- 英
- vanillin
WordNet
- a crystalline compound found in vanilla beans and some balsam resins; used in perfumes and flavorings
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/07/19 00:11:36」(JST)
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| バニリン |
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IUPAC名
4-Hydroxy-3-methoxybenzaldehyde
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| 識別情報 |
| CAS登録番号 |
121-33-5 |
| PubChem |
1183 |
| ChemSpider |
13860434 |
| UNII |
CHI530446X |
| KEGG |
D00091 |
| ChEMBL |
CHEMBL13883 |
| RTECS番号 |
YW5775000 |
|
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- InChI=1S/C8H8O3/c1-11-8-4-6(5-9)2-3-7(8)10/h2-5,10H,1H3
Key: MWOOGOJBHIARFG-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C8H8O3/c1-11-8-4-6(5-9)2-3-7(8)10/h2-5,10H,1H3
Key: MWOOGOJBHIARFG-UHFFFAOYAS
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| 特性 |
| 化学式 |
C8H8O3 |
| モル質量 |
152.15 g/mol |
| 外観 |
白色あるいは淡黄色固体(通常は針状結晶) |
| 密度 |
1.056 g/cm³, 固体 |
| 融点 |
80–81 °C (353–354 K)
|
| 沸点 |
285 °C, 558 K, 545 °F
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| 水への溶解度 |
1 g/100 ml (25 °C) |
| 危険性 |
| 安全データシート(外部リンク) |
外部MSDS |
| 主な危険性 |
肌、眼、気道に炎症起こす可能性 |
| NFPA 704 |
|
| Rフレーズ |
R22, R36. |
| Sフレーズ |
S24/25. |
| 引火点 |
147°C |
| 関連する物質 |
| 関連物質 |
オイゲノール、アニスアルデヒド、フェノール |
| 特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
バニリン (vanillin) は、分子式 C8H8O3、示性式 C6H3(OH)(OCH3)CHO で表される、バニロイド類に属す最も単純な有機化合物であり、バニラの香りの主要な成分となっている物質である。ラテン語読みでワニリンと呼ばれることもある。
目次
- 1 存在
- 2 合成
- 3 用途
- 4 類縁体
- 5 その他
- 6 脚注
- 7 外部リンク
存在
天然物中にはバニラ、安息香、ペルーバルサム、チョウジ(クローブ)の精油などに含有されている。収穫されたばかりのバニラ豆中には、配糖体であるグルコバニリンの形で存在しており、キュアリングと呼ばれる工程を経ることで加水分解されてバニリンが遊離し、バニラ特有の香気が発現する。バニリンの量が多いときにはバニラ豆の表面に白い結晶として析出する。1858年に、ニコラ=セオドア・ゴブリーが、バニラエキスの乾燥物を熱水中再結晶し、この結晶物質を単離し[1]、バニリンの名が与えられた。
また、原料に米と黒麹を使用する蒸留酒である泡盛、奄美黒糖焼酎などは、熟成によって米由来のフェルラ酸が、蒸留中に脱炭酸されて4-ビニルグアヤコールとなり、熟成して古酒になる過程でバニリンに変化し、独特の香気を持つようになる[2]
合成
最初の合成は、1874年にヴィルヘルム・ハーマン、フェルディナント・ティーマン、カール・ライマーらによりコニフェリンを原料に行なわれた[3]。 これによりバニリンの工業的な生産が可能となり、彼らによってそのための香料会社ハーマンアンドライマー社(現シムライズ社)がドイツのホルツミンデンに設立された。
現在ではより効率的な4つの合成法が開発されている。サフロールバニリン、オイゲノールバニリン、グアヤコールバニリンの3つの合成法の基礎的な部分の開発を行なったのもティーマンらである。
- サフロールバニリン
- サッサフラスの精油から得られるサフロールをナトリウムメトキシドで処理して二重結合を移動させると同時にアセタールを開環させ、オゾン酸化で二重結合を酸化開裂すると同時にアセタールを除去してプロトカテクアルデヒドとし、ジメチル硫酸でメチル化してバニリンとする。
- オイゲノールバニリン
- クローブバニリンとも呼ばれる。チョウジの精油から得られるオイゲノールをアルカリで二重結合を移動させてイソオイゲノールとし、これをオゾンなどで二重結合を酸化開裂させてバニリンとする。
- リグニンバニリン
- 亜硫酸パルプの製造の際に出る廃液中のリグニンスルホン酸をアルカリ中で酸化分解してバニリンとする。リグノバニリンとも呼ばれる。
- グアヤコールバニリン
- 現在主流の合成法である。グアイアコールをホルミル化して合成する。ホルミル化の方法はライマー・ティーマン反応を用いる方法やグリオキシル酸を付加させた後、これを酸化分解する方法などが知られている。
化学的合成のほかに、合成生物学を利用して細菌や藻類のDNA配列を人為的に操作することで、バニリンを生成する細菌や藻類を生み出そうという試みも行われている(シンバイオ・バニリン)。
用途
香料として使用される。食品に対してはアイスクリームをはじめとする乳製品やチョコレート、ココアなどに使用される。たばこにも使用され、ピースのバニラフレーバーは特に著名である。香水にも使用される。バニリンを香水に使用したのは、1889年にゲランより発売された Jicky が最初とされている。以降、現在までオリエンタル調の香水には欠かせない素材の1つとされている。
また有機化学の実験室では薄層クロマトグラフィー (TLC) の発色試薬として、酸性エタノール溶液が使用されていることがある。
バニラ香料の需要はバニラ・ビーンズの生産を上回り続けており、2001年には全世界で1年間に12,000トンのバニリンが消費されたが、このうち天然のバニリンは1,800トンのみ、残りは化学合成である[4]。
類縁体
類縁体のエチルバニリン(3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド)もバニリンより強いバニラ様の香りを持つ化合物として知られており、香料として用いられている。
その他
国立国際医療センター研究所に所属する山本麻由は、牛糞からバニリンを抽出することに成功し、2007年、第17回イグノーベル化学賞を受賞した。ケンブリッジ市最高のアイスクリーム店トスカニーニズ(Toscanini's Ice Cream)が彼女の成果を称えて"Yum-a-Moto Vanilla Twist"という新しいバニラアイスクリームを製作し、授賞式で振る舞われた[5]。もちろん、このアイスクリーム中のバニリンは牛糞由来ではない。
牛糞1グラムに水4ミリリットルを加え200度で60分間加熱することで1グラムあたり約50マイクログラムのバニリンが抽出された。 つまり、牛糞中のリグニンスルホン酸をアルカリ中で酸化分解してリグノバニリンを生成したわけである。
元となった論文は「第8回国際水熱反応ならびに第7回国際ソルボサーマル反応」合同会議で発表された「飼料中のリグニンが未消化で出ることの間接的証明」である。
脚注
- ^ Gobley, N.-T. (1858). “Recherches sur le principe odorant de la vanille”. Journal de Pharmacie et de Chimie 34: 401–405. http://books.google.com/books?id=Yrs8AAAAcAAJ&pg=PA401#v=onepage&q&f=false.
- ^ 照屋亮 ほか、「フェルラ酸脱炭酸能を有する新規な焼酎用酵母に関する研究」『沖縄県工業技術センター研究報告書』第6号、2004年、那覇市、沖縄県工業技術センター [1]
- ^ Tiemann, Ferd.; Wilh. Haarmann (1874). “Ueber das Coniferin und seine Umwandlung in das aromatische Princip der Vanille”. Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft 7 (1): 608–623. doi:10.1002/cber.187400701193.
- ^ Mark J. W. Dignuma, Josef Kerler & Rob Verpoortea (2001). “Vanilla production: Technological, chemical, and biosynthetic aspects”. Food Reviews International 17 (2). doi:10.1081/FRI-100000269.
- ^ Improbable Research. “Winners of the Ig® Nobel Prize”. 2011年8月11日閲覧。
外部リンク
- 国際化学物質安全性カード バニリン - 国立医薬品食品衛生研究所
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Japanese Journal
- バニリンからの生分解性高分子モノマーの生産 (特集 リグニン利用の最前線)
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- バニリン (vanillin) は分子式 C8H8O3 で表される有機化合物で、バニラの香りの主要 な成分となっている物質である。 ... 収穫されたばかりのバニラ豆中には、配糖体である グルコバニリンの形で存在しており、キュアリングと呼ばれる工程を経ることで加水分解 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
- 1g中に粉末ビタミンA20mg〔ビタミンAとして10,000ビタミンA単位〕を含有する淡褐色の散剤である。
添加物としてアルファー化デンプン、カカオ末、サッカリンナトリウム水和物、ジブチルヒドロキシトルエン、ゼラチン、沈降炭酸カルシウム、乳糖水和物、白糖、バニリン、バレイショデンプンを含有する。
禁忌
- エトレチナート製剤を投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
- トレチノイン製剤を投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
- タミバロテン製剤を投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
- 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する婦人へのビタミンA5,000IU/日以上の投与(ビタミンA欠乏症の婦人は除く)
〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
効能または効果
ビタミンA欠乏症の予防および治療
ビタミンAの需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給
下記疾患のうち、ビタミンAの欠乏または代謝障害が関与すると推定される場合
- 補給の目的には、通常成人、1日0.2〜0.4g(ビタミンAとして、2,000〜4,000ビタミンA単位)を3回に分けて経口投与する。なお、年令により適宜減量する。
治療の目的には、通常成人、1日0.3〜10g(ビタミンAとして、3,000〜100,000ビタミンA単位)を3回に分けて経口投与する。なお、年令、症状により適宜増減する。
薬効薬理
網膜の暗順応を高める
- ビタミンAは、網膜の光受容細胞である桿体と錐体中の感光色素に関連し暗順応を高める。1)
粘膜の異常乾燥、角化を改善する
- ビタミンAは、粘膜の異常乾燥と変性、角化、損傷、眼球乾燥症及び角膜軟化症を改善し、疾病に対する抵抗力を増す。1)
有効成分に関する理化学的知見
物理化学的性状
★リンクテーブル★
[★]
分枝アミノ酸無添加総合アミノ酸粉末、油脂糖質粉末、アルファー化デンプン、乳糖水和物、硫酸マグネシウム水和物、リン酸水素カルシウム水和物、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素二カリウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛水和物、ヨウ化カリウム、チアミン硝化物、リボフラビン、ピリドキシン塩酸塩、シアノコバラミン、アスコルビン酸、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸、塩化コリン、バニラ香料粉末
- 大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、バニリン、エチルバニリン
- 関
- 乳幼児用剤
[★]
- 英
- homovanillic acid, HVA
- 関
臨床関連
[★]
- 英
- vanillic acid
ホモバニリン酸はバニリン酸に炭素が一つ多くついた構造。システインとホモシステインの関係と同じである
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3