- 英
- microtubule
- ラ
- microtubulus
- 同
- 微細管、微細小管
- 関
- 細胞、チューブリン
WordNet
- a microscopically small tubule
PrepTutorEJDIC
- Montana
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/29 11:21:45」(JST)
[Wiki ja表示]
典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3) リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7)
微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体
微小管(びしょうかん、英: microtubule、マイクロチューブル)は、細胞中に見いだされる直径約 25 nm の管状の構造であり、主にチューブリンと呼ばれるタンパク質からなる。細胞骨格の一種。細胞分裂の際に形成される分裂装置(星状体・紡錘体・染色体をまとめてこう呼ぶ。星状体・紡錘体は中心体・微小管複合体そのものをその形態からこう呼んだ)の主体は、この微小管である。
目次
- 1 微小管の構造
- 2 微小管の伸長
- 3 微小管とモータータンパク質
- 4 微小管形成の操作
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
微小管の構造
チューブリンにはα, β, γ, δなどの種類があることが知られているが、微小管は主に、αチューブリンとβチューブリンが結合したヘテロ二量体(ヘテロダイマー)を基本単位として構成される。α, βチューブリンからなるヘテロ二量体が繊維状につながったものをプロトフィラメントと呼び、これが螺旋の形で11-16本程度集まって管状の構造を取ったものが微小管である。細胞中に見いだされる微小管の主なものは13本のプロトフィラメントからなり、直径が約25nmである。また、鞭毛・繊毛にはダブレット、トリプレットと呼ばれる2本または3本の微小管が融合した構造も見いだされる。
細胞中の微小管の表面には微小管結合タンパク質 (MAPs) と呼ばれるタンパク質が結合している。これらの結合タンパク質の種類は神経細胞、鞭毛、繊毛、紡錘体など、組織や微小管の機能によって異なっており、微小管の機能を調節していると考えられている。チューブリンとこの微小管結合タンパク質の複合体を広義には微小管と呼ぶ。
微小管の伸長
微小管には方向性があり、チューブリン二量体が付加しやすい側を+(プラス)端、解離しやすい側を-(マイナス)端と呼ぶ(微小管はチューブリンの付加により伸長し、解離により短縮される)。+端と-端では付加の速度が二倍程度違う。付加・解離の速度は遊離チューブリンの濃度によって決まり、高濃度の場合はいずれの端でも付加が起こる。濃度の低下とともにまず-端での付加が止まり、低濃度ではいずれの端でも解離が進む。伸長と解離の速度が等しく、全体に平衡状態となる濃度を臨界濃度と呼ぶ。微小管の見かけ上の長さが変化しない場合でも、常に+端での伸長と-端での短縮が起こっており、この状態をトレッドミルと呼ぶ。なお微小管+端においても臨界濃度以上の遊離チューブリンが存在していれば必ずしも伸長が続くというわけではなく、重合を続けていた微小管が突如 急激な脱重合 (catastroph) を起こすことがあり、これを動的不安定性 (dynamic instability) と呼んでいる。
この微小管の伸長と短縮(微小管のダイナミクスとも呼ばれる)は、微小管結合タンパク質 (MAPs) によって様々に変化する。微小管を安定化するもの、微小管を切断するもの、微小管同士を結合するものなどがある。
微小管は、その-端を中心体に置き、重合の場である+端を細胞内の様々な領域に伸ばすことが多い。なお、中心体を構成する中心子自体、9対の三連微小管が環状に配置したものである。また、中心体にはγチューブリンが含まれ、このγチューブリンに結合する形で微小管が伸長する。
微小管とモータータンパク質
細胞分裂の際に形成される紡錘体 (spindle) や、繊毛や鞭毛の主要な構造は複数の微小管の束からなり、染色体の移動や鞭毛打などの運動を司っている(原核生物の鞭毛には微小管は存在しない)。微小管を足場(レール)とするモータータンパク質としてダイニンやキネシンなどが知られている。これらのタンパク質は細胞の巨視的運動のみではなくタンパク質やmRNAといった分子の細胞内局在にも関与しているが、この場合の-端から+端に向けての輸送を順行性、+端から-端に向けての輸送を逆行性として区別され、いずれの輸送も微小管系と細胞質中に存在するモータータンパク質群との相互作用によって起こる。順行性の輸送はキネシンが、逆行性の輸送にはダイニンが重要な役割を果たしているといわれている。
微小管形成の操作
コルヒチンやビンカアルカロイド系の抗がん剤(ビンクリスチンなど)は微小管の伸長を阻害する。タキサン系の抗がん剤(ドセタキセル、パクリタキセル)は逆に解離を阻害し、微小管を極度に安定化する。いずれも分裂装置の主体である微小管の不全をもたらし、細胞分裂を阻害することから分裂毒と呼ばれている。
微小管の重合を阻害する薬剤であるコルヒチンは紡錘糸の形成阻害を起こすことから、果樹では種無し(不稔)の果実を品種改良により作成する際に使用される(種なしスイカ参照)。
関連項目
|
ウィキメディア・コモンズには、微小管に関連するカテゴリがあります。 |
- 細胞骨格
- 中心体
- 原形質流動
- チューブリン
- ダイニン
- キネシン
外部リンク
- 微小管 - 脳科学辞典
- MAP2 - 脳科学辞典 微小管に結合するタンパク質であるMicrotubules-associated protein 2に関する解説。
細胞小器官 |
|
内膜系 |
細胞膜 - 核 (核小体) - 小胞体 - ゴルジ体 - ペルオキシソーム - パレンテソーム
小胞 (エキソソーム - リソソーム - エンドソーム - ファゴソーム - 液胞)
顆粒 (メラノソーム - 微小体 - グリオキシソーム - バイベル・パラーデ小体)
|
|
内部共生体 |
ミトコンドリア - 色素体 (葉緑体 - 有色体 - 白色体)
|
|
細胞骨格 |
マイクロフィラメント - 中間径フィラメント - 微小管 - 原核生物の細胞骨格
|
|
外部組織 |
細胞壁 - 繊毛/鞭毛 - 先体
|
|
その他 |
細胞質 - リボソーム - 微小管形成中心 (中心体/中心小体 - 基底小体 - 紡錘極体) - ヴォールト - プロテアソーム - フィコビリソーム
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- フラグモプラストの特異な発達様式がもたらすマオウ属植物花粉における不均等分裂
- 寺坂 治,平塚 理恵
- 日本花粉学会会誌 57(1), 5-15, 2011-06-30
- … 精器細胞分裂において顕著であった.造精器細胞分裂終期の早期,フラグモプラストは,微小管が集合した2群のリング状構造として2娘核間に出現する.2リングは同じ径をもち,各微小管は分裂軸に平行に配向し,遠心的に成長するという通常の様式を示す.しかし,終期の中頃,リングを構成する各微小管は分裂軸に対し垂直へと配向を変え,それに伴い2群のリングの径に差が生じ,互いに同 …
- NAID 110008686938
- 顕微授精, 精子凍結乾燥, 卵子ガラス化の各行程がウシ微小管形成中心の機能発現に及ぼす影響
- 原 弘真,森田 大,桑山 正成,平林 真澄,保地 眞一
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 28(2), 109, 2011-04-01
- NAID 10028124519
Related Links
- 微小管(びしょうかん、英: microtubule、マイクロチューブル)は、細胞中に見いだされる 直径約 25 nm の管状の構造であり、主にチューブリンと呼ばれるタンパク質からなる。 細胞骨格の一種。細胞分裂の際に形成される分裂装置(星状体・紡錘体・染色体を ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vincristine, VCR
- 同
- 硫酸リューロクリスチン leurocristine sulfate
- 化
- 硫酸ビンクリスチン vincristine sulfate
- 商
- ONCO-TCS、ONCOVIN、VINCASAR PFS、オンコビン oncovin
- 関
- first aid step1 2006 p.84,310
特徴
構造
作用機序
- M-phase-specific alkaloids that bind to tubulin and block polymerization of microtubules so that mitotic spindle cannot form (first aid step1 2006 p.310)
適応
- part of the MOPP (Oncovin [vincristine]) regimen for lymphoma, Wilms' tumor, choriocarcinoma(first aid step1 2006 p.310)
- MAPP regimen for Hodgkin disease, ALL lymphoma, CNS tumer, sarcoma, Wilms tumor
効能又は効果
副作用
[★]
- 英
- colchicine
- ラ
- colchicinum
- 商
- コルヒチン
- 関
尿酸発作の特効薬、尿酸合成、排泄に関与しない
好中球の走化因子(LTB4,IL-8)に対する走化性低下
→炎症部位への遊走を妨げる
尿酸血症の貪食による脱顆粒の抑制
副作用
再生不良貧血、脱毛、下痢
服用
発作が起こりそうなときに飲む
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 肝臓又は腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
[★]
[★]
- 英
- polar microtubule
- 関
- 紡錘体微小管、微小管
[★]
- 英
- [[]]
- 同
- トリプレット
- 関
- [[]]
- 同
- トリプレット
[★]
- 英
- microtubule organizing center, MTOC
- 関
- 微小管
[★]
- 英
- microtubule-associated
- 関
- 微小管関連
[★]
- 英
- antimicrotubule
- 関
- 微小管毒
[★]
- 英
- duct、tube、canal、pipe
- ラ
- ductus、vas、meatus
- 関
- 水路、チューブ、導管、道管、卵管、道
[★]
- 英
- canaliculus、canaliculi、canalicular、ductular
- 関
- 管状、細管
[★]
- 英
- micro、miniature
- 関
- マイクロ、ミクロ