リネゾリド
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Japanese Journal
- 症例報告 リネゾリド(ザイボックス)副作用報告--投与による高乳酸血症と投与中止による低リン血症を合併した1例
- 新しい抗菌薬の使用方法と注意点--クラバモックス,ゾシン,ザイボックス,ジスロマックSR (特集 抗菌薬適正使用--グローバルスタンダードを目指して)
- 39.肺癌術後MRSA膿胸に対してLinezolid(ザイボックス錠)が奏功した1例(第88回日本肺癌学会関西支部会,関西支部,支部活動)
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- 2006年4月20日、合成抗菌薬のリネゾリド(商品名:ザイボックス錠600mg、同注射液 600mg)に、新たに「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症」の適応追加が承認され、併せて添付文書も改訂された(右写真)。
- ザイボックス注射液600mg,リネゾリド注射液 医薬品情報 サイト イーファーマ(トップ) >品名索引(さ) >現表示ページ >薬効名索引(化学療法剤) 商品名 ザイボックス注射液600mg 薬品情報 添付文書情報 成分一致薬品 ページを印刷 一般 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ザイボックス注射液600mg
組成
有効成分(1バッグ 300mL中)
添加物(1バッグ 300mL中)
- ブドウ糖水和物 15.072g
クエン酸ナトリウム水和物
無水クエン酸
pH調節剤
禁忌
効能または効果
適応菌種
- 本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
適応症
- 敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎
適応菌種
- 本剤に感性のバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム
適応症
- 各種感染症
- 通常、成人にはリネゾリドとして1日1200mgを2回に分け、1回600mgを12時間ごとに、それぞれ30分〜2時間かけて点滴静注する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次のことに注意すること。
- 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
- 原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認すること。[「薬効薬理」1.(2)の項参照]
- 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 点滴静注、経口投与及び切り替え投与のいずれの投与方法においても、28日を超える投与の安全性及び有効性は検討されていない。したがって、原則として本剤の投与は28日を超えないことが望ましい。なお、本剤を28日を超えて投与した場合、視神経障害があらわれることがある。[「重要な基本的注意」4.の項参照]
- 本剤はグラム陽性菌に対してのみ抗菌活性を有する。したがってグラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
- 本剤は添加物としてブドウ糖水和物5%(1バッグ300mL中、15.072g)を含有する。点滴静注する場合の速度は、10mL/kg/hr(ブドウ糖水和物として0.5g/kg/hr)以下とすること。
注射剤から錠剤への切り替え
- 注射剤からリネゾリドの投与を開始した患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、同じ用量の錠剤に切り替えることができる。
慎重投与
- 投与前に貧血、白血球減少症、汎血球減少症、血小板減少症等の骨髄抑制が確認されている患者、骨髄抑制作用を有する薬剤との併用が必要な患者、感染症のため長期にわたり他の抗菌薬を本剤の投与前に投薬されていた、あるいは、本剤と併用して投薬される患者、14日を超えて本剤を投与される可能性のある患者[「重要な基本的注意」1.の項参照]
- 高度な腎機能障害のある患者[「薬物動態」1.(3)の項参照]
- 体重40kg未満の患者[臨床試験においての使用経験が限られている。]
- 授乳婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」2.の項参照]
重大な副作用
可逆的な貧血(13.0%)・白血球減少症(7.0%)・汎血球減少症(3.0%)・血小板減少症(19.0%)等の骨髄抑制
- 投与中止によって回復しうる貧血・白血球減少症・汎血球減少症・血小板減少症等の骨髄抑制があらわれることがあるので、血液検査を定期的に実施するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤の臨床試験において、14日を超えて本剤を投与した場合に血小板減少症の発現頻度が高くなる傾向が認められている。
視神経症(頻度不明)
- 視神経症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(1.0%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
腎不全(2.0%)
- クレアチニン上昇、BUN上昇等を伴う腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症(頻度不明)
- 意識障害、嘔気、嘔吐、食欲不振等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗菌作用
抗菌力20,21)
- リネゾリドはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して抗菌力を有する。日本、米国及び欧州で実施された試験における検討で、VRE(Enterococcus faecium,Enterococcus faecalis)及びMRSAに対するリネゾリドのMIC90値は、いずれも≦4μg/mL(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)の標準法に準ずる)であった。なお、Enterococcus faecalisは臨床経験が少ないため、適応外である。
感受性試験方法及び判定基準22,23)
- VRE及びMRSAのうち本剤感受性菌とする際の試験法・判定基準は、CLSIの標準法に準ずる。
(表5参照)
耐性24)
- VRE及びMRSAに対して、リネゾリドと既存の抗菌薬との間に交差耐性の報告はない。
- In vitro試験において、Staphylococcus aureus及びStaphylococcus epidermidisにおける自然発生変異の頻度は10-8〜10-11であった。また、薬剤の増量的継代培養による試験管内耐性獲得試験におけるEnterococcus faecium及びEnterococcus faecalisを用いた20回の継代培養で、各々の菌種でMICは4μg/mLから8μg/mL及び2μg/mLから64μg/mLに感受性の低下が認められた。また、Staphylococcus aureusでは19回の継代培養で、4μg/mLから>64μg/mLに感受性の低下が認められた。
作用機序25)
- リネゾリドは細菌リボソームと結合し、翻訳過程の70S開始複合体の形成を妨げ、細菌の蛋白合成を阻害する。一方、ポリソームの伸長あるいはペプチド結合の合成は阻害せず、作用機序は従来の抗菌薬と異なる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
略号
化学名
- (-)-N-[[(S)-3-(3-fluoro-4-morpholinophenyl)-2-oxo-5-oxazolidinyl]methyl]acetamide
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の粉末である。
ベンジルアルコールに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、ジクロロメタンにやや溶けにくく、エタノール(99.5)又は水に溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- synthetic antibacterial drug, synthetic antimicrobial, synthetic antibacterial medicine, synthetic antimicrobials
商品
[★]
- ラ
- Enterococcus faecium
- 日
- エンテロコッカス・フェシウム
- 同
- フェシウム菌
- 関
- 腸球菌属
[★]
- 英
- oxazolidinone antibiotic, oxazolidinone antibacterial agents
- 関
- 抗菌薬
[★]
- 英
- linezolid LZD
- 商
- ザイボックス Zyvox
- 関
- 抗菌薬
[★]
リネゾリド。ザイボックス