- 英
- lymphangioleiomyomatosis LAM
- 同
- リンパ管筋腫症、リンパ管平滑筋腫症
- 関
- 肺リンパ脈管筋腫症
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/19 16:09:52」(JST)
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リンパ脈管筋腫症 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-O: |
9174/1 |
OMIM |
606690 |
DiseasesDB |
30755 |
eMedicine |
med/1348 radio/415 |
NCI |
リンパ脈管筋腫症 |
MeSH |
D018192 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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リンパ脈管筋腫症(リンパみゃっかんきんしゅしょう、英: Lymphangioleiomyomatosis; LAM)とは、主に30歳前後の妊娠可能な年齢の女性に発症し、LAM細胞が肺や縦隔のリンパ節で増殖し病変を形成する疾患。厚生労働省の特定疾患[1]。
目次
- 1 病態
- 2 臨床像
- 3 病理
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 関連項目
病態
平滑筋細胞様形態を示すLAM細胞が、肺や縦隔、また後腹膜や骨盤腔のリンパ節で慢性的に増殖を認める。LAM細胞からは第9染色体の「TSC1」と第16染色体の「TSC2」という2種類の癌抑制遺伝子の異常が認められている[1]。
臨床像
30歳前後の妊娠可能な年齢の女性が、気胸、呼吸困難、血痰等で初発症状を呈し、CTや血液の精査にて診断される場合が多い。 気胸は繰り返すことが特徴。CT画像では小さなのう胞が肺全体に見られる。 結節性硬化症に合併する症例も多く、臨床的には以下のように分類されて扱われる[1]。
- TSC-LAM:結節性硬化症に合併したLAM
- sporadic LAM:単独発症のLAM
慢性的に肺の破壊を呈し、時に乳糜胸となり、肺機能が低下して呼吸不全となっていく。 また、臨床的に腎血管筋脂肪腫や後腹膜腔腫瘍を合併している頻度も高い。
病理
組織的に、LAM細胞と呼ばれる紡錘型細胞と核で細胞内が好酸性を示すものが確認される。LAM細胞は、抗HMB-45抗体や抗α平滑筋アクチン抗体染色で陽性を示す。
治療
現在でも確立した治療法は無く、肺病変の進行例では肺移植の対象疾患である[1]。薬物療法として平滑筋細胞増殖抑制効果がある免疫抑制剤のシロリムスの投与によって進行の抑制が報告されてきている[2]。2014年シロリムス製剤である「ラパリムス®」の製造が承認された。
脚注
- ^ a b c d “リンパ脈管筋腫症(LAM )”. 難病医学研究財団/難病情報センター (2009年11月12日). 2010年7月23日閲覧。
- ^ McCormack FX et al. Efficacy and Safety of Sirolimus in Lymphangioleiomyomatosis. March 16, 2011 (10.1056/NEJMoa1100391)
関連項目
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Japanese Journal
- 症例 肝・腎血管筋脂肪腫とリンパ脈管筋腫症を合併した結節性硬化症
- 大腿部のリンパ浮腫を契機に診断に至ったリンパ脈管筋腫症の1例
Related Links
- リンパ脈管筋腫症(LAM)は、異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が、肺、リンパ節、腎臓 などで、ゆっくりと増えてくる全身性の病気です。ほとんどは妊娠可能な女性に発症 すると言われています。肺ではLAM細胞が増加し、さらにのう胞と呼ばれる小さな穴が 生じ、 ...
- 本邦では、1970年、山中、斎木が 2 例の剖検例と 1 例の開胸肺生検例を検討し、「び 慢性過誤腫性肺脈管筋腫症」として報告したのが最初である。症例の集積にともない、 後腹膜や骨盤腔リンパ節病変 lymphangioleiomyomaが主体で肺病変が軽微である ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- chronic obstructive pulmonary disease, COPD
- 同
- chronic obstructive lung disease COLD
- 関
- 慢性気道閉塞
- 日本語訳としての「慢性閉塞性肺疾患」より「COPD」を使用することが勧められている
概念
- 「COPD とは有毒な粒子やガスの吸入によって生じた肺の炎症反応に基づく進行性の気流制限を呈する疾患である.この気流制限には様々な程度の可逆性を認め、発症と経過が緩徐であり、労作性呼吸困難を生じる」疾患
- 完全に可逆性ではない気流制限が特徴 ← 気管支喘息ではβ2受容体作動薬により気流制限の改善をみる。
- 慢性気管支炎や肺気腫により常に気道閉塞(一秒率:一秒量FEV1/努力肺活量FVC<70%)に陥っている病態で、気管支拡張薬に対する反応は乏しく、症状(呼吸困難)が恒常的・慢性的である。
疫学
病因
- 参考1
臨床上のリスク因子
- 喫煙
- 気道の過敏性
- 環境からの暴露
- アトピー体質
- 抗酸化物質の欠乏
- 気管支肺低形成
- 結核
遺伝形式
症状
身体所見
検査
- PaO2:低下
- PaCO2:上昇
- A-aDO2:上昇
- %VC:軽度の肺気腫においては時に正常より増えていることがあるが、進行した肺気腫においては低下する。(093E019)
- %DLCO:肺胞領域の破壊により拡散能低下
- 肺肝境界の下降、肺の過膨張、
- 気管短縮(輪状軟骨上縁から胸骨上炎までが4-5cm未満に短縮していることがある、らしい)(出典不明、機序不明)
診断
- 呼吸器学会ガイドライン
- 1. 気管支拡張薬投与後のスパイロ検査で、FEV1/FVC<70%
- 2. 他の気流制限を来しうる疾患を除外する
-
- 検査は原則として急性呼吸器感染症のない臨床安定期に行う
- 短時間作用型気管支拡張薬は少なくとも 6 時間、長時間作用型気管支拡張薬は 24 時間中止したうえで検査を行う
- 検査に用いる気管支拡張薬は、通常、短時間作用型吸入用 β2刺激薬を原則とするが、抗コリン薬あるいは両者の併用であってもよい
- 投与方法はスペーサーを用いた β2刺激薬定量噴霧式吸入薬(MDI)吸入、ネブライザー吸入のいずれであってもよい
- 気管支拡張薬吸入後の検査は吸入後 30~60 分後に行うべきものとする.
- 気管支拡張薬吸入効果の評価は、吸入前の FEV1.0 と吸入後 FEV1.0 を比較して、200ml 以上の増加かつ前値に対して 12%以上の増加があったときに有意と判定
鑑別診断
評価法
- mMRC(the Modified British Medical Research Council):日常生活に対する呼吸困難(息切れ)の影響を測定
- CAT(COPD assessment test):COPDの症状やQOLに関する8項目を0〜40点で評価
- IPAG(International Primary Care Airways Group):COPD 関連症状と危険因子を測定
治療
病期分類
- ガイドライン1
- 0期:リスク群:慢性症状(咳嗽・喀痰):(a) 禁煙、インフルエンザワクチン接種(肺炎球菌ワクチンはガイドライン上では推奨されていないが(COPD増悪予防に対する効果が証明されなかった?)、接種した方がよいとする意見がある)
- I期:軽症:80%≦%FEV1:(a)。(b) 必要に応じ短時間作用型の気管支拡張薬を使用。
- II期:中等症:50%≦%FEV1<80%:(a)。(b)。(c) 呼吸リハビリテーション、長時間作用型気管支拡張薬の定期的使用
- III期:重症:30%≦%FEV1<50%:(a)。(b)。(c)。(d) 吸入ステロイド薬の考慮(増悪を繰り返す)
- IV期:最重症:%FEV1<30%または%FEV1<50%かつ慢性呼吸不全あるいは右心不全合併:(a)。(b)。(c)。(d)。(e) 長期酸素療法、外科的治療の考慮
安定期の治療
- 治療のmodality:薬物療法、包括的呼吸リハビリテーション、患者教育、栄養管理、酸素療法、換気補助療法、肺容量減量手術、肺移植、在宅管理
急性増悪
- COPDの急性増悪や重症度の分類には定説はない (ガイドライン1)
- COPDの急性増悪とは「病態が日内変動を超えて悪化し、日常施行していた治療内容を変更せざるを得ない状態」(呼吸器疾患最新の治療2004-2006 p.267)
- 原因:気道感染と大気汚染が最多。1/3は原因不明。
COPDの急性増悪
定義
- COPDの自然の進行の中で起きる現象で、呼吸困難、咳嗽、喀痰といった症状が日常の変動を超えて増悪したもの
入院適応
- 突然の安静時呼吸器困難の出現など、症状の顕著な増悪
- 基盤にあるCOPDが重症(III度,IV度)
- 新たな身体所見の発言
- 増悪に対する初期治療に反応しない
- 重大な合併症の存在
- 頻回の増悪
- 新たに発生した不整脈
- 診断が不確実な例
- 高齢者
- 不十分な住宅サポート
- modality (ガイドライン1)
- 気管支拡張薬吸入の容量/回数の増加(例えば、短期間作用型β2刺激薬が用いられる)
- ステロイドの全身投与(経口/静脈注射):増悪からの回復、肺機能の回復までの時間を短縮する
- (喀痰から感染症が疑われる場合)抗菌薬の投与
- 外来 :経口ペニシリン系薬、ニューキノロン系薬
- 入院例:注射用β-ラクタム系薬/β-ラクタマーゼ阻害薬、第3,4世代セフェム系薬、カルバペネム系薬、ニューキノロン系薬
病原体
予後
参考
- 1. [charged] Chronic obstructive pulmonary disease: Risk factors and risk reduction - uptodate [1]
ガイドライン
- 1. COPD診断と治療のためのガイドライン第2版
- http://www.jrs.or.jp/quicklink/glsm/guideline/nopass_pdf/copd_summary.pdf
国試
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商品名
会社名
成分
薬効分類
- リンパ脈管筋腫症治療剤(mTOR阻害剤)
- 結節性硬化症に伴う皮膚病変治療剤(mTOR阻害剤).
薬効
- 結節性硬化症に伴う皮膚病変を効能・効果とする新投与経路医薬品
【希少疾病用医薬品、先駆け審査指定医薬品】
[★]
[★]
- 英
- pulmonary lymphangioleiomyomatosis
- 同
- 過誤腫性脈管筋腫症 hamartoangiomyomatosis
- 関
- リンパ脈管筋腫症 lymphangioleiomyomatosis LAM
- リンパ脈管筋腫症の肺病変。
- リンパ管での平滑筋異常増殖による気道閉塞
国試
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- vascular, vascular system
- ラ
- systema vasorum
- 関
- 血管
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- lymph (Z)
- ラ
- lympha
- 同
- 淋巴
- 関
- リンパ節
[★]
- 英
- myoma、leiomyoma
- 関
- 平滑筋腫