シプロフロキサシン
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シプロフロキサシン
|
臨床データ |
法的規制 |
?
|
識別 |
ATCコード |
J01MA02 , S01AX13 , S02AA15
, S03AA07 |
KEGG |
D00186 |
化学的データ |
化学式 |
C17H18FN3O3 |
シプロ500mg錠(バイエル)
シプキサノン錠200
(後発品、東和薬品)
シプロフロキサシン (ciprofloxacin;略号:CPFX) とは、ニューキノロン系の抗生物質のひとつ。バイエルより「シプロキサン」「シプロ」の商品名で販売されているほか、後発医薬品も存在する。フッ素を持ち、フルオロキノロン薬に分類される。
目次
- 1 活性
- 2 相互作用
- 3 注意
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
活性
シプロフロキサシンは広域抗生物質であり、グラム陰性、グラム陽性のいずれのバクテリアにも活性である。デオキシリボ核酸二本鎖の切断・再結合を行う酵素であるDNAジャイレース(DNAトポイソメラーゼの一種)に結合し、DNAの複製を阻害することで抗菌作用を示す。DNAの複製が阻害されることで、バクテリアは細胞分裂ができなくなる。
主な副作用は他の抗生物質と同様、消化器への刺激である。一般的な安全性と効力と広域性から、シプロフロキサシンは耐性菌への感染に対する最終手段として用いられる。しかし使用回数や使用期間とともにシプロフロキサシン耐性菌が病院内で増える結果となる。
細胞の培養では、シプロフロキサシンはマイコプラズマへの感染に対処するために用いられる。
相互作用
フラボノイドの一種のクエルセチン(ニンニクやリンゴに含まれる)は、フルオロキノロン薬と相互作用する可能性がある。クエルセチンはバクテリアのDNAジャイレースに競合して結合するためである。フルオロキノロン薬の効果が阻害されるか高められるかは明らかになってはいない[1]。
注意
アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄(II)、亜鉛などの金属のカチオンはフルオロキノロン系の抗生物質とキレート錯体を作り吸収を阻害すると考えられている。アルミニウムを含むスクラルファートはシプロフロキサシンの生物学的利用能を約4%まで低下させる[2]。
シトクロムP450系で代謝される薬物の毒性がキノロン薬によって高められる。キノロン薬はまた、GABAA受容体に作用して神経系の病徴(痙攣など)を引き起こすことがある。その作用は非ステロイド性抗炎症薬との相互作用により強められる[3]。特にジクロフェナクの併用で痙攣例がある。
参考文献
- ^ Hilliard, J. J.; Krause, H. M.; Bernstein, J. I.; Fernandez, J. A.; Nguyen, V.; Ohemeng, K. A.; Barrett, J. F. "A comparison of active site binding of 4-quinolones and novel flavone gyrase inhibitors to DNA gyrase." Adv. Exp. Med. Biol. 1995, 390, 59-69. PMID 8718602.
- ^ Spivey, J. M.; Cummings, D. M.; Pierson, N. R. "Failure of prostatitis treatment secondary to probable ciprofloxacin-sucralfate drug interaction" Pharmacotherapy 1996, 16, 314-6. PMID 8820479.
- ^ Brouwers, J. R. "Drug interactions with quinolone antibacterials." Drug Saf. 1992, 7, 268-81. PMID 1524699.
関連項目
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、シプロフロキサシンに関連するカテゴリがあります。 |
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ドクターのための薬物相互作用とマネジメント(第1回)今回の併用禁忌・注意薬 テオフィリン(テオドールなど)+シプロフロキサシン(シプロキサンなど)
- 重症感染症患者より分離した各種細菌のシプロフロキサシンおよび各種注射用抗菌藥に対する感受性全国サーベイランス : シプロキサン^【○!R】注第3回特別調査(2005年)
- 山口 惠三,石井 良和,山中 喜代治 [他],渡邉 直樹,上原 信之,賀来 満夫,岡部 忠志,伊東 絃一,長沢 光章,馬場 尚志,一山 智,黒川 幸徳,根ヶ山 清,平〓 洋一
- The Japanese journal of antibiotics 61(4), 241-268, 2008-08-25
- NAID 10021928588
- 重症感染症患者より分離した各種細菌のシプロフロキサシンおよび各種注射用抗菌薬に対する感受性全国サーベイランス:シプロキサン®注第3回特別調査 (2005年)
- 山口 恵三,石井 良和,山中 喜代治,渡邉 直樹,上原 信之,賀来 満夫,岡部 忠志,伊東 紘一,長沢 光章,馬場 尚志,一山 智,黒川 幸徳,根ケ山 清,平潟 洋一
- The Japanese Journal of Antibiotics 61(4), 241-268, 2008
- 注射用cipronoxacin (CPFX) の再審査期間中に, 重症感染症患者からの臨床分離株を用い, CPFXおよび各種注射用抗菌薬に対する薬剤感受性特別調査を目的とした全国サーベイランスを3回実施することを計画し, 2001年から2005年にかけて全国39施設参加の下で実施した (Table 1)。すでに第1回目の特別調査 (2001年) については, その結果を本誌に報告した。今回, 第3 …
- NAID 130004396084
Related Links
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- シプロキサンとは。効果、副作用、使用上の注意。 キノロン系( ピリドンカルボン酸系合成抗菌剤 ともいう)の薬は、合成抗菌剤のひとつです。ピリドンカルボン酸系製剤は、細菌の増殖に必要な蛋白質(たんぱくしつ)の元になる核酸の生成 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
シプロキサン皮内反応液
組成
- 本セットはシプロキサン皮内反応液及び対照液からなり,それぞれ1管中に次の成分を含有する.
●シプロキサン皮内反応液
- シプロフロキサシン(0.0002W/V%溶液) 1mL(2μg/mL)
添加物として乳酸0.715μg,塩化ナトリウム9.009mg,pH調整剤を含有する.
●対照液
禁忌
効能または効果
- シプロキサン注200mg及びシプロキサン注300mgの使用に際しての皮内反応に使用する.
- シプロキサン皮内反応液約0.02mLを皮内注射する.また,対照として生理食塩液約0.02mLを試験液注射部位から十分離れた位置に皮内注射する.
判定方法
- 注射15〜20分後の各注射局所の反応を観察し,試験液及び対照液ともに下記の基準により判定する.
判定基準
陽性
陰性
判定不能
- 対照液が陽性を示す場合
- なお,下記の場合も陽性と判定する.
- 偽足(みみずばれ)を伴う膨疹を認めた場合
- 注射局所の反応以外に全身反応(しびれ感,熱感,頭痛,眩暈,耳鳴,不安,頻脈,不快感,口内異常感,喘鳴,便意,発汗等)を認めた場合
処置
- 試験液の判定が陽性であって,対照液の判定が陰性の場合は,シプロキサン注の投与を行わないこと.
- 判定不能の場合は,シプロキサン注の投与を行わないか,あるいは過敏反応に十分注意して投与すること.
慎重投与
- キノロン系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者[ショックを起こすおそれがあるので十分な問診を行うこと.]
- アレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
重大な副作用
ショック
(0.1%未満)
- ショックがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- synthetic antibacterial drug, synthetic antimicrobial, synthetic antibacterial medicine, synthetic antimicrobials
商品
[★]
- 英
- ciprofloxacin, CIP, CPFX
- 化
- 塩酸シプロフロキサシン ciprofloxacin hydrochloride
- 商
- Cipro、シバスタン、シフロキノン、シプキサノン、シプロキサン、フロキシール、プリモール、ペイトン
- 関
- 抗菌薬
- GPC(肺炎球菌以外)、GNR(緑膿菌含む)、細胞内寄生菌(サルモネラなど)、レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジア、抗酸菌
[★]
- 英
- pro