュロテップMTパッチ2.1mg
組成
- 本剤は、フェンタニルをアクリル酸2-エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸2-ヒドロキシエチルコポリマーに溶解、固化し、成形した半透明で角が丸い長方形の経皮吸収型製剤である。本剤には、含量の異なる5製剤があり、単位面積あたりの放出速度はいずれも同一である。
成分・含量(1枚中)
添加物
- アクリル酸2-エチルヘキシル・酢酸ビニル・アクリル酸2-ヒドロキシエチルコポリマー(基剤)
ポリエステル/エチレン酢酸ビニル(支持体)
ポリエチレンテレフタレートセパレータ(ライナー)
禁忌
効能または効果
- 非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)
- 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
- 中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛
- 本剤は、他のオピオイド鎮痛剤が一定期間投与され、忍容性が確認された患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とする癌性疼痛及び慢性疼痛の管理にのみ使用すること。
- 慢性疼痛の原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
- 本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。
通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用する。
初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、2.1mg(12.5μg/hr)、4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)、12.6mg(75μg/hr)のいずれかの用量を選択する。
その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
初回貼付用量
- 初回貼付用量として、デュロテップMTパッチ16.8mg(100μg/hr)は推奨されない(本邦において、初回貼付用量として12.6mg(75μg/hr)を超える使用経験はない)。
初回貼付用量を選択する下記換算表は、経口モルヒネ量90mg/日(坐剤の場合45mg/日、注射の場合30mg/日)、経口オキシコドン量60mg/日、経口コデイン量270mg/日以上、フェンタニル経皮吸収型製剤(1日貼付型製剤)1.7mg(フェンタニル0.6mg/日)に対して本剤4.2mg(25μg/hr;フェンタニル0.6mg/日)へ切り替えるものとして設定している。
なお、初回貼付用量は換算表に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること。
換算表(オピオイド鎮痛剤1日使用量に基づく推奨貼付用量)
[癌性疼痛における切り替え]
- 注)フェンタニルクエン酸塩経皮吸収型製剤を含まない。
[慢性疼痛における切り替え]
- *デュロテップMTパッチ16.8mg(100μg/hr)は、初回貼付用量としては推奨されないが、定常状態における推定平均吸収量は2.4mg/日に相当する。
初回貼付時
- 他のオピオイド鎮痛剤から本剤に初めて切り替えた場合、初回貼付24時間後までフェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。そのため、下記の「使用方法例」を参考に、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の投与を行うことが望ましい。
患者により下記の「使用方法例」では、十分な鎮痛効果が得られない場合がある。患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適時オピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
[使用方法例]
使用していたオピオイド鎮痛剤※の投与回数:オピオイド鎮痛剤の使用方法例
- 1日1回投与:投与12時間後に本剤の貼付を開始する。
1日2〜3回投与:本剤の貼付開始と同時に1回量を投与する。
1日4〜6回投与:本剤の貼付開始と同時及び4〜6時間後に1回量を投与する。
持続投与:本剤の貼付開始後6時間まで継続して持続投与する。
- ※経皮吸収型製剤を除く。
用量調整と維持
疼痛増強時における処置
- 本剤貼付中に痛みが増強した場合や疼痛が管理されている患者で突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)が発現した場合には、直ちにオピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与量として、本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
増量
- 鎮痛効果が得られるまで各患者毎に用量調整を行うこと。鎮痛効果が十分得られない場合は、追加投与(レスキュー)されたオピオイド鎮痛剤の1日投与量及び疼痛程度を考慮し、2.1mg(12.5μg/hr)から4.2mg(25μg/hr)への増量の場合を除き、貼付用量の25〜50%を目安として貼り替え時に増量する。なお、本剤の1回の貼付用量が50.4mg(300μg/hr)を超える場合は、他の方法を考慮すること。
減量
- 連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、十分に観察を行いながら慎重に減量すること。
投与の継続
- 慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。
投与の中止
- 本剤の投与を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
- 本剤の投与を中止し、他のオピオイド鎮痛剤に変更する場合は、本剤剥離後の血中フェンタニル濃度が50%に減少するのに17時間以上かかることから、他のオピオイド鎮痛剤の投与は低用量から開始し、患者の状態を観察しながら適切な鎮痛効果が得られるまで漸増すること。
慎重投与
- 慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
- 喘息患者[気管支収縮を起こすおそれがある。]
- 徐脈性不整脈のある患者[徐脈を助長させるおそれがある。]
- 肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
- 頭蓋内圧の亢進、意識障害・昏睡、脳腫瘍等の脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
- 40℃以上の発熱が認められる患者[本剤からのフェンタニル放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある。]
- 薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
依存性
頻度不明注)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。連用中に投与量の急激な減量ないし中止により退薬症候があらわれることがある。
また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。
,*呼吸抑制
0.47%
- 呼吸抑制があらわれることがあるので、無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則な呼吸、換気低下等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が有効である。
,*意識障害
0.04%
- 意識レベルの低下、意識消失等の意識障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明注)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
痙攣
頻度不明注)
- 間代性、大発作型等の痙攣があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
鎮痛作用19)、20)、21)
- 機械的侵害刺激法の一つであるマウス尾根部のピンチによる発痛に対して、フェンタニル(皮下投与)は鎮痛作用を示し、ED50は0.07mg/kgであった。モルヒネ硫酸塩水和物(皮下投与)のED50は9mg/kgであった。
- 化学的侵害刺激法の一つであるラットのブラジキニン発痛法において、フェンタニルは皮下投与15分後に最大作用を示し、そのED50は0.010mg/kgであった。フェンタニルの鎮痛活性は、モルヒネ硫酸塩水和物(皮下投与後30〜60分にED50が2〜3mg/kg)に比べて、約200倍強い効力比を示した。
- 電気的侵害刺激法のウサギ歯髄刺激誘発脳波覚醒反応試験において、デュロテップパッチ(2.5mg(25μg/hr))は1回の貼付で3〜72時間まで持続的な鎮痛作用を示した。
- 神経障害性疼痛モデルの一つであるスナネズミの絞扼性神経損傷モデルにおいて、フェンタニルは0.04mg/kg以上の皮下投与で冷的アロディニアを有意に抑制した。
作用機序(in vitro)22)、23)
- 受容体結合試験の結果、フェンタニルはヒト・クローン化μ(ミュー)オピオイド受容体に対してKi=1.02nmol/L、δ(デルタ)オピオイド受容体に対してKi=1530nmol/L及びκ(カッパ)オピオイド受容体に対してKi=1080nmol/Lの親和性を示した。また、モルモット全脳膜組織を用いた検討では、フェンタニルはμオピオイド受容体に対してKi=2.11nmol/L、δオピオイド受容体に対してKi=109nmol/L及びκオピオイド受容体に対してKi=308nmol/Lの親和性を示した。これらの結果から、フェンタニルはμオピオイド受容体に対して選択的に高い親和性を示した。
したがって、フェンタニルはμオピオイド受容体を介してアゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すものと考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
- メタノール、エタノール(95)に極めて溶けやすく、アセトニトリルに溶けやすく、0.1mol/L塩酸試液にやや溶けにくく、0.01mol/L硫酸試液に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
分配係数
- logP=2.96(1-オクタノール/pH7.4緩衝溶液)
★リンクテーブル★
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- 英
- synthetic narcotic, synthetic narcotic drug
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