アルグルコシダーゼアルファ
- 関
- アルグルコシダーゼ、酵素製剤
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アルグルコシダーゼ アルファ
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
Human glucosidase, prepro-α-[199-arginine,223-histidine] [1]
|
臨床データ |
Drugs.com |
monograph |
法的規制 |
- FDA approved for children[2]
|
投与方法 |
静脈注射[2] |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
420794-05-0 |
ATCコード |
A16AB07 |
DrugBank |
DB01272 |
UNII |
DTI67O9503 |
KEGG |
D03207 |
化学的データ |
化学式 |
C4758H7262N1274O1369S35 [1] |
分子量 |
105338 [1] |
アルグルコシダーゼ アルファは、ポンペ病に対し酵素補充療法を行うための医薬品であり、マイオザイムの商品名でオーファンドラッグとして開発された[3]。ポンペ病に治療効果がある初めての薬である[2]。
目次
- 1 概要
- 2 投与方法
- 3 副作用
- 4 脚注
- 5 関連項目
概要
希少疾病用医薬品製造会社である「ジェンザイム」により開発された。ポンペ病はα1,4グリコシダーゼという酵素の欠損によりあらゆる細胞のライソゾームにグリコーゲンが大量に蓄積する病態である[4]。マイオザイムはこの欠損酵素を補充する酵素補充療法のための薬剤であり、それによりポンペ病の病態を改善させることができる。欧州連合(EU)では2006年3月に認可され[5]、2003年4月にアメリカ食品医薬品局(FDA)により子供への酵素補充療法の薬剤として認可された[2]。日本においては、患者団体の強い要望もあり、2006年2月には希少疾病用医薬品に指定され、2007年4月18日に製造承認を取得し、同年6月8日に薬価収載、同年6月11日に発売された[5]。アメリカのポンペ病患者の父親がマイオザイム開発のために奔走しており、その様子は2010年に「小さな命が呼ぶとき」として映画化されている。
投与方法
マイオザイムは消化管で分解を受けるため経口投与はできず、静脈注射により投与する[6]。投与期間は2週間に1度の投与となる[6]。
副作用
一般的な副作用として肺炎、呼吸の合併症、感染症および発熱が報告されている。より重篤な副作用としては心肺不全、アナフィラキシーショックが報告され、マイオザイムの製品情報には生命の危険があるアレルギー反応に対する警告がある[2]。
脚注
- ^ a b c American Medical Association ( USAN). “Alglucosidase alfa (Microsoft Word)”. STATEMENT ON A NONPROPRIETARY NAME ADOPTED BY THE USAN COUNCIL. 2007年12月18日閲覧。
- ^ a b c d e “FDA Approves First Treatment for Pompe Disease” (プレスリリース), FDA, (2006年4月28日), http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2006/NEW01365.html 2008年7月7日閲覧。
- ^ Kishnani PS, Corzo D, Nicolino M et al. (2007). “Recombinant human acid [alpha]-glucosidase: major clinical benefits in infantile-onset Pompe disease”. Neurology 68 (2): 99–109. doi:10.1212/01.wnl.0000251268.41188.04. PMID 17151339.
- ^ 「ヴォート 基礎生化学」 東京化学同人社発行 ISBN 978-4807907120
- ^ a b 日経メディカルオンライン「マイオザイム:糖原病II型の特効薬」
- ^ a b ジェンザイム公式サイト
関連項目
- 小さな命が呼ぶとき-マイオザイム開発の実話を元にした映画
- ポンペ病
- トリハダ(秘)スクープ映像100科ジテン-2014年2月11日放送の3時間スペシャルでマイオザイム開発の実話を再現ドラマを交えて取り上げていた
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Industrial Info. 糖原病2型(ポンペ病)治療におけるマイオザイム(アルグルコシダーゼアルファ「遺伝子組換え」)の有効性
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
マイオザイム点滴静注用50mg
組成
組成
1バイアル中
有効成分:1バイアル中の含量
- アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注1):52.5mg
添加物:1バイアル中の含量
- D-マンニトール:210mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物:9.9mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物:31.2mg
ポリソルベート80:0.5mg
- 注1)チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生。本剤は製造工程でウシ血清及びブタ膵臓由来トリプシンを使用している。
禁忌
- 本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
効能または効果
- 成人型糖原病II型患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 通常、アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与する。
- 溶解及び希釈方法:1バイアルに対し日局注射用水10.3mLで本剤を溶解し、1バイアルにつき10mLの溶液を得る。患者の体重及び推奨用量に基づき算出した患者用量分をとり、日局生理食塩液で点滴液中の最終濃度0.5〜4mg/mLに希釈する。(「適用上の注意」の項参照)
- 投与速度:本剤20mg/kgをおおよそ4時間にわたり投与する。初回点滴速度は、1mg/kg/時を超えないこと。最大点滴速度7mg/kg/時に達するまで、患者の状態を確認しながら、30分毎に2mg/kg/時ずつ点滴速度を上げる(下表を参照)。(「重要な基本的注意」及び「適用上の注意」の項参照)
慎重投与
- 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
- 非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者[外国での臨床試験の結果より、非代償性心不全患者又は急性疾患(急性感染症、熱性疾患、喘鳴又は気管支痙攣等)を有する患者に本剤を投与した場合、infusion associated reactionの発現頻度が高いとの報告があるため、本剤投与前に患者の臨床症状を慎重に検討すること。]
- 重症の糖原病II型患者[重症患者では心機能低下及び呼吸機能低下を合併する傾向があり、これらは重度のinfusion associated reactionを発現するリスクを増大すると考えられる。]
- Infusion associated reactionの既往のある患者への再投与
重大な副作用
Infusion associated reaction(IAR)(頻度不明)
- 本剤投与中又は投与終了後数時間以内に、蕁麻疹、発疹、潮紅、発熱、頻脈、咳嗽、酸素飽和度低下、頻呼吸等のinfusion associated reactionが発現することがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又は抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。
免疫関連反応(頻度不明)
- 本剤の使用中に、免疫複合体を介すると考えられる反応により皮膚壊死、皮膚潰瘍、関節痛、関節腫脹、ネフローゼ症候群、蛋白尿、血尿等が発現することがある。患者の状態を十分に観察するとともに必要に応じ尿検査等を実施し、異常が認められた場合には、本剤投与の中止を考慮するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤は、ライソゾーム中グリコーゲンのα-1,4-及びα-1,6-グリコシド結合を加水分解することにより、グリコーゲンを分解し、糖原病II型患者における組織中の蓄積グリコーゲンを低下させる。
本剤の静脈内投与により、糖原病II型動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスにおける心臓、横隔膜、骨格筋等のグリコーゲンが低下した。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
- アルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)
Alglucosidase Alfa(Genetical Recombination)
- ヒト酸性α-グルコシダーゼをコードするcDNAを導入したチャイニーズハムスター卵巣細胞から産生される896個のアミノ酸残基(C4490H6817N1197O1298S32;分子量:99358.49)からなる糖タンパク質(分子量:約110,000)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- enzyme preparation
商品
[★]
- 英
- alglucosidase alfa
- 商
- マイオザイム
- 関
- ヒト酸性αグルコシダーゼ、組換え型ヒト酸性αグルコシダーゼ。糖原病
II型糖原病
[★]
- 英
- imu
- 関
- アイヌ民族のイム
[★]
- 英
- Io
- 関
- カリスト、ユーロパ、ガニメデ、木星