- 英
- pseudohyperkalemia, pseudohyperpotassemia
- 関
- 高カリウム血症
- 生体内の血清カリウムは正常であるが、血液検査上、血清カリウム濃度の見かけの上昇が見られるもの。
- ICU.534 SPE.201
- 1. 静脈穿刺時の外傷性溶血、あるいは採血後の何らかの原因による溶血
- 2. 血球成分の異常:白血球増加(5万/ul以上)、あるいは血小板増加(100万/ul以上)により採血管内で血液凝固して細胞からカリウムが漏出する場合と、細胞数が多い場合に血球分離時に細胞が崩壊しやすくなりカリウムが漏出する場合がある。
- 3. 採血献体の不適切な保存:採血後3時間放置した検体を血球分離した場合、あるいは長期間冷蔵保存した検体では、細胞内からカリウムが移動する。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 白血球増多による偽性高カリウム血症を呈し左一過性骨髄異常増殖症の1例
- 相場 佳織,杉浦 時雄,忍頂寺 毅史,野村 孝泰,幸脇 正典,小山 典久
- 日本小児科学会雑誌 114(3), 515-518, 2010-03-01
- NAID 10026277646
- 血小板増加症に併発した偽性高カリウム血症患者に対する麻酔経験
Related Links
- 実際に血液検査を行うとかなりの頻度で高カリウム血症はみられる。しかし、心電図を 行っても異常所見がみられないことがある、これらは偽性高カリウム血症と考えられて いる。原因としては採血した血液サンプルに溶血が ...
- 血液凝固時に血小板からカリウムが放出されるので,偽性高カリウム血症は血小板数 が106/μLを上回るときにも起こりうる。偽性高カリウム血症の場合は,血清カリウム濃度 とは対照的に血漿カリウム濃度(非凝固血)は基準範囲内にある。 低カリウム血症 ...
- 心不全や肝硬変を含む様々な浮腫性疾患が循環血液量増加性低ナトリウム血症を 引き起こす。まれに,ネフローゼ症候群で低ナトリウム血症がみられるが,脂質の上昇 がナトリウム測定を干渉して偽性低 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hyperkalemia
- 同
- 高K血症
- 関
- 低カリウム血症 hypokalemia、カリウム。電解質異常
定義
- 血清カリウム ≧5.5mEq/l ⇔ 基準範囲:3.4-4.5 mEq/l (臨床検査法提要第32版)
- 資料によっては血漿カリウム≧5.0mEq/l
原因
- K排泄低下、細胞内のカリウム放出、過剰摂取による。
- 低アルドステロン血症(アルドステロン分泌低下、副腎不全など)、K保持性の利尿薬の使用(スピロノラクトン、トリアムテレン)、ナトリウム欠乏(腎不全など)、低インスリン、腎尿細管障害、ACE阻害薬、インドメタシン
- 細胞内からのカリウム遊離(アシドーシス、高浸透圧、筋肉崩壊、溶血、周期性四肢麻痺、サクシニルコリン、β遮断薬など)
病態生理
- 高カリウム血症→濃度勾配に従ってカリウムが細胞内に移動→膜電位上昇→脱分極
症状
検査
心電図
- EAB.110
- 膜電位上昇→活性型のNaチャネル減少→伝導障害(0相の立ち上がりの遅延による)&活動電位の振幅減少
- テント状T(T波の増高):細胞外K濃度が高い→活性化状態にあるNaチャネルが少なく活動電位の振幅が小さい→再分極が早い
- QT短縮:細胞外K濃度が高い→静止膜電位が上昇→活性化状態にあるNaチャネルが少なく活動電位の振幅が小さい→すぐに再分極する。
- QRS波延長:(伝導速度の低下)細胞外K濃度が高い→活性化状態にあるNaチャネルが少なく、心筋細胞の脱分極第0相におけるNaの流入速度が低下→活動電位発生の時間が遷延
- QRS波振幅低下:細胞外K濃度が高い→活性化状態にあるNaチャネルが少なく、活動電位の振幅が小さくなる
- PR間隔延長:QRS波延長と同じ理由で、刺激伝導系の伝導速度が低下
- ECGP.195
- 初期:テント状T、QT短縮
- 高度:P波減高/消失、洞室調律、PR時間延長、房室内伝導障害(QRS時間延長)
血液検査
- ??????多くの場合、アシドーシスをきたす。↓pH。代償的に腎臓でのHCO3-の再吸収が亢進し↑HCO3-
治療
- グルコース・インスリンの点滴静注
- カルシウム製剤(グルコン酸カルシウム):高カリウム血症での細胞膜で起こる作用に対してカルシウムは拮抗する(低カルシウム血症では高カリウム血症における心毒性が増す)。
- 重炭酸ナトリウム
- イオン交換樹脂の内服・注腸
- 透析療法
参考
- 1. [charged]Treatment and prevention of hyperkalemia - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- anticoagulant agent、anticoagulant drug、anticoagulant
- 関
- 抗凝血、抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固、抗凝固剤、抗血液凝固薬。血液凝固阻止薬
ガイドライン
- 循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_hori_h.pdf
臨床検査の抗凝固薬
[★]
- 英
- citric acid, citrate
- 関
- クエン酸ナトリウム
COOH-CH2-C(COOH)(OH)-CH2-COOH
尿中のクエン酸
- 尿中のクエン酸は結石の形成をよぼうする作用がある
- 遠位型尿細管性アシドーシスでは近位尿細管でのクエン酸再吸収が亢進するため、低クエン酸血症となり結石の形成を促進する。
臨床関連
[★]
偽性高カリウム血症
[★]
偽性高カリウム血症
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [2]
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- pseudo
- 関
- 仮性、ニセ