- 英
- CPR, cardiopulmonary resuscitation
- 関
- BLS
- 心肺停止患者の呼吸・循環機能を維持する目的で胸骨圧迫および人工呼吸を行うこと
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/03 22:37:27」(JST)
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心肺蘇生法(しんぱいそせいほう、CardioPulmonary Resuscitation; CPR)は、呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するために行う循環の補助方法である。心臓マッサージ[1]を主に行い、熟練者は呼吸の補助方法である人工呼吸も行う。
心肺蘇生法(以下CPRと略)は、特殊な器具や医薬品を用いずに行う一次救命処置(BLS; Basic Life Support )と、BLSのみでは心拍が再開しない場合に、救急車内や病院などで救急救命士や医師が気管挿入や高濃度酸素、薬剤も用いて行う二次救命処置(Advanced Life Support; ALS)の範囲がある。またBLSの範囲でも救急車内や病院などで行うCPRと、市民救助者が救急車が来るまでの間に行うCPRは異なる。訓練を受けていない市民救助者と訓練をうけている市民救助者でも一部異なる。ここでは市民救助者によるBLSの範囲のCPRについて解説する。
目次
- 1 CPRの意義
- 2 成人へのCPRの実施例
- 3 ガイドライン2010での変更点
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
CPRの意義
CPRとは脳への酸素供給維持である。脳自体には酸素を蓄える能力がなく、呼吸が止まってから4~6分で低酸素による不可逆的な状態に陥る。そのため一刻も早く脳に酸素を送る必要がある。
人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度となる(カーラーの救命曲線参照)。したがって、救急隊到着までの数分間(5~6分)に「現場に居合わせた人(これを「バイスタンダー」「市民救助者」と呼ぶ)によるCPRが行われるかどうかが救命率に大きく左右する。
成人へのCPRの実施例
以下に意識・呼吸ともに無い場合のCPRを行う手順の概略をJRC ガイドライン2010に沿って記す。 CPRは厳密にはAEDを含まないが、実際には不可分であるためここではAEDも含めたBLSの範囲で手順を説明する。各手順の詳細は一次救命処置(BLS)を参照されたい。
1.安全を確認
- 二次災害を防ぐため、まず周囲の安全を確認する。
2.意識の確認
- 意識の有無を確認する(肩を叩きながら相手の耳元で「大丈夫ですか!?」と呼びかける。また、証明書類などから名前がわかっている場合には、「○○さん、大丈夫ですか!?」と言うようにするとより効果的である。
3.応援を呼ぶ
- 119番に通報。訓練を受けていない人はその場で自分で携帯から119番通報をすれば、何を確認してどうすればよいかのアドバイスが得られる。そのアドバイスの中にAEDの手配、及び以下のCPRのやり方が含まれる。
極力まわりの人を巻き込む。例えばAEDを取りに行ってもらうとか、119番で言われた「強く早く、100回/分以上」を覚えておいてもらうとかでもよい。
4.呼吸の確認
- 見た範囲で規則的で正常な呼吸をしているか。呼吸していれば回復体位。判別不能とか不自然な呼吸、または10秒以内に確認できなければ呼吸ナシの扱い。不自然な呼吸、例えばしゃくりあげるようなゆっくりとした不規則な呼吸は死戦期呼吸といい、心停止(心室細動)直後数分の間に約半数の人に起きる。これを「呼吸有り」と安心してしまうと大切な救命のチャンスを逃してしまう。従って「呼吸ナシ」は広めにとってよい。自信が無ければ、119番の相手にどのような呼吸かを伝えればよい。119番が判断してくれる。
5.心臓マッサージ(胸骨圧迫)(C:Circulation)
- 胸の真ん中に手の付け根を置き両手を重ねて、肘を真っ直ぐ伸ばし、少なくとも100回/分以上の速さで継続出来る範囲で強く圧迫を繰り返す。推奨は「少なくとも5cm以上沈むように」であるが、その場で測れる訳ではないので、継続出来る範囲で「強く」で良い。訓練を受けていない救助者はAED、または救急隊到着までハンズオンリーCPR[2]、つまり胸骨圧迫だけを続ける。
極力ほかの人を巻き込む。それが出来るかどうかは天国と地獄ほどの差がある。秒単位で12345と数えてもらうとかでもよい。5秒の間に8回以上なら100回/分以上を満たしている(後述)。それに応じてもらえれば疲れたときに代わってもらえる可能性が高い。疲れてきたらまわりの人に1分間だけでも代わってもらう。「強く早く」を維持するためにも交代は必要である。
6.気道確保(A:Airway)
- 訓練を受けていない市民救助者は行わなくてよい。
- 訓練を受け、自信のある市民救助者の場合は、仰向けに寝かせた状態で片方の手で額を押さえ、もう片方の人差し指と中指で顎を上に持ち上げる(頭部後屈顎先挙上法)ことにより行う。口の中に異物があれば除去する。
7.人工呼吸(B:Breathing)
- 訓練を受けていない市民救助者は行わなくてよい。
- 訓練を受け、自信のある市民救助者の場合は、鼻を押さえ胸部がふくらむよう息を約1秒吹き込む。この際、感染病防止の観点から専用のポケットマスク等を患者の口に取り付けることが望ましい[4]。人工呼吸を行う間隔は胸骨圧迫30回毎に2回が目安。ただしこのための胸骨圧迫の中断は10秒以内とする。
8.AEDによる除細動(D:Defibrillation)
- AEDが到着したら使用する。体が濡れていれば拭き取る。それ以外の手順はAEDの音声ガイダンスに従えば良い。公共の場に配備されているAEDは一般の人でも使えるように操作を自動化しており、電気ショックが必要であるかどうかもAEDが自動的に判断する。
なお、アメリカ心臓協会(AHA)のTVコマーシャル では一般市民向けにもっと簡略化して「まず救急へ通報、次に胸の真ん中を強く早く押す」、だけを強調している。そして「早く」、つまり胸骨圧迫のテンポについては、ディスコ映画の「サタデー・ナイト・フィーバー」の名曲「ステイン・アライヴ」を推奨している。この曲のテンポは1分間に100回以上(「100回/分以上」)を満たしており多くの人が知っている。「強く」の程度については触れていない。とっさの場合には深さの検証など出来ないし、CPRの講習で4~5cm(旧ガイドライン)といっても初心者はおおむねそれより弱い。だから「強く」だけ意識してもらえれば良いということである。
ハンズオンリーCPR、つまり胸骨圧迫だけでも良いとするのは、人工呼吸への抵抗感からCPRを躊躇する人が多いので、胸骨圧迫だけで良いならCPRの実施率が上がること。もうひとつは、目の前で倒れた人の場合は、倒れて10分以内、救急車が来るまでの時間なら、人工呼吸の為に胸骨圧迫を中断するより、絶え間ない胸骨圧迫の方が救命率が高いか、変わらないことがあげられる。心臓マヒなどで目の前で倒れた人以外は、完璧なCPRを行っても救命率は低い。
ガイドライン2010での変更点
ポイントは胸骨圧迫を極力早く行うこととその中断を最小にすることである。またすべての救助者が訓練の有無に関わらずCPRを実施することが可能なように手順を分かりやすくしたことである。また119番側では連絡をしてきた者に胸骨圧迫のみのCPRを指導するべきであるとした[5]。手順の主な変更は次の通り。
- 気道確保は不要(訓練を受けた救助者が人工呼吸をするとき以外は)
- 呼吸確認は「見て・聞いて・感じて」が廃止された。これは簡略化よりも死戦期呼吸=心停止を見逃さないという方が大きい。
- 脈の確認はガイドライン2005から不要。医療従事者でも正確ではなくかつ時間を要する。市民救助者には心理的抵抗感も大きい。
- 胸骨圧迫最優先。ともかく早く始めて極力中断しない。ガイドライン2005までは「気道確保(A)―人工呼吸(B)―胸骨圧迫(C)」だったが、胸骨圧迫が先になり、かつ気道確保(A)と人工呼吸(B)は省略可能となった。
- 胸骨圧迫の位置は「胸の真ん中」。「両乳首の真ん中」より即座に判りやすく[6]、判断が容易であるので圧迫開始が早くなる。衣服の上からで良い。
- 胸骨圧迫の深さが「4~5cm程度」から「少なくとも5cm以上」に。(小児や乳児の場合は胸の厚みの1/3)
- 胸骨圧迫のテンポが「100回/分程度」から「少なくとも100回/分以上」に。
- 人工呼吸はやらなくても良い。市民救助者には心理的抵抗感も大きいことと胸骨圧迫中断によるマイナスを考慮した。訓練を受けた救助者の場合でも人工呼吸の為の胸骨圧迫中断は最小にすべきとしている。ただし小児や乳児は窒息の場合が多く、溺水の場合と合わせて人工呼吸を優先する。
脚注
- ^ 通常「心臓マッサージ」といわれるものは、正確には「胸骨圧迫」。
- ^ ハンズオンリーCPRに関するAHA勧告声明を参照
- ^ フェースシールドの紹介
- ^ AEDの中にはたいていは透明ビニールシートでできたフェイスシールドが入っている。ただしこれは直接口を付けることへの心理的抵抗を減らす目的のものであって、吐瀉物などをブロックする効果は無いか、または十分ではない。
- ^ JRC(日本蘇生協議会)には日本赤十字社や消防庁も加わっている。
- ^ 乳頭と乳頭を結んだ線上というのは信頼性に欠けるとする。「胸の真ん中」は誤差が少ない。
関連項目
- 一次救命処置
- バイスタンダー
- 国際ガイドライン
- 善きサマリア人の法(Good Samaritan law)
- 日本蘇生協議会(JRC)
外部リンク
メッセージビデオ
- アメリカ心臓協会メッセージビデオ・AHA Hands-Only CPR video(YouTube)
- 日本:PUSHプロジェク・メッセージビデオ
広報サイト
- 日本救急医学会・市民のための心肺蘇生
- 日本医師会・救急蘇生法
- 日本心臓財団・AEDを知っていますか
- AEDを用いた胸骨圧迫だけの心肺蘇生法 心臓病センター榊原病院外科部長兼救急部長 津島義正
その他、BLSのガイドライン等については一次救命処置の外部リンクを参照
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循環器系の正常構造・生理 |
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救急医学(救急医療) |
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病院前救護
(JPTEC) |
バイスタンダー |
善きサマリア人の法 - 応急手当普及員 - 救命講習 - 患者等搬送乗務員基礎講習 - 応急手当指導員 - 赤十字救急法救急員 - 緊急即時通報現場派遣員基礎講習 - ライフセービング - メディックファーストエイド - 野外救急法
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救急隊 |
救急救命士 - 救急車 - 日本の救急車 - ドクターカー - ドクターヘリ(航空救急)
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一次救命処置 |
国際ガイドライン - 心肺蘇生法 - 応急処置 - 救急処置 - 自動体外式除細動器 - RICEの法則 - 止血
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カーラーの救命曲線 - 救命の鎖
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初期診療
(JATEC) |
医療機関 |
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外傷 |
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二次救命処置 |
二次心肺蘇生法 - ABCDEアプローチ
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災害医療 |
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軍事医療 |
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被服・資器材 |
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関連項目 |
日本の救助隊 - 赤十字社 - 国境なき医師団 - 世界の医療団 - 救世軍 - スター・オブ・ライフ
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- The Practice of Emergency Medicine in Fukuoka City Hospital, A Secondary Emergency Facility in Japan
- Okuyama Toshiro,Hirakawa Katsuyuki,Kishikawa Masanobu,Uchiyama Hideaki,Kawanaka Hirofumi,Korenaga Daisuke,Takenaka Kenji,奥山 稔朗,平川 勝之,岸川 政信,内山 秀昭,川中 博文,是永 大輔,竹中 賢治,オクヤマ トシロウ,ヒラカワ カツユキ,キシカワ マサノブ,ウチヤマ ヒデアキ,カワナカ ヒロフミ,コレナガ ダイスケ,タケナカ ケンジ
- 福岡医学雑誌 103(12), 241-247, 2012-12-25
- … って来た.救急疾患に対応するために,神経内科,脳外科,循環器内科の各診療科を新設し,救急部,集中治療部,脳卒中集中治療室,冠動脈疾患集中治療室等の設備を拡充した.また,全医師,看護師に対する一次,二次心肺蘇生法講習会開催や,研修医に対する救急患者の診療,救急関連学会での発表,メデイカルラリー出場の指導,また全職員に向けた救急症例検討会の開催等の教育活動を行って来た.地域の救急隊員へは,メデイカルコ …
- NAID 120005183060
- 学校心停止とAED (特集 G2010からG2015ヘ : 第5回日本蘇生科学シンポジウム(5th J-ReSS)より) -- (Pediatric)
- 三谷 義英
- 救急医学 = The Japanese journal of acute medicine 36(12), 1668-1671, 2012-11
- NAID 40019507562
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- みんなで命を守りましょう、日本救急医学会は心肺蘇生の普及を支援しています。 ... 心肺蘇生の方法は、国際的に統一されており、5,6年毎に変更されます。このホームページの内容は、2010年10月19日に発表された新しい心肺蘇生 ...
- 心肺蘇生のまとめ 胸 骨 圧 迫 位置 胸骨の下半分 (目安は胸の真ん中) 方法 両手(体型によっては片手) 深さ 少なくとも5 (深さは体格に合わせる。目安は小児は胸の3分の1、小学校高学年ぐらいの体格なら5cm) テンポ 少なくとも ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 67歳の男性。心停止の状態で救急車で搬入された。
- 現病歴:今朝時頃、妻が寝室に起こしに行った際には返答があったが、1時間経っても起きて来なかった。再度呼びに行くと目を閉じたままで反応がないため、午前7時に救急車を要請した。5分後に救急隊が到着し、心停止と判断した。かかりつけ医には連絡せず、心肺蘇生を行いながら救命救急センターに搬送した。
- 救命救急センターでpulseless electrical activity(PEA)と判断し、心肺蘇生を継続した。研修医が胸骨圧迫を継続する傍ら、指導医が薬物投与のため静脈路の確保を行うこととした。
- 既往歴:20年前から糖尿病、高血圧症と診断され、内服治療を続けていた。
- 生活歴:喫煙歴は65歳まで20本/日を45年間。飲酒は焼酎2合/日を週3日。
- 搬入時に行った静脈採血の結果は以下のとおりであった。
- 検査所見:血液所見:赤血球 322万、Hb 10.1g/dL、Ht 31%、白血球 8,800、血小板 11万。血液生化学所見:AST 92U/L、ALT 78U/L、尿素窒素 82mg/dL、クレアチニン 9.8mg/dL、血糖 228mg/dL、Na 142mEq/L、K 9.8mEq/L、Cl 112mEq/L、Ca 8.6mg/dL。CRP 2.3mg/dL。
- 院内救急コールで駆け付けた内科および外科病棟当直医が、救命救急センターの研修医、指導医とともに心肺蘇生を継続した。その後も心拍は再開せず、患者の死亡が確認された。かかりつけ医に連絡をとると、この患者は糖尿病腎症による慢性腎不全のため、近々人工透析の導入予定で、最終受診は1週間前であった。死亡診断書を交付できないのはどれか。
- a 死亡確認を行った内科病棟当直医
- b 救命処置を補助した外科病棟当直医
- c 電話で死亡報告を受けたかかりつけ医
- d 救命処置を行った救命救急センターの指導医
- e 救命処置を行った救命救急センターの研修医
[正答]
※国試ナビ4※ [113B044]←[国試_113]→[113B046]
[★]
- 67歳の男性。心停止の状態で救急車で搬入された。
- 現病歴:今朝時頃、妻が寝室に起こしに行った際には返答があったが、1時間経っても起きて来なかった。再度呼びに行くと目を閉じたままで反応がないため、午前7時に救急車を要請した。5分後に救急隊が到着し、心停止と判断した。かかりつけ医には連絡せず、心肺蘇生を行いながら救命救急センターに搬送した。
- 救命救急センターでpulseless electrical activity(PEA)と判断し、心肺蘇生を継続した。研修医が胸骨圧迫を継続する傍ら、指導医が薬物投与のため静脈路の確保を行うこととした。
- 静脈路確保で第一選択となる部位はどこか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113B043]←[国試_113]→[113B045]
[★]
- 64歳の男性。心停止のため救急車で搬入された。職場で突然倒れたため、同僚が救急車を要請した。救急隊到着時に隊員により心停止が確認され、心肺蘇生が開始された。現場で救急隊員によりAEDを用いて電気ショックが実施された。胸骨圧迫ならびにバッグバルブマスクを用いた人工呼吸、さらに2分おきに電気ショックを実施しながら、病院に到着した。搬入時、救急隊のストレッチャーから処置台に移動し、胸骨圧迫を継続した。
- 次に優先して行うべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F056]←[国試_113]→[113F058]
[★]
- 英
- therapeutic hypothermia TH, induced hypothermia
- 関
- 人工冬眠、低体温法、心肺蘇生
- 成人二次救命において、心原性で初期リズムがVFの成人院外心停止で心拍再開後の循環動態が安定している昏睡患者には、32-34℃の低体温療法を12-24時間行うことが望ましい。(救急蘇生法の指針 2005年 p.91)
参考
- Therapeutic hypothermia after cardiac arrest: an advisory statement by the advanced life support task force of the International Liaison Committee on Resuscitation.
- Nolan JP, Morley PT, Vanden Hoek TL, Hickey RW, Kloeck WG, Billi J, Böttiger BW, Morley PT, Nolan JP, Okada K, Reyes C, Shuster M, Steen PA, Weil MH, Wenzel V, Hickey RW, Carli P, Vanden Hoek TL, Atkins D; International Liaison Committee on Resuscitation.SourceResuscitation Council of Southern Africa.
- Circulation.Circulation.2003 Jul 8;108(1):118-21.
- PMID 12847056
- アメリカ心臓協会(AHA)やヨーロッパ蘇生協議会(ERC)は、病院外心停止後の初期心電図波形がVFもしくは脈なしVT例の蘇生後に昏睡状態のままであった場合に低体温療法を推奨している。
- Effectiveness of each target body temperature during therapeutic hypothermia after cardiac arrest.
- Kim JJ, Yang HJ, Lim YS, Kim JK, Hyun SY, Hwang SY, Shin JH, Park JB, Lee G.SourceDepartment of Emergency Medicine, Gachon University Gil Hospital, Incheon, Korea. empearl@gilhospital.com
- The American journal of emergency medicine.Am J Emerg Med.2011 Feb;29(2):148-54. doi: 10.1016/j.ajem.2009.08.021. Epub 2010 Mar 26.
- PURPOSE: According to the 2005 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation, unconscious adult patients with a return of spontaneous circulation (ROSC) after out-of-hospital cardiac arrest should be cooled to 32°C to 34°C for 12 to 24 hours. However, it is unclear which
- PMID 20825779
- 病院外心臓停止から自発循環再開に至った後、32,33,34℃の低体温療法を行った場合の転帰と有害作用について報告
[★]
- 英
- basic life support BLS
- 関
- ALS
手順
- 2-1. あれば経過観察
- 2-2. 呼吸がないが、脈拍はあるか?
- 2-2-1. あれば人工呼吸
- 2-2-2. なければ3. CPR
- 3. 呼吸がなければ、心肺蘇生(胸骨圧迫+人工呼吸)を行う ・・・ 1人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=30:2 2人の場合は胸骨圧迫:人工呼吸=15:2
乳児の脈触知について
- 頚部の皮下組織が厚く、頚が短いことから総頚動脈を触知しづらい。このため、上腕動脈で脈を触知するようにする。
[★]
- 関
- 胸骨、心肺蘇生
- 両側乳頭(第4肋間隙)を結ぶ線上で身体の正中線上(乳頭間線のすぐ下、胸骨の下半分)
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 関
- 心肺蘇生 CPR
[★]
- resuscitation
- 英
- cardiopulmonary resuscitation, CPR
- 同
- 心肺蘇生術
- 関
- BLS
[★]
- 英
- drugs in cardiopulmonary resuscitation, drugs in CPR
[★]
形容詞
- 英
-
- 関
- 未加工、調理していない
名詞
- 英
- life
- 同
- 生命、いのち
- 関
- 生命科学
[★]
- 英
- heart-lung、cardiopulmonary、cardiorespiratory
- 関
- 心臓呼吸性、心呼吸系
[★]
- 英
- resuscitation、resuscitate、resuscitative
- 関
- 救急蘇生、蘇生法