- 英
- hyperpnea
- 関
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- energetic (deep and rapid) respiration that occurs normally after exercise or abnormally with fever or various disorders
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/03 20:01:29」(JST)
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過呼吸(かこきゅう、英: Hyperpnea)とは、必要以上の換気活動をおこなうこと。
その結果として動脈血中の酸素分圧が上昇、炭酸ガス分圧が低下し1回換気量が増大する。初期状態は低酸素症と似ており、程度が強くなると手足や唇の痺れや呼吸困難、頭のふらつき、息苦しさ、眠気、激しい耳鳴りや悪寒をきたす。
発症するケースとしては、陸上競技(長距離走・マラソン・駅伝)・水泳・サッカー・バスケットボールなどの呼吸を多く必要とする運動の後が挙げられ、精神的な要因による過換気症候群とは異なる。
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 目次
1 過呼吸発作になる過程2 症状3 対処法4 脚注5 参考文献6 関連項目7 外部リンク | 
過呼吸発作になる過程
過呼吸は、水泳(特にダイビングなどの息止め競技など)で危険とされ禁じられている、「ハイパーベンチレーション呼吸法(ダイビングなどの息止め競技などで潜水時間を伸ばすことができるために盛んに行われている潜水前に行う呼吸法)」と同様に、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、酸素過多になり、二酸化炭素不足となる状態。呼気からの二酸化炭素の排出が必要量を超え動脈血の二酸化炭素濃度が減少して血液がアルカリ性に傾くため、息苦しさを覚える。そのため、無意識に延髄が反射によって呼吸を停止させ、血液中の二酸化炭素を増加させようとする。しかし、大脳皮質は、呼吸ができなくなるのを異常と捉え、さらに呼吸させようとする。また、血管が収縮してしまい、軽度の場合は手足の痺れ、重度の場合は筋肉が硬直する。それらが悪循環になって発作がひどくなっていく。これを、過呼吸症候群という。これが精神的要因によっておこる場合は過換気症候群となる。
症状
過換気症候群によって引き起こされる症状には以下のようなものがある。
- 息苦しさ
- 呼吸が速くなる(呼吸を深くすると胸部に圧迫を感じる)
- 胸部の圧迫感や痛み
- 動悸
- 目眩
- 手足や唇の痺れ
- 頭がボーとする
- 死の恐怖を感じる、パニックになる
- (まれに)失神
直接的にこの症状が起因して死ぬ事はない。しかし心臓発作などを誘発し死に至るケースもある。 他の病気で発熱し、息が荒くなっただけで発症するケースもある。
対処法
紙袋などに口・鼻をあて、吐いた空気を再度吸い込むという行為をくり返し、血中の二酸化炭素濃度を上げる方法(ペーパーバッグ法)が一般的だが、この場合、酸素不足にならないよう、少し隙間を作っておくなどの配慮が必要でその加減が難しく、袋を用いる方法は有効性よりもむしろリスクの方が大きいという意見もある。誤った処置(袋をぴったりと口・鼻に当ててしまい、外気を遮断してしまうなど)により、発作時には、酸素が多すぎた状態から、一気にバランスが逆転し二酸化炭素が多くなり過ぎて、窒息死に至ったケースも報告されているという。[1] 呼吸の速さと深さを自分で意識的に調整すれば2~3分で自然に治まる。このことを利用し、万一発作が起きた場合は、介助者は何もせずに、大丈夫だ、安心しなさいと、患者を落ち着かせ、息を吐くことを患者に意識させ、ゆっくりと深呼吸をさせる(「吸う:吐く」が1:2になるくらいの割合で呼吸する。一呼吸に10秒くらいかけて、少しずつ息を吐く。また息を吐く前に1~2秒くらい息を止めるくらいがベター。胸や背中をゆっくり押して、呼吸をゆっくりするように促す。)などの呼吸管理によって、二酸化炭素を増やしながらも、酸素を取り込んで、窒息しないように呼吸管理をすることが、推奨されている。
脚注
- ^ http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~resident/kyukyushoreikentoukai/2007.7.6kakanki.pdf
参考文献
2012年8月29日放送 NHK総合テレビ「ためしてガッテン」窒息死を招く大誤解! 本当は怖い過呼吸SP
関連項目
- 過換気症候群
- 肺
- 心身症
- 境界例
- 呼吸
- 頻呼吸
- 徐呼吸
- 低呼吸
- 多呼吸
- 少呼吸
- 低炭酸ガス血症(en:Hypocapnia)
外部リンク
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|  呼吸器疾患 (ICD-10 J00〜99) |  
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| 機序 | 市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎 |  
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|  症候・徴候 |  
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| 呼吸器系の正常構造・生理 |  
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| ガス交換器 | 肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞 |  
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| 生理学・生化学 | 
| 生理学 | 肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A |  
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| 生化学 | PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数 |  |  |  
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| 血管系 | 
| 肺循環系 | (右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房) |  
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| 気管支循環系 | (胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈) |  |  
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| 運動器系 | 
| 骨格 | 肋骨 | 胸骨 |  
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| 呼吸筋 | 横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋 |  |  
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| 神経系 | 
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Japanese Journal
- ヒト脳血管のCO₂反応性に関する研究 : 過呼吸と軽度頭部外傷
 
- 悪夢、過呼吸、車上生活……安らぎのときが来ることを信じて 束縛されても死にかけても、カイヤと連れ添う覚悟です (特集 夫を捨てたい妻たちの本音)
 
- Rett 症候群に伴う著明な過吸気発作を呈し, 気管切開, 三環系抗うつ薬が奏効した1例
 
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★リンクテーブル★
  [★]
- 6歳の女児。けいれん発作の原因精査のため母親に連れられて来院した。昨夕、急に口から唾液を流して右の口角が引きつった後、全身けいれんへと進展する発作が起きた。発作は3分ほどで自然に止まったが、母親が救急車を要請した。搬入時には意識は清明で、神経学的異常を認めなかったため、特に検査や治療を受けずに帰宅した。本日経過観察のため受診した。3か月前にも同じような発作を起こしたことがあるという。それ以外の既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。神経学的所見を含め身体所見に異常を認めない。本日施行した脳波(双極誘導)(別冊No. 16)を別に示す。
- この患児で正しいのはどれか。
- a 発達の遅れを伴う。
- b 睡眠時に発作が多い。
- c ACTH療法の適応である。
- d 過呼吸によって発作が誘発される。
- e 頭部MRIに異常を認めることが多い。
 
[正答]
※国試ナビ4※ [110A046]←[国試_110]→[110A048]
  [★]
- 45歳の男性。出勤中に起きた激しいめまいと吐き気とを主訴に来院した。1年前に転勤となり、通勤に1時間半かかるようになった。慣れない仕事でしかも上司との関係が悪く、出勤を負担に感じるようになった。半年前からは、なかなか寝つけず、朝も早く目が覚めてしまうようになり、倦怠感が強く出勤がつらくなってきた。職場では、午前中は特に、頭が重く感じられ仕事の能率が上がらないために、夜遅くまで職場に残って仕事をしなければならなくなっていた。1か目前からは、食欲がなくなり、何をしても楽しいと感じられなくなった。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D011]←[国試_101]→[101D013]
  [★]
- 40歳の男性。通勤途中の電車の中で、突然、周囲がグルグル回って見えるようになり、体のバランスが保てなくなった。更に嘔気、耳鳴および耳閉惑も出現したので、救急車で来院した。今回は4回目の発作で意識消失はない。この患者にみられる身体症候はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F007]←[国試_095]→[095F009]
  [★]
- 37歳の女性。朝方の咳を主訴に来院した。3か月前から舞踊教室に通っている。朝方、咳で目が覚め、息苦しさを感じるようになった。IgE RASTでハウスダスト3+。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C020]←[国試_103]→[103C022]
  [★]
- 神経疾患と脳波所見との組み合わせで正しいのはどれか
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
 
  [★]
- a. 10歳児では過呼吸賦活時の徐波化は異常である。
- b. 成人では開眼によりアルファ波が増加する。
- c. 成人ではアルファ波は後頭部優位に出現する。
- d. 成人では入眠直後に高振幅デルタ波が出現する。
- e. 高齢者ではアルファ波の出現頻度が増加する。
 
  [★]
- (1) 幼稚園・小学校低学年児に多い
- (2) 過呼吸により発作が誘発される
- (3) 発作は2-3分の意識消失である
- (4) フェノバルビタールが第一選択薬である
- (5) 難治性のものが多い
 
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
 
  [★]
  [★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
 
  [★]
- 関
- hyperpnea、hyperpnoea、hyperventilation、overbreathing
  [★]
過呼吸
- 関
- hyperpnea、overbreathing、overventilation
  [★]
- 関
- hyperpnea、hyperpnoea、overventilation
  [★]
- 英
- alveolar hyperventilation
- 関
- 過呼吸
  [★]
- 英
- hyperpnea
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  [★]
- 英
- respiration, breathing
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- 呼吸数、呼吸中枢、呼吸パターン