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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/06/30 14:27:28」(JST)
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反社会性パーソナリティ障害(はんしゃかいせいパーソナリティしょうがい、Antisocial Personality Disorder)とは、他者の権利や感情を無神経に軽視するパーソナリティ障害である。人に対しては不誠実で、欺瞞に満ちた言動をする傾向がある。
概要
自己愛性パーソナリティ障害の場合は、自分は優れているのだから人を使って当然だと考えて人を利用するが、それとは異なり、欲しいものを手に入れたり、自分が単に楽しむために行うのが特徴である。人を愛する能力や優しさは欠如しているが、人の顔色を窺って、騙したりする傾向がある。
反社会性パーソナリティ障害の人は、アルコール依存症、薬物依存、性的逸脱行動、犯罪といった問題を起こしやすい傾向があるとされる。
また、事故等で脳に損傷を受け反社会性パーソナリティ障害を発症する場合があるが、これは事故による前頭前皮質の機能不全で起こるものと推測される。
治そうという努力が少ないか、もしくは欠如しているため、治療が仲々うまくいかない上、トラブルを起こすことも多く、治療スタッフの負担が大きくなることから、治療機関によっては反社会性パーソナリティ障害の患者を嫌がることも多いようである。
診断基準
DSM-IV-TRによる診断基準は下記の通り。『DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引』(著者:American Psychiatric Association、翻訳:高橋三郎、大野裕、染矢俊幸、出版社:医学書院、ISBN 4260118862) より引用。
- 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以来起こり、以下のうち3つ(またはそれ以上)によって示される。
- 法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為をくり返し行なうことで示される。
- 人をだます傾向。これは自分の利益や快楽のために嘘をつくこと、偽名を使うこと、または人をだますことをくり返すことによって示される。
- 衝動性、または将来の計画をたてられないこと。
- 易怒性および攻撃性、これは身体的なけんかまたは暴行をくり返すことによって示される。
- 自分または他人の安全を考えない向こう見ず。
- 一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということをくり返すことによって示される。
- 良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人の物を盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることによって示される。
- 患者は少なくとも18歳以上である。
- 15歳以前発症の行為障害の論拠がある。
- 反社会的な行為が起きるのは、精神分裂病や躁病エピソードの経過中のみではない。
これらの症候、障害と識別すべき障害は他にもあるため、このパーソナリティ障害を診断する為には専門的な判断が必要不可欠である。
関連項目
- パーソナリティ障害
- サイコパス
- 演技性パーソナリティ障害
- 共依存
- 注意欠陥・多動性障害
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antisocial personality disorder
- 同
- 非社会性人格障害、反社会性パーソナリティー障害
- 関
- 人格障害
[★]
- 英
- personality disorder
- 関
- 性格障害
DSM-IV
- 他人から見て奇異、風変わりな印象を与え、内向的で社会から孤立し、引きこもる傾向があり、社会の辺縁に身を置く。
- 他者への根強い不信の念があり、しかるべき根拠がないのに、自分に対する敵意を感じたり、馬鹿にする、他人が利用する、危害を加えるなどという疑念を抱く。
- きわめて内向的で、人との接触に乏しく、自分の中に引きこもり、周囲から変わり者と見なされていることも少なくない。親しい友人や信頼できる友人がなく、他人との親密な関係に欠ける。他人との感情の分かち合い、優しさ、温かさがない。
- 統合失調質人格障害の諸特徴にくわえて、他人に対する被害的内容を中心とした関係念慮、テレパシーや超能力への関心、また話が要領を得ず論理的なまとまりを欠く、不適切な思考が出没するといった明らかな病的障害が認められるもの。
- 情動面の激しさと不安定さがあり、外向的だが、時に他者に対する関係は嵐が来たように激しく攻撃的となる。
- 行動:他者に対する攻撃性が目立ち、喧嘩、他者への暴力、器物破損などが繰り返される。社会規範が守れず、盗みや暴力、あるいは薬物乱用のため警察に逮捕されることが少なくない。職を転々と変えたりして、持続的な就労がなされない。社会的な責任感を欠き、無責任な行動だらしなさが目立つ。
- 感情・情動:不安定かつ荒々しい気象で、些細なことを我慢できず易怒的となる。罪悪感、後悔の念、優しさに欠け、他者に対する憎しみ、冷酷な感情を抱く。また不安感は乏しい。
- 対人関係:自己中心的で共感性を欠き、しばしば誇大的で、他者に対し、支配的あるいは操作的な態度が目立ち、長期的な人間関係を維持できない。
- 人格の様々な領域における不安定性と自己の空虚感が目立つ
- 感情・情動:挿間的に出現する強い不快感、いらいら、不安の出現
- 行動:こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情動不安定の中で、突然、手首切傷や薬を大量に服用した自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、浪費、過食などが衝動的な行為の形で出現する。
- 対人関係:友人や初対面の人を前にして限られた時間なら表面的には如才ない。身近な他者に対し、しがみつくような形の依存的態度が目立ち、他者との適切な距離がとれない。
- 対人関係にもっとも大きな特徴がある。劇場の演技に比較される、他人の注意を引こうとする度を過ぎた自己顕示的行動が多い。
- 自分には実際以上に優れた才能、力があるという度を超した自負心を持つ
- 他人の注意を自分にずっと引きつけ、賞賛されたいという自己顕示的欲求を持つ
- 他者の自己評価には過敏で、些細な批判的な言葉や態度で容易に傷つき、手ひどい羞恥心や屈辱感を味わう。
- 不安げで、臆病で内向的
- 他人と親しく交わりたい、他人に自分を受け入れてもらいたいという願望を強く持っている者の、自信がなく、劣等感があり、低い自己評価のため他者の批判や拒絶を気にし、恥をかくことや非難されることをおそれて、対人関係は浅くなる。
- 自分の信頼できる人に著しい依存を見せ、面倒を見てもらいたいという強い願望を持ち、その人へ自分をゆだね、没主体的な従属的な振る舞いをする。
- 過度の秩序意識や、几帳面さと完全主義が認められ、そのため、日常生活や仕事の場面で柔軟性を欠き、かたくなな態度が目立つ。
USMLE
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- personality
- 同
- パーソナリティ
- 関
- 性格
[★]
- 英
- society、societal
- 関
- 学会、協会