ヒドロキシウレア
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ヒドロキシカルバミド
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
Hydroxyurea |
臨床データ |
商品名 |
ハイドレア |
AHFS/Drugs.com |
International Drug Names |
MedlinePlus |
a682004 |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- AU: Prescription Only (S4)
- CA: ℞-only
- UK: POM
- US: ℞-only
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態的データ |
代謝 |
肝臓で代謝され二酸化炭素と尿素となる |
半減期 |
2-4 hours |
排泄 |
腎臓および肺より排泄 |
識別 |
CAS番号 |
127-07-1 |
ATCコード |
L01XX05 |
PubChem |
CID 3657 |
DrugBank |
DB01005 |
ChemSpider |
3530 |
UNII |
X6Q56QN5QC |
KEGG |
D00341 |
ChEBI |
CHEBI:44423 |
ChEMBL |
CHEMBL467 |
NIAID ChemDB |
006310 |
化学的データ |
化学式 |
CH4N2O2 |
分子量 |
76.0547 g/mol |
|
InChI
-
InChI=1S/CH4N2O2/c2-1(4)3-5/h5H,(H3,2,3,4)
Key:VSNHCAURESNICA-UHFFFAOYSA-N
|
ヒドロキシカルバミド(Hydroxycarbamide あるいは Hydroxyurea ;ヒドロキシウレア、ヒドロキシ尿素とも言う)とは、1869年にドイツのDreslerらによって合成された尿素誘導体であり、代謝拮抗剤に分類される抗がん剤である。商品名は、ハイドレア(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社販売)。
目次
- 1 効能・効果
- 2 おもな副作用
- 3 作用機序
- 3.1 DNA合成阻害作用
- 3.2 DNA修復阻害作用
- 3.3 細胞周期に対する作用
- 4 パッケージ、用法
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
- 7 参考資料
- 8 脚注
効能・効果
- 慢性骨髄性白血病
- 本態性血小板血症 (平成25年3月25日、公知申請により薬事承認)[1]
- 真性多血症 (平成25年3月25日、公知申請により薬事承認)
- 日本では適応外であるが乾癬への効果も報告されている。[2] [3]
おもな副作用
骨髄抑制、間質性肺炎、皮膚潰瘍など。
作用機序
ヒドロキシカルバミドは、in vitro試験の結果から以下の3点で抗腫瘍効果を示すと考えられている。
DNA合成阻害作用
リボヌクレオチドレダクターゼ阻害により細胞内dNTP含量、特にプリン体(dATP、dGTP)含量を急激に低下させDNA合成を阻害し細胞増殖を抑制する。
DNA修復阻害作用
細胞内dNTPを枯渇化し、種々の要因により惹起されるDNA一本鎖切断の修復不全を生じさせ、最終的に細胞を致死させる。
細胞周期に対する作用
ヒドロキシカルバミドは、S期初期へ腫瘍細胞を蓄積させることが認められている。また同様の実験で、ヒドロキシカルバミドは、主にS期初期の細胞に対し殺細胞作用を示し、さらに死を免れたS期の細胞及び他の周期の細胞が同時に分裂期に入るような、周期同調作用を示すことが認められている。
パッケージ、用法
ハイドレア500mgカプセル 1シート10カプセル 判別しやすいよう派手な色のカプセルが特徴
製品化されているものは500mgカプセルで経口剤(飲み薬)であり、一日500~2000mgを1~3回に分服する。(医師の判断で増減する)
関連項目
外部リンク
- ブリストル・マイヤーズ株式会社
- ヒドロキシカルバミド研究データ
参考資料
- 『ハイドレア カプセル500mg』医薬品インタビューフォーム・新様式第2版(ブリストル・マイヤーズ)
脚注
- ^ http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/topics/110202-01.html
- ^ Sharma VK, Dutta B, Ramam M (2004). “Hydroxyurea as an alternative therapy for psoriasis”. Indian J Dermatol Venereol Leprol 70 (1): 13–7. PMID 17642550. http://www.ijdvl.com/article.asp?issn=0378-6323;year=2004;volume=70;issue=1;spage=13;epage=17;aulast=Sharma.
- ^ Rustin, MH (November 2012). “Long-term safety of biologics in the treatment of moderate-to-severe plaque psoriasis: review of current data”. Br J Dermatol 167 (Suppl 3): 3–11. doi:10.1111/j.1365-2133.2012.11208.x. PMID 23082810.
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ニワトリDT40細胞を用いたチェックポイント関連遺伝子Rad9の放射線感受性に関する検討
- 熊野 智康
- 金沢大学十全医学会雑誌 111(6), 290-299, 2002-12
- … ため,コロニー形成法を用いて各線量での生存率を求めた.Rad9-/-細胞は野生型に比し,いずれの線量でも生存率が低く高感受性を示したが,X線高感受性のATMのノックアウト細胞に比べると低かった.紫外線やヒドロキシ尿素に対してRad9-/-細胞は著明な高感受性を示した.細胞周期チェックポイントへの関与では,X線照射後の分裂係数の測定でRad9-/-細胞はATM-/-細胞と同様に細胞周期遅延の異常を認めた.Rad9は高等動物細胞におい …
- NAID 110000140475
- Fraction Collector ヒドロキシ尿素は抗ウイルス薬を増強する
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hydroxyurea, HU
- 同
- (化学名)ヒドロキシ尿素、(一般名)ヒドロキシカルバミド hydroxycarbamide、ハイドロキシウレア
- 商
- ハイドレア Hydrea, Mylocel
- ヒドロキシ尿素により胎児ヘモグロビンの増加するらしい。
[★]
- 英
- urea
- 同
- カルバミド carbamide、ウレア
- 商
- アセチロール、イソジンシュガーパスタ、ウリモックス、ウレア、ウレパール、カフコデN配合、ケラチナミン、ケラベンス、コンベルビー、ノルニチカミン、パスタロン、パステルハップ 、ビタルファ、ピロニック、プラチアミン、ブロバリン、ブロムワレリル尿素 、ベギン、ユービット、ワイドコール
- 関
- 尿素クリアランス、ウレアーゼ
O=C(NH2)2
生合成
分解
- 尿素はウレアーゼにより加水分解されて二酸化炭素とアンモニアを生じる。ヘリコバクター・ピロリ菌や尿路の細菌がウレアーゼを産生している
腎臓
- 多くの組織では浸透圧物質として無効であるが、腎臓のネフロンの多くの部位では有効な浸透圧物質である (文献名不明 p.373)
- 再吸収:近位尿細管、集合管(ADH作用時)
- 分泌 :ヘンレプールの細い部分
- GFRが低下すると血中尿素濃度と血中クレアチン濃度は上昇し、GFRが正常の1/3-1/4になると顕著となる。
腎髄質での尿濃縮機構
- 腎臓における尿の濃縮は(1)腎髄質の浸透圧勾配(NaClと尿素が形成)と(2)集合管による水透過性に支配されている。
- 尿素が腎髄質の浸透圧勾配に重要な役割を果たしている。
- シスプラチンは尿素サイクルを抑制し、尿濃縮機構を障害する。
外用薬
- 皮膚角質の水分保持力を増強させ、また角質溶解作用などにより角化皮膚をしっとりさせ、皮膚の状態を正常化させる。
- アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症、掌蹠角化症、苔癬、進行性指掌角皮症などに使用される。
- 炎症を来している部位への外用により刺激感を生じる。
- 潰瘍、びらん、創面への直接塗布は避けるようにする。
臨床関連
- GFRが低下して血中に窒素化合物が蓄積している状態
[★]
- 英
- hydroxy
- 関
- 水酸化、ハイドロキシ
[★]
- 英
- hydro
- 関
- ハイドロ