粘液水腫性昏睡

myxedema coma


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/02 07:52:23」(JST)

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Japanese Journal

  • 内分泌関連ショックの病態と治療 (特集 ショックの病態と治療) -- (各種ショックの病態と治療)
  • 甲状腺診療のガイドライン (日本内科学会生涯教育講演会 平成22年度 Aセッション)
  • 森 昌朋
  • 日本内科学会雑誌 100(3), 712-716, 2011-03-10
  • NAID 40018759410

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粘液水腫性昏睡は生命を脅かす甲状腺機能低下症の合併症であり,通常は甲状腺 機能低下症の経過が長い患者で生じる。その特徴には,極度の低体温を伴う昏睡(24 〜32.2°C),反射消失,痙攣発作,CO2貯留を伴う呼吸抑制などが挙げられる。重度の 低 ...
粘液水腫性昏睡の診断基準(3 次案). 粘液水腫性昏睡の診断基準と治療指針の作成 委員会. 定義:粘液水腫性昏睡とは、甲状腺機能低下症(原発性または中枢性)が基礎 にあり、重度. で長期に亘る甲状腺ホルモンの欠乏に由来する、或いはさらに何らかの ...


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粘液水腫性昏睡.JPGhttp://www.nagasaki-clinic.com/_m/images 甲状腺カラードップラー検査



★リンクテーブル★
国試過去問112F076」「112A009
リンク元甲状腺機能低下症
関連記事粘液水腫」「水腫」「昏睡

112F076」

  [★]

  • 次の文を読み、75~77の問いに答えよ。
  • 49歳の女性。意識障害のため救急車で搬入された。
  • 現病歴:2か月前から夕方の買い物中にボーッとなって近くの医療機関を受診し点滴を受けて帰宅することが3回あった。Holter心電図で異常はなく、脳波検査と頭部CTとを受けたが結果はまだ聞いていないという。本日夜、自宅で倒れているのを見つけた夫が救急要請し、総合病院の救急外来に搬入された。
  • 既往歴(夫からの情報):特記すべきことはない。月経はよく分からない。持参していた特定健診(3週間前受診)のデータ:Hb 11.4g/dL、白血球 3,100、血糖 68mg/dL、Na 132mEq/L。
  • 生活歴:専業主婦。夫と2人暮らし。大学生の子ども2人とは別居。
  • 家族歴:特記すべきことはない。
  • 現症:閉眼したままで呼びかけには反応しないが、痛み刺激には反応がある。身長 156cm。体重は測定不能だが、夫によると「少し痩せてきたかなぁ」という。脈拍 76/分、整。血圧 102/56mmHg。胸部や腹部に異常を認めない。手足は時折動かし、麻痺や弛緩は認めない。簡易測定した血糖値が35 mg/dLであったので、20%ブドウ糖液20mLを静注したところ、3分後には呼びかけに応じ座位が取れるようになった。経過観察と精査を目的に入院になった。
  • 追加情報(本人の意識回復後に聴取した内容):2回の出産後、月経は正常に戻ったが最近は少し不順気味である。魚油系のサプリメントを服用しているが常用薬はない。2年に1度、家族で海外旅行に行っており、直近は1年前にアメリカ西海岸を訪れた。犬を10年以上室内で飼っている。体重はこの1年で5kg減って48kgである。その後の経過:ブドウ糖液静注後、意識障害は改善し再度の悪化を認めなかったため、翌朝まで維持液1,000mLを輸液しながら経過観察することにした。翌朝の診察時、意識状態は再度悪化し意思疎通が取れなくなっていた。バイタルサインは正常である。血液生化学 所見:血糖82 mg/dL、Na 112mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 78mEq/L。CRP 0.3mg/dL。動脈血ガス分析の結果は正常。緊急で行った頭部CTで異常を認めない。
  • この患者の意識障害の原因として疑わしいのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 112F075]←[国試_112]→[112F077

112A009」

  [★]

  • a 男性に多い。
  • b 夏季に多い。
  • c 橋本脳症とも呼ばれる。
  • d 治療において甲状腺ホルモンの投与は必須ではない。
  • e 基礎にある甲状腺疾患に他の要因が重層して起こる。


[正答]


※国試ナビ4※ 112A008]←[国試_112]→[112A010

甲状腺機能低下症」

  [★]

hypothyroidism
甲状腺機能不全症
粘液水腫甲状腺ホルモン甲状腺
甲状腺機能亢進症

概念

  • 甲状腺ホルモンの合成、分泌が低下し、血液中の甲状腺ホルモンが不足している状態である。

病因

先天性甲状腺機能低下症

原発性甲状腺機能低下症

二次性甲状腺機能低下症

三次性甲状腺機能低下症

病態

参考1
  • 甲状腺ホルモンの低下
 → 代謝の低下
 → 多くの組織の組織間隙にグリコサミノグリカンが蓄積

症候

  • 全身:全身倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、嗄声、貧血(EPO↓)、滲出液貯留(心膜液貯留(約30%の症例で見られる)、胸水貯留 ←血管透過性の亢進による)
  • 消化器:絶肥大、便秘、食欲低下
  • 循環器:粘液水腫心、心拍出量の低下?
  • 骨格筋:こむらがえり、アキレス腱反射の子癇層の遅延(Lamberts徴候)、筋力低下(骨格筋ミオパチー)、筋肥大(Hoffmann症候群)、筋痛
  • 皮膚 :四肢・顔面の粘液水腫、発汗減少、皮膚乾燥、頭皮脱毛、眉毛外1/3の脱毛、皮膚の黄染
  • 神経 :末梢神経と中枢神経のいずれも影響が生じる。 (参考1)
  • 橋本脳症:疾患概念についてはcontroversial
  • 粘液水腫性昏睡(ICU.762)(低体温、浮腫性皮膚、意識レベル低下)
  • 手根管症候群:よく見られる合併症。ホルモン療法により軽快。 ← 組織間質にグリコサミノグリカンが蓄積して手根管を狭窄せしめるのか
  • 精神 :記銘力低下、計算力低下、言語緩慢、活動性低下
  • 生殖系:月経不順(月経過多、無月経)。不妊、流産。   ←  初期に月経過多、後期に無月経を起こす(出典不明)。
  • その他:乳汁分泌(三次性以外。TRH↑)、難聴、貧血。 ← 甲状腺ホルモンがエリスロポエチンの分泌を亢進させるので

生殖系の異常

  • 月経の異常の割合(参考1)
月経前の婦人集団 集団サイズ(人) 患者全体に占める割合(%)
月経周期正常 無月経・希発月経 過多月経
甲状腺機能低下症 171 77 16 7
健常者 214 92 7 1

検査

胸部単純X線写真

心電図

  • 低電圧、徐脈、陰性T波

血液検査

AST,LDH,CKなど筋酵素が増加
  • (1)心拍出量の低下 → 頚動脈圧受容器 → ADH分泌 (時に尿Na濃度が低下せず、SIADHの基準を満たす例がある)
  • (2)GFR低下((1)の影響?) → ヘンレループの上行脚(diluting segment)に至る尿量減少 → 排泄できる自由水減少

診断基準

原発性甲状腺機能低下症

a)かつb)を満たすもの
  • a)臨床所見
  • 無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状
  • b)検査所見
  • 遊離T4低値およびTSH高値

治療

  • 治療のトリガー:TSH>10.0となる症例。

参考

  • 1. [charged] 甲状腺機能低下症の臨床症状 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 甲状腺機能低下症における低ナトリウム血症 - uptodate [2]
  • 3. [charged] 甲状腺機能低下症の治療 - uptodate [3]
  • 4. [charged] 甲状腺機能低下性ミオパチー - uptodate [4]
  • 5. 甲状腺機能低下症 - 甲状腺疾患診断ガイドライン
[display]http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html#teika

粘液水腫」

  [★]

myxedema
成人型甲状腺機能低下症

水腫」

  [★]

edema, hygroma
浮腫

昏睡」

  [★]

coma
意識障害