- 24歳の女性。浮腫と顔面の紅斑とを主訴に来院した。尿所見:蛋白3+、糖(-)、沈渣に赤血球10~20/1視野、白血球5~10/1視野、顆粒円柱2~3/1視野、細菌(-)。抗核抗体320倍(基準20以下)。腎生検H-E染色標本を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G036]←[国試_101]→[101G038]
★リンクテーブル★
[★]
- 55歳の男性。下腿の浮腫を主訴に来院した。4か月前に夕方になると靴下のゴムの痕がつくことに気付いた。徐々に浮腫の程度が強くなってきた。意識は清明。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧150/86mmHg。皮膚に発疹と発赤とを認めない。眼瞼に軽度の浮腫を認める。頸部と胸部とに異常はない。下腿と足背とに圧痕を残す浮腫を認める。尿所見:蛋白3+、潜血(-)、沈渣に赤血球0/1視野、脂肪円柱3/1視野。血液所見:赤血球520万、Hb16.2g/dl、Ht48%、白血球4,600。血清生化学所見:空腹時血糖96mg/dl、HbA1c5.4%(基準4.3~5.8)、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.2g/dl、尿素窒素22mg/dl、クレアチニン1.3mg/dl、Na135mEq/l、K4.6mEq/l。免疫学所見:抗核抗体陰性、CH50 37U/ml(基準30~40)。腎生検PAS染色標本を以下に示す。
- 最も可能性の高い疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G035]←[国試_101]→[101G037]
[★]
- 1歳の男児。39℃台の発熱とおむつに膿が付着していることとを主訴に来院した。5か月前に39℃台の発熱が3日間持続し、近医で感冒の診断で治療を受けたことがある。尿所見:蛋白1+、沈渣に赤血球5~8/1視野、白血球30~50/1視野。血液所見:赤血球430万、Hb12.3g/dl、Ht38%、白血球13,800。血清生化学所見:尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl。排尿時膀胱造影写真を以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G037]←[国試_101]→[101G039]
[★]
- 英
- lupus nephritis LN
- 同
- ループス糸球体腎炎 lupus glomerulonephritis, LGN
- 関
- 全身性エリテマトーデス
概念
- 全身性工リテマトーデスは、自己免疫反応の結果生じる免疫復合体が全身の血管に沈着して種々の病像を呈する疾患
- この免疫複合体が腎臓に沈着、あるいは局所で産生されることにより惹起される腎炎。免疫複合体型腎炎
疫学
- SLEの60-80%にループス腎炎が合併し、その約半数がネフローゼ症候群に移行する。
- SLE全体の予後を決定するのは、中枢神経系の病変、肺病変(肺出血など)、重症の溶血貧血/血小板減少症、全身性血管炎、ないしループス腎炎。
病理
- 糸球体:免疫グロブリン(IgA,IgM,IgG)とC1qを含む補体系成分の沈着をみとめる。
- 尿細管基底膜、小動脈や毛細血管壁内にも免疫複合体を認めることがある。
組織分類
I型 :正常糸球体 normal
II型 :メサンギウム増殖性糸球体腎炎 mesangial alterations
III型:巣状分節状糸球体腎炎 focal GN
IV型 :びまん性増殖性糸球体腎炎 diffuse proliferative GN
V型 :びまん性膜性糸球体腎炎 diffuse membranous GN
VI型 :硬化性糸球体腎炎 advanced sclerosing GN
治療
- 1. 副腎皮質ステロイド(特にパルス療法)
- 2. 副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬の併用療法
- 3. 血漿交換療法
- 4. 抗凝固療法、血液透析
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