- 英
- tetrahydrobiopterin, BH4, THB
- 関
- プテリン、5,6,7,8-テトラヒドロビオプテリン
物性
合成
補酵素
臨床関連
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テトラヒドロビオプテリン
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
(6R)-2-アミノ-6-[(1R,2S)-1,2-ジヒドロキシプロピル]-5,6,7,8-テトラヒドロ-4(1H)-プテリジノン
|
臨床データ |
ライセンス |
US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
識別 |
CAS番号
|
17528-72-2 |
PubChem |
CID: 44257 |
ChemSpider |
1093 |
化学的データ |
化学式 |
C9H15N5O3 |
分子量 |
241.25 |
テトラヒドロビオプテリン(Tetrahydrobiopterin)、サプロプテリン(sapropterin)またはBH4は、フェニルアラニンをチロシンへ変換するフェニルアラニン-4-ヒドロキシラーゼ、チロシンをレボドパへ変換するチロシン-3-ヒドロキシラーゼ、そしてトリプトファンを5-ヒドロキシトリプトファンへ変換するトリプトファン-5-ヒドロキシラーゼの3種の酵素に必須な天然に生成する補因子である。また、一酸化窒素合成酵素(NOS)による一酸化窒素の合成にも必須である。
目次
- 1 臨床での重要性
- 2 生合成
- 3 生化学機能
- 4 歴史
- 5 脚注
- 6 外部リンク
臨床での重要性
テトラヒドロビオプテリン合成と再生の欠乏はタイプIVのフェニルケトン尿症(PKU)および神経伝達物質(ドーパミンとセロトニン)の欠乏の原因となる。フェニルケトン尿症患者のフェニルアラニンの血中濃度の長期的な上昇は、知能の遅滞を含む過度の精神異常、小頭症、言語能力の遅滞、発作、異常行動に繋がる。
サプロプテリンはKuvanという商品名でテトラヒドロビオプテリン二塩酸塩の形で販売されている[1]。これは、BioMarin社によって開発され、2007年12月13日にアメリカ食品医薬品局によって認可された。サプロプテリンはフェニルケトン尿症のためだけに合成された薬品である。Kuvanはフェニルアラニンの血中濃度を持続的に下げる効果がある。
生合成
テトラヒドロビオプテリンはGTPシクロヒドロラーゼI(EC 3.5.4.16)、6-ピルボイルテトラヒフォロプテリンシンターゼ(EC 4.2.3.12)、セピアプテリンレダクターゼ(EC 1.1.1.153)の3つの酵素反応によってGTPから合成される[2] 。
生化学機能
テトラヒドロビオプテリンは次の酵素の補因子(cofactor)である。
- L-トリプトファン (TRP)を 5-ヒドロキシトリプトファン (5-HTP)に変換するトリプトファン水酸化酵素 (TPH)。
- L-フェニルアラニン (PHE) を L-チロシン (TYR)に変換するフェニルアラニン水酸化酵素 (PAH)。
- L-チロシン (TYR) を L-ドーパ (DOPA)に変換するチロシン水酸化酵素 (TH)。
- 窒素 (N) を 一酸化窒素 (NO)に変換する一酸化窒素合成酵素 (NOS, Nitric oxide synthase)。
- 1-アルキル-sn-グリセロール を 1-ヒドロキシアルキル-sn-グリセロールに変換するアルキルグリセロールモノオキシゲナーゼ (AGMO)。
歴史
テトラヒドロビオプテリンはSeymour Kaufmanによって生物学的補因子として機能することが発見された。初めてテトラヒドロビオプテリンを使うことが分かった酵素はフェニルアラニンヒドロキシラーゼである[3]。
脚注
- ^ Barbara K. Burton, Santwana Kar & Peter Kirkpatrick (2008)). “Fresh from the Pipeline: Sapropterin”. Nature Reviews Drug Discovery 7: 199–200. doi:10.1038/nrd2540.
- ^ Thony B, Auerbach G, Blau N (2000). “Tetrahydrobiopterin biosynthesis, regeneration and functions”. Biochem J 347 Pt 1: 1–16. doi:10.1042/0264-6021:3470001. PMID 10727395. http://www.pubmedcentral.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=10727395.
- ^ Kaufman, S (1958). “A New Cofactor Required for the Enzymatic Conversion of Phenylalanine to Tyrosine”. J. Biol. Chem. (230): 931–39. http://www.jbc.org/cgi/reprint/230/2/931.
外部リンク
- Coenzyme tetrahydrobiopterin (BH4)
- Tetrahydrobiopterin website
- Kuvan website, run by BioMarin
- Prescribing information
- Information on PKU
補因子 |
補酵素 |
ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT
|
有機補欠分子族 |
ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12)
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ
|
金属補欠分子族 |
Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+
|
- 主要な生体物質
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- 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体
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- タンパク質
- タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体
- テトラピロール
- ヘムの代謝中間体
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 2-II-22 パーキンソン病発症神経毒MPTPの神経変性作用に対するテトラヒドロビオプテリンの効果(一般演題要旨,ビタミン・バイオファクター研究のさらなる魅力〜大和まほろぱからの発信〜,第67回大会講演要旨)
- NO代謝(テトラヒドロビオプテリンおよびその合成律速酵素GTP cyclohydrolase I)の糖代謝調節機構への関与 (特集 血管内皮と糖尿病とその合併症)
- テトラヒドロビオプテリンは糖尿病マウスにおいて内皮型一酸化窒素合成酵素依存性に肝糖新生を抑制することにより血糖低下作用を示す
- Abudukadier Abulizi,Fujita Yoshihito,Obara Akio [他]
- Diabetes : a journal of the American Diabetes Association 7(2), 2-14, 2014-03
- NAID 40020037894
- 2-II-13 アストロサイトにおけるテトラヒドロビオプテリンとその前駆体の取り込みの比較(一般演題要旨,第65回大会講演要旨)
Related Links
- 臨床での重要性 テトラヒドロビオプテリン合成と再生の欠乏はタイプIVのフェニルケトン尿症(PKU)および神経伝達物質(ドーパミンとセロトニン)の欠乏の原因となる。フェニルケトン尿症患者のフェニルアラニンの血中濃度の長期的 ...
- テトラヒドロビオプテリン(BH4) (平成16年度 沢辺恵子 学位論文 まえがき より) BH 4はカテコールアミンやセロトニン生合成の律速段階を触媒するチロシン水酸化酵素 (TH: tyrosine hydroxylase, EC1.14.16.2)、トリプトファン水酸化酵素 ...
- 症状 テトラヒドロビオプテリン欠損症(てとらひどろびおぷてりんけっそんしょう)では知能障害をはじめ、筋肉緊張亢進や痙攣などを乳児期において生じます。診断は尿中におけるビオプテリン化合物を調べ、そして ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- phenylalanine hydroxylase PAH
- 同
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ
- 関
- フェニルアラニン
臨床関連
[★]
- 英
- 6-pyruvoyltetrahydropterin synthase, PTPS, PTS
- 同
- 6-ピルボイルテトラヒドロプテリン合成酵素
- 関
- テトラヒドロビオプテリン
[★]
テトラヒドロビオプテリン
[★]
テトラヒドロビオプテリン
[★]
- 英
- [[]]
- 同
- 5,6,7,8-tetrahydrobiopterin
- 関
- [[]]
- 同
- 5,6,7,8-tetrahydrobiopterin
[★]
- 英
- tetrahydrobiopterin-synthesizing enzyme
[★]
- 英
- tetrahydrobiopterin deficiency
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- pterin
- 関
- 葉酸、テトラヒドロビオプテリン(THB)
[★]
- 英
- hydro
- 関
- ハイドロ