出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/24 10:23:02」(JST)
免疫沈降法(めんえきちんこうほう)とは、免疫沈降反応(可溶性の抗原と抗体が特異的に反応して不溶化し沈殿する反応)を利用して抗原を検出・分離・精製する、生化学の実験手法のこと。実験室では免疫沈降という略称で呼ばれることもある。
基質と抗体を多数架橋させることで、大きな構造体として不溶化させる。通常は抗体をセファロースビーズなどの担体に結合させ、より沈殿しやすくする。最近ではプロテインAやプロテインGを結合させた超常磁性の磁気ビーズを使用する方法もよく行われる。磁気ビーズ法では多孔性のセファロースやアガロースと比べてバックグラウンドを低く抑えられ、短時間での実験が可能。モノクローナル抗体よりもポリクローナル抗体の方が免疫沈降を行いやすい。試料を比較的穏和な条件で処理でき、目的の基質に結合する因子の特定などに用いられる他、タンパク質の精製などにも用いられる。
サンプルに特異性のない抗体(使用する場合は担体も)を混ぜ、遠心分離によって非特異的に吸着する成分を取り除く。上清に適当な濃度の特異性のある抗体を混ぜ、遠心分離で沈殿を回収する。沈殿を適当なバッファーで洗浄する。特異性が高く力価の高い抗体を用いれば比較的容易にできる。抗体の品質がポイントになることが多い。磁気ビーズ法では担体に磁気ビーズを使用し、遠心分離の代わりに磁石による分離を行う。遠心分離に比べて穏やかな条件下で分離精製ができ、夾雑物の少ないデータが得られることが多い。
免疫沈降法によって、目的のタンパク質と相互作用する(特異的に複合体を形成する)別のタンパク質との複合体を回収する方法が、共免疫沈降法(Co-immunoprecipitation:Co-IP)である。
さらにこれの応用として、あらかじめ目的タンパク質にタグを付けておき、タグとの結合を利用してこのような複合体を回収する方法もあり、プルダウン法(Pull-down assay)と呼ばれる(ただしタグ認識のために、抗体に限らずその他の特異的結合-例えばHisタグとニッケルキレート、GSTタグとグルタチオン、アビジンとビオチン等-を用いる方法もある)。
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主に関与するリンパ球 | 働き | リンパ節での局在 | |
細胞免疫 | T細胞 | (1)免疫の活性化 | 傍皮質 |
(2)抗原を有する細胞への攻撃 | |||
液性免疫 | B細胞 | 抗体産生 | 皮質 |
細胞の種類 | 補レセプター | 抗原を提示する細胞 | MHC抗原 |
キラーT細胞(Tc) | CD8 | 抗原提示細胞 | MHCクラスI |
ヘルパーT細胞(Th) | CD4 | 全ての細胞 | MHCクラスII |
T細胞 | 関連する因子 | 産生する物質 | 機能 |
Th1 | IL-12
増殖 |
IL-2,IFN-γなど | 細胞性免疫を促進' |
Th2 | IL-4
Th→Th2 |
IL-4,IL-5,IL-6,IL-10など | 液性免疫を促進' |
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