シプロフロキサシン
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ペイトンあるいはピトン(希:Πείθων / Πίθων, ラテン文字転記:Peithon / Pithon, 紀元前355年頃 - 紀元前316年)はアレクサンドロス3世に仕えたマケドニアの将軍で、ディアドコイの一人である。
目次
- 1 アレクサンドロスの下で
- 2 ディアドコイ戦争
- 3 註
- 4 参考文献および参考URL
アレクサンドロスの下で
ペイトンはクラテロス(クラテウアスとも、アレクサンドロス3世に仕えたクラテロスとは別人)の子であり、マケドニア西部のエオルダイア(英語版)の貴族である。彼は側近護衛官としてアレクサンドロス3世の東征に参加したが、さほど目立った働きは示していない[1]。彼はインドにおいては三段櫂船艤装奉仕を行った一人となった[2]。紀元前323年のアレクサンドロスの臨終に際しては他の将軍たちと共にサラピス神殿に参篭して神託を仰いだ[3][4]。
ディアドコイ戦争
紀元前323年のアレクサンドロスの死後、バビロン会議にてペイトンはメディア太守に任じられた[5][6][7][8]。彼の任地メディアは東方と西方の通行を抑える戦略上の要地であったが、一人で支配するにはあまりにも広すぎるので、北部はアトロパテスに渡され、そこはアトロパテスにちなんでメディア・アトロパテネと呼ばれた。また、それと同じ年にアレクサンドロスの死に乗じ、バクトリアに入植したギリシア人がそこに留まるのを嫌がり(そこはギリシア生まれの彼らにとっては僻地であった)、反乱を起こした。帝国摂政ペルディッカスの命を受けたペイトンはその鎮圧に向かい、歩兵12000と騎兵3000からなる反乱軍を撃破した。彼はペルディッカスから反乱者を皆殺しにするよう命じられていたが、彼らを自身の勢力に組み入れようと考えて敵を許そうとした。しかし、彼の兵士たちはペルディッカスに約束された戦利品を得ようとして彼らを虐殺し、ペイトンの目論みは外れた。その後、ペイトンはペルディッカスの許へと戻った[9]。
紀元前321年、ペイトンはペルディッカスのエジプト遠征に参加したが、ペルディッカスがナイル渡河作戦に失敗したため彼を見限り、セレウコス、アンティゲネスらと共にペルディッカスを暗殺した[10]。彼らはエジプト太守プトレマイオスと交渉し、プトレマイオスはペイトンとアリダイオスを新摂政に推したが、ペルディッカス暗殺と同年に開かれたトリパラディソスの軍会でエウリュディケの反対を受け、それは成らなかった(結局摂政位はアンティパトロスのものになった)[11]。この時、ペイトンはメディア太守位を維持した[12][13]。その後、彼は高地太守領での勢力拡大を目論み、弟のエウダモスを太守に据えるためにパルティア太守ピリッポスを殺害したが、紀元前317年にピリッポスの二の舞になることを恐れたペウケスタス率いる東方太守連合軍(ペルシス太守ペウケスタス、メソポタミア太守アンフィマコス、カルマニア太守トレポレモス、アラコシア太守シビュルティオス、アレイア・ドランギアナ太守スタサンドロス、ガンダーラ太守ペイトン)に敗退し、ペイトンはセレウコスの許へと逃げた[14]。そして、ペイトンはセレウコスと共にアンティゴノスと手を結び、エウメネスおよびペウケスタスらと戦った。この戦争においてペイトンはたびたび大きな指揮権を託されるなどアンティゴノスの副将のような地位にあり[15]、パラエタケネ、ガビエネの両会戦ではともに左翼の騎兵部隊を指揮した[16]。
エウメネスの死後、ペイトンは高地アジアの支配という野心を露わにしてアンティゴノスに対する戦いを始めようとしたため、警戒心を抱いたアンティゴノスによって捕らえられて処刑された(紀元前316年)[17]。
註
- ^ アッリアノス, 『アレクサンドロス大王東征記』, VI. 28
- ^ アッリアノス, 『インド誌』, 18
- ^ アッリアノス, 『アレクサンドロス大王東征記』, VII. 26
- ^ プルタルコス, 「アレクサンドロス」, 76
- ^ ディオドロス, XVIII. 3
- ^ ユスティヌス, XIII. 4
- ^ フォティオス, cod. 92
- ^ クルティウス, x. 10. 4
- ^ ディオドロス, XVIII. 4, 7
- ^ ibid, XVIII. 36
- ^ フォティオス, cod. 92
- ^ ディオドロス, XVIII. 39
- ^ フォティオス, cod. 92
- ^ ディオドロス, XIX. 14
- ^ ibid, XIX. 19, 26
- ^ ibid, XIX. 29, 30, 40, 43
- ^ ibid, XIX. 46
参考文献および参考URL
- アッリアノス著、大牟田章訳、『アレクサンドロス大王東征記 付インド誌』(上)(下)、講談社、2001年
- クルティウス・ルフス著、谷栄一郎・上村健二訳、『アレクサンドロス大王伝』、京都大学学術出版会、2003年
- ディオドロスの『歴史叢書』の英訳
- フォティオスのBibliothecaの英訳
- プルタルコス著、村川堅太郎他訳、『世界古典文学全集 プルタルコス』、筑摩書房、1966年
- ポンペイウス・トログス著、ユニアヌス・ユスティヌス抄録、合阪学訳、『地中海世界史』、京都大学学術出版会、1998年
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ペイトン錠100
組成
成分・含量(1錠中)
- 塩酸シプロフロキサシン・・・・・116.4mg
(シプロフロキサシンとして100mg)
添加物
- セルロース、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、無水ケイ酸、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- ケトプロフェンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- チザニジン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては、炭疽に限り、治療上の有益性を考慮して投与すること。
効能または効果
適応菌種
- シプロフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、レジオネラ属、ペプトストレプトコッカス属
適応症
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、中耳炎、副鼻腔炎、炭疽
- シプロフロキサシンとして、通常成人1回100〜200mgを1日2〜3回経口投与する。
なお、感染症の種類及び症状に応じ適宜増減する。
炭疽に対しては、シプロフロキサシンとして、成人1回400mgを1日2回経口投与する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
- 小児の炭疽に対しては、米国疾病管理センター(CDC)が、シプロフロキサシンとして、1回15mg/kg体重(ただし、成人用量を超えないこと)を1日2回経口投与することを推奨している。
- 炭疽の発症及び進展抑制には、米国疾病管理センター(CDC)が、60日間の投与を推奨している。
慎重投与
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
- 高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するので、投与量を減量するか、あるいは投与間隔をあけて使用すること。]
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
- 重症筋無力症患者[症状を悪化させることがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- QT延長を起こすおそれのある患者[QT延長を起こすことがある。(「重大な副作用」の項参照)]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
大腸炎(頻度不明)
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので注意すること。
間質性肺炎(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
- 重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者、特にスルホニル尿素系血糖降下剤併用患者であらわれやすい)ので、
観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
骨髄抑制、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)
- 骨髄抑制、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
- 劇症肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
,*中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、
多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎(頻度不明)
- 急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
痙攣(頻度不明)
- 痙攣があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)
- アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので、腱の疼痛や炎症がみられた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。なお、外国において、投与終了数ヵ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている。
錯乱、抑うつ等の精神症状(頻度不明)
- 錯乱、抑うつ等の精神症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
重症筋無力症の悪化(頻度不明)
- 重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
血管炎(頻度不明)
- 血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う
こと。
QT 延長、心室頻拍(Torsades de pointes を含む)(頻度不明)
- QT 延長、心室頻拍(Torsades de pointes を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた
場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
有効成分に関する理化学的知見
性 状
- 白色〜微黄色の結晶性の粉末で、においはない。水にやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテル又はへキサンにほとんど溶けない。光により徐々に着色する。水溶液(1→100)は旋光性を示さない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- synthetic antibacterial drug, synthetic antimicrobial, synthetic antibacterial medicine, synthetic antimicrobials
商品
[★]
- 英
- ciprofloxacin, CIP, CPFX
- 化
- 塩酸シプロフロキサシン ciprofloxacin hydrochloride
- 商
- Cipro、シバスタン、シフロキノン、シプキサノン、シプロキサン、フロキシール、プリモール、ペイトン
- 関
- 抗菌薬
- GPC(肺炎球菌以外)、GNR(緑膿菌含む)、細胞内寄生菌(サルモネラなど)、レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジア、抗酸菌