フェニルアラニン水酸化酵素
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/20 21:41:04」(JST)
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フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(Phenylalanine hydroxylase、PAH、EC 1.14.16.1)は、フェニルアラニンの芳香環にヒドロキシル基を付加させチロシンを合成する酵素である。別名、フェニルアラニン 4-モノオキシゲナーゼ、フェニルアラニナーゼ、フェニルアラニン 4-ヒドロキシラーゼ。
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは、過剰なフェニルアラニンを変換する代謝経路の律速酵素である。
酵素反応における他の基質は酸素とテトラヒドロビオプテリンである。テトラヒドロビオプテリンはプテリジンのような酸化還元生化学因子として知られる。
目次
- 1 臨床での重要性
- 2 関連する酵素
- 3 構造
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
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臨床での重要性
突然変異によるフェニルアラニンヒドロキシラーゼの活性低下はフェニルケトン尿症(PKU)の原因となる。
関連する酵素
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは次の2種の酵素と密接に関係している。
- トリプトファンヒドロキシラーゼ(EC 1.14.16.4) - 脳と消化器でのセロトニン濃度をコントロール。
- チロシンヒドロキシラーゼ(EC 1.14.16.2) - 脳と副腎髄質でのドーパミンとアドレナリンおよびノルアドレナリンの濃度をコントロール。
3種の酵素は相同であり、同じ古代ヒドロキシラーゼから進化したと考えられている。
構造
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは4個のサブユニットからなる四量体化合物であるが、4個のサブユニットはすべて同じものである。それぞれのサブユニットは調節ドメイン、触媒ドメイン、そして四量体化ドメインの3個のドメインで構成されている。
- 調節ドメインは約115のアミノ酸から成り、サブユニットのアミノ末端に一番近い。
- 触媒ドメインはその次の約300のアミノ酸から成り、酵素の触媒活性のすべてを担う。
- 四量体化ドメインは残りのアミノ酸によって構成され、コイルドコイルを形成しロイシンジッパーによってホロ酵素の四量体構造を保持している。
フェニルアラニンヒドロキシラーゼは触媒活性に必要なサブユニットごとに鉄原子が1個ずつ含まれている。
参考文献
- Eisensmith RC, Woo SL (1993). “Molecular basis of phenylketonuria and related hyperphenylalaninemias: mutations and polymorphisms in the human phenylalanine hydroxylase gene.”. Hum. Mutat. 1 (1): 13-23. doi:10.1002/humu.1380010104. PMID 1301187.
- Konecki DS, Lichter-Konecki U (1991). “The phenylketonuria locus: current knowledge about alleles and mutations of the phenylalanine hydroxylase gene in various populations.”. Hum. Genet. 87 (4): 377-88. doi:10.1007/BF00197152. PMID 1679029.
- Cotton RG (1991). “Heterogeneity of phenylketonuria at the clinical, protein and DNA levels.”. J. Inherit. Metab. Dis. 13 (5): 739-50. PMID 2246858.
- Erlandsen H, Fusetti F, Martinez A, et al. (1998). “Crystal structure of the catalytic domain of human phenylalanine hydroxylase reveals the structural basis for phenylketonuria.”. Nat. Struct. Biol. 4 (12): 995-1000. PMID 9406548.
- Waters PJ, Parniak MA, Nowacki P, Scriver CR (1998). “In vitro expression analysis of mutations in phenylalanine hydroxylase: linking genotype to phenotype and structure to function.”. Hum. Mutat. 11 (1): 4-17. doi:10.1002/(SICI)1098-1004(1998)11:1<4::AID-HUMU2>3.0.CO;2-L. PMID 9450897.
- Waters PJ (2003). “How PAH gene mutations cause hyper-phenylalaninemia and why mechanism matters: insights from in vitro expression.”. Hum. Mutat. 21 (4): 357-69. doi:10.1002/humu.10197. PMID 12655545.
外部リンク
- The Phenylalanine Hydroxylase Protein
- PAHdb - online locus-specific mutation database of the human phenylalanine hydroxylase gene
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Related Links
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(Phenylalanine hydroxylase、PAH、EC 1.14.16.1) は、フェニルアラニンの芳香環にヒドロキシル基を付加させ ... 別名、フェニルアラニン 4- モノオキシゲナーゼ、フェニルアラニナーゼ、フェニルアラニン 4-ヒドロキシラーゼ。
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼは、この反応の主たる酵素であるが補酵素としてテトラ ヒドロビオプテリン(BH4)を必要とする。このBH4はフェニルアラニンをチロシンとすると、 ジヒドロビオプテリン(BH2)となる。このBH2は次のフェニルアラニンヒドロキシラーゼ ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- phenylalanine hydroxylase PAH
- 同
- フェニルアラニンヒドロキシラーゼ
- 関
- フェニルアラニン
臨床関連
[★]
- 英
- alanine Ala A
- 同
- 2-アミノプロピオン酸 2-aminopropionic acid
- 関
- アミノ酸
[★]
- 英
- hydroxy
- 関
- 水酸化、ハイドロキシ
[★]
- 英
- phenyl、Ph
- 関
- フェニール
[★]
- 英
- hydro
- 関
- ハイドロ