- 英
- Venezuelan equine encephalitis virus、VEEV
- 関
- Venezuelaウマ脳炎ウイルス
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/01 23:44:34」(JST)
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透過型電子顕微鏡によるEEEの画像(倍率83900、ウイルスを赤く色分けしている)
単粒子再構成法によるWEEのモデル(解像度12Å、)
東部馬脳炎(とうぶうまのうえん、英: Eastern Equine Encephalomyelitis (EEE))とは、トガウイルス科アルファウイルス属に属する 東部ウマ脳炎ウイルス(英語: Eastern equine encephalitis virus)を病原体とする人獣共通感染症である。
近縁の西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルスも同様の感染症を起こすが、東部ウマ脳炎ウイルスが最も重篤な症状を示す。 日本では三つとも感染症法で四類感染症に、家畜伝染病予防法では日本脳炎とともに「流行性脳炎」の名で法定伝染病に指定されているが、2014年までに報告事例は無い。
目次
- 1 概要
- 1.1 西部馬脳炎(WEE)
- 1.2 ベネズエラ馬脳炎(VEE)
- 1.3 生物兵器
- 2 参考資料
概要
東部ウマ脳炎ウイルスは一本鎖(+)RNAウイルスであり、アメリカ北東部の湿地帯で蚊と小型鳥類の間を循環していて、この蚊を介してウマやヒトへの感染が成立する。ウイルス自体は両生類やは虫類からも見つかっているが、人への感染源は鳥の血を吸った蚊に限られている。 ウマでは5-14日の潜伏期を経て、発熱、食欲不振などが認められ、組織学的には非化膿性脳炎が認められる。
ヒトの場合、ほとんどは不顕性感染となる。潜伏期間は3~10日で高熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛などの症状を生じるが、1~2週間で回復することが多い。しかし、脳炎を発症した場合は重篤化し、昏睡や死亡に至る。脳炎を起こした患者の致死率は50~75%に達し、特に幼児や高齢者で死亡率が高い。神経学的後遺症が残るなど予後も悪い。
西部馬脳炎(WEE)
西部ウマ脳炎ウイルス(英語: Western equine encephalitis virus)による人獣共通感染症。 概要は東部馬脳炎に近いが、三つの中では最も症状が軽いとされる。潜伏期間は5~10日、年長者ほど回復は早く通常は5~10日で回復する。脳炎を発症した場合の致死率は8~15%。
ベネズエラ馬脳炎(VEE)
ベネズエラウマ脳炎ウイルスによる人獣共通感染症。 EEEと異なり発病率が高く、ほぼ100%に達するが重篤化することは少ない。潜伏期間は1~6日で、発熱以外に頭痛、筋肉痛、硬直などを生じる。重篤化した場合の致死率は10~20%。 南アメリカ北部(ベネズエラやコロンビアなど)の湿地帯で蚊と齧歯類の間を循環している。本来の病原性は弱いが、変異によって強毒性の流行型ウイルスが生じると、ヒトやウマ相互で感染するため大流行を引き起こす。 1962年からの大流行では3万人が感染し190人が死亡した。1969年からの大流行ではウマの被害が大きく、メキシコとテキサスで1万頭の被害が出ている。1995年には10万人が感染し300人以上が死亡している。
生物兵器
ベネズエラウマ脳炎ウイルスは感染力が強く、噴霧されたウイルスを10~100個吸入しても感染する。また、発病率も高く変異により強毒化することなどから、1950~1960年代に生物兵器として研究が進められた。 アメリカでは アメリカ合衆国生物兵器プログラム(英語: United States biological weapons program)で使われた病原体7種の一つだったが、1969年11月のニクソン大統領の指令により廃棄された。
参考資料
- 小沼操ほか編 『動物の感染症 第二版』 近代出版 2006年 ISBN 4874021239
- 厚生労働省 感染症情報
- 22 東部ウマ脳炎
- 16 西部ウマ脳炎
- 31 ベネズエラウマ脳炎
- ベネズエラ馬脳炎・東部馬脳炎・西部馬脳炎について 横浜市衛生研究所
日本の感染症法における感染症 |
一類感染症 |
エボラ出血熱 - クリミア・コンゴ出血熱 - 痘そう - 南米出血熱 - ペスト - マールブルグ病 - ラッサ熱
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二類感染症 |
急性灰白髄炎 - 結核 - ジフテリア - 重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る) - 中東呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る) - 鳥インフルエンザ (H5N1) - 鳥インフルエンザ (H7N9)
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三類感染症 |
コレラ - 細菌性赤痢 - 腸管出血性大腸菌感染症 - 腸チフス - パラチフス
|
四類感染症 |
E型肝炎 - ウエストナイル熱 - A型肝炎 - エキノコックス症 - 黄熱 - オウム病 - オムスク出血熱 - 回帰熱 - キャサヌル森林病 - Q熱 - 狂犬病 - コクシジオイデス症 - サル痘 - ジカウイルス感染症 - 重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る) - 腎症候性出血熱 - 西部ウマ脳炎 - ダニ媒介脳炎 - 炭疽 - チクングニア熱 - つつが虫病 - デング熱 - 東部ウマ脳炎 - 鳥インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H5N1及びH7N9)を除く) - ニパウイルス感染症 - 日本紅斑熱 - 日本脳炎 - ハンタウイルス - Bウイルス病 - 鼻疽 - ブルセラ症 - ベネズエラウマ脳炎 - ヘンドラウイルス感染症 - 発しんチフス - ボツリヌス症 - マラリア - 野兎病 - ライム病 - リッサウイルス感染症 - リフトバレー熱 - 類鼻疽 - レジオネラ症 - レプトスピラ症 - ロッキー山紅斑熱
|
五類感染症 |
アメーバ赤痢 - ウイルス性肝炎(E型肝炎及びA型肝炎を除く) - 急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く) - クリプトスポリジウム症 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 - 後天性免疫不全症候群 - ジアルジア症 - 先天性風しん症候群 - 梅毒 - 破傷風 - バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - バンコマイシン耐性腸球菌感染症 - 風しん - 麻しん - 侵襲性インフルエンザ菌感染症 - 侵襲性髄膜炎菌感染症 - 侵襲性肺炎球菌感染症 - RSウイルス感染症 - 咽頭結膜熱 - A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 - 感染性胃腸炎 - 水痘 - 手足口病 - 伝染性紅斑 - 突発性発しん - 百日咳 - ヘルパンギーナ - 流行性耳下腺炎 - インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く) - 急性出血性結膜炎 - 流行性角結膜炎 - 性器クラミジア感染症 - 性器ヘルペスウイルス感染症 - 尖圭コンジローマ - 淋菌感染症 - クラミジア肺炎(オウム病を除く) - 細菌性髄膜炎 - マイコプラズマ肺炎 - 無菌性髄膜炎 - ペニシリン耐性肺炎球菌感染症 - メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症 - 薬剤耐性アシネトバクター感染症 - 薬剤耐性緑膿菌感染症
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Related Links
- ベネズエラ馬脳炎ウイルスは、南アメリカの北部及びトリニダードで特有の脳炎を起こす こともあるウイルスとして知られ、また中央アメリカやメキシコ・フロリダでまれに脳炎を 起こすこともあります。ヒトやウマ・ラバ・ロバなどが感染すると重症となることがあります 。
- (1), 定義 トガウイルス科アルファウイルス属に属するベネズエラウマ脳炎ウイルス による感染症である。 (2), 臨床的特徴 自然界ではイエカとげっ歯類の間で感染環が 維持されている。ヒトへの感染もイエカの刺咬によって生じる。潜伏期間は2~5日であり 、 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Togaviridae
- 関
SMB. 453
-
-
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- 関
- VEEV
[★]
- 英
- Venezuelan equine encephalitis virus
- 関
- ベネズエラウマ脳炎ウイルス
[★]
- 関
- Venezuelan equine encephalitis virus
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
- encephalitis, cephalitis
- 関
脳炎
[★]
- 英
- horse、Equus caballus、domestic horse、equine、(aj,Latin)(ラテン語形容詞)equi
- 関
- シマウマ、ロバ、ウマ科、ラバ
[★]
- 関
- 炎光、炎症