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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/10/19 22:43:27」(JST)
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免疫沈降法(めんえきちんこうほう)とは、免疫沈降反応(可溶性の抗原と抗体が特異的に反応して不溶化し沈殿する反応)を利用して抗原を検出・分離・精製する、生化学の実験手法のこと。実験室では免疫沈降という略称で呼ばれることもある。
概要と原理
基質と抗体を多数架橋させることで、大きな構造体として不溶化させる。通常は抗体をセファロースビーズなどの担体に結合させ、より沈殿しやすくする。最近ではプロテインAやプロテインGを結合させた超常磁性の磁気ビーズを使用する方法もよく行われる。磁気ビーズ法では多孔性のセファロースやアガロースと比べてバックグラウンドを低く抑えられ、短時間での実験が可能。モノクローナル抗体よりもポリクローナル抗体の方が免疫沈降を行いやすい。試料を比較的穏和な条件で処理でき、目的の基質に結合する因子の特定などに用いられる他、タンパク質の精製などにも用いられる。
手法
サンプルに特異性のない抗体(使用する場合は担体も)を混ぜ、遠心分離によって非特異的に吸着する成分を取り除く。上清に適当な濃度の特異性のある抗体を混ぜ、遠心分離で沈殿を回収する。沈殿を適当なバッファーで洗浄する。特異性が高く力価の高い抗体を用いれば比較的容易にできる。抗体の品質がポイントになることが多い。磁気ビーズ法では担体に磁気ビーズを使用し、遠心分離の代わりに磁石による分離を行う。遠心分離に比べて穏やかな条件下で分離精製ができ、夾雑物の少ないデータが得られることが多い。
タンパク質間相互作用検出への応用
免疫沈降法によって、目的のタンパク質と相互作用する(特異的に複合体を形成する)別のタンパク質との複合体を回収する方法が、共免疫沈降法(Co-immunoprecipitation:Co-IP)である。
さらにこれの応用として、あらかじめ目的タンパク質にタグを付けておき、タグとの結合を利用してこのような複合体を回収する方法もあり、プルダウン法(Pull-down assay)と呼ばれる(ただしタグ認識のために、抗体に限らずその他の特異的結合-例えばHisタグとニッケルキレート、GSTタグとグルタチオン、アビジンとビオチン等-を用いる方法もある)。
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Japanese Journal
- 濱口 儒人
- 日本臨床免疫学会会誌 36(3), 139-147, 2013
- … トリオール抗体,抗U1RNP抗体,抗Ku抗体,抗PM-Scl抗体なども頻度は低いながら特徴的な臨床像を有しているため重要な抗体である.SScでみられる自己抗体の頻度には人種差があり,これは自己抗体が特定のHLAと相関していることが一因と考えられている.SScにおける自己抗体の同定は手技の煩雑な免疫沈降法を要するものが多く,ELISA法が利用できる自己抗体は限られている.簡便に測定できる測定法の開発が望まれる. …
- NAID 130003364171
- P-036 ゲノム中に存在するDNA付加体の免疫沈降法を用いた濃縮法(Adduct-DNA Immunoprecipitation:A-DIP)の開発(I.変異原性・遺伝毒性,ポスターセッション)
- 大野 絢,中野 毅,中釜 斉,松島 芳隆,布柴 達男,戸塚 ゆ加里
- 日本環境変異原学会大会プログラム・要旨集 (41), 108, 2012-10-29
- NAID 110009616970
- P2-078 破骨細胞分化における転写調節因子PU.1とTGF-βシグナルの影響について
- 石山 健太郎,西山 千春,八代 拓也,田村 直人,奥村 康,髙崎 芳成
- 日本臨床免疫学会会誌 35(4), 365b-365b, 2012
- … 存在下で破骨細胞を分化誘導する過程において,si RNAを用いてPU.1発現をノックダウンした.得られた細胞を,TRAP染色で酵素活性を評価し,定量的PCRにて破骨細胞マーカー遺伝子群のmRNA発現量を測定した.②TGF-βの有無が,PU.1のmRNA発現量に及ぼす影響を定量的PCRにより解析した.③破骨細胞特異的遺伝子のプロモーターに対し,PU.1がTGF-β制御下にどのように作用しているか,クロマチン免疫沈降法を用いて検討した. …
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- 2012年10月4日 ... 免疫沈降法 - Wikipedia. Dynabeads Protein A / Protein Gとは: 粒径2.8μmの均一 なビーズ表面にProtein AまたはProtein G を共有結合で固定化した磁性ビーズです。 これらの製品に利用された組換えProtein AおよびProtein G は、夾雑 ...
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