- 英
- fibrin, Fbn
- 同
- 線維素
- 関
- フィブリノゲン、血液凝固因子
- トロンビンの作用によりフィブリノゲンより生成したフィブリンモノマーは、重合してフィブリンポリマーとなる (SP.507)
- フィブリンポリマーは第XIIIa因子(第XIII因子の活性型)の作用により架橋結合を生じて安定なフィブリンを生じる (SP.507)
WordNet
- a white insoluble fibrous protein formed by the action of thrombin on fibrinogen when blood clots; it forms a network that traps red cells and platelets
PrepTutorEJDIC
- (凝固血液中の)線維素,フィブリン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/27 03:20:50」(JST)
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フィブリン(fibrin)は、血液の凝固(血液凝固)に関わるタンパク質である。繊維状タンパク質で、傷などが原因となって血小板とともに重合し、血球をくるみこんで血餅を形成する。止血や血栓形成の中心的な役割を担っている。
フィブリンによる血液凝固の仕組み 上段に示したフィブリノーゲンが、トロンビンの作用により中段のようにフィブリン・ポリマーとして重合する。さらに第XIII因子の作用により青い線で示した架橋構造が追加され、より強固な安定化フィブリンとなる。
血液凝固
フィブリンは、分子量約33万のフィブリン・モノマーが重合した繊維素である。肝臓で合成され、血漿中に溶解している糖タンパク質である前駆体、フィブリノーゲン (fibrinogen) からフィブリン・モノマーが作られる。血液の液体成分である血漿に占めるフィブリノーゲンの割合は 0.2~0.4% である。フィブリノーゲンには3種類あり、合計6本のポリペプチド鎖が架橋構造によって連結された構造をとっており、分子量は約34万である。
血液凝固のシステムは複雑で、様々な経路が存在するが、いずれも最終的には、プロトロンビンが活性化されてセリンプロテアーゼの1種であるトロンビンとなり、トロンビンがフィブリノーゲンの各鎖のC末端から計4つのペプチドを切りだす。この状態を特にフィブリン・モノマーと呼ぶ。
フィブリン・モノマーはさらにカルシウムの作用によって互いに重合して難溶性のフィブリン・ポリマーに、さらに第XIII因子(フィブリン安定化因子)の作用でフィブリン・ポリマー間の架橋結合がなされることで安定化フィブリンと呼ばれるメッシュ状の繊維となり血液凝固を引き起こす。広義にはフィブリン・モノマー以降を、狭義には安定化フィブリンを「フィブリン」と呼ぶ。
出血を防止するための止血システムであるが、血管内膜が傷害されると同様のメカニズムにより、血管内で局所的な血液凝固が生じ、血栓を形成する。また、細菌などの異物が侵入した際に顆粒球が放出するヒスタミンにより血管透過性が上昇すると血漿中のフィブリノーゲンが組織に漏出し、炎症を生じて血液凝固を引き起こす。これは侵入した異物を拡散させず難溶性繊維素の中に封じ込める効果と局所的な血流阻害作用により細菌の拡散を防ぐ役割を演じていると考えられている。
線維素溶解
フィブリンが長時間血管内に存在すると血流障害等を引き起こし、生体にとって不利益になる。これを分解するのがプラスミンという蛋白分解酵素である。プラスミンはその前駆物質であるプラスミノーゲンの形で血中に存在し、フィブリンに吸着される性質を持つ。プラスミノーゲンにカリクレインやプラスミノーゲン活性化因子が作用し、限定分解されることでプラスミンに転化しフィブリンの分解を行う。活性型プロテインCは、プラスミノーゲン活性化因子の組織から血中への遊離を促進し、血栓溶解に関与する。好酸球は、フィブリン形成部位に集まる性質があり、繊溶促進物質を内包していることが知られている。また、フィブリン溶解は血中のみならず様々な分泌腺においても溶解する必要があるため、尿、胆汁などの分泌液にもプラスミノーゲン活性化因子が含まれる。特に尿中のプラスミノーゲン活性化因子であるウロキナーゼは血栓溶解剤として製品化されている。
関連項目
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Japanese Journal
- 高度気腫性肺嚢胞症例の気胸に対する嚢胞内フィブリン糊直接注入療法の有用性 (特集 気胸・嚢胞性肺疾患の手術) -- (難治性続発性気胸・高齢者気胸に対する手術の工夫)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fibrinogen, Fbg Fib
- 同
- 凝固第I因子 第I因子 factor I、フィブリノーゲン、線維素原
- 商
- フィブリノゲンHT
- 関
- フィブリン、血液凝固因子、血液凝固
- トロンビンより分解を受け、フィブリンモノマーを生じる。
- 肝臓で産生さて、血漿中に存在
- 340kDa
- 血中半減期:3-4日
機能
分解されるまでの過程
- フィブリンやフィブリノゲンはプラスミンにより分解されフィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)となり、網内系で処理される。
フィブリノゲンの量に影響を与える要素
減少
- 産生の低下
- 出血に対する止血による消費
- プラスミンによる分解な
増加
- (急性相反応性物質)炎症(感染症など)、悪性腫瘍
- 妊娠
フィブリノゲンの解釈
低値
- 先天性疾患(先天性の低フィブリノゲン血症、フィブリノゲン異常症、無フィブリノゲン血症)
- 後天性疾患(重症肝臓疾患:産生低下、播種性血管内凝固(DIC):消費亢進)
高値
[★]
- 英
- plasmin
- 同
- フィブリノリジン fibrinolysin、線維素溶解酵素 フィブリン溶解酵素
- 関
- フィブリノゲン
- プラスミノゲンから活性化因子の作用によりプラスミンが生成される。
- 血餅を構成するフィブリンに作用し、これを分解する
- 血漿中に常時存在するα2-アンチプラスミンによりプラスミンの作用が失われる。
臨床関連
[★]
- 英
- tissue plasminogen activator t-PA, recombinant tissue plasminogen activator, tissue-type plasminogen activator
- 同
- 組織性プラスミノゲン活性化因子
[★]
- 英
- coagulase
- 関
- ブドウ球菌
- プロトロンビンに結合して複合体のままトロンビン活性を発揮させ、フィブリノゲンをフィブリンに変換させる作用
- フィブリンの網を作り、食細胞の貪食を免れたり、血液の流れを止め病巣と作ったりするのに役立つと思われる。
[★]
- 英
- fibrinolysis system, fibrinolytic system
- 同
- 線維素溶解系?
- 関
- 凝固線溶系
[★]
- 英
- fibrin monomer
- 関
- 可溶性フィブリンモノマー、フィブリン
[★]
- 英
- soluble fibrin monomer complex, SFMC
- 関
- フィブリン、フィブリンモノマー複合体
[★]
- 英
- fibrin tissue adhesive
- 関
- ティシール
[★]
- 英
- soluble fibrin monomer SFM
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3