- 英
- scintillating scotoma, scintillation scotoma, scintillating blind spot
- ラ
- scotoma scintillans
- 同
- flittering scotoma、閃光暗点 fortification spectra、星型閃光 teichopsia
- 関
- 暗点、中心暗点、傍中心暗点、盲点中心暗点、輪状暗点
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/01/03 11:26:45」(JST)
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閃輝暗点(せんきあんてん)とは、片頭痛の前兆現象として現れることが多い症状で、定期的に起こる場合が多い。英語名は「偏頭痛オーラ」を意味する「Migraine aura」(マイグレイン・オーラ)。Scintillating scotomaとも言う。
目次
- 1 症状
- 2 原因
- 3 療法
- 4 その他
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
症状
まず、視覚障害が起きる。突然、視野の真中あたりに、まるで太陽を直接目にした後の残像のようなキラキラした点が現れる。視界の一部がゆらゆら動きだし、物がゆがんで見えたり、目の前が真っ暗になったり、見えづらくなる。その後、みるみるうちに点は拡大していく。ドーナツ状にキラキラと光るギザギザしたガラス片や、ノコギリのふちのようなもの、あるいはジグザグ光線のような幾何学模様が稲妻のようにチカチカしながら光の波が視界の隅に広がっていく。これは無数の光輝く歯車のような点が集まり回転しているようでもあり、視界の大部分が見えなくなることもある。これらの視覚的症状は短時間に進行する。そしてこの閃光と暗点は5分から40分ぐらいで広がって、視野の外に出て消えて行く。この症状は目を閉じていても起きる。症状が治まった後、引き続いて片頭痛が始まる場合が多い。この後に頭が割れてしまいそうな激しい片頭痛が3〜4時間続き、強烈な吐き気・嘔吐などを伴うことが多い。
これら症状は若年の場合、年齢と共に回数も減りその内にほとんど起こらなくなる。
中年の場合で、閃輝性暗点だけあって、その後に頭痛を伴わない場合は、まれに脳梗塞、脳動静脈奇形、脳腫瘍や、血栓による一過性の脳循環障害が原因である可能性がある。
原因
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眼球の異常ではなく、ストレスがたまり、ホッとしたときにこの症状に見舞われることが多い。片頭痛の原因は、頭の血管が何らかの誘因で収縮し、その後異常に拡張すると共に血管壁に炎症・浮腫をおこすためと言われている。閃輝暗点が起こる原因は、脳の視覚野の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するためと考えられている。チョコレートやワインの飲食でなりやすいと言われている。
療法
閃輝性暗点が起きたら、眼科と神経内科のある総合病院で、コンピュータ断層撮影法(CT)や核磁気共鳴画像法(MRI)による精密検査を受診することが望ましい。
尚、閃輝暗点が起きてからの対症療法は、閃輝暗点中に前もって「ロキソニン」「ハイペン」などの鎮痛薬を飲んでおくと、幾分軽く済むようである。 亜鉛、カルシウム、マグネシウムのサプリメントは、閃輝暗点が起きないようにするための対処法である。
その他
芥川龍之介の作品『歯車』のなかで、龍之介が激しい頭痛と共に目にしたと記述している「歯車」はこの閃輝暗点だと言われている。
関連項目
- 眼科学
- 神経学
- 片頭痛
- 視覚障害
- 吐き気
- 嘔吐
- 炎症
- 浮腫
- 血栓
- 脳梗塞
- 脳腫瘍
- 脳動静脈奇形
- コンピュータ断層撮影(CT)
- 核磁気共鳴画像法(MRI)
- 片頭痛治療剤マクサルト
外部リンク
- 閃輝暗点イメージ動画(Youtube)
- 閃輝暗点シミュレーションFlash動画(Internetアーカイブ保管版)
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Japanese Journal
- 野上 堅太郎,谷口 省吾
- 日本ペインクリニック学会誌 17(4), 498-501, 2010
- … CTで器質的疾患は否定され,当科を紹介された.痛みは,右側の上顎臼歯部から下顎臼歯部にかけて,1日に1?2回,朝と夜に多く起こり,2?3 時間持続していた.詳細に病歴を聴取すると歯痛が起こる前に閃輝暗点が起こり,歯痛が発現した時に嘔気,光過敏,同側の流涙を伴っていた.ゾルミトリプタン2.5 mgの服用約10分後に発作は軽減し,流涙は消失した.その後,紹介した頭痛専門医による詳細な問診で,幼少期 …
- NAID 130000421197
- 内頸動脈硬化性病変と眼動脈攣縮の合併により一過性黒内障を反復したと思われる一症例
- 清水 麻衣子,杉山 哲也,張野 正誉,小嶌 祥太,池田 恒彦
- 眼科臨床紀要 = Folia Japonica de ophthalmologica clinica 1(11), 1067-1072, 2008-11-15
- NAID 10023922146
Related Links
- 高血圧 頚椎症性神経根症 開腹による胆のう摘出は該当項目をクリックして下さい。 閃輝暗点・片頭痛の対処方法〈イラストをクリックすると拡大します)
- 視野の一部がかげろうをとうして見るようにゆらゆら動きだし、突然頭の中に閃光が光って、電光のようにギザギザした光の波が四方に広がり、その内部が真っ暗になります。 そしてこの閃光と暗点は、十数分から数十分で ...
- 目の前に、きらきらとした稲妻のような光が見える「閃輝(せんき ... 血管拡張作用のある薬を使うが、毎日服用しなければならず、吐き気や目まいなどの副作用があるので、予防のために薬を用いるのが必ずしも ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 60歳の女性。めまいを主訴に来院した。
- 現病歴:昨日の午後、昼寝から起き上がろうとしたところ天井がぐるぐる回るようなめまいが出現した。横になったところ、めまいは約30秒で軽快した。その後、めまいは安静にしていると生じないが、起き上がったり寝返りを打ったりすると出現していた。今朝も同様のめまいが起こったため受診した。頭痛や難聴はない。これまでに同様の症状を経験したことはない。
- 既往歴:28歳時に腎盂腎炎。
- 家族歴:父親が脳梗塞。母親が糖尿病。
- 現症:意識は清明。身長 155cm、体重 52kg。体温 36.6℃。脈拍 84/分、整。血圧 132/78mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。皮膚に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脳神経に異常を認めず、腱反射に異常を認めない。運動麻痺、感覚異常および運動失調を認めない。
- 検査所見:血糖 98mg/dL。
- この患者に認められる可能性が高い症候はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109C027]←[国試_109]→[109C029]
[★]
- 日
- へんずつう
- 英
- migraine
- ラ
- hemicrania
- 同
- 片頭痛型血管性頭痛 vascular headache of migraine type
- 関
- 頭痛、機能性頭痛。片頭痛治療薬
[show details]
片頭痛 : 約 1,400,000 件
偏頭痛 : 約 4,050,000 件
概念
- 機能性頭痛の一種であり、拍動性頭痛が特徴的で、前兆(閃輝暗点)を伴うことがある。頭痛の持続時間は72時間以上持続することはない。片側性であることが多く、日常生活に支障をきたす中等度~重度の頭痛である。
- 家族歴がありうる → 緊張型頭痛に家族歴があることは少ない
- 日常生活が妨げられ、悪心、嘔吐、光過敏を伴う頭痛 (感度81%, 特異度75%)(めざせ外来診療の達人 第3版 p.6)
疫学
- 頻度:8.4 ← 何に対しての頻度なのか不明。
- 頭痛に対して片頭痛が占める割合は16% (Goadsby PJ:Diagnosis and management of migraine, BMJ 312:1279, 1996)
- 男女比=1:3.6
- 家族歴がある場合があり、遺伝性が示唆される。片親が片頭痛の場合、50%。
誘因
- 月経、肩こり、ストレス、睡眠不足、過眠、光、騒音など
- HBN.219
- 身体精神的因子(疲労・ストレス、およびその解放後、激しい運動、性交、睡眠不足、睡眠過多、空腹など) → ストレスが最も多い
- 食事因子(チラミンや亜硫酸塩などを含むチョコレート、コーヒー、紅茶、熟成チーズ、乳製品、香辛料、グルタミン酸ナトリウム、ナッツ、ホットドック、ソーセージ、柑橘類、海藻、飲酒など)
- 薬剤(経口避妊薬、エストロゲン療法およびその離脱、硝酸薬や降圧薬などの血管拡張薬など)
- 環境因子(入浴・冷暖房による温度差、騒音、炎天、飛行機の離着陸時の気温差、騒音、臭気など)、アレルギー性因子(アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、気管支喘息)
症状
- 周期性 月経と関連
- 頻度 数回/年~1回/週。平均月2回
- 持続時間 4-72時間
- 偏在性 60%が一側
- 部位 前頭部・側頭部の一側
- 頭痛の正常 拍動性(ないことも)
- 頭痛の程度 中程度~重度
随伴症状
増悪因子
治療
- 関
- 片頭痛治療薬
- 薬物療法:これらの薬剤は妊娠時には禁忌となるものが多い。
予防
- カルシウム拮抗薬 → 妊婦には禁忌
- β遮断薬 → 妊婦にも使用可能
- 抗うつ薬
- uptodate.4
- βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARB
- RCTによる研究結果より、βブロッカー、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、及びARBが片頭痛の予防に有効であることが示されており、このうちβブロッカーが片頭痛の予防に有効であるという最も強いエビデンスがある。一方、チアジド系利尿薬が有効であるという臨床研究のデータはない。
- 一般的に降圧治療は頭痛の予防に有効であるようである。これはβブロッカー、ACE阻害薬、ARB、チアジド系利尿薬という4種類の降圧薬を対象とした95のRCT(頭痛の有病率を含む)のメタアナリシスで示されている。
ガイドライン
- http://www.jhsnet.org/guideline.html
参考
uptodate
- 1. [charged] 頭痛、片頭痛、および脳卒中 - uptodate [1]
- 2. [charged] 成人における片頭痛の病態生理、臨床症状、および診断 - uptodate [2]
- 3. [charged] 成人における片頭痛の急性期治療 - uptodate [3]
- 4. [charged] 成人における片頭痛の予防的治療 - uptodate [4]
- 5. [charged] 小児における片頭痛の病態生理、臨床的特徴、および診断 - uptodate [5]
- 6. [charged] 小児における片頭痛の分類 - uptodate [6]
- 7. [charged] 小児における片頭痛の管理 - uptodate [7]
- 8. [charged] 脳底型片頭痛 - uptodate [8]
- 9. [charged] 慢性片頭痛 - uptodate [9]
- 10. [charged] エストロゲン関連片頭痛 - uptodate [10]
国試
[★]
- 英
- ring scotoma, annular scotoma
- 関
- 暗点、閃輝暗点、中心暗点、・形暗点、傍中心暗点、盲点中心暗点、ブエルム暗点
- 暗点が中心部を取り巻いて輪状を呈する場合。
- 中心視野と周辺視野は保たれる。
- 網膜色素変性症、進行した緑内障で見られる。
- 網膜色素変性症:本性では桿体細胞から冒されるが、同細胞は視野の20-30°に多いため輪状暗点を呈する。
- 緑内障:ブエルム暗点とは、マリオット盲点の上方または下方から10-20°の範囲で鼻側に向かう暗点であり緑内障に特徴的である。これは弓状暗点とも呼ばれる。上下の暗点が鼻側で繋がれば輪状暗点として認識される。
参考
- http://www.rightdiagnosis.com/bookimages/16/5567.1.png
国試
[★]
- 英
- central scotoma
- ラ
- scotoma centrale
- 関
- 暗点、閃輝暗点、弓形暗点、傍中心暗点、盲点中心暗点、輪状暗点
概念
原因
特徴
- 網膜脈絡膜疾患:実性暗点:暗点を自覚する
- 視神経疾患:虚性暗点:暗点を自覚しない
国試
[★]
- 英
- centrocecal scotoma, cecocentral scotoma
- 関
- 暗点、閃輝暗点、中心暗点、・形暗点、傍中心暗点、輪状暗点
[★]
- 英
- arcuate scotoma
- 関
- 暗点、閃輝暗点、中心暗点、傍中心暗点、盲点中心暗点、・状暗点、輪状暗点
[★]
- 英
- scotoma, (pl.)scotomata scotomas
- 関
- 盲点、閃輝暗点、中心暗点、弓形暗点、傍中心暗点、盲点中心暗点、輪状暗点
概念
種類
[★]
- 英
- point、spot、dot
- 関
- 指示、斑点、局所、ドット、ポイント、スポット、要点