- 関
- 浮腫
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/18 15:42:17」(JST)
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浮腫(ふしゅ)とは、顔や手足などの末端が体内の水分により痛みを伴わない形で腫れる症候。浮腫み(むくみ)ともいう。
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 原因
- 4 治療
- 5 脚注
- 6 関連項目
病態
細胞組織の液体(細胞間質液)と血液の圧力バランスが崩れ、細胞組織に水分が溜まって腫れる。
- 炎症反応によるものの場合には、サイトカインやケモカイン、神経伝達物質により血管の透過性亢進により血管から間質へ水分が移動する。
- 心疾患では静脈圧の上昇が主因となり、間質へ水分が移動する。eg.心不全
- 肝疾患・腎疾患などによるものの場合には、アルブミンなどの蛋白質を喪失することにより、血液の浸透圧が低下し、間質へ水分が移動することにより浸透圧バランスをとることによる。eg. 肝硬変、ネフローゼ症候群、蛋白漏出性胃腸症、栄養失調
- 甲状腺機能低下症に伴う粘液水腫は、アルブミンとムコ多糖類の結合物が間質に貯留した状態で、水分の貯留による浮腫とは異なる。現在でも歴史的経緯から、圧痕を残さない浮腫 non-pitting edema と呼ばれる。
分類
範囲による分類: 浮腫が起こっている場所によって全身性浮腫と局所性浮腫に分けられる。
性質による分類: pitting edema と non-pitting edema に分けられる。浮腫のある部分を押さえつけた後に放置しても圧痕を残すものをpitting edema, 圧痕が残らず弾性を持つものをnon-pitting edema と呼ぶ。
-
- piiting edemaの原因: 心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変、薬剤性など。
- non-pitting edemaの原因: 甲状腺機能低下症による粘液水腫、好酸球性血管性浮腫(angioedema with eosinophilia)[1][2]、リンパ水腫など。
原因
さまざまな内臓疾患のシグナルともなっているので、ただの一時的なむくみだと放置しないで一度診察を受けてみることが望ましい(心臓・腎臓・肝臓・甲状腺の異常、血管・リンパ系の循環障害、悪性腫瘍など)。また内蔵疾患がない場合は、足の筋肉を鍛えるなどの対処が必要となる。
局所性浮腫の原因には深部静脈血栓症等がある。
治療
治療としてナトリウムの制限、水の制限、利尿剤の投与がある。検査の結果疾患が見当たらなければ、室内での階段の上り下りやつま先立ちなど、筋肉を鍛えることで改善する場合もある。
脚注
- ^ Gleich GJ, et al: episodic angioedema associated with eosinophilia. N Engl J Med 310: 1621-1626, 1984
- ^ 岡田 定: 好酸球性血管性浮腫. JIM 11(4): 338-340, 2001
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新・女のからだ養生学(40)むくみケアでめぐりのいい体に
- 用手的リンパドレナージの効果に関する検討 ―健康な成人男性のむくみとリラクゼーションに対する効果―
- 福田 博美,藤井 紀子,水野 昌子,舟橋 珠希,若松 久美子,石井 美紀代
- 愛知教育大学研究報告. 教育科学編 63, 87-92, 2014-03-01
- NAID 120005412206
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、 26、 27の問いに答えよ。
- 68歳の女性。両下腿のむくみを主訴に来院した。
- 現病歴: 1か月前から遠方に住む娘の家を訪れている。 3週前から靴が窮屈となり、両足のむくみに気付いた。足に痛みや痒みはなく、歩行困難はない。動悸や息苦しさも自覚していない。最近立ち仕事が多かったためのむくみと考えていたが、改善しないため娘の家の近くの診療所を受診した。 60歳で高血圧を指摘され、その後、自宅近くの A医院から降圧薬を継続的に処方されている。 2か月前に新たな降圧薬が追加となった。来週には帰宅し A医院を受診する予定となっている。
- 現症:意識は清明。身長 154 cm、体重 52 kg。体温 36.0℃。脈拍 72/分。血圧144/86 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両足背から下腿にかけて軽度の圧痕を残す浮腫を認める。下肢の色素沈着や紫斑を認めない。担当医は浮腫の原因疾患を同定するために各種の精査を行った結果、今回の浮腫の原因は、 A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた。
- 患者への説明や提案として適切なのはどれか。
- a 「主治医を変えた方が良いと思います」
- b 「病気ではありませんので、様子をみてください」
- c 「A医院と連携して解決方法を検討させてください」
- d 「追加になった薬の副作用ですので、こちらでは治療できません」
- e 「むくみをとる薬を出しますので、 A医院の薬に追加してください」
[正答]
※国試ナビ4※ [108F025]←[国試_108]→[108F027]
[★]
- 次の文を読み、 26、 27の問いに答えよ。
- 68歳の女性。両下腿のむくみを主訴に来院した。
- 現病歴: 1か月前から遠方に住む娘の家を訪れている。 3週前から靴が窮屈となり、両足のむくみに気付いた。足に痛みや痒みはなく、歩行困難はない。動悸や息苦しさも自覚していない。最近立ち仕事が多かったためのむくみと考えていたが、改善しないため娘の家の近くの診療所を受診した。 60歳で高血圧を指摘され、その後、自宅近くの A医院から降圧薬を継続的に処方されている。 2か月前に新たな降圧薬が追加となった。来週には帰宅し A医院を受診する予定となっている。
- 現症:意識は清明。身長 154 cm、体重 52 kg。体温 36.0℃。脈拍 72/分。血圧144/86 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両足背から下腿にかけて軽度の圧痕を残す浮腫を認める。下肢の色素沈着や紫斑を認めない。担当医は浮腫の原因疾患を同定するために各種の精査を行った結果、今回の浮腫の原因は、 A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた。
- 問題指向型医療記録〈POMR〉の「評価」の記載に該当するのはどれか。
- a 「 2週後に再診とする」
- b 「軽度の圧痕を残す浮腫を認める」
- c 「副作用について患者に伝えるべきか悩んでいる」
- d 「浮腫の原因は降圧薬の副作用である可能性が高い」
- e 「最近立ち仕事が多かったためだと患者は考えている」
[正答]
※国試ナビ4※ [108F026]←[国試_108]→[108F028]
[★]
- 次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
- 24歳の女性。全身倦怠感とむくみとを主訴に来院した。
- 現病歴 : 4週前に海水浴に行き、日焼けをしてから微熱と全身倦怠感とを自覚し、数日前から顔面と下腿とにむくみが出現した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長154 cm、体重52kg。体温37.8℃。脈拍88/分、整。血圧124/88mmHg。意識は清明。前頭部の脱毛と両手指の凍瘡様皮疹とを認める。頚部と腋窩とに小豆大のリンパ節を数個触知する。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈渣に赤血球20~30/1視野、白血球20~30/1視野、顆粒円柱(+)。血液所見:赤沈85mm/1時間、赤血球350万、Hb 9.2g/dl、Ht32%、白血球2,500(桿状核好中球5%、分葉核好中球65%、好酸球1%、単球7%、リンパ球22%)、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白5.0g/dl、アルブミン2.1g/dl。尿素窒素18mg/dl、クレアチニン1.0mg/dl、総コレステロール360mg/dl。抗核抗体640倍(基準20以下)。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G060]←[国試_095]→[095H002]
[★]
- 80歳の男性。無尿とむくみとを主訴に来院した。5日前に発熱と喉の痛みとがあり、近医を受診し薬を処方され3日間服用した。発熱は改善したが、2日前から尿が出なくなり、今朝から顔面と下腿とに浮腫が出現している。意識は清明。身長168cm、体重56kg(近医受診時52kg)。体温37.0℃。呼吸数24/分。脈拍80/分、整。血圧180/92mmHg。眼瞼と下腿とに浮腫を認める。両側下肺野にcoarse cracklesを聴取する。臥位になると苦しいと訴え、坐位で軽減する。排尿はなく尿所見不明。血液所見:赤血球350万、Hb10.2g/dl、Ht32%、白血球7,000、血小板16万。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン4.3g/dl、尿素窒素72mg/dl、クレアチニン5.2mg/dl、尿酸8.0mg/dl、Na135mEq/l、K5.0mEq/l、Cl 102mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [101H027]←[国試_101]→[101H029]
[★]
- 60歳の女性。顔のむくみ、息苦しさ及び痰に血が混じることを主訴に来院した。3か月前から顔面腫脹、咳嗽および呼吸困難のため自宅近くの診療所で抗菌薬と利尿薬とを処方され内服したが軽快しなかった。1週前から血痰もみられるようになったため受診した。喫煙は30本/日を35年間。意識は清明。身長160cm、体重68kg。体温36.7℃。脈拍92/分、整。血圧140/96mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈と前胸部皮静脈とに怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右鎖骨上窩に径2cmのリンパ節を触知する。NSE 107ng/ml(基準10以下)、ProGRP 580pg/ml(基準46以下)。胸部エックス線写真(別冊No.1)を別に示す。
- 狭窄または閉塞が考えられる血管はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107F015]←[国試_107]→[107F017]
[★]
- 60歳の男性。顔面と上肢とのむくみを主訴に来院した。1か月前から、ワイシャツの首のボタンをかけるのが苦しくなり、時計バンドがきつくなった。家族から顔面のむくみを指摘された。喫煙歴は40本/日を40年間。顔面と両上肢とに浮腫を認める。両側頸静脈の怒張と胸部から上腹部にかけての静脈怒張とを認める。下肢に浮腫を認めない。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E051]←[国試_103]→[103E053]
[★]
- 58歳の女性。下肢のむくみを主訴に来院した。 15年前に糖尿病を指摘され、 10年前から自宅近くの医療機関でインスリン治療を受けている。 10か月前から下肢のむくみを自覚し、次第に増悪してきたため紹介されて受診した。身長155cm、体重60kg。血圧160/86mmHg。両下肢に中等度の浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、糖(-)、ケトン体(-)。血液生化学所見:血糖127mg/dl、 HbA1c6.6%(基準4.3-5.8)、総蛋白5.7g/dl、アルブミン3.0g/dl、尿素窒素45mg/dl、クレアチニン3.5mg/dl。
- 食事療法として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D024]←[国試_106]→[106D026]
[★]
- 60歳の男性。眼のかすみと下肢のむくみとを主訴に来院した。健康診断で数年前から尿糖陽性を指摘されていたが放置していた。身長170cm、体重90kg、腹囲95cm。血圧158/92mmHg。両眼底に硝子体出血を認める。尿所見:蛋白3+、糖3+、ケトン体(-)。血液生化学所見:血糖 280 mg/dl、HbA1c 9.5%、尿素窒素 22mg/dl、クレアチニン 1.0 mg/dl、尿酸7.4 mg/dl、総コレステロール245 mg/dl、トリグリセリド205 mg/dl。
- 適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A031]←[国試_103]→[103A033]