- 英
- valvular heart disease
- 同
- 弁膜性心疾患、弁膜症
- 関
ガイドライン
- 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_matsuda_h.pdf
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/06 06:51:27」(JST)
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心臓弁膜症のデータ |
ICD-10 |
I05-I08, I34-I39 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 |
人
(20xx年xx月xx日) |
学会 |
日本 |
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世界 |
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心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう、英: valvular disease of the heart)は、心臓にある4つの弁のうちのひとつまたは2つ以上が機能障碍を起こす疾患の総称である。弁膜性心疾患と呼ぶ場合もある。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 種類
- 3.1 大動脈弁領域の疾患
- 3.1.1 大動脈弁狭窄症
- 3.1.2 大動脈弁閉鎖不全症
- 3.2 肺動脈弁領域の疾患
- 3.2.1 肺動脈弁狭窄症
- 3.2.2 肺動脈弁閉鎖不全
- 3.3 三尖弁領域の疾患
- 3.3.1 三尖弁狭窄症
- 3.3.2 三尖弁閉鎖症
- 3.3.3 三尖弁閉鎖不全症
- 3.4 僧帽弁領域における疾患
- 3.4.1 僧帽弁狭窄症
- 3.4.2 僧帽弁閉鎖不全症
- 4 統計
- 5 合併症
- 6 治療
- 7 診療科
- 8 心臓弁膜症を取り上げた作品
- 9 関連項目
概要
ヒトの心臓は内部が4つの部屋(心房・心室)に分かれている。各部屋の出口には膜でできた弁があり、血液の逆流を防いでいる。この弁が何らかの原因によって硬化もしくは破損すると、血液の通過障害や逆流が起きる。これが心臓弁膜症である。心臓には4つの弁があり、障害される弁によって出現する症状が異なる。
原因
種類
大動脈弁領域の疾患
大動脈弁狭窄症
詳細は「大動脈弁狭窄症」を参照
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう; AS)は、左心室から大動脈へ血液を流す大動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった大動脈弁に血液を通そうとして左心室が頑張り過ぎて左心室に負担が掛かる。左心室に負担が掛かる事を左室負荷という。
- 分類
- に分けられる。
- 統計
- 先天性 (ICD-10: Q23.0)
- 後天性 (ICD-10: I35.0)
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術では石灰化など器質的変化の強い大動脈弁を人工弁に取り替える。開胸術による弁置換が一般的である。
大動脈弁閉鎖不全症
詳細は「大動脈弁閉鎖不全症 」を参照
大動脈弁閉鎖不全症(だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう; AR)は、大動脈弁が締まり切らない病気。
- 病態
- 拡張期に血液が大動脈から左心室に逆流してくるために、拡張期に開くはずの僧帽弁をこの血流が押して、相対的僧帽弁狭窄が生じる。
- 分類
-
- 梅毒性 (ICD-10: A52.0)
- リウマチ性 (ICD-10: I06.1)
- (ICD-10: I35.1)
- 先天性 (ICD-10: Q23.1)
- に分けられる。
- 検査
- 身体基本検査
-
- 聴診
- III音 : 拡張早期に大動脈から勢いよく逆流して来た血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- オースチン・フリント雑音(Austin-Flint雑音) : 狭窄させられた僧帽弁を血液が通過する際に生じる雑音。
肺動脈弁領域の疾患
肺動脈弁狭窄症
詳細は「肺動脈弁狭窄症」を参照
肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう; PS)は、肺動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった肺動脈弁に血液を通そうとして右心室が頑張り過ぎて右心室に負担が掛かる。右心室に負担が掛かる事を右室負荷という。
- 分類
-
- 先天性 (ICD-10: Q22.1)
- 後天性 (ICD-10: I37.0)
- に分けられる。
- 症状
- 右室負荷によって右室の壁が厚くなる。右室の壁が厚くなる事を右室肥大と言う。
- 治療
- 右室圧が上昇してきたら手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。この血管内カテーテル手術は経皮的バルーン肺動脈形成術と言い、中心静脈からカテーテルを入れて、順行性に右心房、右心室、肺動脈へ向かい、バルーン(蒸留水で満たした風船)を膨らませてたり、ステント(金属等の網で出来た筒)を置いて狭まった部分を広げて、肺動脈弁を修復する。
肺動脈弁閉鎖不全
詳細は「肺動脈弁閉鎖不全症」を参照
肺動脈弁閉鎖不全症(はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう: PR)は、肺動脈弁が締まり切らない病気。
三尖弁領域の疾患
三尖弁狭窄症
三尖弁狭窄症(さんせんべんきょうさくしょう: TS)は、三尖弁が狭まった病気。
-
- 概要
-
- 器質的; 右心房から右心室へ向かう血流が、三尖弁の狭窄により阻害される。
- 機能的; 三尖弁通過血流の相対的な増加により、三尖弁通過不全状態となる。
- 病態
-
- 器質的; 肺動脈および肺へ供給される血流が減少する。また右心房では血流が停滞し、右心房圧が上昇する。
- 機能的; 原疾患による症状が主。
- 治療
- 症状が軽度であれば、内服薬での治療を行う。重症であれば、内科的なカテーテル治療や外科的な切開・形成・弁置換などが行われることもある。
三尖弁閉鎖症
詳細は「三尖弁閉鎖症」を参照
三尖弁閉鎖症(さんせんべんへいさしょう: TA; ICD-10: Q22.4)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁が閉じている先天性の病気。
-
- 概要
- 右心房から右心室への血流が途絶するためこのままでは出生出来ないが、心房中隔欠損症を合併することが多くここで右左短絡を生じ、さらに動脈管開存症等の左右短絡を合併すると、両循環が成立して出生できる。
- 病態
- 大きな右左短絡から大きな左室負荷が掛かり左室肥大を来たし、右左短絡からチアノーゼを来たす。チアノーゼ性心疾患の一つ。
- 治療
- 外科的治療を行う。手術は、フォンタン手術(Fontan手術)と言い、未発達の右心室を経由せず右心房から肺動脈へ直接血液を流すように吻合する。
三尖弁閉鎖不全症
詳細は「三尖弁閉鎖不全症」を参照
三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう: TR)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁の閉鎖不全により血液が逆流する病気。
- 病態
- 心室が収縮時に右心室から肺動脈へ駆出するだけでなく、右心房にも逆流してしまうため、右心房にも負荷がかかるし、無駄な血流を補うだけ右心室も頑張らないといけないため右心負荷もかかる。
- 症状
- 右心不全により静脈血が心臓へ戻りにくくなるため、下肢の浮腫や経静脈の怒張、肝臓の腫大がみとめられる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I07.1)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I36.1)
- に分けられる。
僧帽弁領域における疾患
僧帽弁狭窄症
詳細は「僧帽弁狭窄症」を参照
僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう: MS)は、左心房から左心室へ血液を流す僧帽弁が狭まった病気。
- 病態
- 肺循環から戻ってきた血液が左房で鬱滞し、左房に負荷が掛かる。
- 分類
-
- (ICD-10: I05.0)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I34.2)
- 先天性 (ICD-10: Q23.2)
- に分けられる。
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。血管内カテーテル手術は、大腿動脈からカテーテルを入れて、逆行性に大動脈、心室と向かい、僧帽弁を修復する。
僧帽弁閉鎖不全症
詳細は「僧帽弁閉鎖不全症」を参照
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう: MR)は、僧帽弁が締まり切らない病気。
- 検査
-
- 身体基本検査
- 聴診
- III音 : 収縮期に心房へ逆流していた血液の分だけ拡張早期に心房から勢いよく血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- 分類
-
- リウマチ性 (ICD-10: I05.1)
- (ICD-10: I34.0)
- 先天性 (ICD-10: Q23.3)
- に分けられる。
統計
リウマチ治療の進歩によって本症に至る症例は減ってきている。
合併症
治療
- 手術
- 開心術(弁置換術、弁形成術、自己心膜による大動脈弁再建術(尾崎法))
- 血管内カテーテル手術
診療科
心臓弁膜症を取り上げた作品
日本
- 本症を取り上げた作品に橋本紡の小説(ライトノベル)「半分の月がのぼる空」がある。
関連項目
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虚血性疾患
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弁膜症
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症(en) | 三尖弁閉鎖不全症(en) | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症(en)
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先天性心疾患
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心内膜・心筋
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
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心膜炎(急性心膜炎(en) · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(虚血性心筋症・拡張型心筋症(en) · 肥大型心筋症(en) · 拘束型心筋症(en) · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍(en) | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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大血管
|
大動脈瘤(胸部・腹部(en)・胸腹部) | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群
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動脈
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閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | 動静脈瘻 | 動脈硬化 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全 | 両心不全(en)
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血圧異常
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高血圧
|
本態性高血圧症(en) | 二次性高血圧(en) | 高血圧性緊急症(en)
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓MRI | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査 | 脈波伝播速度検査
|
|
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治療 |
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外科的治療
|
冠動脈バイパス術(CABG)
|
CABG | off-pump CAB(OPCAB) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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弁膜症手術
|
弁置換術(en) | 弁形成術(en) | 弁輪形成術 | 交連切開術(en)
|
|
小児心臓外科
|
動脈管結紮術 | BTシャント | 肺動脈絞扼術(en) | ノーウッド手術 | グレン手術 | フォンタン手術 | ジャテン手術 | ラステリ手術 | ロス手術
|
|
心不全外科
|
心移植術 | 補助人工心臓装着術 | 左室形成術(Dor・SAVE・Overlapping)
|
|
不整脈外科
|
メイズ手術(en) | 心臓ペースメーカー | 植え込み型除細動器
|
|
大動脈手術
|
大動脈人工血管置換術 | 大動脈基部置換術 (Bentall, David) | ステントグラフト内挿術(en)
|
|
末梢血管手術
|
末梢動脈血行再建術 | 末梢静脈血行再建術 | 静脈抜去術(en) | 静脈血栓摘除術(en) | 内シャント作成術 | 肢切断
|
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
|
Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
|
|
心不全治療薬(en)
|
利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
|
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狭心症治療薬
|
交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
|
|
高血圧治療薬
|
利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
|
|
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血管内治療
|
経皮的冠動脈形成術
|
|
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|
|
循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 座談会 心臓弁膜症診療の温故知新 (特集 心臓弁膜症 : 初期診断・治療・管理のすべて)
- 弁膜症の近未来 : 血行動態をスパコンで解く (特集 心臓弁膜症 : 初期診断・治療・管理のすべて)
- 心臓弁膜症をきたす遺伝性疾患と分子機序 (特集 心臓弁膜症 : 初期診断・治療・管理のすべて)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- mitral insufficiency, MI, mitral valve insufficiency, mitral incompetence
- 同
- 僧帽弁逆流症 mitral regurgitation MR
- 僧帽弁閉鎖不全 mitral valve regurgitation
- 関
- 僧帽弁、心臓弁膜症
[show details]
僧帽弁閉鎖不全症 : 約 28,300 件
僧帽弁逆流症 : 約 44,300 件
mitral valve regurgitation : 約 870 件
mitral valve insufficiency : 55 件
疫学
分類
病因
- 僧帽弁は弁尖、弁輪、腱索、乳頭筋が一つの機能単位である(僧帽弁装置、僧帽弁複合体)。このいずれかの機能不全でもMRを生ずる。
- 参考1
-
- 原発性/腱索断裂/straight back症候群/漏斗胸
- 家族性/ Marfan 症候群/Ehlers-Danlos症候群
- 心房中隔欠損症/肥大型心筋症/甲状腺機能亢進症
- 虚血性心疾患
- 感染性心内膜炎
- 拡張型心筋症などの拡大心
- アミロイドーシス
器質的病変
- リウマチ熱
- 感染性心内膜炎、
- 心内膜床欠損症
- 僧帽弁逸脱症候群に合併するもの、Marfan症候群
- 腱索断裂、乳頭筋断裂、乳頭筋機能不全
- 外傷性
機能的病変
- 機能性MR:拡張型心筋症などによる心室拡大で乳頭筋が弁尖を牽引
- 虚血性MR:心筋梗塞により外側に乳頭筋が偏位
頻度順
病態
- 収縮期における血流逆流 → 容量負荷 → 左心房拡大、左心室拡大 → 肺うっ血、肺高血圧 → 右室拡大
- 左心不全 → 右心不全
急性MRと慢性MRとの違い
- PHD.205
- 急性MR:左房は比較的コンプライアンスが小さく、急激な血液の逆流により左房圧が上昇する。これにより逆流はある一定レベルに保たれるが、この圧上昇は肺循環に伝わり急激な肺うっ血、肺水腫をきたすので救急疾患である。左房圧やPCWPは上昇し、v波の著明な上昇が認められ、肺循環を維持するために肺動脈と右室圧も上昇する。
- 慢性MR:病態は緩徐に進行するので、これに対処できるよう左房は拡張し、またコンプライアンスを大きくする。左房は多くの血液を貯めることが出来、肺循環の血圧上昇を防ぐことを可能にしている。この反面、左心室の血流は体循環よりより抵抗の低い左心房に流れるようになり、心拍出量が低下することになる。また、左房の拡張は心室細動リスクを増大させる。左心室も容量負荷により拡張をきたすため、心拍出量を比較的維持できるようになっているが、やがて破綻し心不全症状を呈するようになる。
症状
- 軽症例では無症状
- 肺循環、右心系に負荷がかかれば呼吸困難、浮腫、易疲労性、肝腫大など
身体所見
聴診
心雑音
収縮期
- 時期:汎収縮期雑音。 ← 逆流性収縮期雑音 MRが進展すれば(advanced MR)、II音(正確にはA2)を越えて聴取されてしまう!!理由は大動脈弁が閉じた後にも、左心室の圧が左心房より高い状態が存在しえて、逆流が継続するから(PHD.41)。
- 最強点:心尖部
- 放散:左腋窩
拡張期
- Carey-Coombs雑音
- 時期:拡張期(III音に引き続いて聴取)
- 最強点:心尖部
過剰心音
- I音↓、II音 (PHでwidened splitting, IIpが遅延)、III音↑(volume load)、
検査
胸部X線像
- 左室拡大(左第四弓)、左房の拡張(左第三弓)、肺門部うっ血・肺動脈拡大(左第二弓)
心電図
心カテーテル検査
- 左室造影でSellerの逆流度分類による重症度の判定を行う。
- 肺動脈楔入圧の上昇 ← 左房圧上昇を反映
心エコー
- カラードプラーで逆流の重症度を判定。
- 左心房への逆流がモザイク像としてとらえられる
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=-ltcAj_Fv8Q</youtube>
診断
- カラードプラーか心カテーテル検査で、左心室から左心房への逆流を証明する
重症度の判定
- カテーテル造影を用いて、左室造影を行うことによる分類
治療 IMD.777
内科的治療
外科的治療
- 適応:心不全症状が薬物で改善しない場合、無症状でも高度の逆流(Sellers grade III)で左室が拡大傾向にあるもの
- 僧帽弁形成術(弁形成術(自己弁温存術式が第一選択))、僧帽弁置換術(人工弁置換術)
- 僧帽弁逆流の手術をうける患者のうち、手術適応となる原因の80-90%は弁尖や腱索の変性に因る逸脱症である。(参考1)
合併症
予後
参考
- 1. 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_matsuda_h.pdf
[★]
- 英
- valvular heart disease、cardiac valvulopathy
- 関
- 弁膜症、心臓弁膜症、心臓弁疾患
[★]
- 英
- valvular heart disease
- 関
- 弁膜症、心弁膜症、心臓弁膜症
[★]
- 英
- intra-atrial thrombus
- 同
- 心臓弁膜症
Af,MS,MRで多い
[★]
心臓弁膜症
- 関
- valvular heart disease
[★]
- 英
- heart
- ラ
- cor
- 関
- 肺、循環器
性状
体表解剖
- 心臓の上縁:左の第2肋軟骨の下縁と右の第3肋軟骨を結ぶ線上
- 心臓の右縁:右の第3肋軟骨から右の第6軟骨に向かう線。この線は外側に向かって弓状をなす。
- 心臓の下縁:右縁の下端から第5肋間隙で左鎖骨中線の近くに向かう線
- 心臓の左縁:上縁と下縁を外側に凸となる曲線で結んだ線
機能血管
動脈
静脈
心臓の栄養動脈 (M.92)
-
- 洞房結節枝
- 右縁枝
- 後下行枝 = 後室間枝
- 房室結節枝
-
心臓の栄養静脈 (M.95)
心臓の静脈の特徴
- 酸素供給能 = 心臓の送血能 x 血液のHb量 x (動脈の酸素飽和度(肺) - 静脈の酸素飽和度(末梢))
- 心臓の酸素消費量と仕事
[★]
- 英
- heart valve, cardiac valve]]
- 関
- 弁
[★]
- 英
- sis, pathy