カロチン
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- yellow or orange-red fat-soluble pigments in plants
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- カロチン(ニンジン・トウガラシなどに含まれる炭化水素)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/12 21:27:00」(JST)
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カロテンはニンジンを始めとした野菜・果物の橙色成分である。
カロテン、カロチン(英: Carotene、独: Carotine)は、カロテノイドのうち炭素と水素とから成る化合物の総称である。植物によって生合成されるが、動物は生合成することができない。カロテンは光合成において重要な橙色光合成色素の一つである。ニンジン(carrot)の橙色の元であり、このことがカロテンの語源となっているが、ニンジンだけでなく多くの果物や野菜(例えばサツマイモやマスクメロン)に含まれている。また、枯れ葉の橙色や乳脂肪、バター、卵黄の黄色もカロテンによる着色である。ヒトやニワトリの典型的な黄色脂肪はそれら食物由来のカロテンの脂肪貯蔵の結果である。
カロテンは自ら吸収した光エネルギーをクロロフィルへ伝送することで光合成に寄与している。また、カロテンは光合成中に形成する酸素分子の活性型である一重項酸素のエネルギーを吸収するため、植物組織の保護に役立っている。
化学的にはカロテンはテルペンの一つであり、8個のイソプレン単位から生合成される。カロテンは主にα-カロテンとβ-カロテンの2種からなるが、これらの他にγ-, δ-, ε-およびζ-カロテンも存在する。酸素原子を含まない炭化水素分子であるためカロテンは脂溶性であり水には溶けない。
β-カロテンは2つのレチニル基から構成され、小腸の粘膜中でβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36)によってレチナールに分解された後、ビタミンA(レチノール)となる。 カロテンは体内では肝臓や体脂肪に蓄えられ必要に応じてレチナールに変換され、ヒトや数種の哺乳類ではビタミンAの形にする。
動物の種類によってカロテンをレチナールにする能力には差があり、肉食動物では一般に摂取したカロテノイドを変換する能力は低く、特にネコやフェレットなど純粋な肉食動物ではβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼを欠いているためレチナールへは全く変換されない。結果的にそれらの動物ではカロテンからはビタミンAは形成されない。
目次
- 1 異性体
- 2 命名法
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
異性体[編集]
主なカロテンであるα-カロテンとβ-カロテンでは、その末端の環の二重結合の位置が異なる。
β-カロテンの方がより一般的であり、黄色、橙色および緑葉の果物と野菜で見られる。経験的に橙色がより鮮やかな果物および野菜ほど、より多くのβ-カロテンが含まれている傾向にある。
命名法[編集]
カロテンは炭素と水素のみで構成されたカロテノイドであり、それ以外の元素を含むものはキサントフィルと呼ぶ。
β-カロテンの両末端は同一の環構造であり、これをβ環(β-rings)と呼んでいる。一方、α-カロテンは片末端にβ環を持ち、もう片末端にはε環(ε-ring)と呼ばれる構造を持つ(α環というものは存在しない)。これらとカロテノイド分子の末端の構造によって基準となる組織名をつける。
尚、『五訂日本食品標準成分表』(2000年11月改訂)より、「カロチン」 ではなく 「カロテン」 と表記が統一された。
- α-カロテンは、β,ε-カロテン
- β-カロテンは、β,β-カロテン
- γ-カロテンは、β,ψ-カロテン(非環末端はψで表す)
- δ-カロテンは、ε,ψ-カロテン
- ε-カロテンは、ε,ε-カロテン
- リコペンは、ψ,ψ-カロテン
関連項目[編集]
- キサントフィル
- 酸化防止剤
- フィトケミカル
- 柑皮症
外部リンク[編集]
- Beta-carotene website by Martha Evens, School of Chemistry, ブリストル大学
- Berkeley Wellness Guide to Dietary Supplements
- Beta-carotene on University of Maryland Medical Center
- World's Healthiest Foods: carotenoids
- World's Healthiest Foods: alpha-carotene
- World's Healthiest Foods: beta-carotene
- Carotene - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH)
カロテノイド |
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カロテン (C40) |
α-カロテン · β-カロテン · γ-カロテン · δ-カロテン · ε-カロテン · ζ-カロテン · リコペン · ネウロスポレン · フィトエン · フィトフルエン
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キサントフィル (C40) |
アンテラキサンチン · アスタキサンチン · カンタキサンチン · シトラナキサンチン · β-クリプトキサンチン · ジアジノキサンチン · ジアトキサンチン · ジノキサンチン · フラボキサンチン · フコキサンチン · ルテイン · ネオキサンチン · ロドキサンチン · ルビキサンチン · ビオラキサンチン · ゼアキサンチン
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アポカロテノイド (C<40) |
アブシシン酸 · アポカロテナール · ビキシン · クロセチン · イオノン · ペリジニン
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ビタミンA レチノイド (C20) |
レチナール · レチノイン酸 · レチノール
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 平成25年度家畜診療等技術全国研究集会・入賞論文 全国農業共済協会長賞 ビタミンA欠乏肥育牛に対するβカロテンの測定意義
- 中村 弘道,河合 裕輝,渡辺 英樹 [他]
- 家畜診療 = Journal of livestock medicine 62(4), 201-209, 2015-04
- NAID 40020427820
- 十勝産ジャガイモ,ナガイモのミネラル・ビタミン含量
- 山崎 民子
- 帯広大谷短期大学紀要 (52), 81-83, 2015-03-31
- … カリウム,カルシウム,マグネシウム,リン,鉄,亜鉛,銅は充分期待できる.ビタミンでは,総アスコルビン酸は慣行栽培が有機栽培より多いが,他のビタミンの含量差は小さい.なお,貯蔵後は,レチノール当量とβ- カロテンは収穫直後より増加した.トコフェロールは,α-,β-,γ- およびδ-トコフェロールとも期待できる量にはない.また,ジャガイモ土壌の置換性苦土・置換性石灰とジャガイモのカルシウム,マグネシウム量との関係 …
- NAID 110009899412
- ふっきーに続け! 更年期のりきり術 こんなにきれいでいいかしら(第13回)1月のテーマ 緑黄色野菜をたっぷりと : かぜの季節に、β-カロテンを!
Related Links
- β(ベータ)カロテンの成分情報です。β(ベータ)カロテンとは?β(ベータ)カロテンの働きや効果・効能などβ(ベータ)カロテンに関する情報を詳しくご紹介します。わかさの秘密はわかさ生活が提供する成分情報サイトです。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エネーボ配合経腸用液
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 牛乳タンパクアレルギーを有する患者〔本剤には牛乳由来のタンパク質が含まれているため,ショック,アナフィラキシーを引き起こすことがある.〕
- イレウスのある患者〔消化管の通過障害がある.〕
- 腸管の機能が残存していない患者〔水,電解質,栄養素などが吸収されない.〕
- 高度の肝・腎障害のある患者〔肝性昏睡,高窒素血症などを起こすおそれがある.〕
- 重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者〔高血糖,高ケトン血症などを起こすおそれがある.〕
- 先天性アミノ酸代謝異常の患者〔アシドーシス,嘔吐,意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある.〕
効能または効果
- 一般に,手術後患者の栄養保持に用いることができるが,特に長期にわたり,経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する.
- 経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には,速やかに経口食にきりかえること.
- 通常,標準量として成人には1日1,000〜1,667mL(1,200〜2,000kcal)を経管又は経口投与する.経管投与では本剤を1時間に62.5〜104mL(75〜125kcal)の速度で持続的又は1日数回に分けて投与する.経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる.
ただし,通常,初期量は333mL/日(400kcal/日)を目安とし,低速度(約41.7mL/時間(50kcal/時間)以下)で投与する.以後は患者の状態により徐々に増量し標準量とする.なお,年齢,体重,症状により投与量,投与濃度,投与速度を適宜増減する.特に投与初期は,水で希釈して投与することも考慮する.
- 本剤は,経腸栄養剤であるため,静脈内へは投与しないこと.
慎重投与
- 短腸症候群の患者(下痢の増悪をきたすおそれがある.)
- 急性膵炎の患者(膵炎が増悪するおそれがある.)
- 水分の補給に注意を要する下記患者(下記の患者では水分バランスを失いやすい.)
- 意識不明の患者
- 口渇を訴えることのできない患者
- 高熱を伴う患者
- 重篤な下痢など著しい脱水症状の患者
薬効薬理
タンパク質
- 本剤のタンパク質源は,アミノ酸補足効果と効率的利用を考慮し,乳タンパク質(乳清タンパク質と牛乳タンパク質)と大豆分離タンパク質を90.5:9.5の割合で配合したもので,250mL中13.5g(エネルギー構成比18%)を含有する.
- NPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)は116(分析値に基づく)である.
炭水化物
- 本剤の主な糖質源はデキストリンと精製白糖(ショ糖)で,250mL中39.6g(エネルギー構成比53%)を含有する.
脂質
- 本剤の主な脂質源は高オレイン酸ヒマワリ油,ナタネ油と中鎖脂肪酸トリグリセリドで,250mL中9.6g(エネルギー構成比29%)を含有する.
また,均一微細でかつ安定な懸濁液となっており,消化されやすい.
- 魚油由来のEPA,DHAを含有し,ω3系,ω6系,ω9系列の脂肪酸をバランスよく含有している.
水分量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- carotene, carotin
- 同
- カロテン
- 関
- カロチノイド carotenoid
[★]
- 英
- pre-vitamin A
- 関
- カロテン
[★]
カロテン、カロチン
[★]
- 英
- beta-carotene 15,15'-dioxygenase
- 関
- βカロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ
[★]
- 英
- beta-carotene 15,15'-monooxygenase
- 関
- βカロテン-15,15'-ジオキシゲナーゼ