出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/02 19:38:40」(JST)
クロマチン免疫沈降(-めんえきちんこう:Chromatin immunoprecipitation、略称 ChIP)はタンパク質に対する抗体を用いてDNAとタンパク質との相互作用(結合)を研究する方法の一つで、特定のタンパク質(転写因子など)が結合するDNA上の部位とその配列を明らかにする方法である。
現在では、さらにDNAチップによる標的DNA配列の同定を組み合わせた ChIP on chip や、DNAシークエンシングによるChIP-seqがよく用いられる。
従来行われている似た方法にはゲルシフトアッセイがあるが、これは無細胞系(in vitro:細胞をすりつぶした溶液)を用いて、特定のDNAに結合するタンパク質を探す方法であった。それに対し、ChIPは生きた細胞(in vivo)を用いて、タンパク質の側からDNA配列を探すのが特徴である。
方法の概略を以下に示す。
ChIPプロトコール(酵素法)
これにより、目的のタンパク質と結合するDNAの短い配列だけを選択することができる。
次の段階はDNA断片の同定である。これにより対象となるDNAがゲノム上のどこにあるかを知り、あるいはそのタンパク質が相互作用する新たな遺伝子を探し出すことができる。
DNA断片の同定には、従来はPCRが用いられた。ただしこれは配列がある程度予想されている場合にのみ有効である。
配列が全く不明の場合には、この段階でDNAチップを用いる"ChIP on chip"が有効である。これにより一度に数千種もの配列の確認が可能となる。
ウィキメディア・コモンズには、クロマチン免疫沈降に関連するカテゴリがあります。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「クロマチン免疫沈降」「chromatin immunoprecipitation assay」「CHIP」「CHIP法」 |
関連記事 | 「免疫」「沈降」「免疫沈降」「法」「マチン」 |
主に関与するリンパ球 | 働き | リンパ節での局在 | |
細胞免疫 | T細胞 | (1)免疫の活性化 | 傍皮質 |
(2)抗原を有する細胞への攻撃 | |||
液性免疫 | B細胞 | 抗体産生 | 皮質 |
細胞の種類 | 補レセプター | 抗原を提示する細胞 | MHC抗原 |
キラーT細胞(Tc) | CD8 | 抗原提示細胞 | MHCクラスI |
ヘルパーT細胞(Th) | CD4 | 全ての細胞 | MHCクラスII |
T細胞 | 関連する因子 | 産生する物質 | 機能 |
Th1 | IL-12
増殖 |
IL-2,IFN-γなど | 細胞性免疫を促進' |
Th2 | IL-4
Th→Th2 |
IL-4,IL-5,IL-6,IL-10など | 液性免疫を促進' |
.