出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/06 12:08:33」(JST)
この項目では、薬の一つについて説明しています。創作物の用語の敵役については「敵役」をご覧ください。 |
アンタゴニスト (antagonist)とは生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどの働きを阻害する薬のこと。
拮抗薬(きっこうやく)、拮抗剤(—ざい)、拮抗物質(—ぶっしつ)、遮断薬(しゃだんやく)、ブロッカーとも呼ぶ。作用自体はないが受容体に可逆的に結合するため、濃度支配的に受容体が本来のリガンド分子と結合する部位を奪い合うことでアゴニストの作用を阻害する競合的拮抗薬(コンペティティブ・アンタゴニスト)と、受容体の結合定数に影響を及ぼしたり受容体と不可逆的に結合するなどしてアゴニストの作用を阻害する非競合的拮抗薬(ノンコンペティティブ・アンタゴニスト)がある。
アンタゴニスト存在下で、アゴニストによる濃度-作用曲線(ドーズ・レスポンスカーブ)を描かせると、競合的拮抗薬の場合では高濃度側へのカーブシフトが起こり、非競合的拮抗薬の場合は最大反応の低下が起こる。
リガンドの構造としてノルアドレナリンやドパミンなどのカテコールアミンを例に取ると、カテコール環の部位が作用発現に必要な作用基(ファンクショナル・モエティー)で、炭素鎖をもつアミンの部位が結合基(バインディング・モエティー)であると考えられる。 したがって、作用基であるカテコール環に改変を加えるとアンタゴニストとして働く場合が多い。 一方で、結合基に改変を加えると、受容体サブタイプへの選択性や作用濃度域の変化をもたらすことが多い。
南アメリカの原住民が狩猟に用いるクラーレは、アンタゴニストとして有名な例である。これらはアセチルコリンのアンタゴニストとして作用することにより骨格筋の神経伝達の遮断を引き起こすが、消化管からは吸収されないため捕獲した動物を食べる事が出来る。
この項目は、薬学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:薬学/Portal:医学と医療)。 |
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「受容体拮抗剤」「受容体遮断薬」「レセプター拮抗剤」「レセプター拮抗薬」「レセプター遮断薬」 |
拡張検索 | 「アンジオテンシン受容体拮抗薬」「アンギオテンシンII受容体拮抗薬」「βアドレナリン受容体拮抗薬」「ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬」「ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬」 |
関連記事 | 「受容体」「薬」「受容」「拮抗」「拮抗薬」 |
一般的作動薬 | 受容体 | G protein subunit | 作用 |
アドレナリン ノルアドレナリン |
α1 | Gq | 血管平滑筋収縮 |
α2 | Gi | 中枢交感神経抑制、インスリン放出抑制 | |
β1 | Gs | 心拍数増加、収縮力増加、レニン放出、脂肪分解 | |
β2 | 骨格筋筋弛緩、内臓平滑筋弛緩、気道平滑筋弛緩、グリコーゲン放出 | ||
β3 | 肥満細胞脂質分解亢進 | ||
アセチルコリン | M1 | Gq | 中枢神経 |
M2 | Gi | 心拍数低下 | |
M3 | Gq | 外分泌腺分泌亢進 | |
ドーパミン | D1 | Gs | 腎臓平滑筋弛緩 |
D2 | Gi | 神経伝達物質放出を調節 | |
ヒスタミン | H1 | Gq | 鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み |
H2 | Gs | 胃酸分泌 | |
バソプレシン | V1 | Gq | 血管平滑筋収縮 |
V2 | Gs | 腎集合管で水の透過性亢進 |
.