- 英
- trimebutine
- 化
- トリメブチンマレイン酸塩、マレイン酸トリメブチン trimebutine maleate
- 商
- サキオン、サペスロン、サルナチン、セエルミート、セレキノン、テフメチン、トライシー、ニチマロン、ネプテン、ピレマイン、ブチキノン、ベーエム、マストリック、メブコロン、メブチット
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/28 07:52:16」(JST)
[Wiki ja表示]
トリメブチン
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-(Dimethylamino)-2-phenylbutyl 3,4,5-trimethoxybenzoate
|
臨床データ |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
識別 |
CAS番号 |
39133-31-8 |
ATCコード |
A03AA05 |
PubChem |
CID: 5573 |
ChemSpider |
5372 |
UNII |
QZ1OJ92E5R |
ChEMBL |
CHEMBL190044 |
化学的データ |
化学式 |
C22H29NO5 |
分子量 |
387.47 g/mol |
SMILES
-
CCC(COC(=O)C1=CC(=C(C(=C1)OC)OC)OC)(C2=CC=CC=C2)N(C)C
|
InChI
-
InChI=1S/C22H29NO5/c1-7-22(23(2)3,17-11-9-8-10-12-17)15-28-21(24)16-13-18(25-4)20(27-6)19(14-16)26-5/h8-14H,7,15H2,1-6H3
-
Key:LORDFXWUHHSAQU-UHFFFAOYSA-N
|
トリメブチン(Trimebutine)は、慢性胃炎など消化器疾患などによる腹部疼痛や悪心・嘔吐、腹部膨満感などの症状を抑える薬。下痢型、便秘型、混合型などいずれの病型の過敏性腸症候群(IBS)に対しても効果がある。セレキノンの商品名で知られる[1][2]。
目次
- 1 概要
- 2 機序
- 3 適応
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
概要
胃腸の働きが弱っているとき、トリメブチンは運動を活発にさせ、逆に消化管運動が亢進しすぎている場合には、運動を抑制する作用を持つ。すなわち消化管の状態が活発でありすぎる場合、低下した場合の両方に効果がある。このため食欲不振や膨満感、胸やけなどのほか、過敏性腸症候群(IBS)にも使用される[1]。消化管運動調律成分トリメブチンマレイン酸塩を有効成分とする[3]。
機序
胃腸には、運動を制御している物質として腸管運動を活発にするアセチルコリンのほか、腸管運動を抑制する働きをするノルアドレナリンなどが存在する。人が休養時には一般にアセチルコリンが分泌されることから胃酸分泌が活発になり、胃腸の運動は亢進する。逆に行動時や緊張時には、瞳孔が開き、気管支は拡張する。この際には消化吸収に余力はなくなり、腸管運動を低下させる。このような作用をする物質が、ノルアドレナリンである。このような人体の作用を利用し、薬によってアセチルコリンやノルアドレナリンの働きを制御することで、腸管運動を調節できる。こうした考えのもとに、腸管運動に関する物質の働きを調節することで、消化管運動を改善する薬として開発されたのがトリメブチンである[1][3]。
腸管運動が活発すぎる場合に、当薬を投与するとアチセルコリン分泌に関わる副交感神経のオピオイド受容体(μ受容体、κ受容体)に作用し、腸管運動の低下をもたらす。逆に腸管運動が低下した際に当薬を投与することでノルアドレナリン分泌に関する交感神経のオピオイド受容体(μ受容体)に作用しノルアドレナリンの分泌低下が起こり、腸管運動が活性化する。使用法としては少量投与することで消化管機能が活発になり、大量投与で消化管機能が抑制されるため、過敏性腸症候群による下痢、腹痛などの症状を抑制できる。このため、使用量の調整が大変重要になる[1][3]。
適応
- 慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、吐き気、腹痛、げっぷなど)
- 1回1錠(主成分として100mg)を1日3回服用。
- 1回1~2錠(主成分として100~200mg)を1日3回服用。[2][3]
脚注
- ^ a b c d 役に立つ薬の情報~専門薬学 深井良祐
- ^ a b トリメブチンマレイン酸塩錠100mg「日医工」ALL ABOUT
- ^ a b c d e 田辺三菱製薬
関連項目
- モサプリド(ガスモチン)
- 過敏性腸症候群
- 慢性胃炎
外部リンク
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- P1-7-2 アジスロマイシン内服後に発症する下痢に対するトリメブチンマレイン酸塩の抑制効果(Group7 女性医学・感染症・他,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 野口 靖之,原田 龍介,大山 由里子,木下 伸吾,保科 眞二,若槻 明彦
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 481, 2011-02-01
- NAID 110008508871
- トリメブチンマレイン酸塩のアジスロマイシン投与後に発症する下痢に対する抑制効果
Related Links
- セレキノンとは?トリメブチンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベーエム錠100mg
組成
成分・分量(1錠中)
添加物
- 乳糖水和物、セルロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、マクロゴール6000、カルナウバロウ
効能または効果
○慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、腹部疼痛、悪心、あい気)
○過敏性腸症候群
○慢性胃炎における消化器症状に使用する場合
- トリメブチンマレイン酸塩として、通常成人1日量300mg(本剤3錠)を3回に分けて経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
○過敏性腸症候群に使用する場合
- トリメブチンマレイン酸塩として、通常成人1日量300?600mg(本剤3?6錠)を3回に分けて経口投与する。
重大な副作用
肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 1.胃運動調律作用
- 胃前庭部平滑筋に直接作用し、胃の自動運動を抑制し、また、不規則な運動を規則的にさせるという二面的作用を示す。
- 2.消化管連動運動誘発作用
- 腸平滑筋への直接作用により、十二指腸から肛門側に伝達する連動運動を誘発する。
- 3.消化管平滑筋直接作用
- 消化管平滑筋に直接作用し、消化管運動を正常化する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- トリメブチンマレイン酸塩 (Trimebutine Maleate)
化学名:
- (2RS)-2-Dimethylamino-2-phenylbutyl 3、4、5-trimethoxybenzoate monomaleate
- 131?135℃
★リンクテーブル★
[★]
[★]
トリメブチン
- 関
- trimebutine maleate
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類