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TEVプロテアーゼの構造。基質とのペプチド結合を黒、触媒残基を赤で表す。(PDB 1LVB)
プロテアーゼ(Protease、EC 3.4群)とはペプチド結合加水分解酵素の総称で、プロテイナーゼ(proteinase)とも呼ばれる。広義のペプチダーゼ(Peptidase)のこと。タンパク質やポリペプチドの加水分解酵素で、それらを加水分解して異化する。収斂進化により、全く異なる触媒機能を持つプロテアーゼが似たような働きを持つ。プロテアーゼは動物、植物、バクテリア、古細菌、ウイルスなどにある。ヒトでは小腸上皮細胞から分泌する。
目次
- 1 機能
- 2 分類
- 3 基質特異性
- 4 植物
- 5 菌類
- 6 細菌類
- 7 脚注
- 8 参考文献
- 9 関連項目
- 10 外部リンク
機能
アミノ酸がペプチド結合によって鎖状に連結したペプチド(一般に100残基未満、比較的分子量が小さい)やタンパク質(一般に100残基以上、比較的分子量が大きい)のペプチド結合を加水分解する酵素で、様々な種類のものが、生理的役割として、栄養吸収、タンパク質の廃棄とリサイクル、生体防御、活性の調節、などの幅広い分野で働いている。
分類
プロテアーゼの分類は歴史的に様々な変遷を経ている。今日では切断位置によるエキソペプチダーゼないしはエンドペプチダーゼの分類が広く用いられる[1]。
- 分解の位置による分類
- エキソペプチダーゼ– タンパク質・ペプチド鎖の配列末端から(およそ1〜2アミノ酸残基ずつ)切り取るタイプのもの。
- エンドペプチダーゼ– タンパク質・ペプチド鎖の配列中央を切断するタイプのもの。
- 基質による分類
- プロテイナーゼ(Proteinase)– タンパク質を分解するもの。
- (狭義の)ペプチダーゼ(Peptidase)– より分子量の小さな合成ペプチドなどを分解するもの[1]。
- 触媒機構による分類
- セリンプロテアーゼ– キモトリプシン(chymotrypsin)、スブチリシン(subtilisin)など。
- アスパラギン酸プロテアーゼ(酸性プロテアーゼ)(aspartic protease)– ペプシン、カテプシンD(cathepsin D)、HIVプロテアーゼなど。
- 金属プロテアーゼ(metallo protease)– サーモリシン(thermolysin)など。
- システインプロテアーゼ(cysteine protease)– パパイン、カスパーゼなど。
- この他にもプロテアソ−ム(proteasome)で知られるようになったN-末端スレオニンプロテアーゼ(N-terminal threonine protease)やグルタミン酸プロテアーゼ(glutamic protease)などが新たに見つかっている。
古くはタンパク質を基質にするものを「プロテイナーゼ」、合成ペプチドを基質にするものを「ペプチダーゼ」としていたが、分類の境界が不明瞭である。現在のエンドペプチダーゼには従来プロテイナーゼに分類されていた大半の酵素が含まれ、エキソペプチダーゼには従来ペプチダーゼに分類されていたものの多くが属する。
エキソペプチダーゼのうち、基質のN末端から1残基ずつ切断する酵素をアミノペプチダーゼ、C末端側から1残基ずつ切断する酵素をカルボキシペプチダーゼと呼ぶ。
ペプチダーゼのうち、アルカリ性領域に至適pHを持つものは、洗剤補助剤として日用品に利用されるため、アルカリ(性)プロテアーゼとよばれることがある。
基質特異性
プロテアーゼには切断する配列をあまり選ばない(基質特異性が低い)ものや、特定のタンパク質・ペプチドの特定の部位だけを特異的に切断するという切断する配列に対する高度な選択性を持つ(基質特異性が高い)タイプのものがある。ペプシン(pepsin)やキモトリプシン(chymotrypsin)などが前者の、ケキシン(Kexin)やフューリン(Furin)のようなプロセッシングプロテアーゼ、Xa因子のような血液凝固因子などが後者の例として典型的なものである。前述のHIVプロテアーゼはその基質特異性故にHIV治療の重要な標的となり、阻害剤による治療が大きな成果を上げている。
植物
植物には、プロテアーゼを豊富に含むものがある。
- パパイヤ - 果肉にパパインを含む。食肉の改質剤(軟化剤)としての利用も行われている。
- パイナップル - 果肉にブロメラインを含むため、大量に食べると舌に痺れを感じさせる。
- ショウガ - 根にショウガプロテアーゼを含む。牛乳の凝固剤としての利用がある。
- イチジク - 果肉にフィシンを含む。
- キウイフルーツ - 果肉にアクチニジン (酵素)を含む。
菌類
- マイタケ - マイタケプロテアーゼを含む。
- 麹
- ケカビ
- クモノスカビ
細菌類
脚注
- ^ a b 「プロテアーゼ」、『岩波生物学辞典』第4版、岩波書店、1996年。
参考文献
関連項目
- 酵素
- 加水分解酵素
- 消化
- 消化酵素
- 生姜牛乳プリン
- プロテアーゼ阻害剤 (生物学)
外部リンク
- Merops - the peptidase database: http://merops.sanger.ac.uk/
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Japanese Journal
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- protease、proteinase、proteolytic enzyme
- 関
- タンパク分解酵素、プロテアーゼ、プロテイナーゼ、ペプチダーゼ、蛋白質分解酵素、蛋白分解酵素、ペプチドヒドロラーゼ
[★]
- 英
- protease, proteolytic enzyme
- 関
- タンパク質分解酵素、タンパク分解酵素、プロテアーゼ、蛋白質分解酵素
[★]
- 英
- protein
- 同
- タンパク質、タンパク、蛋白、プロテイン
- 関
- アミノ酸、ポリペプチド
- L-アミノ酸が重合してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである。
年齢
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男性
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推定平均 必要量
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推奨量
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目安量
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耐容 上限量
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推定平均 必要量
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目安量
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耐容 上限量
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0~5(月)
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10
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6~8(月)
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15
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6~11(月)
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9~11(月)
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1~2(歳)
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3~5(歳)
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6~7(歳)
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8~9(歳)
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10~11(歳)
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40
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12~14(歳)
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45
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15~17(歳)
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18~29(歳)
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30~49(歳)
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60
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50~69(歳)
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50
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70以上(歳)
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60
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妊婦(付加量)
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初期
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+ 0
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+ 0
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中期
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+ 5
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末期
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+ 20
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+ 25
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授乳婦(付加量)
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+ 20
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QB
- 蛋白質の1日の摂取量は体重1kgあたり約1g。腎不全の食事療法(低蛋白食)では0.6-0.8g/体重kgである。
- PFC比率=蛋白:脂肪:炭水化物=10-20%:20-30%:50-70%
臨床関連
参考
- http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/s0529-4.html
[★]
- 英
- enzyme, ferment
- 関
- 酵素反応
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
[★]
- 英
- degradation、breakdown、decomposition、disintegration、disassembly、degrade、resolve、disassemble、crack、decompose、catabolize、disintegrate、catabolized
- 関
- 異化、解決、解重合、解体、回復、壊変、亀裂、クラック、故障、腐敗、分離、崩壊、構成不能、破綻、消散、ひび
[★]
- 英
- white matter
- ラ
- substantia alba
- 関
- 灰白質
- 脳と脊髄の断面で、肉眼的に白色を呈する部分。
- 髄鞘をもった有髄神経線維が密に集合している。
- CTでは低吸収にみえる → やはり脂質にとむ髄鞘が多いからでしょう
- MRIでは高吸収にみえる。見え方としてはCTの逆と覚えればよい。
[★]
- 英
- proteolysis、proteolyses、protein degradation
- 関
- タンパク質分解、タンパク分解、プロテオリシス、蛋白分解