- 英
 
- phenylalanine hydroxylase PAH
 
- 同
 
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ
 
- 関
 
- フェニルアラニン
 
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/14 17:05:43」(JST)
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フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(Phenylalanine hydroxylase、PAH、EC 1.14.16.1)は、フェニルアラニンの芳香環にヒドロキシル基を付加させチロシンを合成する酵素である。別名、フェニルアラニン 4-モノオキシゲナーゼ、フェニルアラニナーゼ、フェニルアラニン 4-ヒドロキシラーゼ。
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは、過剰なフェニルアラニンを変換する代謝経路の律速酵素である。
酵素反応における他の基質は酸素とテトラヒドロビオプテリンである。テトラヒドロビオプテリンはプテリジンのような酸化還元生化学因子として知られる。
目次
- 1 臨床での重要性
 
- 2 関連する酵素
 
- 3 構造
 
- 4 参考文献
 
- 5 外部リンク
 
 
臨床での重要性[編集]
突然変異によるフェニルアラニンヒドロキシラーゼの活性低下はフェニルケトン尿症(PKU)の原因となる。
関連する酵素[編集]
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは次の2種の酵素と密接に関係している。
- トリプトファンヒドロキシラーゼ(EC 1.14.16.4) - 脳と消化器でのセロトニン濃度をコントロール。
 
- チロシンヒドロキシラーゼ(EC 1.14.16.2) - 脳と副腎髄質でのドーパミンとアドレナリンおよびノルアドレナリンの濃度をコントロール。
 
3種の酵素は相同であり、同じ古代ヒドロキシラーゼから進化したと考えられている。
構造[編集]
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは4個のサブユニットからなる四量体化合物であるが、4個のサブユニットはすべて同じものである。それぞれのサブユニットは調節ドメイン、触媒ドメイン、そして四量体化ドメインの3個のドメインで構成されている。
- 調節ドメインは約115のアミノ酸から成り、サブユニットのアミノ末端に一番近い。
 
- 触媒ドメインはその次の約300のアミノ酸から成り、酵素の触媒活性のすべてを担う。
 
- 四量体化ドメインは残りのアミノ酸によって構成され、コイルドコイルを形成しロイシンジッパーによってホロ酵素の四量体構造を保持している。
 
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは触媒活性に必要なサブユニットごとに鉄原子が1個ずつ含まれている。
参考文献[編集]
- Eisensmith RC, Woo SL (1993). “Molecular basis of phenylketonuria and related hyperphenylalaninemias: mutations and polymorphisms in the human phenylalanine hydroxylase gene.”. Hum. Mutat. 1 (1): 13-23. doi:10.1002/humu.1380010104. PMID 1301187. 
 
- Konecki DS, Lichter-Konecki U (1991). “The phenylketonuria locus: current knowledge about alleles and mutations of the phenylalanine hydroxylase gene in various populations.”. Hum. Genet. 87 (4): 377-88. doi:10.1007/BF00197152. PMID 1679029. 
 
- Cotton RG (1991). “Heterogeneity of phenylketonuria at the clinical, protein and DNA levels.”. J. Inherit. Metab. Dis. 13 (5): 739-50. PMID 2246858. 
 
- Erlandsen H, Fusetti F, Martinez A, et al. (1998). “Crystal structure of the catalytic domain of human phenylalanine hydroxylase reveals the structural basis for phenylketonuria.”. Nat. Struct. Biol. 4 (12): 995-1000. PMID 9406548. 
 
- Waters PJ, Parniak MA, Nowacki P, Scriver CR (1998). “In vitro expression analysis of mutations in phenylalanine hydroxylase: linking genotype to phenotype and structure to function.”. Hum. Mutat. 11 (1): 4-17. doi:10.1002/(SICI)1098-1004(1998)11:1<4::AID-HUMU2>3.0.CO;2-L. PMID 9450897. 
 
- Waters PJ (2003). “How PAH gene mutations cause hyper-phenylalaninemia and why mechanism matters: insights from in vitro expression.”. Hum. Mutat. 21 (4): 357-69. doi:10.1002/humu.10197. PMID 12655545. 
 
外部リンク[編集]
- The Phenylalanine Hydroxylase Protein
 
- PAHdb - online locus-specific mutation database of the human phenylalanine hydroxylase gene
 
 
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Japanese Journal
- フェニルケトン尿症 (特集 小児疾患における臨床遺伝学の進歩) -- (遺伝子診断がもたらす治療の進歩)
 
Related Links
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(Phenylalanine hydroxylase、PAH、EC 1.14.16.1)  は、フェニルアラニンの芳香環にヒドロキシル基を付加させチロシンを合成する酵素で  ある。別名、フェニルアラニン 4-モノオキシゲナーゼ、フェニルアラニナーゼ、 ...
 
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ反応(フェニルアラニンからチロシンが生じる反応)  における酵素または補酵素の機能的欠損によるフェニルアラニンの蓄積とその副産物の  生成によって起り、早期に適切な治療を ... フェニルアラニン水酸化酵素の欠損が原因。
 
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★リンクテーブル★
  [★]
- 英
 
- phenylketonuria PKU
 
- 関
 
- フェニルアラニン水酸化酵素
 
- 代謝異常による疾患.xls
 
- first aid step1 2006 p.95
 
概念
病因
疫学
遺伝形式
病変形成&病理
症状
- 生後4-5日後から症状が出始める。妊娠している母親がPKUで、食餌コントロールができていないと胎児が大量のフェニルアラニンに暴露されてしまう。
 
- 知能障害、痙攣、脳波異常、分裂病様性格などの中枢神経症状、赤毛、色白、薄い紅彩色などのメラニン色素欠乏症状、ネズミ尿様体臭(musty)、尿臭、湿疹
 
検査
診断
治療
予後
予防
参考
- 1. PHENYLKETONURIA; PKU - OMIM
 
- http://omim.org/entry/261600
 
  [★]
- パラアミノ馬尿酸 para-aminohippuric acid
 
  [★]
- 英
 
- PAH gene defect
 
- 関
 
- フェニルアラニン水酸化酵素 PAH
 
  [★]
フェニルアラニン水酸化酵素
  [★]
フェニルアラニン水酸化酵素
  [★]
- 英
 
- phenylalanine hydroxylase deficiency
 
- 関
 
- PAH異常症、phenilalanine hydroxylase異常症。フェニルアラニン水酸化酵素
 
  [★]
- 英
 
- enzyme, ferment
 
- 関
 
- 酵素反応
 
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
 
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
 
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
 
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
 
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
 
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
 
  [★]
- 英
 
- phenylalanine, Phe, F
 
- 関
 
- アミノ酸
 
-CH2-C6H5
  [★]
- 英
 
- hydroxylase
 
- 関
 
- モノオキシゲナーゼ、ヒドロキシラーゼ、混合機能酸素添加酵素、混合機能オキシダーゼ
 
  [★]
- 英
 
- alanine Ala A
 
- 同
 
- 2-アミノプロピオン酸 2-aminopropionic acid
 
- 関
 
- アミノ酸
 
  [★]
- 英
 
- hydroxylation
 
- 関
 
- ヒドロキシ、ヒドロキシル化、ハイドロキシ、ヒドロキシ化