- 英
- carotene, carotin
- 同
- カロテン
- 関
- カロチノイド carotenoid
WordNet
- any of a class of highly unsaturated yellow to red pigments occurring in plants and animals
- yellow or orange-red fat-soluble pigments in plants
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- カロチン(ニンジン・トウガラシなどに含まれる炭化水素)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/16 10:42:48」(JST)
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カロテンはニンジンを始めとした野菜・果物の橙色成分である。
カロテン、カロチン(英: Carotene、独: Carotine)は、カロテノイドのうち炭素と水素とから成る化合物の総称である。植物によって生合成されるが、動物は生合成することができない。カロテンは光合成において重要な橙色光合成色素の一つである。ニンジン(carrot)の橙色の元であり、このことがカロテンの語源となっているが、ニンジンだけでなく多くの果物や野菜(例えばサツマイモやマスクメロン)に含まれている。また、枯れ葉の橙色や乳脂肪、バター、卵黄の黄色もカロテンによる着色である。ヒトやニワトリの典型的な黄色脂肪はそれら食物由来のカロテンの脂肪貯蔵の結果である。
カロテンは自ら吸収した光エネルギーをクロロフィルへ伝送することで光合成に寄与している。また、カロテンは光合成中に形成する酸素分子の活性型である一重項酸素のエネルギーを吸収するため、植物組織の保護に役立っている。
化学的にはカロテンはテルペンの一つであり、8個のイソプレン単位から生合成される。カロテンは主にα-カロテンとβ-カロテンの2種からなるが、これらの他にγ-, δ-, ε-およびζ-カロテンも存在する。酸素原子を含まない炭化水素分子であるためカロテンは脂溶性であり水には溶けない。
β-カロテンは2つのレチニル基から構成され、小腸の粘膜中でβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36)によってレチナールに分解された後、ビタミンA(レチノール)となる。 カロテンは体内では肝臓や体脂肪に蓄えられ必要に応じてレチナールに変換され、ヒトや数種の哺乳類ではビタミンAの形にする。
動物の種類によってカロテンをレチナールにする能力には差があり、肉食動物では一般に摂取したカロテノイドを変換する能力は低く、特にネコやフェレットなど純粋な肉食動物ではβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼを欠いているためレチナールへは全く変換されない。結果的にそれらの動物ではカロテンからはビタミンAは形成されない。
目次
- 1 異性体
- 2 命名法
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
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異性体
主なカロテンであるα-カロテンとβ-カロテンでは、その末端の環の二重結合の位置が異なる。
β-カロテンの方がより一般的であり、黄色、橙色および緑葉の果物と野菜で見られる。経験的に橙色がより鮮やかな果物および野菜ほど、より多くのβ-カロテンが含まれている傾向にある。
命名法
カロテンは炭素と水素のみで構成されたカロテノイドであり、それ以外の元素を含むものはキサントフィルと呼ぶ。
β-カロテンの両末端は同一の環構造であり、これをβ環(β-rings)と呼んでいる。一方、α-カロテンは片末端にβ環を持ち、もう片末端にはε環(ε-ring)と呼ばれる構造を持つ(α環というものは存在しない)。これらとカロテノイド分子の末端の構造によって基準となる組織名をつける。
尚、『五訂日本食品標準成分表』(2000年11月改訂)より、「カロチン」 ではなく 「カロテン」 と表記が統一された。
- α-カロテンは、β,ε-カロテン
- β-カロテンは、β,β-カロテン
- γ-カロテンは、β,ψ-カロテン(非環末端はψで表す)
- δ-カロテンは、ε,ψ-カロテン
- ε-カロテンは、ε,ε-カロテン
- リコペンは、ψ,ψ-カロテン
関連項目
- キサントフィル
- 酸化防止剤
- フィトケミカル
- 柑皮症
外部リンク
- Beta-carotene website by Martha Evens, School of Chemistry, ブリストル大学
- Berkeley Wellness Guide to Dietary Supplements
- Beta-carotene on University of Maryland Medical Center
- World's Healthiest Foods: carotenoids
- World's Healthiest Foods: alpha-carotene
- World's Healthiest Foods: beta-carotene
- MeSH Carotene
カロテノイド |
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カロテン (C40) |
α-カロテン · β-カロテン · γ-カロテン · δ-カロテン · ε-カロテン · ζ-カロテン · リコペン · ネウロスポレン · フィトエン · フィトフルエン
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キサントフィル (C40) |
アンテラキサンチン · アスタキサンチン · カンタキサンチン · シトラナキサンチン · β-クリプトキサンチン · ジアジノキサンチン · ジアトキサンチン · ジノキサンチン · フラボキサンチン · フコキサンチン · ルテイン · ネオキサンチン · ロドキサンチン · ルビキサンチン · ビオラキサンチン · ゼアキサンチン
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アポカロテノイド (C<40) |
アブシシン酸 · アポカロテナール · ビキシン · クロセチン · イオノン · ペリジニン
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|
ビタミンA レチノイド (C20) |
レチナール · レチノイン酸 · レチノール
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 永野 由祐,中田 真一,上田 浩三 [他],松下 浩一,高橋 和昭
- 日本畜産学会報 85(2), 139-143, 2014
- … ウ素濃度は産卵時期や使用したニワトリの種類にかかわらず,ノコギリモク添加区で無添加区に比較して増加した.卵黄中β-カロチン濃度は国産鶏を用いた試験において,ノコギリモク添加区で無添加区に比較して増加した.また,ノコギリモク添加による卵黄中β-カロチン濃度の増加は,籾米混合飼料を使用した時に顕著であった.卵殻厚は,廃棄直前鶏に籾米混合飼料を給与した時に,ノコギリ …
- NAID 130004480277
- オホーツク海のホタテガイ赤橙色貝柱における一般成分および赤色色素の同定と抗酸化作用について
- 成田 正直,眞岡 孝至,蛯谷 幸司 [他],西野 輔翼
- 日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 79(1), 48-54, 2013-01-15
- … ペクテノロンは,アスタキサンチンよりはやや弱いが,β-カロチンより強い抗酸化作用を示し,有用なカロテノイドと考えられた。 …
- NAID 10031138564
- 長期不受胎供卵牛におけるリハビリ放牧の取り組み(その2)
- 藤原 朋子,山田 育弘,西野 治 [他],赤池 勝
- 奈良県畜産技術センター研究報告 (37), 8-16, 2012-08
- … また1頭ではあるが、血液検査項目に繁殖性に関与するビタミンAとβ-カロチンの測定を加えた。 … 放牧後で血清β-カロチン値が非常に高い値を示したことから、受胎率が向上したのは、補助飼料の量を大幅に制限し、青草の摂取量が増加したことにあるのかもしれない。 … 過肥改善だけではなく、β-カロチンも受胎性に何らかの影響を及ぼしていると推察された。 …
- NAID 120005332053
Related Links
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★リンクテーブル★
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- 英
- thyroid hormone, thyroid hormones
- 関
- 甲状腺、サイログロブリン、カルシトニン、甲状腺ホルモン製剤
- 胎児の発育・新生児の生理と適応
種類
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
- 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
- ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー
作用
代謝系別
- 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
- カテコラミンの作用を増強する
心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加 ←証明されていない?
-
-
- →甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
- エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
- ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
- 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
- グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
-
- 肝臓におけるコレステロール産生を促進
- 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
- コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
薬理学的作用 (SPC.321)
- 全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
- 組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
- 上記の通り
- ネガティブフィードバック
分泌の調節
- 視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4は下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制
分子機構
臨床関連
過多
欠乏
-
- 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
- エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
- 以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)
生合成 (SP.916)
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- 英
- carotenoid carotinoids
- 同
- カロテノイド carotenoid carotenoids
- 関
- カロチン
参考
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カロテン、カロチン
[★]
- 英
- lycopene
- 関
- カロチン
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- 英
- beta-carotene、bet acarotene, β-carotene, β-carotin
- 同
- ベータカロチン、β-カロチン、βカロテン
- 関
- カロテノイド、プロビタミンA
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- 英
- beta-carotene、betacarotene
- 関
- βカロチン、β-カロチン
[★]
- 英
- zeta-carotene
- 関
- ゼータカロチン