- 英
- pneumonitis
- 関
- 間質性肺炎
WordNet
- inflammation of the lungs; caused by a virus or an allergic reaction
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/06/12 12:54:24」(JST)
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間質性肺炎(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))は肺の間質組織を主座とした炎症を来す疾患の総称。治療の困難な難病である。進行して炎症組織が線維化したものは肺線維症(はいせんいしょう)と呼ばれる。間質性肺炎のうち特発性間質性肺炎(後述)は日本の特定疾患。間質性肺臓炎(interstitial pneumonitis)ともいう。
1989年6月には、美空ひばりがこの病因により、52歳で死亡した。また2009年5月には、官房副長官だった鴻池祥肇がこの病気を理由に入院し、官房副長官を辞任した。
目次
- 1 病態概念
- 2 症状
- 3 所見・診断
- 4 治療
- 5 予後
- 6 原因による分類
- 7 急性増悪
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病態概念
肺は血液中のガスを大気中のものと交換する器官であり、大気を取り込む肺胞と毛細血管とが接近して絡み合っている。それらを取り囲んで支持している組織が間質である。
通常、肺炎といった場合には気管支もしくは肺胞腔内に起こる炎症を指し、通常は細菌感染によるものを指す。間質性肺炎の場合は支持組織、特に肺胞隔壁に起こった炎症であり、肺胞性の肺炎とは異なった症状・経過を示す。
- 肺コンプライアンスの低下
- いわば「肺が硬くなる」。肺の支持組織が炎症を起こして肥厚することで、肺の膨張・収縮が妨げられる。肺活量が低下し、空気の交換速度も遅くなる。
- ガス交換能の低下
- 間質組織の肥厚により毛細血管と肺胞が引き離される。その結果、血管と肺胞の間でのガス交換(拡散)効率が低下し、特に酸素の拡散が強く妨げられる。
症状
その病態から、呼吸困難や呼吸不全が主体となる(息を吸っても吸った感じがせず、常に息苦しい)。また、肺の持続的な刺激により咳がみられ、それは痰を伴わない乾性咳嗽である(痰は気管支や肺胞の炎症で分泌されるため)。肺線維症に進行すると咳などによって肺が破れて呼吸困難や呼吸不全となり、それを引きがねとして心不全を起こし、やがて死に至ることもある。
所見・診断
- 理学所見
- 診察上特徴的なのは胸部聴診音で、パチパチという捻髪音 fine crackleが知られる。これはマジックテープをはがす音に似ているため、マジックテープのメーカー(ベルクロ社)にちなんでベルクロラ音とも呼ばれる。また、呼吸器障害を反映してばち指がみられることもある。
- 臨床検査
- 単純X線撮影および胸部CTではすりガラス様陰影 ground-glass opacityが特徴的である。これは、比較的一様に濃度が上がった、ぼやっとした肺陰影である。進行すると線維化を反映して蜂巣状を呈するようになっていく。診断は画像診断でほぼ確定することができる。
- 呼吸生理学検査では、%肺活量、一秒率、一酸化炭素拡散能の低下がみられる。これは重症度判定の目安になる。
- 血液検査では、非特異的だがLDH、血沈の上昇が知られる。特異性の高い所見としてはSP-A、SP-D、KL-6の上昇があり、これは炎症の活動度の判定や治療効果の判定に信頼性が高い。
- 病理所見
- 硝子膜形成、II型上皮の腫大・増生、肺胞壁への炎症細胞浸潤がみられる。末期には蜂窩肺となる。
治療
炎症の抑制を目的としてステロイドホルモンや免疫抑制剤が使用される。感染が原因である場合、これらは増悪を招くおそれがある。2008年より、日本ではピルフェニドン(商品名ピレスパ錠200mg®)が発売された。現在日本でのみ承認されている。光線過敏症などの副作用はあるが、特発性肺線維症(病理組織分類では通常型間質性肺炎)に対してはこの薬のみが唯一有効性が証明されている。
対症療法として呼吸不全に対して酸素投与が行われるが、進行して二酸化炭素排泄も不十分となった場合には酸素投与のみでは炭酸ガスナルコーシスを引き起こしかねないため人工呼吸器を導入せざるを得なくなる。
肺移植の有用性も検討されており移植の適応疾患に認められているが、日本では2005年の時点で10例程度施行されたのみである。
予後
進行性で治療に抵抗性のものでは数週間で死に至るものもある。慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多い。
原因による分類
- 感染
- ウイルス感染は間質性肺炎の形態をとることがあり、間質性肺炎の鑑別診断の一つとして考慮すべきである。血液疾患などで見られることの多いサイトメガロウイルス肺炎が代表的なものであるが、インフルエンザウイルス等も原因となることがある。
- 膠原病
- 関節リウマチ、全身性強皮症、皮膚筋炎、多発性筋炎、MCTDなど線維化を来す膠原病の一症候として間質性肺炎が出現する頻度が高い。特に皮膚筋炎に合併するものは急速に進行し予後が悪い傾向がある。
- 放射線
- 画像診断程度の線量ではまず発生することはなく、放射線療法程度の強い被曝に起こる。照射野に一致した炎症像を呈する。また、基礎疾患として間質性肺炎のある患者の場合は照射野外にも広範囲に広がる重篤な間質性肺炎を起こす可能性がある。
- 中毒・薬剤性
- ブレオマイシン、ゲフィチニブなどの抗癌剤、漢方薬の小柴胡湯、インターフェロン、抗生物質などや胆道疾患改善薬(ウルデストン錠)によるものがよく知られている。特にゲフィチニブによるものは日本(人)での発症率が高く、主として先行販売されていた海外でのデータをもとにして薬事承認されていたため上梓後に危険性が顕在化することとなり、社会的にも大きな影響を生じた。これらが疑われたときには原因薬剤の速やかな中止が第一となる。
中毒としては、パラコート中毒の際に細胞障害の結果起きることがある。この場合、パラコートの細胞障害作用には酸素が働いているため酸素投与は絶対禁忌となる。
特発性
以上に挙げた明確な原因を持たないものは特発性間質性肺炎(IIP: Ideopathic Interstitial Pneumonitis)と呼ばれる。組織型によりいくつかに分類されるが、剥離性間質性肺炎は喫煙との関連が明らかになっている。
病理学的分類:Liebow(1968)の分類
- 通常型間質性肺炎(UIP: usual interstitial pneumoniae)
- 閉塞性細気管支炎を合併したびまん性肺胞障害(BIP: bronchiolitis obliterans and diffuse alveolar damage)
- 剥離型間質性肺炎(DIP: desquamative interstitial pneumoniae)
- 巨細胞性間質性肺炎(GIP: giant cell interstitial pneumoniae)
- リンパ性間質性肺炎(LIP: lymphoid inerstitial pnumoniae)
その後検討され、2002年のATS(American thoracic society)/ERS(European respiratory society)の分類では、以下の7つに分類できる。
- UIP (usual interstitial pneumonia)
- NSIP (nonspecific interstitial pneumonia)
- COP (cryptogenic organizing pneumonia)- BOOP(bronchiolitis obliterans with organizing pneumoniae:器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎)と言われていたもの
- DIP (desquamative interstitial pneumonia)
- RB-ILD (respiratory bronchiolitis-associated interstitial lung disease)
- AIP(acute interstitial pnaumonia)
- LIP (lymphocytic interstitial pnaumonia)
急性増悪
間質性肺炎は、原疾患の病勢、治療薬の副作用、感染症などをきっかけに急激に症状が増悪し致命的となる場合がある。これを急性増悪といい、管理上の最大の問題となる。緊急的にステロイドパルス療法が行われる。
呼吸器疾患 (ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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腫瘍
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良性腫瘍
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肺過誤腫 | 硬化性血管腫
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悪性腫瘍
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低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫
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アレルギー
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気管支喘息
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アスピリン喘息
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好酸球性肺炎
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Löffler症候群 | 急性好酸球性肺炎 | 慢性酸球性肺炎 | 好酸球増加症候群
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過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
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肺循環障害
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肺血栓塞栓症 | 肺性心 | 新生児呼吸窮迫症候群 | 急性呼吸窮迫症候群
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肺代謝異常
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肺胞蛋白症 | 肺胞微石症
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機能的障害
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過換気症候群 | 睡眠時無呼吸症候群
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感染性疾患
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気道感染 |
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上気道 |
風邪
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ライノウイルス - アデノウイルス - パラインフルエンザウイルス - RSウイルス - コロナウイルス - エコーウイルス - エンテロウイルス
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喉頭炎
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急性喉頭蓋炎 - クループ
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咽頭炎
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下気道 |
急性細気管支炎
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肺炎 |
原因
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定型肺炎
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グラム陽性
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肺炎球菌 - 黄色ブドウ球菌
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グラム陰性
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肺炎桿菌 - インフルエンザ菌 - モラクセラ - 大腸菌 - 緑膿菌
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非定型肺炎
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ウイルス性
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RSウイルス - インフルエンザ肺炎 - 重症急性呼吸器症候群
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肺真菌症
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ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
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レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
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抗酸菌症
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結核 - 非結核性抗酸菌症
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機序
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市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
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病態
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肺胞性肺炎
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大葉性肺炎 - 気管支肺炎
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化膿性肺炎
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胸壁 |
膿胸
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症候・徴候 |
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異常呼吸
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過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸
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咳嗽 | 痰 | 呼吸困難 | 胸痛 | 胸水 | ばち指 | チアノーゼ
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
解剖学的構造
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上気道
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鼻
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鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
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口
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口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
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咽頭 - 喉頭
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下気道
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気管
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気管支
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主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
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細気管支
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小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
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呼吸細気管支
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ガス交換器
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肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
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顕微解剖学
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
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横隔神経 | 肋間神経
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UpToDate Contents
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- 1. 入院を要する成人における市中肺炎の治療 treatment of community acquired pneumonia in adults who require hospitalization
- 2. 成人の外来患者における市中肺炎の治療 treatment of community acquired pneumonia in adults in the outpatient setting
- 3. 小児における市中肺炎の外来治療 outpatient treatment of community acquired pneumonia in children
- 4. 小児における肺炎の入院治療 inpatient treatment of pneumonia in children
- 5. 成人における院内感染性/人工呼吸器関連/医療関連肺炎の治療 treatment of hospital acquired ventilator associated and healthcare associated pneumonia in adults
Japanese Journal
- 症例 放射線肺臓炎との鑑別を要した乳癌のpulmonary tumor thrombotic microangiopathyの1剖検例
- 関 香織,笠松 悠,吉野谷 清和 [他]
- 日本呼吸器学会誌 = Annals of the Japanese Respiratory Society 1(6), 526-530, 2012-09-10
- NAID 40019507337
- 放射線肺臓炎との鑑別を要した乳癌の pulmonary tumor thrombotic microangiopathy の1剖検例
- 関 香織,笠松 悠,吉野谷 清和,角谷 昌俊,廣中 愛,山口 正秀,川端 健二,笠松 美宏
- 日本呼吸器学会誌 = Annals of the Japanese Respiratory Society 1(6), 526-530, 2012-09-10
- NAID 10031043458
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- 原因 さまざまな種類の粉塵が、肺にアレルギー反応を引き起こします。微生物やタンパク質を含む有機物の粉塵や、イソシアネートのような化学物質は、過敏性肺臓炎の原因となる可能性があります。農夫肺は、カビの生えた干し草の ...
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- 英
- interstitial pneumonitis, interstitial lung disease, pneumonitis, interstitial pneumonia
- 同
- びまん性間質性肺炎 diffuse interstitial pneumonia、びまん性線維性肺胞炎 diffuse fibrosisalveolitis、肺臓炎 pneumonitis
- 関
- 肺炎、間質性肺疾患
間質性肺炎と実質性肺炎
- 実質性肺炎・・・いわゆる肺炎。実質(肺胞上皮細胞および肺胞腔)の炎症。区域性の分布
- 間質性肺炎・・・実質の間を埋める間質が炎症の場。胞隔炎。びまん性の分布
定義
- 間質(肺胞壁や細気管支、細動静脈周囲など)を病変の主座とする炎症性疾患に対する病理組織学的総称。大葉性・小葉性肺炎(肺胞、肺胞道などの気腔内への滲出性病変)に対比して用いられる。
検査
病因による分類
- 間質性肺炎を来す疾患として、塵肺(無機塵・有機塵、エアロゾル?)、膠原病(PSS, SLE, RAなど)、感染症(ウイルス感染、細菌感染)、薬物誘起性肺炎、放射線肺炎など
[★]
- pneumonitis
- 英
- hypersensitivity pneumonitis, HP
- 同
- 過敏性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎 extrinsic allergic alveolitis
- 関
- セコイア症、夏型過敏性肺炎
[show details]
概念
- 種々の有機性粉塵を感受性のあるヒトが反復吸入した結果、粉塵中の抗原成分によって惹起される呼吸困難、発熱などをきたす疾患群。
- 非乾酪性の類上皮細胞性肉芽腫の形成を伴う間質性肺炎である。
- 肺の炎症性疾患であり、肺胞壁や終末の気道も侵される。
- 本態はIII型アレルギーおよびIV型アレルギー(慢性期。Th1サイトカインによる肉芽腫形成)である。
- 外因性アレルギー性胞隔炎extrinsic allergic alveolitisとも呼ばれる。
病型
病因
- 抗原に感作された人に対する抗原の再暴露により生じる
- 抗原は種々ある。
病因による分類
- 夏型過敏性肺臓炎
- 加湿器肺
- 空調病
- 農夫肺
- 砂糖キビ肺症
- 鳥飼病
- ハト飼病
- 木屑病
- 草屋病
- キノコ栽培者肺病
- 毛皮商人肺
- コーヒー労働者肺症
- チーズ洗い病
- 楓皮病
- コルク肺
- 麦芽労働者肺
- 痘苗病
- 養蚕従事者肺
- たたみ職人肺
- 空洞病
- 加湿器肺
疫学
- IMD
- 夏型過敏性肺炎:80%。屋内のカビ。日本では8-9月に多い。
- 農夫肺:8.1%。干草中の真菌。
- 換気装置肺炎:4.3%
- 鳥飼病:4.1%
病態
- IMD
III型アレルギーの関与
- 抗原曝露後約4-6時間で発症。抗原除去により6-8時間後に自然消退。
- 皮内反応:アルサス型
- BALF・血清中に抗原特異的IgG・IgAの出現
- 急性期のBALFには好中球が増加
IV型アレルギーの関与
- 肺生検において、肉芽腫形成。間質性肺炎(マクロファージ・リンパ球の浸潤)。
- BALFにおいて、リンパ球の増加がみられる
病理
- 病理組織学的には、肺胞壁のリンパ球を主体とした細胞浸潤、肺胞壁とそれに隣接した細気管支領域にみられる類上皮細胞肉芽腫病変が主要所見である。 → 肉芽腫性間質性肺炎
身体所見
症状
- HIM.1607
- 急性型:(抗原暴露後6-8時間より)咳、発熱、悪寒、全身倦怠感、呼吸困難
- 亜急性型:(数週間かけて潜行性に発症)咳、呼吸困難-(次第に悪化)→チアノーゼ、重度の呼吸困難。急性型の病型で、抗原が除去されない場合に亜急性に移行することがある。急性・亜急性型はいずれも抗原除去により数日~数週間~数ヶ月の経過で症状が消失。
- 慢性型:臨床的に肺線維症と区別できない。不可逆的。
検査
- IMD. YN.I-111
- 原因抗原を確定するために血清中の沈降抗体の証明や、気管支肺胞洗浄液リンパ球の抗原刺激試験が必要
- 血液検査:(総じて炎症所見)白血球増加、ESR上昇、CRP上昇、リウマチ因子陽性、アンジオテンシン転換酵素(ACE)上昇(類上皮肉芽腫のせい)、γグロブリン上昇、(間質の障害を伴うので)KL-6上昇
- 好酸球は不変、補体不変
- 急性・亜急性型:(間質性肺炎の像)両側中下肺野を中心にびまん性にすりガラス様陰影や小粒状陰影
- 慢性型:(肺線維症の像)肺の萎縮、線状影や輪状影。20-30%の症例で上肺野優位。
- 急性・亜急性型:肺野濃度の上昇、2-4mm大の境界不鮮明な小円形の粒状影が小葉中心性にびまん性に認められる。
- 慢性型:辺縁不整な線状影、輪状影
- BALF:抗原曝露後24時間以内には多核白血球、以降はリンパ球の増加が認められる。
- 急性型:非乾酪性類上皮性肉芽腫、胞隔炎(リンパ球・マクロファージ)。肺胞内のMasson体
- 慢性型:肉芽腫病変は稀。
- 吸入誘発試験:抗原の吸入により咳・呼吸困難を認め、検査上、炎症所見、低酸素血症が認められる。急性・亜急性型で有用。
診断基準
急性過敏性肺炎
- (参考1)
- 臨床症状・所見1) ~4) のうちいずれか2つ以上と、検査所見1) ~4) のうち1) を含む2つ以上の項目を同時に満足するもの
- 1) せき、2) 息切れ 3) 発熱、4) 捻髪音ないし小水疱性ラ音
- 1) 胸部X線像にてびまん性散布性粒状陰影(またはスリガラス状)
- 2) 拘束性換気能障害
- 3) 血沈値亢進、好中球増多、CRP陽性のいずれか一つ)
- 4) 低酸素血症(安静時あるいは運動後)
- 1) ~6) のうちいずれか1つを満足するもの
- 1) 夏型過敏性肺炎は夏期(5~10月) に、高温多湿の住宅で起こる
- 2) 鳥飼病は鳥の飼育や羽毛と関連して起こる
- 3) 農夫肺は黴びた枯れ草の取り扱いと関連して起こる
- 4) 空調肺、加湿器肺はこれらの機器の使用と関連して起こる
- 5) 有機塵挨抗原に曝露される環境での生活歴
- 6) 特定の化学物質と関連して起こる
- 注:症状は抗原暴露4~8時間して起こることが多く、環境から離れると自然に軽快する。
- 1) ~3) のうち1つ以上を満足するもの
- 1) 抗原に対する特異抗体陽性(血清あるもいはBAL*1液中)
- 2) 特異抗原によるリンパ球増殖反応陽性(末梢瓜あるいはBALリンパ球)
- 3) BAL所見(リンパ球↑、Tリンパ球↑) *2
- 1) ~2) のうち1つ以上を満足するもの
- 1) 特異抗原吸入にまる臨床像の再現
- 2) 環境暴露による臨床像の再現
- 1) ~3) のうちいずれか2つ以上を満足するもの
- 1) 肉芽腫形成、2) 胞隔炎、3) Masson体
診断
- 確実:a、b、dまたはa、b、c、eを満たすもの
- 強い疑い:aを含む3項目を満たすもの
- 疑い:aを含む2項目を満たすもの
- (*1)bronchoalveolar lavage(気管支肺胞洗浄)
- (*2)一般的にリンパ球比率は35%を超える。抗原回避2日以内では好中球増多を示す。
慢性過敏性肺炎
- (参考2)
- 1. 環境誘発あるいは抗原誘発試験で陽性
- 2. 組織学的の線維化が観察される
- 3. HRCTで線維化所見とhoneycombが観察される
- 4. 肺機能の拘束性障害が1年以上にわたって進行性である
- 5. 過敏性肺炎と関連した症状が6ヶ月以上続く
- 6. 当該抗原に対する抗体か、あるいはリンパ球増殖試験が陽性か、両者が陽性
- 以上1か6、および2か3、および4か5の3項目以上を満足させれば慢性過敏性肺炎と診断する
- 付記
- 1. 環境誘発試験は陰性のこともあるが、抗原誘発試験は陽性となる。この場合、症状の発現は弱くても白血球数、CRP、PaO2、DLCOなどの検査所見だけでも陽性と判定する。
- 2. 病理学的所見では肉芽腫はほとんどみられず、限局性のhoneycomb、リンパ球主体の肺隔炎とリンパ球の集族がみられる
- 3. 症状は抗原吸入を持続しても軽くなることが多い。労作時呼吸困難が主な症状である。
- 4. 抗体が陰性で抗原添加リンパ球増殖試験だけが陽性例もみられる
- 5. KL-6、SP-Dは高値
- 6. 慢性過敏性肺炎の発症環境として、カビの多い住宅や仕事場、羽毛布団使用、隣人の鳩飼育、公園・神社・駅の野鳩、野鳥の集団棲息などがある
治療
- 抗原の隔離
- 薬物療法:ステロイド(呼吸困難例)、ステロイドパスル療法(呼吸困難の重症例、急性増悪例)
- 支持療法:在宅酸素療法
予後
予防
参考
- http://www.naoru.com/kabinseihaien.htm
- http://www.geocities.jp/kokyukika/document/ChronicHP.html
- http://www.ibaraisikai.or.jp/treasure/chisivew/chisi-03.html
国試
[★]
- 英
- radiation pneumonitis
- 関
- 放射線肺臓炎、放射性肺炎、放射線肺炎
[★]
- 英
- radiation pneumonitis
- 同
- 放射線肺炎, radiation pneumonia
[★]
- 英
- aspiration pneumonitis
[★]
- 関
- 炎光、炎症