上腸間膜動脈閉塞症
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Japanese Journal
- OP-042-4 透析患者の虚血性腸疾患(Abdominal Angina,壊死型虚血性腸炎,上腸間膜動脈血栓症)と上腸間膜動脈石灰化(虚血性腸疾患,一般口演,第110回日本外科学会定期学術集会)
- 小野寺 一彦,久木田 和丘,土橋 誠一郎,津田 一郎,飯田 潤一,堀江 卓,坂田 博美,古井 秀典,玉置 透,目黒 順一,米川 元樹,川村 明夫
- 日本外科学会雑誌 111(臨時増刊号_2), 355, 2010-03-05
- NAID 110007716055
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- 上腸間膜動脈を閉塞させるのは半数の症例で塞栓であり、心房細動でできた心房内血栓が動脈を閉塞させることが一番の原因となっている。 > ...
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- 80歳の女性。食欲不振を主訴に来院した。
- 現病歴:昨日の朝から気分が優れず、冷汗と息苦しさが出現し、食欲も低下した。昨晩も熟睡できなかった。今朝も同様の症状が続いていたが、本人は大丈夫と言う。同居している夫が心配し、本人とともに受診した。
- 既往歴:変形性膝関節症、高血圧症、2型糖尿病。血糖コントロールは良好であった。
- 生活歴:夫と2人暮らし。ADLはほぼ自立しているが、歩行時に杖が必要である。喫煙は10年前まで、20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父は脳卒中で死亡。妹が糖尿病。
- 現症:意識は清明。身長 155cm、体重 44kg。体温 36.0℃。脈拍 100/分、整。血圧 114/60mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側の軽度下腿浮腫を認める。両側アキレス腱反射の低下を認める。下肢の振動覚低下なし。
- 検査所見:尿所見:蛋白 2+、糖 1+。血液所見:赤血球404万、Hb 12.4g/dL、Ht 37%、白血球 15,000、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.6g/dL、AST 71U/L、ALT 21U/L、γ-GTP 24U/L(基準 8~50)、LD 419U/L(基準 176~353)、CK 450U/L(基準 30~140)、CK-MB 42U/L(基準 20以下)、血糖 234mg/dL、HbA1c 6.2%(基準 4.6~6.2)、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 102mEq/L。CRP 0.1mg/dL。12誘導心電図:洞調律でV1-V3誘導でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF、V5-V6誘導でST低下を認める。画像所見:胸部エックス線写真で心胸郭比 56%、肺血管影の増強および両側の肋骨横隔膜角の鈍化を認めない。
- 最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F070]←[国試_113]→[113F072]
[★]
- 85歳の男性。左側腹部に突然痛みが始まり、救急外来を受診した。
- 心房細動を指摘されていたが放置していた。腹痛のため表情は苦悶状である。体温37.0℃。呼吸数20/分。脈拍88/分、不整。血圧160/94mmHg。左側腹部の強い痛みを訴えるが腹部は平坦、軟である。
- 血液所見:赤血球411万、Hb12.5g/dl、Ht36%、白血球21,200、血小板16万、FDP16μg/ml(基準10以下)。
- 血清生化学所見:尿素窒素24mg/dl、クレアチニン1.5mg/dl、AST160単位(基準35以下)、ALT101単位(基準40以下)、LDH1,932単位(基準176~353)、アミラーゼ73単位(基準37~160)、CK20単位(基準10~40)。腹部造影CTを以下に示す。
- 腹痛の原因はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097I022]←[国試_097]→[097I024]
[★]
- 67歳の男性。持続性の強い腹痛を主訴に来院した。3年前から虚血性心疾患と心房細動とで通院中である。10時間前に腹痛が突然出現し、徐々に増強した。腹部は全体に膨隆し、腸雑音を聴取しない。打診で鼓音を呈し、腹部全体に圧痛とBlumberg徴候とを認める。
- 血液所見:赤血球512万、Hb16.2g/dl、白血球12,800、血小板18万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.6g/dl、アルブミン5.1g/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST112単位、ALT35単位、LDH482単位(基準176~353)、アミラーゼ124単位(基準37~160)、CK186単位(基準10~40)。腹部造影CTを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F030]←[国試_100]→[100F032]
[★]
- 英
- occlusion of the superior mesenteric artery
- 同
- (国試)上腸間膜動脈血栓症?
- 関
- 急性上腸間膜動脈閉塞症
- 急性腸間膜動脈閉塞症、腸間膜動脈閉塞症
- 上腸間膜動脈
- 血便
リスクファクター
- 不整脈(心房細動)、低心拍出量、動脈硬化、最近の心筋梗塞、重症弁膜症、腹腔内悪性腫瘍、高齢
原因
- 塞栓 60%
- 血栓 15-20%
- 非閉塞性腸管虚血 NOMI 20-30%
好発部位
- 塞栓:上腸間膜動脈の起始部から3-10cm。15%は分岐部。
- 血栓:上腸間膜動脈の起始部。
[★]
- 英
- thrombus, thrombi TH
- 関
- 血栓症
分類
心筋梗塞における血栓
- ST上昇型急性冠症候群の症例ではフィブリンと赤血球主体の赤色血栓が認められ、非ST上昇型急性冠症候群で心筋トロポニンが上昇した症例では血小板主体の白色血栓が存在していることが明らかとなった。
参考文献
- 岡松健太郎1 清野精彦1 水野杏一2, 血管内視鏡を用いた急性冠症候群の洞察(II),日医大医会誌2009; 5(1)
- 1日本医科大学千葉北総病院循環器内科
- 2日本医科大学大学院医学研究科器官機能病態内科学
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- 英
- mesentery (Z)
- ラ
- mesenterium
- 関
- 胃結腸間膜
- 空腸と回腸を後腹壁に固定するための構造で、この中を血管・リンパ管・神経が通る。
- 腸をつり下げている腹膜の一部 (Z)
臨床関連
潰瘍
腸間膜付着部
腸間膜付着部対側
憩室
腸間膜付着部
腸間膜付着部対側
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- 英
- thrombosis(=血栓形成)
- 関
- coagulation、静脈血栓症、動脈血栓症
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- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- artery (Z)
- ラ
- arteria
- 関
- 静脈