- 英
- potassium dihydrogenphosphate、monobasic potassium phosphate
- 関
- リン酸カリウム、リン酸二カリウム
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/27 10:42:07」(JST)
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リン酸二水素カリウム
potassium dihydrogenphosphate |
|
IUPAC名
Potassium dihydrogenphosphate
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
7778-77-0 |
PubChem |
516951 |
RTECS番号 |
TC6615500 |
特性 |
化学式 |
KH2PO4 |
モル質量 |
136.086 g/mol |
外観 |
吸湿性のある白色結晶性粉末 |
密度 |
2.338 g/cm3 |
融点 |
252.6℃
|
沸点 |
400℃で分解
|
水への溶解度 |
22 g/100 mL (25℃) |
溶解度 |
アルコールに不溶 |
酸解離定数 pKa |
7.20 |
塩基解離定数 pKb |
11.85 |
構造 |
結晶構造 |
正方晶 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
-1568.33 kJ mol-1[1] |
標準モルエントロピー So |
134.85 J mol-1K-1 |
標準定圧モル比熱, Cpo |
116.57 J mol-1K-1 |
危険性 |
MSDS |
External MSDS |
引火点 |
不燃性 |
関連する物質 |
その他の陽イオン |
リン酸二水素ナトリウム
リン酸二水素アンモニウム |
関連物質 |
リン酸水素二カリウム
リン酸三カリウム |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
リン酸二水素カリウム(リンさんにすいそカリウム、英: Potassium dihydrogenphosphate)ないしはリン酸一カリウム(リンさんいちカリウム、英: monopotassium phosphate)はカリウムのリン酸塩で、化学式KH2PO4で表される無機化合物。しばしばKDPと略される。
性質
吸湿性があり、水溶液はpH4.4~4.9[2]と、酸性を示す。これはリン酸二水素イオンの酸解離および加水分解による。リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナトリウムの混合水溶液はpH測定用標準溶液に用いられる。
- H2PO4- H+ + HPO42-
- H2PO4- + H2O H3PO4 + OH-
加熱により脱水され、メタリン酸カリウムを生成する。
- n KH2PO4 → (KPO3)n + n H2O
肥料やPH調整剤、排水処理剤[3]、食品添加物[2]などとして使用される。結晶構造は正方晶系であり、非線形光学特性を持つため光変調器など光学分野でも用いられる。結晶の格子定数はa = 7.43Å、c = 6.97Åである[4]。 結晶のc軸方向に対して強誘電体の性質をもつ[4]。皮膚や眼に対して刺激性がある[5]。
脚注
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ a b 製品情報(キリン協和フーズ)
- ^ 製品案内(ラサ晃栄)
- ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 国際化学物質安全性カード
カリウムのオキソ酸塩 |
|
正塩 |
AlK(SO4)2 · KAlO2 · K3AsO4 · KBrO3 · KClO · KClO2 · KClO3 · KClO4 · K2CO3 · K2CrO4 · K2Cr2O7 · K3Cr(O2)4 · K2FeO4 · KIO3 · KIO4 · KMnO4 · K2MnO4 · K3MnO4 · K2MoO4 · KNO2 · KNO3 · K3PO4 · KReO4 · K2SeO4 · K2SiO3 · K2SO3 · K2SO4 · K2S2O3 · K2S2O5 · K2S2O6 · K2S2O7 · K2S2O8
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水素塩 |
KH2AsO4 · K2HAsO4 · KHCO3 · KH2PO4 · K2HPO4 · KHSeO4 · KHSO3 · KHSO4 · KHSO5
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カリウムの化合物 - カリウムのオキソ酸塩 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- コンクリートスラッジを原料としたヒドロキシアパタイトの合成とそのカドミウム, 銅, フッ化物イオン除去性能の評価
- 野中 潔,飯塚 淳,山崎 章弘,柳沢 幸雄
- 化学工学論文集 36(5), 539-544, 2010-11-20
- … コンクリートスラッジとリン酸二水素カリウムを反応させることで,コンクリートスラッジの固形分表面にヒドロキシアパタイトが析出した材料(スラッジHAP)を作製した.スラッジHAPはカドミウム,銅,フッ化物イオンの除去性能を示した.これらのイオンに対するHAPの除去性能は,既存のHAPのそれと同程度かあるいは優れた値であった.さらに,スラッジHAPによって除去された各イオンはpH54の酸性条件下で溶出が …
- NAID 10027619425
- コンクリート廃棄物を利用した下水処理施設からのリン資源の回収
- 茂原 伍郎,飯塚 淳,長澤 寛規,山崎 章弘,熊谷 一清,柳沢 幸雄
- 化学工学論文集 35(1), 12-19, 2009-03-20
- … 下水処理施設からのリン回収法として,コンクリート廃棄物を用いる新規な晶析プロセスを提案した.下水のモデル水溶液(リン酸二水素カリウム水溶液)と廃セメント微粉末を用いた回分式析出反応実験をすることによりプロセスの実現可能性を検討した.汚泥脱水時の余剰水(汚泥返送水)に近いリン濃度(50 mgP L?1)の水溶液に廃セメント微粉末を1.0 g L?1入れた実験では360 minで50%のリンが除去された.またpHの …
- NAID 10025306824
Related Links
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- 1 概要; 2 性質. 2.1 水溶液中の電離平衡; 2.2 縮合リン酸. 3 利用. 3.1 ハロゲン化水素 の調製; 3.2 さびの除去; 3.3 食品添加物; 3.4 肥料; 3.5 赤外線吸収 .... リン酸は窒素、 カリウムと伴に肥料の三大要素であり、量的には肥料としての消費量が圧倒的に多い。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
インフルエンザHAワクチン「北里第一三共」1mL
組成
製法の概要
- 本剤は、厚生労働省より指定されたインフルエンザウイルスをそれぞれ個別に発育鶏卵の尿膜腔内に接種して培養し、増殖したウイルスを含む尿膜腔液をとり、ゾーナル遠心機を用いたしょ糖密度勾配遠心法により精製濃縮後、エーテルを加えてウイルス粒子を分解してHA画分浮遊液を採取する。これをホルマリンにより不活化した後、リン酸塩緩衝塩化ナトリウム液を用いて各株ウイルスのHAが規定量含まれるよう希釈調整した液剤である。
組成
,*有効成分(製造株)
- A型株
A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09 HA含有量(相当値)は、1株当たり30μg以上
A/ニューヨーク/39/2012(H3N2) HA含有量(相当値)は、1株当たり30μg以上
B型株
B/マサチュセッツ/2/2012 HA含有量(相当値)は、1株当たり30μg以上
安定剤
緩衝剤
- リン酸水素ナトリウム水和物 2.51mg
リン酸二水素カリウム 0.408mg
塩化ナトリウム 8.3mg
分散剤
保存剤
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 1歳以上3歳未満のものには0.25mLを皮下に、3歳以上13歳未満のものには0.5mLを皮下におよそ2〜4週間の間隔をおいて2回注射する。13歳以上のものについては、0.5mLを皮下に、1回又はおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回注射する。
接種間隔
- 2回接種を行う場合の接種間隔は、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 間質性肺炎、気管支喘息等の呼吸器系疾患を有する者
- 本剤の成分又は鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
(0.1%未満)
- ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
(0.1%未満)
- 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある。通常、接種後数日から2週間以内に発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
ギラン・バレー症候群
(頻度不明)
- ギラン・バレー症候群があらわれることがあるので、四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
けいれん
(頻度不明)
- けいれん(熱性けいれんを含む)があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
喘息発作
(頻度不明)
- 喘息発作を誘発することがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
血小板減少性紫斑病、血小板減少
(頻度不明)
- 血小板減少性紫斑病、血小板減少があらわれることがあるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の異常が認められた場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。
血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎等)
(頻度不明)
- 血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(頻度不明)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状に注意し、異常が認められた場合には、胸部X線等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。
脳炎・脳症、脊髄炎
(頻度不明)
- 脳炎・脳症、脊髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
ネフローゼ症候群
(頻度不明)
- ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- インフルエンザHAワクチンを3週間間隔で2回接種した場合、接種1ヶ月後に被接種者の77%が有効予防水準に達する。
接種後3ヶ月で有効予防水準が78.8%であるが、5ヶ月では50.8%と減少する。効果の持続は、流行ウイルスとワクチンに含まれているウイルスの抗原型が一致した時において3ヶ月続くことが明らかになっている。基礎免疫を持っている場合は、ワクチン接種群における有効予防水準は、3ヶ月を過ぎても維持されているが、基礎免疫のない場合には、効果の持続期間が1ヶ月近く短縮される。8)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- たん白アミノ酸製剤
[★]
- 関
- 血液代用剤
[★]
塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム水和物、マルトース水和物
- 関
- 血液代用剤
[★]
酢酸ナトリウム水和物、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、マルトース水和物
[★]
- 英
- dibasic potassium phosphate、dipotassium hydrogen monophosphate
- 関
- リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3